生成AIの急速な進化により、これまで人の手で行われてきたWeb制作の工程が、劇的に効率化されつつあります。そんな中、できるくんではAI活用を前提としたWeb制作の新しいスタイルを確立しようとしています。
今回はWebディレクターとして事業部を牽引する清宮蓮と、櫻井一司をインタビュー。自社でAIエージェントの開発を進めながら、日々の制作業務にもAIを積極的に取り入れる二人。彼らが実感する「Web制作の今」と「これからのディレクター像」について、率直に語ってもらいました。
清宮 蓮(きよみや れん)
モノづくりへの憧れからデザイナーを志し、OA機器の法人営業としてキャリアをスタート。その後、子会社のWeb制作事業部へ異動し、Webディレクターとして約3年の経験を積む。2025年に株式会社できるくんへ入社し、入社9ヶ月でValue賞を受賞。現在は制作部のリーダーとしてチームを牽引している。
櫻井 一司(さくらい かずし)
株式会社できるくん AI BPO事業部 Webディレクター。新卒で人材紹介会社に入社し、フィットネス、新規事業支援、デジタルマーケティングと多角的な領域でキャリアを積む。2025年11月、株式会社できるくんに入社。現在はAI BPO事業部のWebディレクターとして実務を担う傍ら、自社AIエージェントの開発にも注力している。
“現時点”でのWebディレクターの役割とは?
──まず、お二人の現在の業務内容について教えてください。
清宮:基本的には、1日1件のペースで新規のお客様との制作ミーティングを行い、その日中にワイヤーフレームを送付するというサイクルで動いています。それ以外の時間は、既存のお客様とのやりとりが中心ですね。
加えて代表の岩田や他のメンバーとチームを組んで、AIエージェントの開発にも携わっています。より良い製品にするため、スピード感を持ってPDCAを回しているところです。
櫻井:ホームページを作る際のWebディレクションや進行管理が主な役割です。具体的には、ワイヤーフレームと呼ばれるホームページの構成案を作成したり、お客様やクリエイターとのコミュニケーションを担当したりします。ディレクターがプロジェクト全体のハブになるイメージですね。
──1人あたり、どのくらいの案件を担当しているのでしょうか。
清宮:平均すると20件程度です。案件の規模や業種は本当にさまざまで、ページ数で言えば5ページがベースになっていますが、最近は10ページ規模のお客様もかなり増えてきました。
櫻井:たしかに案件の規模が大きくなってきている印象はありますね。私が入社して本格的に動き始めた2025年10月頃と比べても、お客様の層が変わってきたと感じます。以前は個人事業主や開業したての方が多かったのですが、最近はいわゆる一般的な法人のお客様が増えてきました。
──制作ミーティングから公開までの流れを教えてください。
清宮:まず制作ミーティングでヒアリングを行い、次にワイヤーフレームを作成します。その後、デザイン制作に入り、テストサイトとして実装、最終的に公開という流れです。5ページ程度であれば1ヶ月〜1ヶ月半、10ページ規模になると1ヶ月半〜2ヶ月程度を目安に進めています。
──デザインはどうされているのですか?
櫻井:デザインは社内のデザイナーに依頼しています。私たちディレクターは上がってきたデザインをチェックし、お客様と修正のやり取りをしながら、公開まで責任を持って進めていく役割です。
デザインからテキストまで、AIが生成する時代に
──日々の業務でAIをどのように活用していますか。
清宮:主に使っているのはGemini、ChatGPT、NotebookLMですね。Gemini3.0が出てからは、ほぼGemini一択で、調べものや言語化が格段に効率化されました。
NotebookLMは情報ソースが明確にある時に活用していて、お客様からいただいた資料やPDF、URLを読み込ませて内容を解析し、そこから構成案を出してもらうといった使い方をしています。
櫻井:私もGeminiがメインです。特にGemini3.0が出てからは、ワイヤーフレームの作成やデザイン制作にも使っています。実際に何件か、AIで作ったデザインでそのままお客様からOKをいただいたケースもあります。
──AIで作ったデザインがそのまま採用されることもあるんですね。
櫻井:はい。その場合、打ち合わせからデザイン確定まで3日程度で終わることもあります。ワイヤーフレーム作成からデザイン、テキストライティングまで、一気にGeminiで進められるようになりました。制作ミーティングでヒアリングした内容をGeminiに入力して、ホームページに載せるテキストを生成してもらっています。
──AIを活用することで、仕事の進め方はどのように変わりましたか。
櫻井:Gemini3.0が出てからは大きな変化がありました。以前は、お客様によっては実際にデザインを見てみないと判断できないというケースがあり、そういう時はデザイナーさんに頼むか自分でラフを作る必要がありました。
しかし今は、プロンプトを入力すればAIがかなり良いものを作ってくれるので、「じゃあさっと作りますね」と言いやすくなりました。制作全体が楽に進められるようになりましたね。
清宮:当社ではプロンプトを打つだけでホームページを簡単に制作できるAIエージェントを開発しています。以前は「本当にAIでWeb制作が本当にできるのだろうか?」という不安もあったのですが、Gemini3.0が出てからは「本当にいける」という確信に変わりました。AI開発に対するモチベーションもかなり高まっています。
最前線で感じる、自社AIエージェントの手応え
──自社でAIエージェントを開発しているとのことですが、どのようなものですか。
櫻井:まだ実験段階ではありますが、かなり手応えを感じています。昨日実装された機能で作ったものが今朝のテストで確認できたのですが、正直なところ、現時点でGeminiを超えたと感じました。クオリティ面でも同等以上ですし、利便性の面では明らかに上です。
