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新卒1年目から新規事業開発部門をひとりで回す!?〜東大大学院出身異色の経歴を持つサービスデザイナーの挑戦〜 Part2

こんにちは。VISIBRUITでインターンをしています、平松伊織です。
Part1では、サービスデザイナーとして働く竹内さんからサービスデザイナーとその業務、そして現在の仕事に就いた経緯を教えていただきました。

Part1をご覧になりたい方はこちらからご覧ください!↓
https://www.wantedly.com/companies/company_6861606/post_articles/339637

今回は、竹内さんの今、そしてこれからについてお聞きしました。

目次

⓵ 業務での楽しいこと、大変なこと
② これからについて
③ 仕事を探している人、インターンを探している人に一言!

ーVISIBRUITでの業務で楽しいこと、大変なことはありますか?

僕は新規事業の開発がやりたくて学生時代から勉強してきたし、仕事探しもしてきたので、それができていることがまず楽しいことだと思っています。 

僕自身はいろいろなことをやってみたい人間なんです。学生時代はエンジニアリングを勉強するかたわら、デザインスクールに通っていたくらいで。エンジニアリングとデザインを両方勉強していたのも、現在多くの業務に携わっているのも、2つ以上のことをしていたら視線が偏ることはないし、飽きないし、パフォーマンスもよくなる、と考えているからなんですよね。これらが新卒で全部できるところはほぼないので、そこがまた魅力的で楽しいと感じるところです。

大変なことは楽しいことの裏返しなのですが、取り扱わなければならない範囲が大きいというところですね。社内に同じ職種の人がいるわけではないので、自分から主体的に動かないと自分の力を伸ばしていくことが難しいです。前職で新規事業開発のPMを経験したメンターの先輩に相談に乗ってもらいつつ、毎日のように本を読んだり、セミナーや学会等に参加したりして勉強しています。結果的に一日のほとんどの時間はサービスデザインやブランディングのことを考えています。好きじゃなかったらできない仕事かもしれませんね(笑)

そしてそもそも新規事業は不確実性の高いことを扱うので、仮説を立てることも難しい上に、検証することはもっと難しくて。いかに不確実性を減らしていくかというところが大変なところですね。

最後に事業領域的な側面から言うと、HR Techというこれからトレンドになっていく領域で事業を作っていくおもしろさを感じています。採用のような領域は先ほども話したように、非常に属人的でアナログなアプローチで業務が成り立っているだけでなく、理論的なバックアップも少ないのが現状です。だからこそ、採用のプロフェッショナルが持っている経験知や大量の採用市場データを体系化していくことが、働くことに対するモチベーションを向上させるという意味で社会にとっての価値につながると思いますし、ビジネスとしてのチャンスも大きいと思っています。一方で同領域の事業開発力のより強い企業との開発競争を避けながらいかに以下に事業展開していくかという部分が難しいですね。現場で人事業務に従事しているメンバーが社内にいるので、現場の声をリアルタイムに開発に活かしながら進めていきたいです。


大規模新卒採用プロジェクト支援ツール「トルミエ」のネーミングを決めた際のMiroでのディスカッション

ーこれからどんなことをしたいですか?

まずはエンジニアリングとデザインの2本の専門性を持つ「π型人材」になりたいと思っていますね。

一般的には1つ専門性を持っていながらも、幅広く知っているという「T型人材」が望ましいとされていますが、僕としてはそれだけではちょっと面白くないので、もう1本専門性をもっている人間になりたいんです。

幅広く知識を蓄えていることで、知識同士がリンクして知らない領域でも見通しが立てられるようになる点が良いと感じているのですが、ある程度の専門性がないとリンクが弱くなってしまうので、2つ以上の専門性があるといいなと思っています。

