インタビュー:イオンネクスト株式会社 取締役人事部長 松村宏一
イオンネクストが2023年に開業予定の「ネットスーパー」。その前例のない計画を縁の下の力持ちとして支えているのが人事部だ。本企画の第4弾では、人事部門として採用にも深く関わる同部の松村宏一部長に、イオングループで初となるジョブ型雇用をはじめとした当社の人材採用のポイント、そして社内に流れる特徴的な気風などについて聞いた。
ポテンシャルを重視するイオンネクストの人材採用
2019年12月20日に設立したイオンネクストは、200名を超える組織に成長しました。ここ1年ほどで社員数は大幅に増加しましたが、2023年に予定している事業の本格稼働に向けて人員増強を続けています。社員の内訳はイオングループの各社から公募に手を挙げて参加した者が5割、社外から転職してきた者が5割の割合となっています。
イオンネクストでは9つのカルチャーを掲げており、そのひとつがポテンシャル採用です。当社はイオングループの100%出資子会社ですが、グループの内外を問わずに情熱を持ったプロフェッショナル人材を積極採用しています。いろいろな経験と価値観を持つ人が集まっていますが、共通点は当社が創ろうとしている未来に共感し、チャレンジを求めて当社を志望してくれたことです。
より豊かな社会をつくるための組織編成とジョブ型雇用
イオンネクストには13の部門があります。商品部、マーケティング部、営業戦略部、経営企画部、IT部、開発部、建設部、CFCオペレーション部、カスタマーサービス部、財務部、経理部、人事部、総務部というそれぞれの組織にスペシャリストが集まっています。まだ誰も見たことがないネットスーパーをかたちにすることで、より豊かな社会を目指し互いに協力しあい各部署が邁進しています。
イオンネクストの組織づくりで画期的なのは、ジョブ型雇用による採用です。親会社であるイオングループ各社では新卒採用が多く、本人の志望や適性を見て配属先を決めるメンバーシップ型雇用が主体でした。その中でイオンネクストのジョブ型雇用は、グループ内でも新しい取り組みとなっています。
新規事業会社において新しい価値を創造するためには、イオングループがこれまで経験したことがない様々な挑戦が求められます。失敗をおそれず、果敢に挑戦することで未来を切り開いていく組織は、それを支えるメンバーの力で成り立ちます。イオンネクストに参加してくれた社員一人ひとりが自身の持つ能力を発揮し、ポテンシャルを高めていくことが結果的に企業の成長につながっていく。そのためには職務価値を評価し、適正処遇を行うジョブ型雇用が最適だと考えました。
私たちはイオングループの価値観だけにとらわれない、様々なスキルと経験を持つ人材が集うハイブリッド型組織を目指しています。
現在はビジョン・ミッション・バリュー、そしてカルチャーなど、会社として変えないことをコアに持ちながら、進化を続ける過程にあります。組織づくりを行う人事の立場としては、社外から転職されてきた人の意見を積極的に聞き、よいものは採用していくフラットな視点を意識しています。
フラットに意見が言い合える、自由な社風と充実した制度
社内は様々な専門性を持つ人材が集まったフラットな組織になっています。「イオングループの人と社外からきた人、両者の間に壁があるのでは?」と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、壁はありません。
なぜならイオングループから異動してきた人は、ほぼ初対面なので、みなイオン以外から入社した方々と同じスタートになっています。
社内では相手を理解して尊重し、批判することなく自由に意見を言い合える信頼関係が醸成されていると思います。部門間の協力も盛んで、部門の壁を超えたタスクフォースも複数結成され、メンバー同士が協力しながら課題に取り組んでいます。
イオングループの100%子会社であるイオンネクストでは、福利厚生はイオングループに準じていますので、大企業ならではの充実した制度を活用することができます。教育制度についても同様で、イオングループが持つ様々なインフラやツールを利用可能です。
今後はイオンネクストのスペシャリスト人材に合わせた、独自の人材育成制度も開発していきたいと考えています。従来の研修制度のような会社が多数の社員に向けて一方的に提供する教育ではなく、自身の専門性を高める自己学習を応援するような新たな仕組みを目指しています。
創業期のダイナミズムを共に体験してくれる意欲あふれる仲間を歓迎
現在も各部門の採用を強化しています。どの部署であっても、これからの入社は創業メンバーの1人として事業に携わる貴重な経験ができます。創業期のイオンネクストで働くということは、ネットスーパーの未来を創るという大きな夢に携わり、足跡を残せる仕事です。事業立ち上げという貴重な経験は、仕事の幅を大きく広げていけると思います。
私たちがつくるネットスーパーには、ロボットやAIといった先進技術がふんだんに導入されています。一見、無機質な事業にみえるかもしれませんが、いつの時代も夢を実現するのは人です。だからこそ人の力や個性を尊重し、皆が活躍できる組織を創っていきたいですね。私たちと一緒に、夢をかたちにしていく仲間を心から歓迎します。
プロフィール
松村宏一
1994年株式会社ダイエーに入社。5年間店舗の現場を担当した後、人事業務全般に携わる。2013年ダイエーがイオングループに入り、イオン株式会社のグループ人事企画に。2016年から5年間ダイエーの常勤監査役を勤め、2021年にイオンネクストへ。東京都出身。趣味は旅行と花火鑑賞。