こんにちは。XAION DATA採用広報担当の丸山です。
弊社は、AIに係るデータ領域の特許技術を武器に、さまざまなWEBサイトから情報を収集・統合し、価値あるデータベースとして提供しています。
今回ご紹介するのは、プロダクト開発部のリードエンジニア、李さんです。
カリフォルニア大学で機械学習を研究し、Googleでは大規模プロジェクトを経験したという李さん。中国・アメリカ・カナダ・日本と、多様な環境で腕を磨いてきた彼は、なぜ最終的にXAION DATAを選んだのかーー
世界的テック企業からスタートアップへの転身、そして新天地で目指すエンジニアとしての未来について伺いました。
プロフィール・基本情報
李 奕廷(Li Yiting / リ エキテイ)
プロダクト開発部 インフラ/R&Dグループ リードエンジニア
学歴
カリフォルニア大学サンディエゴ校(UC San Diego)計算機工学 学士 卒業
カリフォルニア大学サンディエゴ校(UC San Diego)計算機科学 修士 卒業
Transformerベースの音楽生成AIに関する論文を発表
経歴
Codefied Inc dba. Housecall Pro(アメリカ):
アメリカの住宅サービス企業向けビジネス管理SaaSで
ソフトウェアエンジニアとしてフルスタック開発に従事
Google LLC(アメリカ/カナダ):
Google社内で使われている最大規模のAI学習プラットフォームの一つにて、バックエンド開発に従事
大規模言語モデル(LLM)を効率よく追加学習させるための仕組み(LoRAファインチューニング)を開発。
特にGeminiチームと密に連携し、実際のモデル開発に役立つサービスの設計・改善を担当。
2025年10月より、XAION DATAに入社
李 奕廷(Li Yiting / リ エキテイ)
プロダクト開発部 インフラ/R&Dグループ リードエンジニア
学歴
カリフォルニア大学サンディエゴ校(UC San Diego)計算機工学 学士 卒業
カリフォルニア大学サンディエゴ校(UC San Diego)計算機科学 修士 卒業
Transformerベースの音楽生成AIに関する論文を発表
経歴
Codefied Inc dba. Housecall Pro(アメリカ):
アメリカの住宅サービス企業向けビジネス管理SaaSで
ソフトウェアエンジニアとしてフルスタック開発に従事
Google LLC(アメリカ/カナダ):
Google社内で使われている最大規模のAI学習プラットフォームの一つにて、バックエンド開発に従事
大規模言語モデル(LLM)を効率よく追加学習させるための仕組み(LoRAファインチューニング)を開発。
特にGeminiチームと密に連携し、実際のモデル開発に役立つサービスの設計・改善を担当。
2025年10月より、XAION DATAに入社
UCSDで芽生えた「機械学習」への情熱
──複数の国でキャリアを築いてこられた李さん。まずは、カリフォルニア大学・大学院での経験について教えてください。
私は中国・上海の出身ですが、幼い頃から「いつかアメリカで学びたい」という思いがあり、カリフォルニア大学サンディエゴ校に留学しました。
学部ではコンピューターサイエンスとハードウェアの両方を学びましたが、特にソフトウェア分野に強く惹かれるようになり、大学院へ進学。
そこから最初の1年こそ理論計算機科学を学んでいたものの、当時急速に進化していた機械学習の分野に魅了され、そちらへ軸足を移すことにしたんです。
教授の研究室では、新しい機械学習モデルの設計やアーキテクチャの研究に取り組み、研究員のような形で論文執筆にも携わっていました。
──大学院ではどのような研究に取り組んだのですか?
特に印象に残っているのは、Transformerをベースにした「音楽生成AI」の研究です。
2017年にGoogleが発表したTransformerは、文章や音楽といった “時系列データ” を扱う際に、データ全体の関係性を一度に処理できるモデル。従来主流だったRNNと比較して、順番に1つずつ処理する必要がないため、長い文脈や複雑なパターンもより深く理解できる点が大きな進化でした。
この技術は、今世界中で使われているChat GPTやGeminiなど、大規模言語モデル(LLM)の基盤になっています。
当時はまさにブレイクスルーの最中でしたが、技術革新が一気に進むタイミングで最前線の研究に触れられたことで、「この分野でキャリアを築きたい」と思う大きなきっかけとなりました。
▶︎ 論文の詳細はこちら
──大学院卒業後はどのような進路に進まれたのでしょうか?
大学卒業後もアメリカに残り、1社目は住宅サービス向けSaaSのスタートアップ企業でフルスタックエンジニアとして働き、その後Googleに入社しました。
Googleでの学びと、そこで感じた”物足りなさ”
──Googleではどのようなプロジェクトに携わっていましたか?
Googleでは社内向けの大規模プロジェクトに携わり、既存の社内プラットフォームやツールをつなぐプロダクトのバックエンド開発を担当していました。
顧客向けのプロジェクトほどハードルは高くないものの、やはり大企業ということもあり、社内ユーザーが多いため、一度障害が発生すると全社的に深刻な影響を及ぼします。
例えば、プラットフォームの障害により他のプロダクトチームのモデルやデータが失われると、すべてのチームの生産性が低下してしまうんです。
だからこそ、Googleでは厳しいコードレビューやテストが徹底されていました。
──Googleでプロジェクト推進する中で、最も難しかったことは何でしたか?
