まずはこれまでの経歴を教えてください
大学卒業後に公認会計士試験合格、その後日本で7年間会計関連の会社に勤めて、様々な会計実務を経験いたしました(大手監査法人→税理士事務所→一般事業会社経理(合計7年間))。
その後、4年間東南アジアで常駐(タイ、ベトナム、カンボジア)し、日系会計事務所で勤務しました。その後2019年7月にタイ、日本にて独立しました(シンシア会計グループ)
日本で安定してお仕事をされていたように思いますが、なぜ海外に出ようと思われたんでしょうか?
当時は、日本という文化に対して必ずしも前向きな印象を持っておらず、むしろ課題が多い社会だと感じていました。それに加えて、常に新しい世界を見たい、未知の環境を自ら切り拓いていきたいという思いが強くありました。また、公認会計士という資格は国境を越えて通用する独自性を持つものだと信じており、その強みを最大限に生かすには、日本に留まるよりも海外に身を置く方が適していると考えました。そうした背景から、思い切って海外への移住を決断しました
日本に戻り事務所を開設したきっかけはあったんでしょうか
実はタイの事務所の方が先に設立しており、日本の事務所はタイの会計事務所とほぼ同時に設立しています。ただし、当初から日本の事務所を積極的に活用する予定があったわけではなく、独立士業として業務を進める上での実務上の便宜という側面が大きいものでした。転機となったのは新型コロナウイルスの影響です。タイの事務所は立ち上げたばかりで、タイ国内だけで事業を安定的に回すことが難しい状況でした。そのため、日本に滞在し、会計監査業務を中心に取り組むという選択をしました。結果として、独立後の最初の約3年間は、上場企業の会計監査業務にかなりの比重を置くことになりました。
一方で、自身のブランドを持つ事務所を立ち上げ、将来的には世界的に展開したいという思いも以前からありました。そのため、いずれは税理士事務所を設立する必要があると考えており、2022年1月から税務業務についても自ら行うようになりました。
先に海外の事務所を開設するのはハードルが高そうですが、、、
これまでの自身の歩みや経験の独自性を生かし、事務所として明確な差別化を図りたいと考えたことがタイの事務所を立ち上げた大きな理由です。
そもそも私がやりたかったことは、国際的に移動しながらさまざまな文化を体感し、その中で成長しつつ仕事をすることでした。日本・タイ・ベトナムの三拠点での生活は、まさにその理想を実現するものであり、これまでに培ってきた経験や人脈、そして自身の行動力を組み合わせれば、多少の無理はあっても十分に達成可能だと考えていました。
この三拠点生活のイメージこそが、「挑戦的な人生」という自身のテーマに最もふさわしいものであり、その段階における明確な目標になり得たのです。
かなり異色な経緯を経てきた事務所で、まだまだ聞いてみたいことがたくさんありますね。少し長くなったので、今まで大変だったことや今後のビジョンなど、後編に続きます。さらに面白いお話が多かったです。後編もお楽しみに。