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社員一人ひとりの声を集めて作り上げた、第二創業を迎えるヒガノのオフィスリニューアル‐前編‐

第二創業を掲げ新たなステージを迎えたヒガノは、経営理念の浸透・体現をするための1つとしてオフィスリニューアルを始動。なぜオフィスリニューアルをする必要があったのかー、オフィスリニューアルの計画から実行までのプロセスやお披露目会の企画、その後実際にオフィスを利用していく中でどんな働き方の変化が出てきているのかに密着してみました。

◆プロジェクトメンバー◆                                  (左) 株式会社QUMA 企画部 / 空間運営部 責任者 竹中さん (現在:ヒガノ株式会社 社長室 室長)                                (中央)ヒガノ株式会社 営業部マーケティングチーム チームリーダー 新井さん                (右) ヒガノ株式会社 社長室マーケティング担当 加藤さん

はじめに、オフィスリニューアルはどんなきっかけから始まったのか教えてください!

加藤: 当時マーケティングをゼロから立ち上げて組織を作っていく中で社長の腹子さんから「オフィスのリニューアルをやりたいんですよね」という相談を受けた時、私も「マーケティングの役割って顧客を獲得することも大事ですが会社全体のブランドや従業員の満足度向上により社内の結束を高める『インターナルマーケティング』も大切ですよね」という話になり、プロジェクトがスタートしました。そんな背景もありオフィスのリニューアルはマーケティングの一貫として位置づけ、よくあるような決め打ちの発注先への依頼ではなく、提案ベースで発注先を選定するフェアなコンペ方式を採用することにしました。知人に紹介してもらったり、オフィスリノベーションに定評のある企業を探したりしていくつかの候補に絞りました。その後、その候補企業に対してヒガノ側もきちんと準備をし今回の趣旨についてオリエンテーションを実施したうえで、各社からオフィスプランの提案(プレゼン)をいただきました。最終的に各社の案を社内で何度もチェック・議論したうえでパートナー企業を決定しました。

オフィスリニューアルをともに考えるパートナーの選定となると決定するのも大変ですよね。その中でもQUMAさんの決め手はどんな点にありましたか?

加藤:一般的なコンペは施主の提示する要件や希望に対して、各社が図面をベースにデザインや金額の説明になりますが、クーマさんはヒガノの経営理念のところからきちんと会社というものを理解しようと努力してくださり、そのうえで「社員の方々がどのような課題を持っているのか実際に我々が直接ヒアリングして把握し、そこからヒガノさんと一緒に考えて創り上げていくスタンスで取り組ませていただきたい」という話をしてくださりました。クライアントの希望をきちんと消化し「自分事化」されていいな、と感じ非常に印象的でした。シンプルなオフィスプランの提案を超えた意外なアプローチでしたが、ヒガノ側も基本的な思想をしっかり考え基盤を作ってからオフィスプランに具現化していきたいという想いがあったので、我々としてはまさに「一緒にやっていけそうだ」と思える良い提案をいただいた、と感じたのを覚えています。

竹中:最初にご相談いただいてからご提案までの期間が非常にタイトだったので、その中でヒアリングしてプラン・見積り出すこともできましたが、どうしても軽薄なプラン提案になってしまうと感じていました。そこを嘘ついて取りに行くじゃないですけど、会社のポリシーとしてもそういうことはしたくないと思っていたので、第二創業期を迎えて理念を形にするこのヒガノさんのオフィスリニューアルを伴走するためにも、まずは理解するための時間と作りながら進めていくという時間軸の中で一緒に考えながら進めていくことが一番良いですと正直に提案しました。他社に比べるとおそらく図面も見積りも決まりきっていない状態の中でパートナーに選んでいただいたときには、何か自分たちに未来をかけてもらって選んでもらったように感じさらに身が引き締まりましたね。

オフィスリニューアルを進めるにあたり“テーマ”も重要かと思いますが、どのようにして決まったのでしょうか?テーマに込められた想いや狙いなども詳しくお伺いしたいです!

加藤:オフィスのリニューアルは企業にとって非常に重要なイベントです。単に物事を事務的に進めるのではなく、きちんとプロジェクトの目的を明確にし、社員の皆さんにとっても何のためにやっているのか分かりやすい共通認識が必要だなと感じて、竹中さんにご提案をお願いしましたね。

竹中:オフィスリニューアルというヒガノさんとしての投資になるので、高度短期の成果直結するような大目標から中長期目標までコンセプトを設定するべきかなと思っていました。テーマやコンセプト、会社のアイデンティティを表すビジュアルアイデンティティとしてのオフィス・・・1つ1つを定義して共通認識を持って進めさせていただき、過去の事例を参考にしながらテーマの案出しをして4つほどテーマを出したと思います。その中でヒガノさんから選定いただいたのが「KYOSO」。

