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ヤフーの元開発部部長がスタートアップで挑む、ゼロからのゲーム作り

エンジニア一筋、44歳。

これまで計4社、20年以上のキャリアを積み重ねてきた百戦錬磨の技術者が、5社目の企業として選んだのは、創業2年も経たない社員数1ケタのゲーム開発会社でした。

株式会社JOROのチーフエンジニア、倉 大輔。

滋賀と東京を往復する生活を送りながら、レッドオーシャンと化したスマホゲーム市場で下剋上を目論むJOROの、ゲーム開発を牽引しています。

今回はそんな倉に、一体どういう経緯、どういった目的でJOROへとジョインすることになったのか、インタビューさせてもらいました。


過酷な環境で必死に身につけた、開発スキル

──倉さんが最初に働いた会社は、どういう経緯で入社されたんですか?

倉:専門学校のときにお世話になった講師の方が会社を興すということで、一緒に働かせてもらうことになりました。ゲームを作る会社だったんですけど、当時って今と違ってようやくインターネットを使ったオンラインゲームが海外で登場してきたかな?という時期でしたね。

──たしかに、20年以上も前ですもんね。

倉:当時の日本のゲーム市場はコンシューマ機主体で、本当に資本力のある大手企業しかなかなかオリジナルゲームを出せないような時代でした。だからお金のないほとんどのベンチャーは、大手の下請けをするしかなかったんですよね。今でこそスマートホンの登場で、小さな会社や個人がゲームを作って売ることもできますけど。

──いまJOROがスタートアップとして自社ゲームを開発している状況とは、全然違いますね...。

倉:そうですね。当時は労働環境もかなり過酷なものでした。ただ私も若かったので、寝る間も惜しんでひたすら仕事をしていましたね。本当にゲームに関わるプログラミングは、何でもやりました。ただやはり10年近くも同じ環境でゲームプログラミングをしていると、仕事もルーチン化して刺激も感じなくなっていくんですよね。そして一息ついたタイミングで、一旦ソフトウェアのみのゲーム開発からは離れることにしたんです。

──それで2社目の企業へ、転職されたんですね。

倉:はい。次は同じゲームでも、ハードウェアから開発している会社へ行きました。子ども向けのデジタル玩具なんかを作っていましたね。たとえばコンシューマゲームのソフトを開発する場合、ゲーム機の性能内に収めなきゃいけないって制約があるじゃないですか?

──たしかに、「テレビ」や「コントローラー」っていうハードに影響を受けますね。

倉:そこで面白かったのは、ハードから開発している会社だとそのあたりの制約があまりないということでした。いろんなセンサーを取り付けてオリジナルのインターフェイスをつくったりと、かなり発想の幅が広がりました。「ああ、ユーザーに面白さを届けるのに決まった形はないんだな」と。そのあとに3社目として、ヤフーへ入社しました。


新生ヤフーの組織改革で身に着けた、マネジメントスキル

──ヤフーへ転職されたのは、どういう理由だったんですか?

倉:それまでの仕事で、数多くの衝突や事件を目にしてきました。開発会社には多いのですが、私自身もですがおおよそ「マネジメント」についての意識も技術も欠如していて、仕事はとにかく「技術力が大事」「こだわりが大事」といったような、視野の狭い働き方をしてきました。

──ゲーム会社みたいなクリエイターがたくさんいる組織だと、余計にみなさんそれぞれのこだわりが強そうですね…。

倉:そうですね。こだわること自体は大事なのですが「何か違うな…」という感覚はずっともっていました。ヤフーって、IT業界のリーディングカンパニーじゃないですか。そんな企業がどういう組織づくりをして業界のトップを走っているのか?ってことに、非常に興味がありましたね。ゲーム業界以外を経験してみたかったというのもあります。そんな中、大阪にヤフーが支社をたちあげるという話を耳にして、転職したというのが経緯です。

──それがいつごろの話ですか?

倉:2012年くらいですね。今は東京の副知事をやっておられる宮坂さんが、ちょうどヤフーのCEOになるタイミングでした。宮坂さんが代表になって、スマホ時代に適合したスピード感のある組織を目指して改革をしていこうというときに、私もリーダーとしてジョインして最終的には開発部の部長として、一緒にお仕事をさせてもらっていました。

──たしかに外から見ていても、宮坂さんが代表になってから、ヤフーがまた一段とパワーアップしたなという印象がありました。

倉:評価制度の改革、組織体制の改革、人材育成の強化、働き方の改革と、本当にドラスティックな改革が多く慣行されました。当時人事トップの本間さんという方が「いまこの時期にヤフーの管理職としてついてくることができたらマネジメントに自信をもって良い」と言っておられましたが本当にそう思います(笑)、いまリンクトインの日本代表をしておられる村上さんや、ヤフーアカデミアの学長をされている伊藤羊一さん、そのほか色々な方々から本当に多くの刺激をいただきました。


自分たちの手で、ゼロからゲームと会社をつくる

──それからJOROのひとつ前の会社であるHappy Elements(ハッピーエレメンツ)は、どういう経緯で働くことになったんですか?