複数の既存プラットフォームやツールを統合するという性質上、各チーム間の連携や協力を得る際に苦労しました。
例えば、互換性のないツール間のデータ転送の仕組みを作る際、関係する複数のチームと協議を重ね、協力して実現する必要があったんです。
ゼロからプロダクトを作るよりも、既存のツールを扱う方が、他チームのスケジュールなどの問題で調整が難しかったですね。
──さまざまな言語を使用してきた李さんにとって、”美しいコード”とはどんなものですか?
Googleではコードの品質を重視することを学びました。最も重要なのは、コードを見るだけで何をしているのか理解できるようにコーディングすること。つまり、コメントをなるべく使わず、誰が見てもわかりやすいコードを書くことです。
美しいコードとは、ロジックが単純で流れやすいコードだと考えます。名前付けに関しても曖昧さを避けて、一目でわかる状態にすることが理想的ですね。
──Googleでの経験を経て、今後のキャリアで挑戦したいことは何ですか?
Googleでの約3年間は、非常に刺激的で成長につながる環境でした。大規模な組織ならではの高度な分業体制の中で、特定領域に深く向き合う経験ができた一方、自分自身はより広い技術領域に挑戦し、技術的なリードも含めてスキルの幅を広げたいという思いが強くなっていったんです。
役割が明確に分かれているからこそ、日々の業務は専門性を磨ける反面、プロダクト全体のビジョンに関わりながら開発を進める機会は多くありません。プロダクトの背景や意思決定にも深く関わり、当事者意識を持って開発に向き合いたい、そんな考えが次第に明確になり、転職を決断するきっかけとなりました。
今後は、単に実装を担うだけではなく、技術的な観点からプロジェクトをリードする役割に挑戦したいと考えています。自分の技術的なアイデアや考えをプロダクトに落とし込みながらチームの成果に貢献していく。そうした「技術的リード」の経験を積むことで、より広い視点を持ったエンジニアとして成長していきたいと思っています。
なぜ日本、そしてXAION DATAだったのか
──なぜ日本でのキャリアを選ばれたんですか?
約6年前に日本語学習を始めた時から、「いつか日本に移住したい」と思っていました。
アメリカに移住した後、出身地である上海のような大都会での生活とは異なり、車社会なアメリカの生活に違和感を覚えたんです。その経験から都市計画に興味を持ち、日本の街づくり、特に東京に魅力を感じるようになりました。
──日本での転職活動で、XAION DATAを選んだ理由を教えてください。
1社目の経験から、スタートアップ特有の活気ある環境が自分に合っていると感じていました。
特に、現在急成長している日本のテック企業には大きな魅力を感じていて、もともとパブリックデータの収集・分析に興味があった中で、XAION DATAのプロダクトに強い関心を持ったんです。
人事やビジネスに関するデータを収集・統合するXAION DATAのプロダクトは、ドメインこそ異なるものの、自分の興味と一致していると感じました。
──日本移住に対する不安はありませんでしたか?
正直、言語面には不安がありました。社会人になってからの仕事はすべて英語で行っていたので、ビジネスの場で使用する日本語に自信がなかったんです。
日常会話は問題なくても、専門的な話になると表現が難しい場合が多いですね。
ただ、初めてアメリカに移住した際にも、英語が堪能ではなかったものの順応できた経験があるので、必ず乗り越えられるとポジティブに捉えています。
大企業とスタートアップ、開発文化の違い
──GoogleとXAION DATAで、開発プロセスの違いを感じることはありますか?
大企業とスタートアップでは、やはりスピード感が大きく違います。
Googleでは、品質や安全性、再現性を重視した開発プロセスが徹底されており、設計やレビューに十分な時間をかける文化があります。
一方で、XAION DATAはスタートアップならではのスピード感を強みにしており、仮説検証を素早く回しながらプロダクトを前に進めていく開発スタイルが特徴です。たとえば、詳細設計から実装までの計画フェーズは、1スプリント*(約1週間)程度で進むことが多く、実装全体もおよそ1ヶ月ほどで完了します。
スプリント:スクラム開発の基準となる考え方。開発期間を細かく区切り、その中で目標を立てて開発を行っていく。
大企業では、設計やプランニングに1ヶ月以上かけることもありましたが、それは影響範囲の大きさや品質担保の観点から必要なプロセスでした。こうした背景を理解したうえで見ると、開発にかかる期間やレビューの厳格さの違いは、それぞれの環境に最適化されたものだと感じています。
今の環境では、このスピード感を活かしながら、自ら仮説を立てて実装・検証を回していける点に、大きなやりがいを感じています。
──スピード以外に違いを感じる点はありますか?