僕の1本目の専門性は、エンジニアリング領域にあります。エンジニアリングにも幅広い領域がありますが、根底にある考え方として特徴的なものとして、定量モデルによる評価と再現性の追求の2つがあると思っています。この2つの考え方はビジネスにおいて非常に有用です。例えば、ある製品の売上アップを狙ってプロモーションの施策をした際のことを考えてみると、施策がうまくいったかを判断する際には、定量モデルによる評価を用いて他の施策の影響を除いた売上への貢献度を評価することができます。また、施策が成功/失敗した際にも、再現性を追求して施策の成功/失敗条件を分析し、次の施策に向けた示唆を得ることができます。理系の学生が就活市場において評価が高いとされる理由の1つは、この2つの考え方をするトレーニングを受けており、能力的に秀でているケースが多いからだと思われます。僕も大学院での研究を通して、この領域では実務に応用できるある程度の専門性は獲得できたと思うので、実務経験を通してよりビジネスに適合させていきたいと思っています。

2本目の専門性の芽はデザイン領域にあると思っています。デザイン領域の根底にある考え方は仮説思考と概念の可視化です。デザイナーはスケッチやプロトタイプの制作を繰り返し行うことで、ユーザーが求めているものや自分にとっての理想の制作物の姿を明らかにしていきます。まず自分の中にあるこうあるべきなのではないかという仮説をスケッチやプロトタイプなどの形で可視化し、それを自分自身で見たり、ユーザーに見せたりすることで仮説の中の理想とズレている部分を明らかにします。そして次の仮説を立ててまた可視化してフィードバックを得て、少しずつ理想に近づけていきます。ビジネスにおけるサービスデザインの分野でも、ユーザーは自分がどんな課題を抱えていて、それに対してどのような解決策を求めているのかわかっていないことがほとんどです。サービスデザイナーとしてユーザーに寄り添ってよいサービスを作り上げていく上では、仮説思考と概念の可視化のスキルは必須だと思います。僕はまだこの仮説と検証のサイクルを回すのがうまくないので、もっと高速かつ精度高く回せるように研鑽を積んでいきたいですね。

何か考えるときはできるだけ図に起こすなど可視化して全体を眺めることができるようにすることを意識しています


そして、ライフスタイル目線でのブランド構築とクリエイティビティの構造化を行いたいなと思っています。

製品が時代に合わせて変わっていっても、ブランドに対して人が抱くイメージってあまり変わらないんですよ。そこがおもしろいなと思っていて。先日LOUIS VUITTONの展示会を観に行ってびっくりしたんですが、LOUIS VUITTONってもともとは旅行鞄、いわゆるキャリーケースメーカーなんですよ。今はハンドバッグだったり、財布だったりがメインのプロダクトになっているじゃないですか。それでも、最初期の旅行鞄と、最新コレクションの製品両方を見て、違和感なくどちらもLOUIS VUITTONだって思えるんですよ。機能を超えた意味的な価値を継続的に提供するという意味でブランドの持つ意味は今後ますます重要になっていくと思っています。

一方で、ファッション領域などで顕著ですが、マイクロブランドが乱立してくるとユーザー側としては混乱してしまうんですよね。例えば、僕は社会人になってひとり暮らしを始めたのですが、家具や家電を揃えるにあたって、とても苦労しました。今持っている服やデバイス、本、調理器具などのプロダクトなどと、目の前の家具や家電がマッチするのかイメージするのが難しかったからです。正直に言うと、まだ気に入るカーテンを見つけられておらず、毎朝眩しくて目が覚めます(笑)気にいるものが見つかるまで探すのはもちろん楽しいのですが、こういうイメージで暮らしたいと決めたら全部揃えられるようにならないものかと思う瞬間も多いです。無印良品のようなトータルコーディネートブランドが人気な理由にもそういった側面があるのではないでしょうか。この自分の課題意識をふまえて、「ていねいなくらし」→無印良品のようなライフスタイルに対応したトータルコーディネートブランドの構築、あるいは既存のマイクロブランドのライフスタイル目線での分類を行いたいと思っています。

