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エンジニアにインタビュー「ECサイト開発の現状と課題」後編

スイッチサイエンスのシステムエンジニア今津さんのインタビュー記事、後編です。ECシステムの現状と課題、チームメンバーそれぞれの役割や求める人材についてお話しいただいています。前編はこちらです。合わせてご覧ください!


ソフトウェアエンジニアにインタビュー「ECサイト開発の現状と課題」前編 | 株式会社スイッチサイエンス
スイッチサイエンスの採用広報担当、平山です。ECサイトの自社開発に取り組むスイッチサイエンスでは、お客様にとってより良いショッピング体験を提供するため、またショップ運営スタッフの業務効率アップの...
https://www.wantedly.com/companies/company_7408794/post_articles/517279?status=success


スイッチサイエンスのシステム開発のおもしろさってどんなところ?

ECサイトの開発というと、一般的にはブラウザで見れるものやユーザーインターフェースに焦点が当てられることが多いですが、当社ではむしろ業務システムにより重点を置いた仕事を行っています。私たちの仕事は、「こういう入力がしたい」や「こういう出力が欲しい」という要求を持つユーザーが存在し、その要求に合ったシステムを設計し、それに応じて開発することです。

例えば、どのような機能が必要であり、どのようにデータを管理して、その結果をどのような形で見られるようにすれば現場の方々が助かるかを考えるわけです。この部分は、ウェブショップの見た目やデザインに関わるお仕事とは異なりますが、それはそれで興味深いと思います。私はソフトウェアの仕事において、こうした領域で成長させてもらった経験がありますので、苦労はあるものの、同時に面白さも感じています。うまくいったときには、やはり達成感を感じます。

うまくいった時のこと教えてください

2年前に、原価計算の新しい手法を導入しました。以前は商品の売上を計上するときに、その商品がいつ仕入れられたものであるかを特定し、原価を求めるという方法を取っていました。しかしこの方法では、例えば仕入情報が修正された場合などには、再度同じ売上の原価を参照すると金額が変動してしまうという問題がありました。そこで、過去の数字を変更しても金額が変わらないような仕組みを考えました。過去のデータを修正した際の差分は当月に計上されるようにしたんです。はじめて本番環境である現場で、期待どおりの操作結果の数字を確認できた時は心の中でガッツポーズですよね。「よしよし、一歩前進したな」っていう気持ちになりました。課題はまだ残っていますが、少なくとも以前の問題の一部を解決できたと実感しています。同じアプローチが売り上げ集計にも有効であると考えており、次はそちらに取り組む予定です。

逆に、心が折れそうな時ってありますか?

それはもちろんありますよ。明らかに「こうした方が良い」「こういう仕組みに変えた方が良い」という場面で、それを会社に提案し議論しても、現実的な課題として利益確保が求められるため、コストを抑える方向に判断が傾きがちな時でしょうか。ここでのコストは、主に人件費のことを指しています。自分の中で最低限クリアすべきマイルストーンを設定しているにも関わらず、それより手前で足踏みしてしまうと、問題が残り改善ができない状況を招きます。このような状況が繰り返されると、変化はあるものの、なかなか進展していないように感じられ、「いつになったら思い描いた目標に到達できるのだろうか...」と正直モチベーションが下がってしまうときがありますね。ただ、それ以上に達成感を感じることもたくさんあるので、なんとか立ち止まることなく前進し続けています。


どんな人に来てもらいたいですか?

業務システムの目的って、出力を得ることにありますよね。当社の場合は会計報告や売り上げに関連する原価データの資料を作成することなどが該当します。出力を得るためにどのような入力が必要かを考え、それをシステムとして巧みに設計して実装することは、パズルのようなものだと考えています。そのために、プログラミング言語やデータベースなど、さまざまな種類や組み合わせが存在し、私たちが採用しているのはその一例に過ぎません。でも何を採用しているかはあまり重要ではありません。機能や要件を満たせば、どのような組み合わせを使っても構いません。重要なのは、入力されたデータをどのように記録すれば最終的な集計値を簡単かつ正確に得ることができるかです。

ソフトウェア開発は、最新の技術や仕組みに触れて、自分自身でそれを形にして試すことができる点に魅力を感じます。それはどの人にとってもきっとそうだと思います。でも最新技術を活用したい欲求と、業務の仕組みや必要なデータについて考えることは、全く異なる話です。当社のシステム開発では、実はその両方ができないとだめなんです。

例えば、ショップフロントの開発を考えると、最新のウェブ技術を知っている必要がありますが、それだけでは不十分です。プラスして業務システムとしてどのような仕組みが必要かを考えることが求められます。ですから、採用の必須要件としているPythonやGo言語、Djangoといった具体的な技術に詳しくなくても問題ありません。業務の内容や仕組みを考える部分に興味を持ち、経験を積んできた方であれば、道具や技術は後から学ぶことができるからです。課題に着目し、問題解決のためのアイデアを提案できる方であればぜひ参加していただきたいです。


チームのメンバー構成や役割分担って?

