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初めて明かす!代表が語る、すららネットの歴史【すららヒストリー Vol.2】

2005年からeラーニング学習教材の開発に着手し、日本におけるEdTech業界のパイオニアとして2017年マザーズ上場(現東証グロース)を果たしたすららネット。今や33万人以上の子どもたちに利用されるまでになったICT教材「すらら」の開発のきっかけと紆余曲折、そして今後の展望を代表が語ります。

神風吹く?!すらら躍進の時来たる

教育界のDX化を政府が後押し                                  GIGAスクール構想とコロナ禍でEdTech業界が一気に拡大

 その後「日本e-Learning大賞 文部科学大臣賞」「日本ベンチャービジネス大賞 社会課題解決大賞」を受賞するなど、すららネットの事業そのものを高く評価されました。年々コンテンツのリリース、改良を加えサービス内容も充実させ続けています。2017年には東証マザーズ(現.東証グロース市場)への上場を果たしました。

 そのころ、政府は教育業界のDX化、いわゆる一人1端末を目指す「GIGAスクール構想」の打ち出し準備をしていました。それに先駆け、経済産業省ではGIGAスクール構想実現のための実証実験を開始します。その一つが「未来の教室実証モデル」です。整備したICT環境を活用し、生徒の学び方と学力、先生の指導法や働き方が変わる学習環境を実証するというものです。

 「すららは」この実証事業に採択され、長野県のスタンダード校との共同事業が始まりました。この事業は、「坂城校モデル」と呼ばれ、理解度・学習ペースを自己調整する学習において「すらら」が有効であり、生徒たちの学習意欲や学力向上などの成果が確認されました。湯野川は「生徒たちの授業を受ける態度が一変したのには驚きました。校長先生が、『学習意欲がないのは生徒の責任ではない、学ぶ機会が適切に与えられてこなかったということがわかった』とお話されていたのが、今でも印象に残っています」と語ります。

2020年に はコロナの影響で、GIGAスクール構想は一気に加速します。それに伴いICT教材の導入も広がりました。今課題になっているのは、導入後の活用です。「すららネットでは子どもたちのより良い学びのために、導入前から導入後まで運用をサポートしています。『すらら』での学習を通じて先生たちが目指す子どもたちの成長を、我々も共に実現したいのです」と語ります。


すららネットは教育課題を現場とともに解決するパートナーでありたい                     シングルサービス・マルチチャネルの独自戦略を貫き、さらに磨きをかけていく

 「すらら」の特徴は、教科ごとのコンテンツのわかりやすさを含む機能性に加え、導入前後のサポート体制が挙げられます。「学校ごとに抱える課題が異なります。理想とする児童生徒像も異なります。それらをひとつひとつ聞き取り、理想と現実のギャップを埋めるための『すらら』運用方法の提案力は、当社の強みのひとつです」と湯野川は語ります。「例えば、ICT教材の活用に抵抗感のある先生方にはその学校の課題に合わせた授業での具体的な使い方を提案したり、セミナーや勉強会を開催してサポートします。運用開始後は、検証のためデータ分析を我々が行い、先生たちの状況もヒアリングしながら改善策を提案していきます。このように先生や導入校に対しての個別最適を目指した業務の積み重ねで、成果と信頼を築いていきます。同時に我々には新しい課題解決のノウハウが蓄積されます。学校や塾などの運営側と我々がお互いにWin-Winな関係でいることで、さらに良い教育機会が提供できます。『すらら』を通じて、教育現場に携わる人たちと同じ課題に立ち向かうパートナーでいることが、すららネットの目指す姿です」と解説します。

 「すらら」の導入は学校だけではありません。すららネットの起点となった学習塾においては、「すらら」の導入とともに開校・運用に向け個別にコンサルティングを行います。公教育のICT化により、塾でも様々なICT教材が扱われるようになりました。このような環境の変化を踏まえ、1校1校の課題に応じたサポートを行っています。

 さらに、近年増加し続ける不登校の支援も、すららネットではいち早く取り組んでいます。「だれでもゼロからわかる」ことが基本コンセプトの「すらら」は、自宅でもひとりで学べるため、不登校の子どもや発達障がいの子どもにも取り組みやすい学習教材です。加えてすららネットでは、子どもの学習に悩みを持つ保護者へのサポートも同時に行います。これは業界では類を見ない取り組みです。この取り組みが広がって、放課後等デイサービスや、東京都の一時保護施設などでも「すらら」が導入されるなど、多様な状況の子どもたちに学習の機会を提供しています。

 すららネットの教材は国内だけに留まらず、2014年にJICA民間連携事業で採択を受けました。スリランカで教育格差是正プロジェクトの開始を皮切りに、インドネシア、エジプト、フィリピンの子どもたちに、「すらら」の海外版として算数コンテンツ「Surala Ninja!」を開発し提供しています。子どもたちの教育の場を作るため、現地の教務経験のない女性がファシリテーターとして活躍できるよう、現地のパートナー会社とすららネットが協働して研修も行い、雇用の創出にも寄与しています。

「開発を始めたころは、『eラーニングなんてニーズは無い』と言われ続けました。しかし私は当時から、学力の低い子どもたちが置き去りにされていること、経済格差や環境によって学習の機会が得られない子どもたちもいることに対して問題意識を持ち、社会課題であると感じていました。今は顕在化したニーズは無くても、課題解決のために将来必ず必要とされるものだと強く思っていました。我々は、EdTechという言葉も市場もないところから始めました。事業そのもので社会課題を解決するという想いはこれからも変わりません。今後はより使いやすく、より多くの子どもたちに届けられるよう、海外市場も視野に入れたコンテンツとシステム、サービスの開発を進めていきます」と展望を語ります。


次回、『さかのぼり学習の生みの親』

【すららヒストリー Vol.3】へ続く。

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