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スムーズな連携のカギは「お互いを理解し、橋を架けること」サービスを世に出すために並走する、UXデザイナー×BizDev

UXデザイナーがユーザーを起点にサービスを構想・設計し、ビジネスディベロップメント(以下、BizDev)がその視点を生かしながら、実現可能性を探りつつ事業を企画し、実現に向けた計画にまで落とし込んでいく。両者のスムーズな連携を生み出すために意識しているのは、「お互いを理解する」「目線を合わせる」「橋をかけあう」こと——。UXデザイナーの富岡香(写真・左)と川田智子(写真・右)、BizDev中野尚志は、口々にそう語ります。ふだん、両者がどのように業務連携を行っているか、ともに働くうえで大切にしている思いとは。3名に聞きました。

※記載内容は記事作成時点(2022年3月)の内容です。

トヨタコネクティッドが持つアセットやサービスに魅力を感じて参画

——はじめに、みなさんのこれまでのキャリアを教えてください。

富岡:東京の美術大学を卒業後に3Dアーティストとして関西の大手ゲーム会社に入社し、3Dのモデルやアニメーション、UIデザインなどグラフィックの部分でゲーム制作に携わっていました。10年ほどキャリアを積む中で「UXデザイン」という言葉が流行り始めて、興味を持ってUX京都という勉強会に参加したんです。

そのゲーム会社では家庭用据え置きゲーム機のハード自体のユーザー体験から遡ってハード自体の特性をも創造するプロジェクトにも関わったのですが、これがまさに個人的に勉強してきたUXデザインでした。このプロジェクトに関わったことでUXデザイナーになる決意をしましたね。

川田:私は新卒でベンチャー企業に入り、バックオフィスからキャリアをスタートしているんです。総務や経理、労務、イベントの企画など、裏方の仕事をしていました。その会社で3〜4年働いていましたが、もともと雑誌の編集がしたいと思っていたこともあり、転職活動を始めました。

ところが、東日本大震災が起こって内定が取り消しになってしまって……。そこで、前職で上司だった方が立ち上げた会社に入社して、営業やコンテンツディレクションの経験を経て、デジタルマーケティングを支援する企業に転職しました。

そこでは社会課題をテーマにしたオウンドメディアの企画・編集に携わっていましたが、「ユーザーの声を元にメディアのメッセージを考えていく」点からユーザーリサーチに興味を持つようになり、デジタルマーケティング支援からデザインコンサルティングの領域にジョブチェンジしました。課題に対してデザインの力でどうアプローチしていくか、さまざまなプロジェクトでのチャレンジを経て、トヨタコネクティッドに参画しました。

中野:私は新卒で広告代理店に入りました。そこで通販メーカーの広告や販売戦略支援などをしたあと、キャリアの幅を広げたいと考えてハウスエージェンシーに転職します。クライアント企業とともにベースの戦略を考えるといった業務に7年ほど携わっていく中で、縁あってライフスタイルを提案する事業会社に入社しました。

事業会社では、主に店舗とデジタルを融合したサービスの展開事業と、オンラインサービスの事業開発に関わっておりました。店舗というリアルなアセットにデジタルなツールを組み合わせていくのはおもしろく、やりがいがありましたね。その後、オンラインの動画配信をする事業部に配属になり、マーケティングと事業企画のチームを経て、トヨタコネクティッドに入社しました。

——さまざまなキャリアを経て、トヨタコネクティッドに入社することになったきっかけはなんだったのでしょうか。

富岡:東京にもどってきてからは複数の会社で、新規事業の企画から立ち上げ、5,000万人規模の大きなサービスのグロースや改修など、さまざまな事業フェーズを経験しましたが、あるとき「自分はずっと架空のものばかり作っているのではないか」という危機感を持ちました。デジタルのものを作るだけでなく実際に手で触れられるプロダクトを開発したいと思ったことが、トヨタコネクティッドに入社するきっかけです。車は触れられますからね。

川田:私は、前職でさまざまな企業様の新規サービスを生み出す仕事に携わっていました。リサーチを起点にサービスのドラフトを作るところまではできても、社会実装できる機会には恵まれず、その先まで推進できるようになりたいと、インハウスへの転職を考えるようになりました。

