── 最初から「自分で考えて」は、さすがに無理です(笑)。
前回の記事で、
「自分で考えて動ける人と働きたい。」
と書きました。
分からないことがあれば、まず調べる。
自分なりに考える。
それでも分からなければ聞く。
指示を待つだけではなく、少しずつ自分から動く。
ここだけ読むと、
「入職初日からそれを求められるの?」
と思うかもしれません。
それは、さすがに無理です(笑)。
知らない職場に入って、
知らないシステムを使って、
知らない患者さんが来て、
10:00になった瞬間、周りがものすごい勢いで動き始める。
そんな環境で、
「はい、自分で考えて動いてください。」
と言われても困ります。
今回は、
regeに入職したら、最初の1ヶ月をどう過ごすのか。
採用・教育にも関わっている管理看護師の山下目線でご紹介します。
まずは、「何が分からないか」も分からない。
これは当たり前だと思っています。
初日は、
「この人誰だろう。」
「これはどこにあるんだろう。」
「このシステムどうやって使うの?」
「みんな何を見て動いてるの?」
そんな状態です。
特に診療が始まると、最初は驚くかもしれません。
院内チャットが飛ぶ。
スタッフが声を掛け合う。
患者さんが移動する。
先生が診察室を行き来する。
検査が入る。
電話が鳴る。
会計もある。
前回の記事でも書きましたが、
診療中は結構体育会系です(笑)。
最初から全部を理解する必要はありません。
まずは、
「regeの診療って、こうやって動いているんだ。」
を知るところから始めます。
最初は、ちゃんと教えます。
「自分で考えてほしい。」
と言っても、
何も知らない状態から自分で考えることはできません。
だから最初は、
教えてもらう。
一緒にやる。
見てもらいながらやってみる。
これが基本です。
regeでは業務マニュアルも用意しています。
以前は文章中心のマニュアルでした。
でも、
マニュアルは、あるだけでは意味がありません。
読まれなければ意味がない。
必要な時に見つからなければ意味がない。
そこで現在は、
文章だけでは分かりにくい業務には動画も使い、
動画+文章
で確認できるようにしています。
院内のシステムから、必要な時に誰でも確認できます。
「教えてもらった」で終わらせない。
私たちが教育で意識しているのは、
教えてもらった
↓
やった
↓
一人でできる
という流れです。
説明を聞いただけでは、
「できる」
とは考えていません。
一度説明を受ける。
実際にやってみる。
先輩に確認してもらう。
もう一度やる。
そして、一人でできるようになる。
チェックリストも使いながら、
今、どこまでできるようになっているのか
を確認していきます。
1週目|まずは、診療の流れを知る。
最初の1週間は、
「全部覚えよう!」
としなくて大丈夫です。
むしろ、
全体を見ること。
患者さんが来院してから、どう動くのか。
問診はどこでするのか。
診察の前に何を準備するのか。
検査はどう進むのか。
先生はどのタイミングで呼ばれるのか。
会計までどうつながるのか。
誰が、どこで、何をしているのか。
まずはこの流れを知ってもらいます。
regeはマルチタスクなので、
一つの業務だけ覚えても、診療全体が見えないとなかなか動けません。
最初は、
「今、何が起きているのかを見る。」
それだけでも十分です。
2週目|少しずつ、自分でやってみる。
流れが少し見えてきたら、
できる業務から実際にやってみます。
もちろん、いきなり一人にはしません。
「これ一緒にやってみよう。」
「次はやってみて。」
「ここだけ確認するね。」
そんな感じで、少しずつ任せていきます。
間違えることもあります。
忘れることもあります。
それは普通です。
大切なのは、
分からないまま進めないこと。
患者さんの安全に関わること。
判断に迷うこと。
自信がないこと。
これは、すぐに聞いてください。
3週目|「次、何をすればいいですか?」から少し卒業する。
少し慣れてくると、
周りが見え始めます。
「あ、この患者さん次は検査だ。」
「この部屋、そろそろ使いそう。」
「先生、次こっちだな。」
最初は、
「次、何をすればいいですか?」
で大丈夫です。
でも少しずつ、
「次これやっておきますね。」
に変わっていってほしい。
ここから、regeで大切にしている
“自分で考えて動く”
が始まります。
でも、「自分で考える=勝手にやる」ではありません。
ここはかなり大切です。
自分で考えて動けるようになってきても、
独断で何でも進めていいわけではありません。
「こうした方が良さそう。」