倉:組織改革が大体落ち着いて、また会社の体制が変わるタイミングで、私もそろそろゲーム業界へ戻ろうかなと考えました。そこでまだ経験していなかったソーシャルゲームの開発運用ができる会社ということで、Happy Elementsを見つけたんです。

──そこで、いまJOROの代表をしている松田さんとも出会うんですね。

倉:はい。彼も当時Happy Elementsに所属していて、彼がプロジェクトのリーダー、私がそのプロジェクトの開発部門のリーダーという関係でした。

──松田さんとは、どういう形で再会されたんですか?

倉:私よりも前にHappy Elementsを辞めていた松田が、東京でなにやらやってるらしいぞと聞きまして(笑)。それで話を聞いてみたら、面白そうだと思って。私はいままでずっと関西で働いてきて、いまも家は滋賀にあるんですけど滋賀と東京を毎週往復しながら、JOROで働くことになりました。

──倉さんが感じた、JOROの大きな魅力はなんですか?

倉:やっぱり、ひとつはゲーム開発をゼロから自分たちでできるところですね。いまスマホゲーム市場はとても競争が激しくて、20年前とは違う意味で、大手以外は参入しにくいような状況なんです。ただ大手のゲーム作りのほとんどは大人数での分業制なので、関われるのは極一部の機能だけ、みたいなことが多いんですよね。

──たしかに、それだと「自分がこのゲームを作った感!」みたいなものが、あんまりないかもしれないですね...。

倉:それに歴史があったり大きな企業になるほど、組織体制も固まっていますので。本当の意味で「ゼロからゲームも会社もつくり上げることができる」という点で、JOROは面白そうだなと思いました。こういうチャレンジができる環境というのは、なかなかありませんね。


チャレンジできる風通しの良い環境

──スタートアップへの転職というのは、相当大きなな決断ですよね?

倉:そうですね、沢山の方々から正気ですか?というありがたい言葉をいただきました(笑)

──それでもスタートアップを選択した決定打はなんだったんですか?

倉:やはり、人間が成長するためには挑戦するということが不可欠だと考えています。おそらく安定の方向に舵を切っていたら、私は思考を停止してぼんやりと仕事をする人間になっていたように思います。これはヤフーの標語になっていたのですが「迷ったらワイルド」な方を選ぶ。

もちろん大企業でキャリアアップをはかるのもチャレンジだとは思いますが、私の場合はスタートアップでゲームや会社を作りあげるチャレンジの方が、より魅力的だったということですね。もちろんリスクもありますので、どちらが正しいというものではないとは思いますけど。

──実際に今の職場環境をどう感じられていますか?

倉:いろいろな意味で問題も多く、とてもチャレンジングです(笑)それでもフラットな風通しの良い組織ですので皆で1つ1つ解決していっていますし、その過程で成長も感じられます。また、私の場合は滋賀と東京を行き来して勤務させてもらっていますし、かなりフレキシブルな働き方ができるのはとても良いですね。


世の中を熱狂させるコンテンツを創る

──では最後に、これからJOROがゲーム開発を加速させていくにあたって、どういう人と一緒に働いていきたいですか?

倉:「常に目的を忘れず、技術やこだわりをそのために活かせる人」ですかね。特にゲーム会社に勤めていると視野が狭くなりがちです。例えばJOROでは「世の中を熱狂させるコンテンツを創る」というのを目的にしていますので、それを第一に考えて行動できる方と仕事をしたいですね。

──「技術」や「こだわり」よりも優先すべきは「世の中を熱狂させるコンテンツを創る」ってことですね。

倉:例えばエンジニアの場合、本来は道具である「技術」を習得して使うことを優先してしまう方が多いですね。これがプランナーの場合は「自分のこだわりを通すこと」だったりしますし、クリエイティブならば「自分の好きな絵を描きたい」だったりします。もちろん「技術」や「こだわり」はとても大事で必要なものです。ただそれがしっかりと目的につながっているならば良いのですが、独りよがりになると当然チーム内でも不毛な衝突が起こります。

そして結果としてチームが瓦解するか、ユーザー不在のプロダクトになってしまいます。結局、私が以前悩んでいた社員同士の不毛な衝突も、全員が目的を共有せず違う方向を向いていたことに起因していました。それぞれの社員が自分のやりたいことをやるのが一番と考えていたら、そりゃ衝突もしますしチームで良いモノづくりはできませんよね。

──本来の目的を、常に念頭に置いておくことが大事なんですね。

倉:はい。目的や理念、ビジョンといったものを明確に掲げていない会社も多いですが、JOROは「世の中を熱狂させるコンテンツを創る」という目的を掲げています。それに共感する社員が、高い専門性や強いこだわりを活かすことができれば、JOROは目的に向かって前進していけると考えています。


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