― 村田憲昭が金融の現場で見てきたこと
野村證券でリテールと投資銀行部門を経験し、 その後、保険・IFAの現場へ。
金融業界の最前線で15年間、 4つの異なる環境を経験してきた村田。
なぜ彼は、Financial Escortを立ち上げたのか。 これまでのキャリアと、金融業界への違和感、そして大切にしている価値観について話を聞きました。
1. キャリアの出発点は、野村證券だった
村田: 2018年に約10年間勤めた野村證券を退職しました。
その後、ベンチャーIFAへ入社し、代表取締役社長を経験。
MBOによってオーナー経営者になりました。
金融業界の最前線で、 これまで15年間、4つの異なる環境に身を置いてきました。
大学時代、 「どうせなら最前線で営業の経験を積もう」と考え、
業界最大手の野村證券に入社しました。
業界最高峰のブランドの中で、 一人のビジネスパーソンとして仕事のなんたるかを叩き込まれたことは、 本当に有難い経験だったと思っています。
野村では約10年の間に、リテールと投資銀行部門を経験し、
富裕層から上場企業まで担当させていただき、 一人の人間として成長させていただきました。
2. 順調ではなかった、最初の2年間
村田: ただ、はじめから順調だったわけではありません。
やる気に満ち溢れていたものの、 当初は全く芽が出ませんでした。
「頑張っているけど成果が出ない奴」 まさにそんな状態だったと思います。
野村證券での支店営業は丸4年。
最高の先輩と環境に恵まれた時間でした。
ただ、そのうちの最初の2年間は、 結果が出ない苦しい時期でした。
3. 転機となった「覚悟」と「準備」
村田: 大きな転機となったのは、 “覚悟”と“準備”でした。
もともと野村證券には、「定年まではいない。営業力をつけて独立しよう」
という気持ちで入社していました。
ただ、2年間結果が出なかったときに、 営業中にふと気づいたんです。
「与えられた環境で成果を出せなければ、どこでも無理じゃないか」
梅田の雑居ビルの階段で、「絶対結果を出してやる」
と決意したことを覚えています。覚悟が決まると、見える世界が180度変わりました。
礼儀、品格、話し方、聴き方、声のトーン、 毎日の過ごし方。
すべてが気になり始める。
野村證券で有名な言葉に 「数字は人格だ」というものがあります。
今では、「全人格が数字に直結する仕事」だと思っています。
4. “準備”にすべてが出る
もう一つ大きかったのが、“準備”です。
飛び込み営業であれば、
・出会えた瞬間の一言目(10秒、30秒、1分Ver.)
・着席できたときの一言目
・ヒアリング内容
・提案の流れ
すべて事前に準備していました。
アポ面談でも同じです。
・前回面談の復習
・お客様の情報収集
・質問の想定
・資料準備
正直、最初は膨大でしんどいです。
ただ、準備した内容は確実に血肉になります。
面談を重ねるほど負担は軽減され、
レベルは確実に上がっていきました。
いま思えば、私が見てきた全国有数のトップセールスは、
例外なく“準備”に異常なこだわりがありました。
一つ印象的だった出来事があります。
トップセールスの方に同伴外交(≒同行)させてもらったときのことです。
電車に乗り込んだ瞬間から、
その方は私に脇目もふらず、ずっと何かをブツブツと話していました。
車内でずっと窓を見つめながら、
これからの面談のシミュレーションをしていたんです。
その方は、成果はもちろんのこと、
お客様からの信頼も抜群でした。
その姿を見て、
“準備の質が、そのまま結果と信頼に直結する”
ということを強く実感しました。
5. 師匠からの言葉
ご存知の方もいらっしゃると思いますが野村證券にはインストラクター制度があり、
新人は師匠について鍛えられます。
その中で、今でも強く残っている言葉があります。
「この目標は絶対こだわれよ」そしてその後に続いたのが、
「でも、お客様を守れるのはお前だけだからな」
この言葉は、今の仕事の原点になっています。
会社の方針や商品はある。
ただ、その中で お客様にとって本当に意味のある提案ができるかは、
担当者次第です。
6. 経験を重ねる中で感じた違和感
村田:
その後、投資銀行、保険、IFAと経験を重ねる中で、
徐々に感じるようになったことがあります。
本来一つであるはずのものが、 金融の現場では分断されている。
それぞれの領域では正しいことをやっているはずなのに、
全体で見ると最適ではない。
この違和感が、 少しずつ積み重なっていきました。
7. だから、Financial Escortを立ち上げた
村田:
これまで、野村證券のリテール、投資銀行、保険代理店、IFAと、
金融業界の中でも異なる立場や役割を経験してきました。
その中で一貫して感じていたのは、
本来つながっているはずのものが、金融の現場では分断されているということです。
たとえば、法人の財務と個人の資産。 ライフプランと資産運用。
コンサルティングと、その後の実行支援。
それぞれの領域ごとに専門家がいて、
部分ごとに見れば適切な提案がされていることも多い。
ただ、全体で見たときに、
必ずしもお客様にとって最適な状態になっているとは限りませんでした。
私は、そのズレにずっと違和感を持っていました。
お客様にとって本当に必要なのは、
一つひとつの領域をバラバラに支援することではなく、
人生と事業を一体で捉えながら、長期で伴走する存在
なのではないかと考えるようになったんです。
私たちが目指しているのは、
単なる金融商品に詳しい「資産運用アドバイザー」ではありません。
お客様の想いを実現する、「資産管理アドバイザー」です。
相場が上がっているときだけでなく、
下がったとき、不安なとき、判断に迷うときにこそ、
逃げずに向き合い、考え抜き、共に答えを探す。
お客様が物語の主人公として、
常に前を向いて歩み続けるために。
私たちは、
「背中を預けられる存在」でありたい
と考えています。
Financial Escortは、
単に金融商品を提案する会社ではありません。
お客様の人生や事業に深く向き合い、
法人と個人、FPと投資アドバイザー、提案と実行、
そうした分断をつなぎながら、
全体としての最適を一緒に考えていく存在でありたいと思っています。
その在り方を、本気で形にしたい。
そう考えて、Financial Escortを立ち上げました。
金融の仕事は、本来とても価値のある仕事です。
ただ、その価値を十分に発揮できているかというと、
まだ課題も多い。
だからこそ、
この在り方に共感してくれる方と一緒に、
新しいスタンダードをつくっていきたいと思っています。
次の記事では、
今回は、私たちが日々の仕事の中で大切にしている
仕事観についてお話しします。