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翼を広げよう~Vol.1 スタッフインタビュー 仲間を信じて持ち場を守る

「翼を広げよう~スタッフインタビュー (BSニュース|ディレクター)」Vol.1 初回は、ウイング創設期から働いている 神(じん)佳克さんです。

こんにちは。簡単に自己紹介しますと、私は青森生まれで、北海道の大学で建築を学びました。その後、一度全くの異業種に就職したんですが、映像の世界で働いてみたくて東京に出てきました。東京の専門学校で学び直してからテレビ業界で働き始めました。

ーーーQ: 映像については、昔から好きだったんですか?

ゲームCGとCGを使ったミュージックビデオに興味があって、CG映像科という実写とCGの合成を学べる学科で勉強したんです。卒業後就職活動の一環で、専門学校のつながりがありウイングと縁ができました。

ーーーQ: 担当した最初の職場を聞かせてください。

BS経済最前線(月~金23時台に20分間)が最初の職場です。経済は、専門的に得意だったわけではありません。放送の仕事も初めてでした。

面接の上で内定をもらい、ウイングで働き始めました。職場にウイングの先輩が3名いたのが心強かったです。研修では、ニュースディレクターとしての基本、ニューステロップの作り方、放送用語、放送中にスタッフへどう指示を出すかなどを覚えました。経済の番組なので、一般のニュース番組よりも株価のグラフを多く作りました。経済のしくみを説明するための、イラストや画の発注が担当業務にありました。

ーーーQ: 具体的にはどんな作業ですか?

具体的なイメージを、手書きで描いてアートに発注しました。基本的な情報を盛り込んだ上で、より視聴者にわかりやすくするために相違工夫を重ね、自分のセンスを活かしていけるようになっていきました。

ーーーQ: 勉強してきていたことは役立ちましたか?

映像の学科で学んだことが活かせたと感じる部分もありました。NHK-BSの経済の番組でしたが、放送中の演出が出来るコーナーがあり、ここはこう見せようなど、自分の考えを反映させられる部分があったなと感じています。

ーーーQ: 仕事をはじめて、特に神経をつかったのはどんなことでしたか?

生放送の緊張感は独特です。時間になると放送が必ずやってきます。副調整室というモニターのたくさんある場所が、放送を送り出す所になります。全く放送業界の経験のない自分の隣に、スイッチャーさん、技術さん、タイムキーパーさんがいて、音声さんがいて、音効さんがいて、スタジオの中にはカメラマンやフロアディレクターがいました。総合PDが指示出しをするんですが、新人としては、総合PDというこの仕事の敷居が、特に高かったです。

ーーーQ: BS経済最前線という番組の中で担当が分かれていたんですね?

総合PDとニュース制作とテロップ発注管理の3つの仕事がありました。それぞれ3人で週替わりで回していくということをやっていました。

その日の東証の取引が終わった後に出す番組なので、夜23時台からてっぺん0時までの20分間の放送でした。早朝勤務や泊まりはありませんでしたが、遅い時間の帰宅になり電車がないので、タクシーを手配してもらっていました。

ーーーQ: 仕事をやめたいと感じたことはありましたか?

正直何度か波はありました。この仕事は、長い時間の残業はないけれど、放送にあわせてとにかく追い込むんです。プレッシャーに感じたり、周りの技術さんなどの大先輩に囲まれて慣れるまでは大変なこともありました。

ーーーQ: 克服できたのはなぜでしょうか?

壁にぶちあたることがあってもそれを乗り越えるために努力した部分がありました。

自分や先輩が作ったテロップを印刷してノートにまとめておき、次に生かすようにしたりなど、自分での努力はしたと感じます。壁にぶつかりつつも、ひとつずつ乗り越えてきたように思います。

ーーーQ: 周りにすぐに教えてくれる人はいましたか?