フリーランスのエンジニアを除くと、現在は私と鈴木さんの2人で仕事をしています。鈴木さんはショップでお客さんに商品を届けるところに興味を持っているので、ショップ寄りの開発にフォーカスしています。私はそこよりも内側のこと。決して会計に興味があるわけではないんですよ(笑)会社の中でモノやお金が正しく記録され、情報として便利に利用できるようになることが、私の興味範囲です。そのため、私は社内システムに関連した仕事を担当しています。開発対象の分野が明確に分かれているのでうまく役割分担はできていますが、お互いが行っていることを十分に共有できていないというのが課題ですね。

お二人は全然タイプが違うと聞きました

そうですね。だから、意見がぶつかることもよくありますし、お互いに考え方が異なることを認識しています。これはどちらが良いか悪いかではなく、場面に応じて必要なアプローチが異なるということです。もし私だけだったら、ショップ関連の開発は停滞していただろうし、逆もまた然りです。つまり私たちは両輪であり、チームとしてはどちらのアプローチも必要なのです。

ショップ側に興味がある鈴木さんは、短いサイクルでできることを最速で実現するのが得意です。これは非常に理に適っていると思っています。例えば、現在の送料の計算に問題があることに気づいたり、お客様にとって最適な支払い方法を特定した場合、それを実現するためには3か月後ではなく、できるだけ早く実装するべきですよね。鈴木さんは、明日実現するためのアプローチで開発を進めてくれます。一方で私は、そうした変更が行われた場合に、お客様が実際にそれで支払いを行ったことがちゃんと記録される仕組みは...って考えちゃう人(笑)。それを実現するためにはどうしたら良いのかを考えていると、ショップに反映されるのが遅くなってしまうんですけどね。


そこはどう折り合いがつけられているのでしょう?

現在は「買った」というデータはほぼすべて残すようにしていますが、それをバックオフィスに正確にかつ情報漏洩せずに取り込んでいるかというと、完璧ではありません。ただ、元のデータがあるため、後から反映することは可能な状態です。だから、ショップの開発がどんどん突き進んだとしても、後から追いかけて必要な機能を足していきましょうねっていうのが落としどころになっています。

情報の精度や解像度は一度下げると再現が難しいです。例えば電話番号が2つ入力されたのに、1つしか取り込まれなかったり、ショップで算出された送料がバックオフィス上では別の方法で記録されていて、正確に取り込まれずに数字が失われてしまったりすることがあります。その結果、再現ができなくなってしまいます。そうなるともうどうしようもないです。だから可能な限り精度を保ったまま情報を残すようにして、利用する側が情報を取り込む際に、そこから必要な情報を選択して、後からでも必要な情報をシステム上で利用できるようにしておく方針でやっています。

チームのことで、他に課題はありますか?

デザイン力がないこと。UI(ユーザーインターフェース)と言われる部分ですね。お客様が実際に買い物をする際、見た目は重要ですよね。見栄えがよく、操作に迷いがなく、決済までたどり着けるってすっごく大事じゃないですか。でも社内の人が使うシステムの場合は、「とりあえず入力できればいい」という考えで作ってしまいます。時間がないので。

でも、ただ項目を列挙するだけでは、使いやすいとは言えませんよね。バックオフィスの操作、難しいでしょ?初めて利用する人にとって、とてもじゃないけど使いやすいとは言えません。見た目をかっこよく整える必要はありませんが、業務で何かをしようとした時に、どの画面を開けばいいのか、その画面を開いた時に、入力項目が何を意味しているのかが分かり、入力が簡単にできることが重要です。使い勝手が良く迷いがないデザインであれば、入力ミスも減るでしょうしね。

デザイン力って、「見た目」の機能が大事ってことを言っています。残念ながら私も鈴木さんもデザインはあまり得意ではないため、その部分はどうしても後回しにしがちです。画面数が非常に多いので、できれば一度にきれいにまとめたいと思っていますが、どうすればいいのか正直ノーアイデア(笑)ウェブアプリ開発の技術やデザインに長けた人材の必要性を感じています。私たちのチームはその意味ではかなりイケてない面子なんですよ。

スイッチサイエンスでは、自社のECサイト開発を担ってくれるシステムエンジニアを募集しています。ユーザーファーストの価値あるECサイトを共につくりましょう!弊社に興味を持ってくださる方、お気軽にエントリーしてください。お待ちしています!

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スイッチサイエンスは、電子部品を小型のプリント基板に搭載したモジュールを開発、製造、または国内外から調達し、ECサイトで販売する事業を行っています。 2008年、創業者であり現社長である金本が、Arduinoという当時まだ日本で流通していなかったマイコンボードを個人的に輸入した所から始まりました。単に1個だけ買ってくるのでは、送料がもったいないので、少し多めに買って欲しい人に分けようと考えたのです。創業当時のスイッチサイエンスは、なんと金本宅のクローゼットの中の「アマゾン箱」。そこから年々規模を大きくし、今では何千種類もの商品を取り扱うショップへと成長しました。 2021年4月には、親会社からSTEM教材事業、IoT開発協力事業を取得したことにより、これまで行ってきた電子回路モジュールの領域に加え、その入口としてのSTEM教材とその発展型のひとつとしてのIoT製品の領域へと事業分野を大きく広げました。 【電子回路モジュール事業】 https://www.switch-science.com/ 電子回路モジュールを開発、製造、輸入、販売しています。設計情報が公開された「オープンソースハードウェア」の分野では、国内の業界をリードしています。 【STEM教材事業】 https://switch-education.com/ 小中学生を中心とした子供とその教育者に向けて、STEM教材を開発、製造、輸入、販売しています。BBC micro:bitの正規代理店のひとつとして、国内でのローンチと普及を支援しています。この事業は100%子会社である株式会社スイッチエデュケーションで行っています。 【IoT開発協力事業】 https://iot.switch-science.com/ 電子工作、オープンソースハードウェア業界をリードする知見を活かし、ハードウェア製品をキーとする事業を行う企業さまに向けて、ハードウェア、ファームウェア、アプリ、サーバソフトウェアの開発、試作、製造のお手伝いをしています。
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