新井:「KYOSO」というテーマはヒガノ内ではすんなり決まりました。QUMAさんたちとのMTG直後に腹子さん、加藤さんと話をして「KYOSO」が一番よかったし、今回のプロジェクトにぴったりだと意気投合したことを今でも覚えています。コミュニケーションを円滑にしていきたいという課題があったり、時代や環境に合わせて可変していくことにこだわりたい想いがあったり、あえて漢字ではなく英語表記にすることで、全社員一人ひとりにとっての「KYOSO」を見つけてもらいたいなという意味も込められると感じていましたね。

加藤:「KYOSO」は建築業界自体が「KYOSO」そのものじゃないですか。設計者がいて、メーカーがいて、建設するゼネコンがいて、職人がいて、そういうプロセスを踏まえて建物が完成し、最終的には利用する人や行き交う人がいて、コミュニティができあがっていくものだと思うので、テーマとしてピッタリだなと感じています。

新井:実はこのテーマを気に入って、ヒガノの採用ページにもそのまま使用しています(笑)。オフィスリニューアル自体は、経営理念の浸透や社員の意識改革という社内向けの取り組みですが、オフィスをリニューアルするというアクションは外部からの見え方として重要だと思いますし、これからのヒガノを一緒に盛り上げていこうという新しい仲間との出会いの場として「KYOSO」というテーマを採用にも使用することでいい効果が得られるかなと思っています。

オフィスリニューアルの計画を進める上で大切にしていたことなどあれば教えてください。また、全社員の声へ耳を傾けるためにどんなことをしましたか?

加藤:オフィスのリニューアルは、オフィスをメインで使っている事務方の社員のためのリニューアルになりがちですよね。ヒガノは1階にこの会社の根幹である製品を生み出す「モノづくり」の工場があり、2階が営業や技術、経営管理、バックオフィスの社員が働くオフィスがあります。私は電気メーカー勤務が長かったこともあり、リニューアルするにもやはりヒガノの価値を生み出してくださる工場の皆さんにとっても乖離したものではなく、全社員誰もが気軽にオフィスへ行きたくなるような、より部署を超えた交流がしやすくなるようなオフィスになってほしかったので、「全社員にとってのオフィスリニューアル」ということをすごく意識して進めていました。

竹中:QUMAとして取り組んだことは、まずは全社員向けのアンケートを新井さんと一緒に作成し結果を全て回収しました。また並行してアンケート内容を踏まえて11名の社員の方に30分ずつインタビューも実施しました。社員の方々が使うオフィスなので全社員さん意見を聞く必要があると思い、また経営側と従業員側の双方にとって心地の良いオフィスにしたいという気持ちがあったので。実際にいただいた声から採用されたものも多く、リニューアル後には社員の皆様にとって喜びには繋がっているのではないかなと感じます。全く誰の声も拾わずに勝手に進めていたらまったく違う空気になったと思うので、大切なプロセスだったなと感じていますね。

加藤:お話しいただいたプロセスは、経営側と従業員側のギャップ埋める効果が大きかったと思うので、その役割をQUMAさんに担っていただいたことはとても大きいですね。

新井:私がQUMAさんをすごいなと感じたのが、工事中でもヒガノ社員と一体感があったことですかね。工事中っていろんな業者が出入りして作業が淡々と進んでいくイメージですが、今回は知らない人が作業しているという感覚がまったくなかったです。自分たちの話をよく聞いてくれた人たちがオフィスを作っていると思うと、進んでいく工事にも興味を持つし、何か自分たちの城が出来上がっていくようなわくわく感も生まれて、社員と密に関わっていくプロセスがあったからこそだな、と実感しています。

竹中:工事中も全社員が当事者意識を持ってもらいたいなと思っていて、勝手に進んでいるプロジェクトではなく、ヒガノさん全社員にとってのプロジェクトとして認識してもらえないと成功とは言えないないですよね。そういったことも防ぎたいという意味も込めて、全社員の声を聞くことで皆さんの声を拾った上でのオフィスだということを体現していきたいと思い、やらせていただいていました。

新井:あとは定期的に月初の朝礼に来てプレゼンされていましたが、どういう意図がありましたか?

竹中:朝礼という場でみなさんに発信することで、プランのご提案や普段のヒアリングでは見られない一面を改めて確認することができると思い参加させていただきました。社員の全員の顔が実際よく見えましたし、発信に対してどんな反応するのかと1つ1つ確認することもできました。経営側がいくら当事者の従業員さんに見ているよって伝えても、伝わりきらない部分ってやっぱりあるじゃないですか。このプロジェクトでいう僕らの第三者的な立場であれば、本当に皆さんのことを思って行われているリニューアルですよっていうことを俯瞰して伝えられる立場にいると思っていましたので。

加藤:プロジェクト推進側の視点を持ちつつ、社員のことを理解して分かりやすく伝える役みたいな。あとはやっぱりQUMAさん自身がヒアリングという実務をしてくださったので、「汲み取った皆さんの声もオフィスプランの中で具現化されています」という説得力がありますよね。それをプレゼンというパフォーマンスできちんと見せていただき、さらにそれに対して社員がどう反応しているかが客観的によくわかる場となったので、コミュニケーションという観点でとてもよかったと思います。

——ありがとうございました。ここまでお読みいただいた読者の方もありがとうございます。

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