もともと社会インフラ領域、人の生活を下支えする企業に関心があって。その中でもトヨタグループは完成したメーカーというイメージがありましたが、街作りにもチャレンジしているところにも興味を持ったことと、ゼロから社会実装まで幅広く携わりたいとトヨタコネクティッドを選びました。

中野:2020年1月に行われたCES(米国ラスベガスで開かれる家電の見本市)に参加したのですが、そのときトヨタがWoven Cityを、SONYがVisionSを発表するのを見て、日本が唯一世界で戦えるジャンルはモビリティ領域だと思ったことが大きいですね。モビリティサービスの分野で事業企画のスキルを上げたいと漠然と思っていたところに、自分の付き合いの中でトヨタコネクティッドを紹介されて、参画を決めました。

UXデザイナーが具現化したサービスを世に出すために、BizDevとともに実現可能性を測る

——現在、みなさんはどんな業務に取り組んでいますか?

富岡:私は3つのプロジェクトに関わっています。1つ目が、次世代の車載器に関する試験研究です。未来のカーナビにはどんな機能が必要か調査をしています。2つ目が、トヨタのグループ会社と協力して、「お出かけ」をテーマにしたサービスの開発を行っています。3つ目は少し変わったプロジェクトで、洋菓子の販売促進に関する体験設計をしています。

川田:私は2つですね。1つは、お台場にあるトヨタの体験型テーマパーク「MEGA WEB」の跡地を使った都市開発のプロジェクトです。そこにUXデザイナーとして参画して、ユーザーリサーチやその他のサービスデザインをしています。

もう1つが、グループ会社やコラボレーターと共に地域創生の文脈で新しいサービスを検討するプロジェクトです。課題の探索から始まって、ユーザーインタビューをしたり、現地調査をしたり。今後は候補となる地域に赴き、どう検証していくかを検討するフェーズに入ります。

中野:現在は、トヨタ自動車と一緒に新しいモビリティのサービスを考えています。新型車両や先進技術を取り入れて、テストコースの先で社会とどう接触させるか、サービスの設計や事業企画をしています。一部、川田さんと同じお台場のプロジェクトにも携わっていますね。

——そうした業務を、どのようなプロセスで進めているのでしょうか。

川田:まず、フィールドワークなどのリサーチから得られた課題をもとに、新しいサービスを考えていきます。どんなものをユーザーに届けるか、アイディアを具現化するのがUXデザイナーの仕事です。具現化したサービスをユーザーに評価してもらって、実際に実現可能性があるかどうか、特に資金面に関してソロバンを弾いたり、事業体をどこにするかを考えたりするところを中野さんに担当してもらっています。

中野:トヨタコネクティッドは、UX中心のサービス設計をすることを大切にしています。UXをベースにサービス設計をしたあと、実際に世に出すまでにはくぐらなければいけない関門がいくつかあって、そこをどうクリアするかを一緒に考えています。

お互いを理解しあい、目線をあわせて「橋を架けあうこと」を意識

——UXデザイナーとBizDevとが連携するうえで大切にしていることや工夫していることはありますか?

川田:共通言語を作って、お互いの仕事内容やスキルを尊敬しあうことですね。「私たちにはわからないので全部お願いします」という分業の形になってしまうと、うまくブリッジがなされません。UXデザイナー側からの視点、BizDev側の視点がうまく混じり合うように、お互いが橋を架けあうことが大切だと考えています。

富岡:お互いに橋をかけあう。名言ですね。そもそも、BizDev、サービスデザイナー、UXデザイナーなど、それぞれの業務範囲にはクロスオーバーしている部分がたくさんあります。だからこそ、仕事を進めるうえで、その分野が得意な人がやればいいと思っていて。ですので、私の仕事の仕方としては、メンバーそれぞれ何ができるのか、何が好きかを把握したうえで、それぞれ得意な業務を振り分けていくことが多いですね。

メンバーの得意なことやスキルを把握するために、私はとにかく「雑談」をします。たとえば、「川田さんが猫を飼っている」という情報は、仕事には関係ないですよね。ですが、どこかの業務で「猫について詳しく知りたい」という話が出たとき、それを知っていれば「川田さんが適任だ」と言えます。他にも、雑談の中でメンバーにお子さんがいるかいないかを知って、その人が何時までであれば連絡が取りやすいかを把握すれば、お互い気持ちよく働けます。そういう仕事の仕方をすると、スムーズにいくことが多いですね。