と思ったら、共有する。
「私はこう思うんですが、合っていますか?」
と確認する。
必要なら相談する。
特に医療では、
自走することと、独断で動くことは別です。
regeでは院内チャットもかなり使います。
誰か一人だけが情報を持っている状態にしない。
情報は個人のものではなく、チーム全員のもの。
これは新人でも同じです。
4週目|一人でできる仕事を増やしていく。
1ヶ月くらい経つと、
少しずつ一人でできる業務が増えてきます。
もちろん、1ヶ月ですべてできる必要はありません。
経験によっても違います。
職種によっても違います。
得意不得意もあります。
だから、
「1ヶ月でここまで絶対にできなければダメ。」
という考え方ではありません。
ただ、
教えてもらったことを振り返る。
分からなければマニュアルを見る。
自分で調べる。
やってみる。
必要なら聞く。
少しずつ、
誰かに聞かなくてもできることを増やしていく。
そんな1ヶ月になればいいと思っています。
「分かりません」は、悪い言葉ではありません。
ただし、少しだけ条件があります。
入職したばかりの時は、もちろん何でも聞いてください。
でも慣れてきたら、
分からないことが出てきた時に、
まずマニュアルを見る。
過去の情報を確認する。
自分で調べる。
少し考えてみる。
その上で、
「ここまで調べたんですが、ここが分かりません。」
と言ってほしいと思っています。
これなら、いくらでも一緒に考えられます。
逆に、
何も調べずに毎回、
「分かりません。教えてください。」
では、自分でできることはなかなか増えません。
目指しているのは、
「何でも一人でできる人」ではなく、
「自分で答えを探せる人」。
そして、
分からなければちゃんと助けを求められる人です。
教える側も、まだ改善中です。
ここまで書くと、
ものすごく完成された教育制度があるように見えるかもしれません。
正直、
まだ改善中です。
「このマニュアル分かりにくいね。」
「ここ動画にした方がよくない?」
「この順番で教えた方が覚えやすそう。」
新人が入るたびに、気付くことがあります。
そして、そのたびに変えています。
新人が、
「ここ分かりにくかったです。」
と言ってくれることも、すごく大事です。
ずっと働いているスタッフには、
もう当たり前になっていて気付けないこと
があるからです。
新人だからこそ見えるものがあります。
新人も、クリニックをつくる側です。
最初の1ヶ月は、
もちろん教えてもらうことの方が多いです。
でも、
ずっと「教えてもらう側」でいる必要はありません。
「この説明、分かりにくかったです。」
「ここ探すのに時間かかりました。」
「前の職場ではこうしていました。」
そんな意見があれば、言ってほしい。
良ければ変えます。
やってみてダメなら、また変えます(笑)。
新人だから意見を言ってはいけない、ということはありません。
むしろ、
入ったばかりだからこそ気付けることを教えてほしいと思っています。
1ヶ月後に、こうなっていたら嬉しい。
全部の仕事ができる。
何でも一人で判断できる。
そんなことは求めていません。
1ヶ月後、
最初より少し周りが見える。
できる仕事が増えた。
分からないことを自分で調べられるようになった。
それでも分からなければ聞ける。
忙しい時に、
「何かやることありますか?」
ではなく、
「こっちやりますね。」
が少しずつ出てくる。
そして診療がうまく回った日に、
みんなと一緒に、
「今日、めっちゃ回ったね!」👏
と言っている。
そこまでいったら、
だいぶregeに馴染んできた証拠かもしれません(笑)。
最初から、できる人を探しているわけではありません。
採用していると、
「足の経験がないんですが大丈夫ですか?」
「クリニック勤務が初めてです。」
と聞かれることがあります。
経験はもちろん強みです。
でも、
最初から全部できることより、
教えてもらったことを自分のものにしていけること。
分からないことを調べられること。
考えられること。
相談できること。
そして、少しずつ自分から動けるようになること。
私たちは、そちらを大切にしています。
だから、
「今できるか」だけではなく、
「ここに入ってからどう成長していけそうか」。
そんなところも見ながら採用しています。
入職初日から体育会系の診療を完璧に走れる人なんていません(笑)。
最初は横で見て、一緒に走る。
少しずつ自分で走れるようになる。
そしていつか、
新しく入った人に、
「最初は何が起きてるか全然分からないですよね(笑)。」
と言いながら教える側になってもらえたら嬉しいです。