「医療系の資格を生かしながら、もっと多くの患者さんにつながる仕事がしたい」。そんな思いを、事業会社で実現するキャリアがあります。
今回登場するのは、エドワーズライフサイエンスのTMTT事業部で、医療従事者向けトレーニングを担うプロフェッショナルエデュケーション部をリードするKさん。臨床検査技師の資格を持ち、製薬会社や医療機器メーカーで経験を重ねた後、エドワーズへ。新規事業部の立ち上げにも関わりながら、国内ではまだ事例の少ない教育プログラムを形にしてきました。
病院の外に出ても、医療の最前線に関わり続けられる。事業会社という立場から、医療従事者を支援し、その先にいる患者さんに貢献していく。Kさんのキャリアを通して、エドワーズで働く面白さを聞きました。
<この記事の登場人物>
エドワーズライフサイエンス合同会社
TMTT事業部 プロフェッショナルエデュケーション部 ダイレクター
Kさん
「心臓に関わり続けたい」。専門性を深められる場所として選んだエドワーズ
ーまず、臨床検査技師を目指したきっかけを教えてください。
もともと、何か専門性を身につけて働きたいと思っていました。「手に職をつけるなら医療業界」と考えていたとき、職業紹介の本で臨床検査技師という仕事を知ったんです。調べていくうちに興味が深まり、資格を取得できる学科のある大学へ進みました。
大学に入って初めて知ったのが、臨床検査技師の活躍の場は病院だけではないということです。企業で働く道もある。病院で患者さんと直接関わることも素晴らしい仕事ですが、企業という立場から多くの医療従事者を支援することで、その先にいるより多くの患者さんに貢献できるのではないかと考えるようになりました。私も卒業後は製薬会社に就職し、その後、医療機器メーカーを経てエドワーズに入社しました。
― 数ある医療機器メーカーの中で、エドワーズを選んだ理由は何だったのでしょうか。
一番大きかったのは、心臓疾患に特化した会社だったことです。大学卒業後からずっと心臓に関わってきて、これからもこの領域を深く追い続けたいと思っていました。心臓については今も研究が続けられており、学び続けられる領域だと感じています。
特にTMTT事業部が向き合う僧帽弁や三尖弁の領域には、まだ多くの課題があります。三尖弁は「忘れられていた弁」と呼ばれることもあり、これまで十分に注目されてこなかった領域の一つです。まだ解明されていないこともあり、これから新たに分かっていくことが多い。その可能性に大きな魅力を感じました。
― 働く環境という面では、どんなところに魅力を感じましたか。
女性が多く活躍していることも印象的でした。私が入社した頃から、身近に女性のリーダーがいて、産休や育休を経ても活躍している社員がいました。私自身、子育てをしながら長く働きたいと思っていたので、妊娠・出産といったライフイベントがあってもキャリアを続けていくイメージを持てたことは、大きな魅力でした。
デバイスを届けるだけではない。治療を「支える」人を「支える」仕事
― 現在は、どのような仕事をしているのでしょうか。
TMTT事業部のプロフェッショナルエデュケーション部で、医療従事者向けのトレーニングをリードしています。医療機器が医療現場で適切に使用されるためには、それを扱う医療従事者の知識や技術も重要です。私がいる部署の役割の一つが、新しく製品を使われる医師に初期トレーニングを企画し、実施することです。
― 具体的には、どのようなトレーニングを行いますか。
まず、デバイスの特長や使用方法に関する知識などを学んでいただき、その後、実践を想定した手技トレーニングを行います。知識を学ぶだけでなく、実際の医療現場を想定しながら理解を深めていただく。そのためのトレーニングプログラムを設計するのが私たちの仕事です。
医師に来社いただくこともあれば、私たちが病院へ出向くこともありますし、海外でのトレーニングに同行することもあります。医療の専門知識だけでなく、教育、企画、グローバルとの連携など、さまざまな力を使う仕事だと思います。
前例がないなら、自分たちでつくる。臨床検査技師向けプログラムへの挑戦
― 臨床検査技師を対象とした新しいトレーニングも企画されたそうですね。
はい。昨年、臨床検査技師向けのトレーニングイベントを初めて企画しました。米国には前例がありましたが、日本では同様のイベントを実施している企業はまだ多くなく、「何をすれば参加者にとって有意義な機会になるのか」というところからのスタートでした。