これは、実は組織心理学に基づいた話なんです。人と人とが信頼関係を得るには、雑談ができる関係性にならないといけない。組織の中で自分が信頼を勝ち取るためのツールが雑談なんです。

中野:雑談のお話は、素晴らしいですね。私がBizDevの目線で意識しているのは、UXデザイナーと目線をそろえることです。どこに向かっているのか、何に立ち向かっているのか、自分たちの立ち位置や目指す場所について、まず目線をそろえるようにしています。

もう1つ、企画を作るうえでは極力「そがない」ことですね。一見余計に見えるものが、購買行動において重要だったということは、絶対にあるんです。事業計画を書く際、余計なものはコストに見えてしまいます。ですが、UXデザイナーは、ユーザーの考え方やマインドに基づいてサービス設計をしているはずなので、数字上は余計なものに見えたとしても「必要なもの」なんです。

そこをいかに「必要なものである」と表現するかを、UXデザイナーと一緒に考えます。体験として100%の状態のものをビジネスとしても100%に持っていくには、UXデザイナーがどう考えてサービス設計をしたか、私自身がしっかりと理解すること。それが、先ほど川田さんが言った「お互いに橋を架ける」にもつながるのではないでしょうか。

——これまでの経験と比較して、業務やカルチャーなど、トヨタコネクティッドならではの特徴だと感じていることがあれば教えてください。

富岡:これは課題でもあるのですが、組織として変わっていこうともがいてるフェーズにいると感じています。私はIT系の企業から来ていますが、IT系の企業は意思決定のプロセスがものすごく速いんですよね。なぜなら、スピードを重視しているから。トヨタコネクティッドの場合はクルマや街を作っているので、「間違えたから作り直します」が効きません。プロセスも慎重にならざるを得ないんですね。

一方で、トヨタコネクティッドにはIT系企業から来た社員も多く、会社側でもその「差」を認識してはいるんです。作っているものは違うけれども、それにしてももう少し早いプロセスが踏めるのではないか。そこを改善しようとしているなと感じています。

川田:そうですね。意思決定のプロセスをより慎重に、外さないように、「とりあえず全部出す」というやり方はトヨタ独自のやり方なんだろうという印象を持っています。ですので、業務にあたっては「たくさんやり切る」というマインドが必要だと思いますね。

中野:クルマを作る以上品質は絶対条件で、事故につながるものは排除しなければなりません。ですが、それをすべての業務にあてはめてしまっているために、いびつなところが出てきてしまっていますね。それを変えようと、ものすごくもがいています。ここをブレークスルーできたら一気に速度もあがるし、伸びやかになっていくだろうと思います。課題が明確なので、ステップを踏んで変えていきたいですね。

富岡:そうですね。「ここがおかしい」と感じて変えていきたいと伝えたときに、止められることはまずないですね。気づいたらやっていこうと。みんなで変えていこうという雰囲気があって、私としてはとても居心地がよく感じられますし、ありがたいと思いますね。

前例のないチャレンジと組織変革に取り組むために

——最後に、どんな方がトヨタコネクティッドと親和性が高いと思われるか、聞かせてください

富岡:トヨタコネクティッドではこれまでに例のない新しいことをしようとしているので、「めちゃめちゃ柔軟な人」に来ていただけるといいですね。

川田:わたしは「楽しくたくさんできる人」だと思います。先ほどあった意思決定プロセスを変えていく過程では、アイディアを広く・深く考えることが求められていると考えています。だからこそ自分が考えたアイディアをうまく表現する。そこに量と質、両方求めていける人は、いろんなことができるフェーズだと感じています。

中野:「素直であること」も大事ですね。人の意見をちゃんと聞ける人。そして、違和感に気づける人。変化の過程では、我慢をしなければいけないフェーズもあるでしょう。それすら楽しめるポジティブな思考で、かつ、人のことを思いやれる人。そういった、人として当たり前のことを身につけている人こそ、大きな組織の中でパーツとして変革を起こすことができるのだと思います。そのうえで、スペシャリティを持っている方は大歓迎です。

富岡:トヨタコネクティッドにはスペシャリストがいっぱいいますよね。とにかくすごい人たちがそろっている。それも含めて楽しみな職場ですね。

中野:本物のスペシャリストたちがいますね。そうした人たちを、ここまでたくさん集めている会社も少ないのではないかと感じています。

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