──具体的にどのような点で優れていると感じますか。
清宮:生成AIでホームページを作る場合、細かいテキストの修正などはプロンプトで指示して再生成する必要がありますよね。でも私たちが開発しているエージェントは、テキストを直接編集できるようになっています。そういった使い勝手の面で、大きなアドバンテージがあります。
──実際にどのようなプロセスでホームページが生成されるのでしょうか。
櫻井:Geminiを活用して成果の出るホームページを作るための最適なプロンプトを作成し、そのプロンプトをもとに指示を重ねていきます。最終的に完成したプロンプトをAIエージェントに入力すると、3分程度で高品質なデザイン案が一発で出てきます。これが現場に実装されれば、Web制作のあり方が根本から変わると思っています。
──AIの活用が進む一方で、まだ人の手が必要な部分はありますか。
櫻井:デザインの作り込みという点では、AIエージェントにはまだ伸びしろがあります。例えば何百万円もかけてじっくり作り込むようなサイトは、やはり人の手がかなり入っています。現状のAIではそこまでのクオリティには達していません。ただ、AIの進化のスピードを考えると、品質の問題も近い将来、解決されると思っています。
清宮:私たちは「顧客ができないことをなくす」ということを目指しています。お客様自身がホームページをしっかり運用できる状態にするには、まだまだクリアすべき課題がたくさんあります。
ただ、限界を感じているかと聞かれれば、全くそんなことはありません。これからもっと良くなっていくと確信しています。実際に今できていることを見ると、伸びしろしかないと思っています。
──AI活用において、Web制作の経験は必要でしょうか。未経験でも扱えるものですか。
清宮:AI自体を使うことは、未経験の方でもできると思います。同じプロンプトを入力すれば、同じようなアウトプットが出てきますから。ただし、出てきたものの品質が良いかどうかを判断することは、経験がないと難しい。そこは明確に差が出る部分だと思います。
櫻井:チェックや品質管理は人間がやる必要があると思います。AIはツールとして非常に優秀ですが、最終的な判断は人にしかできません。
──AI活用が進むことで、Webディレクターの仕事はどのように変わっていくと思いますか。
清宮:まず、ワイヤーフレームを作るという作業は確実に減っていくと思います。これは当社だけでなく、業界全体で起きる変化でしょう。AIを使って素早くアウトプットを出せるようになることで、お客様とのコミュニケーションも楽になりますし、制作にかける工数は全体的に減っていきます。
──その浮いた工数をどう使うかが重要になってくるわけですね。
清宮:おっしゃる通りです。浮いた工数の使い方は制作会社によって異なると思います。大規模サイトを手がける企業であれば、より顧客に寄り添った提案に時間を使うかもしれません。一方で、スピードと価格を重視する企業であれば、さらに効率化を進めていくでしょう。
櫻井:ディレクターの役割は、よりコンサルタント的な立場に広がっていくと思います。ホームページを作るだけでは意味がなくて、そこから事業を大きくしたり売上を生んだりすることが本来の目的ですから。そこに向けた活動により注力していくことになるのではないでしょうか。
ゲームチェンジの当事者になろう
──この仕事でやりがいを感じる瞬間はどんな時ですか。
櫻井:ホームページはお客様の事業に大きく関わるものです。お客様が喜んでくれることはもちろんですが、例えばホームページからお問い合わせが1件来たという出来事はお客様にとっては大きなインパクトがあります。
これまでデジタルを活用してこなかった企業がデジタルデビューをして、そこから売上につながるお問い合わせが来る。それって本当に大きな進歩だと思うんです。そういった瞬間に立ち会えることは、大きなやりがいです。
清宮:私はどちらかというと、自分たちが最先端のことに挑戦できている環境にやりがいを感じます。AIを活用したWeb制作をここまで振り切ってやっている会社は、まだどこにもないと思うんです。そのゲームチェンジの当事者としてやっていけること自体が面白いですね。
櫻井:加えて、私はAIエージェント開発のプロジェクトに制作チームのリーダーとして、携わらせていただいています。まだ引っ張れているとは言えないかもしれませんが、そこに関われていること自体がやりがいになっています。
──最後に、できるくんで働く魅力を教えてください。
櫻井:できるくんはとにかく裁量が大きい。「こんなに自分でやっていいんだ」という感覚は、入社してから強く感じています。ある程度成熟した会社だと、物事を決めるのに時間がかかるし、なかなか仕事を任せてもらえないこともあります。
でもできるくんでは全然違います。「じゃあやろう」「明日からやろう」「すぐ考えて」というスピード感がありますし、「あなたがやっていいよ」という任せ方をしてもらえる。そこの意識改革と推進力は、確実に身についてきていると感じます。
櫻井:既存の仕事に飽きてしまった方や、何か新しいことをしたいという方には、できるくんはすごくおすすめです。これからAIを使って新しいことをやっていこうという環境ですし、その変革の真っ只中に入ることができます。
見守るだけではなく、当事者として体験できるんです。先ほどお話ししたように、いろいろなことを任せてもらえますし、それをみんなで支えてやっていこうという風土も強い。新しい挑戦をしたい方には、本当に良い職場だと思います。
清宮:スピード感は最高ですね。前職は守りの姿勢が強く、事業拡大への意欲が低い環境でした。新規施策を提案しても、投資や変化を伴うものは一律に却下される傾向にあり、現場主導の改善が難しい状況でした。
できるくんはその正反対です。みんなが楽しそうに仕事をしているのも印象的ですね。同じ目標に向かってチーム一丸となって突き進んでいく雰囲気もあります。もし今の仕事にモヤモヤを感じているなら、ぜひできるくんで一緒に頑張りましょう!