まず米国本社のプログラムを見学しました。ただ、日本と米国では使用できるデバイスや制度、法規制などの環境が違うので、そのままプログラムを持ってくることはできません。米国の担当者から企画の考え方を聞き、心エコーの専門的な知識や経験を持つ日本の医師や経験豊富な技師の方々にも相談しながら、日本の参加者に価値を感じてもらえるプログラムへと組み立てていきました。
― 前例の少ない企画を一からつくるのは大変だったのではないでしょうか。参加者の反応はいかがでしたか。
もちろん大変でしたが、海外の知見を取り入れながら、国内の医療従事者の声も聞き、一つずつ形にしていくことに大きなやりがいを感じました。
参加者には、「こんなことをしてくれる企業はなかなかないです」と喜んでいただけました。
臨床検査技師は、検査を通じて医療を支える重要な専門職です。私自身、臨床検査技師の資格を取得した頃から、この職種の専門性や価値がもっと広く知られてほしいという思いを持ち続けてきました。
臨床検査技師の方々が学び、交流できる場をつくることは、私にとって長年の夢の一つでした。その機会を自分の仕事として実現できたことは非常に嬉しく、「エドワーズに入ってよかった」と強く感じた瞬間でした。
<トレーニングの様子>
留学経験はゼロ。それでも、グローバルが日常の仕事になった
― 今では海外との仕事も多いそうですが、もともと英語は得意だったのでしょうか。
そういうわけではありませんでした。エドワーズに入ってからも英会話は続けていましたが、TMTT事業部に入ってグローバル会議が増えた頃は、相手が何を言っているのか聞き取れないことも、自分の考えを英語でうまく伝えられないこともたくさんありました。「これではまずい」と、本気で勉強するようになりました。
― どのように英語力を身につけたのですか。
通勤時間や帰宅後、休日も使って勉強しました。AIが普及していなかった頃は業界特有の専門用語や言い回しを覚えるために、会議の音声を何度も聞き、自分で文字に起こしたこともあります。
私は学生時代の留学経験も、幼少期に海外で暮らした経験もありません。それでも必要に迫られて学び続けた結果、今では日常的に英語を使って仕事をしていますし、年に数回は海外へ出張しています。学生時代の自分が聞いたら、きっと驚くと思います。
― 英語に自信がなく、外資系企業への転職を迷う方もいると思います。
私の経験から言えるのは、入社する時点ですべてが完璧である必要はないということです。仕事の中で必要性を感じて必死に学ぶからこそ身につくこともありますし、エドワーズでは世界各地の同僚と協働する機会がたくさんあります。学んだことを仕事で実践できることが、自分自身の成長につながっていると感じます。
「やってみたい」と手を挙げる。その意思がキャリアを動かす
― エドワーズで働く中で、ご自身のキャリアが大きく動いた経験はありますか。
私はもともとTAVIを扱うTHV事業部に所属していました。その後、TMTT事業部が立ち上がると知って、「挑戦してみたい」と自分から手を挙げました。
前職でも新事業の立ち上げを経験していたので、大変さは分かっていましたが、ゼロから新しいものをつくる面白さも知っていました。それに加えて、これまで培ってきた心エコーの知識や経験を、より活かせる領域だと感じたことも大きな理由です。TMTT領域では心エコーが診断や治療の成功に重要な役割を果たしており、自分の専門性をより深く活かしながら医療に貢献できると考えました。
異動を希望した時は、当時の事業部長も背中を押してくれました。自分がやりたいことを伝え、挑戦につなげられたことは、エドワーズらしさを感じた経験の一つです。
病院を離れても、患者さんから離れるわけではない
― 最後に、医療系の資格を持ち、事業会社への転職を考えている方へメッセージをお願いします。
「企業で働くと、患者さんから遠ざかってしまうのでは」と思う方もいるかもしれません。私自身は、エドワーズで働いていて患者さんから遠いと感じることはありません。
日本全国の病院を訪れ、さまざまな医師や技師の方々とお会いします。仕事を通じて多くの症例について学ぶ機会もあり、新たな気づきを得ることがあります。患者さんに直接接する仕事ではありませんが、医療従事者を支援する仕事を通じて、その先にいる多くの患者さんに貢献できることに大きなやりがいを感じています。
今は意味を見いだせない仕事や経験であっても、環境や視点が変わることで、自分ならではの強みや価値として活きることがあります。臨床検査技師として培った専門知識や経験は、病院だけでなく企業でも大きな強みになります。
医療従事者を支えながら、その先にいる患者さんに貢献したい。専門性を活かしながら、新しい挑戦を続けたい。そんな方にとって、エドワーズは可能性を広げられる場所だと思います。