コミュニケーション文化にも違いがありますね。
Googleでは、チャットやドキュメントを中心とした非同期のコミュニケーションが主流でした。個々が集中して業務に取り組める、静かで洗練された環境だったと思います。
しかし、XAION DATAでは、セールスやCS、HR-Xなど、さまざまな部署のメンバーと話す機会が多く、それが本当に楽しいんです。エンジニア同士のコミュニケーションだけでなく、チームを横断しての交流が盛んなことに喜びを感じています。
──Google出身のエンジニアとして、率直にXAION DATAの技術レベルをどう評価しますか?
「Google出身」という肩書きから、エンジニアの技術レベルが一様に高いと思われがちですが、実際にはさまざまなバックグラウンドや得意分野を持つエンジニアが集まっており、そのレベル感も一様ではありませんでした。これはどの規模の組織でも共通することだと思っています。
一方で、XAION DATAについては、少ない人数でこれだけ価値のあるプロダクトを開発しているのは本当に素晴らしい技術力だと思っています。
ただ、開発環境やテストにおける課題点、特に人員増加に備えた環境整備の必要性は感じており、今後リファクタリングしていきたい部分ですね。
“データ統合の可能性”と、エンジニアとしての目標
──XAION DATAのプロダクトの強みをどう捉えていますか?
単にデータを収集するだけでなく、あらゆるWEBサイトからの情報を統合し、価値のあるデータベースとして提供している点がXAION DATAならではの強みです。
これにより、ユーザーが個々のウェブサイトで情報を比較・整理する手間を省き、より詳細な企業情報を提供できる。この「データ統合」という価値が、他社との大きな差別化要因になっていると感じています。
──現在の業務内容と充実度について教えてください。
現在はインフラとR&Dにおいて、データの収集と統合(データベースクローラーとアルゴリズムによるデータ整備)に注力しています。
XAION DATAに入社してからは、社内の雰囲気が非常に良く、仕事自体にもやりがいを感じていて。ここまで仕事を楽しめると思っていなかったので、嬉しいギャップでしたね。
出社してメンバーたちとディスカッションするだけでなく、一緒に食事をするなど業務を離れたコミュニケーションの活発さもXAION DATAならではの魅力ですね。
──今後のビジョンを教えてください。
まずはAIを活用して開発できるエンジニアたちと共に、生産性を向上させたいと考えています。
将来的には大規模なプロジェクトをリードしながら、ビジネス上のプランニングにも精通したリードエンジニアとして成長していきたいです。
XAION DATAの技術として進化させていきたいのは、まさに自社が強みとしているデータ統合。それこそが自分の担うべき領域だと認識しているので、尽力していきます。
──大手テック企業からスタートアップへのキャリアチェンジを検討しているエンジニアへのアドバイスをお願いします。
環境が整備されている大手企業とは異なり、大手企業では知り得なかった部分にも携わることができるのがスタートアップでの開発です。
何か問題が起きれば、自分で解決策を導き出さなければならないため、プレッシャーは感じますが、その分やりがいはより一層感じられると保証します。
私のように、大手企業の”守られた環境”ではなく、「”開発に関するすべて”を知りたい」という思いを持つエンジニアには、ぜひ飛び込んでいただきたいと思いますね。
──最後に、XAION DATAの魅力を一言で表してください。
一番に伝えたいのは、「雰囲気の良さ」です。
XAION DATAには、役職やバックグラウンドに関係なく意見を言い合えるオープンな空気があり、安心して挑戦できる環境が整っています。私はこの“自然体でいられる雰囲気”が本当に大好きなんです。
そして、AI技術を持つエンジニアが世界的に求められる今、国際的なバックグラウンドを持つエンジニアにとっても大きなチャンスが広がっている会社だと感じています。
多様な価値観が集まり、互いに刺激し合いながら成長できる環境は、まさにXAION DATAならでは。
「楽しく働く」、「技術で価値を生む」、「仲間と共に成長していく」。ここは、そのすべてを実現できる場所だと思います。
インタビュー担当者から一言
李さんとお話しして印象的だったのは、「仕事を楽しめること」を何より大切にするという明確な価値観でした。
カリフォルニア大学での研究経験、誰もが羨むGoogleでの開発経験を持ちながらも、「より当事者意識を持ってプロダクトに関わりたい」「自分自身の成長につながる環境に身を置きたい」と考え、次のステージへ進む——その決断力と、自分のキャリアに対する真摯な向き合い方に、エンジニアとしてのプロフェッショナリズムを感じました。
前職で培ったコードの品質へのこだわり。そして「プロダクトのビジョンを理解した上で開発に取り組みたい」という、ビジネス全体を見据えた姿勢。李さんが目指す「技術的なリード」としての未来が、XAION DATAでどう花開くのか、非常に楽しみです。
さて、最後に宣伝です!
XAION DATAでは、国籍や言語にかかわらず、弊社の技術基盤を次のレベルに引き上げてくれる方を積極的に募集中。
オープンデータ×AIという最先端の領域で、共に新しい価値を創造していける方をお待ちしています。
現在募集中のポジションについては、XAION DATA採用サイトをご覧ください。
また、まずは気軽に話を聞いてみたい!という方は、採用広報担当・丸山のLinkedInまでお気軽にご連絡ください。皆様とお話しできることを楽しみにしております。