相談のできる環境でしたので、話を聞いてもらうことがありました。面倒見のいいウイングの先輩方がいたので、話しやすかったです。

コミュニケーションもとれて、チームワークを活かせていました。突っ込みニュースがオンエア中に入ってくることや、とびこみで原稿の差し替えがあると、総合PDは卓を動く事が出来ないため、それ以外のスタッフがサポートしていかないといけないんです。すぐに反応できるよう、他の方が何をやっているのか状況を把握しておくのも必要だと感じています。


ーーーQ: ベテランになるまで続けられたんですよね?

経済最前線では、2008.3まで約4年間、この職場で働きました。BSニュースへの異動は2008.4からです。

ーーーQ: 苦労した所はありましたか?

不規則なシフトになりました。1年365日24時間の放送をやっていたので、睡眠時間はあってもうまく熟睡できないということはありました。残業はほぼゼロでしたが、身体をシフトにならすのは大変だったといえます。3交代制でした。8時間勤務ですが、間に1時間休憩。7回ニュースを出すということをしていました。

ーーーQ: シフトについて詳しく教えて下さい。

深夜0:00~8:00、日勤、8:00~16:00、夜勤が16:00~24:00でした。夜勤終わりは、タクシーで帰っていました。シフトの体制は、土日祝日も関係ないのですが、週5日に近い勤務でした。あらかじめ前月にシフトが出るというのが常です。

ーーーQ: 新たな仕事の難しさはありましたか?

全般ニュースを扱うので、国内外の政治・経済・社会・海外と一気に扱うニュースの幅が広がりました。一般常識が必要で、24時間毎時15分間ニュースをやっていたので、終わったらハイ次、終わったらハイ次というふうに、次々と放送を出していく忙しさがありました。一回のオンエアにむけて準備していく経済番組とは異なり、切替が必要で、手間どっていると次のオンエアがすぐやってくるところが違いました。

ーーーQ:  他にも任せられた業務内容が増えたということですか?

BSニュースでは、最後の気象コーナーで尺調整があるので、気象原稿を作る仕事が増えました。気象会社から原稿を受取り、残りの持ち時間にあわせて内容はそのままで、表現上、言葉をきったり足したりしながら、キャスターが残り尺にあわせて読めるようにまとめあげることです。同時に、天気の画面も何枚使えるかなどの調整もこちらで行いました。週間予報を西日本と北日本にわけるか、全国にするかなどで、使用枚数の選択ができるからです。

例えば、これから連休なので週間予報をもっと見せたいなとか、今雨が強いのでもっと雨の降り方の詳細をもりこみたいなとか、視聴者に伝えたい情報を意識しながら取り組みました。

ーーーQ: どんなやりがいを感じていましたか?

だいご味としては、自分の作ったニュースがBSの波にのって視聴者に届けられることを感じて働けるということです。経済の時の方が、視聴者の反応がきやすかったなとは感じます。やはりそういうものも、自分自身気にしていました。

ーーーQ: 挑戦を後押ししてくれる職場でしたか?

新たな番組が始まり、各局のローカルニュースとリポートを扱うようになりました。地方局の色々なローカルニュースを見られることは面白いなと感じました。自分から、このニュース活かしましょうよと上司に言って、提案することもありました。また次第に、入ってくる新人につきそい、先生役ができるようになりました。テレビ業界はじめての人を教える機会が多く、指導する立場になったことを実感しました。段階を踏まえて、新人でも上手にステップアップしていけるような教え方を心がけて、先生を務めました。放送中は間違ってボタンを押さないように、隣に座ってサポートしながら教えていったことを覚えています。

ーーーQ:  長く続けられた理由や、やる気につながったことはありますか?

ニューステロップというのは評価対象にはならないのが常なんですが、そのニュースのポイントをきちんと抑えるテロップを作ることができた時、総合波よりよかったよと上司に言ってもらえたことが、嬉しかったです。

ーーー自分が正しく評価されたと感じられることは、やる気やモチベーションに繋がりますね。


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