ここでいうブランドとはファッションブランドなどに限った話ではなく、働きかたも含まれます。ワークライフバランスという言葉に代表されるように、現状では働くことと暮らしが切り離されて理解されることが多いように思います。しかし、働く時間は1日の中の1/3以上を占めていますし、リモートワーク・テレワークへの移行が進むにつれてますます働くことと暮らしの境界線は曖昧になってきています。ならばいっそ、働くことも暮らしの一部と捉えて、理想のライフスタイルの一部としての働きかたを追求してもよいのではと考えています。自分の時間を大切にしたいから定時で帰れる就職先を選ぶといったようなキャリア選択は今でもあるように思いますが、勤務時間や給与だけでなく、職域や職場の文化などの観点も考慮できるように視点を拡張し、働く体験全体とライフスタイルとの整合性を評価できるようにしたいと思っています。先ほどPeople experienceの話をしましたが、僕にとっての理想のPEはそういった働きかたが実現された先にあるように思います。

もうひとつのライフワークとして、クリエイティビティの構造化を推し進めたいと思っています。現状、新規事業や新製品の企画、デザインなどは、クリエイターと呼ばれる選ばれた人のみ取り扱うことができるという認識を持っている人が多いように思います。しかし、僕が学校や実務の中でデザインを学ぶ中で感じているのは、デザインプロセスの全てが天才たちの独壇場ではないということです。実はデザインプロセスの中にも2つの段階があり、前半部分は論理的思考に基づく課題分析やシステマチックなアイディエーションから構成されているので、むしろ左脳的です。僕は、デザインプロセスの構造化を進める中で、論理的にアプローチできるクリエイティビティや創造性の領域を押し広げていきたいと思っています。創造力を構造化、ひいては定量化することで、能力を伸ばすための効果的なトレーニングなどを提示できるようになれば、新規事業などのクリエイティブな仕事に携われる人が増えるのではないかと考えています。デザインのすそ野を広げてみんなで魅力的な世界をつくっていきたいんです。

社内でも異なる専門性を持つメンバーと一緒に事業アイデアをつくっています

ー仕事を探している人、インターンを探している人に一言!

自分のやりたいことに正面から向き合って、自分がその分野の先駆者になるんだという気持ちで、粘り強く続けてほしいですね。

就活をしたり、インターン先を探していると、自分のやりたい仕事が組織のなかになかったり、そもそも世の中に存在しない、という事態に往々にして出会います。僕自身も元々は家電や文房具などのハードウェアプロダクトの企画からデザイン、設計・製造まで一貫して関わる人材になりたいと思って、ダブルスクールしていましたし、メーカーをターゲットにした就活をしていました。しかし、学校でも企業でも、「うちではそういった働き方を想定していないので、どちらかを選んでほしい」と言われ、自分の望む働き方は不可能なのだろうかと悩みました。しかし、まだ世の中にその仕事がないということは自分がその分野の第一人者になれるチャンスが大きく存在しているということでもあるんです。

だから、自分のしたいことやしていることが求人票に書かれていないからと諦めてしまうのはもったいないです。もちろん、まだ存在しない仕事に就くには困難が伴います。そもそも自分を求めてくれる企業を探すのが難しく、自分で職域をつくっていかないといけないです。しかし、既存分野に横断的に携わるから分野が違うからこそそれぞれの分野やそこに属する人と相互に刺激を与え合っていけることもあると思いますし、既存の仕事にとらわれない人はビジネスのコアになる絶対に必要な人材だと思います。新しい分野を自分が切り拓いていくという気概をもって頑張ってほしいです。僕もそのような一人なので、同志がいると思うととても勇気づけられます。

僕自身も、色々な分野に興味を持っていて、変化に対してポジティブな人と一緒に働けたらうれしいです。弊社全体として、新しい取り組みやそれを始めようとする人を応援していこうという雰囲気があるので、どんどん新しいことに挑戦したいという人はぜひ応募してください!

竹内さんへのインタビューは以上になります!
サービスデザインという新しい領域で悩みながらも充実して仕事している様子が伝わってきて、とても楽しく勉強になるインタビューでした。
VISIBRUITでのサービスデザイン業務に興味を持っていただいた学生さんは、下のリンクから「話を聞きに行きたい」を押して応募してください。みなさんのご応募お待ちしております!

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