「数字で、事業の地図を描く」トヨタグループのスケールで現場に一番近い伴走者であるために。KINTOテクノロジーズ企画管理グループの仕事とは
トヨタグループの内製開発組織として、モビリティサービスの未来を支えるKINTOテクノロジーズ。今回のストーリーでは、企画管理グループでマネージャーを務める外間さんに、これまでのキャリア観や現在の仕事、そしてこれからの挑戦について話を聞きました。
管理会計・予算管理という領域で、「事業のブレーキではなくアクセルになる」ことを目指す企画管理グループを牽引する外間さん。その言葉の背景にある考え方と、KINTOテクノロジーズという環境ならではのリアルに迫ります。
▍外間 健 企画管理グループ マネージャー 管理会計・ファイナンス領域を中心にキャリアを築き、前職では取締役管理本部長として30名の管理部門を統括。IPO準備から東証グロース市場上場達成まで中核的役割を担った。KINTOテクノロジーズでは企画管理グループのマネージャーとして、事業計画や予算統制、管理体制の構築に携わる。
「正しい計画書」を追い求めた先に見えた、管理会計の本当の役割
――これまでのキャリアを振り返りながら、今のキャリア観がどのように形づくられてきたのか教えてください。
キャリアの初期から一貫して管理会計やファイナンスに身を置いてきましたが、当初は「正確な数字を出すこと」そのものが目的になっていました。でも現場は刻一刻と変化していて、ガチガチに固めた「正しい計画書」が実態からどんどんズレていく場面に、何度も直面しました。
今振り返ると、当時の自分には欠けていた視点が2つあったと思います。ひとつは「コストを削ることが目的化していた」こと。守りの論理に固執して、その投資が将来どれほどの価値を生むかという攻めの視点が弱かった。もうひとつは「数字の裏側にいる人の熱量を見落としていた」こと。Excelの正しさを優先するあまり、現場がアクセルを踏みやすい環境をつくるという発想が足りなかったんです。
この経験から、管理会計は「管理するための道具」ではなく、「経営と現場が不確実な未来に向かって一緒にリスクを取るための地図」だと考えるようになりました。今は「数字のプロフェッショナルでありながら、現場に一番近い伴走者であること」を自分の軸にしています。
「インパクトの桁が変わる環境」へ。KINTOテクノロジーズを選んだ理由と、入社後の実感
――IPO準備から上場までを経験された後、次の挑戦の場としてKINTOテクノロジーズを選んだ決め手は何でしたか?
ベンチャーでゼロから組織や数字をつくり上げてきた経験を積んだからこそ、次は「より大きな資本力と、グローバルという巨大な市場」で自分の力を試したいという思いが強くなりました。
KINTOテクノロジーズにはトヨタグループという圧倒的な基盤がありながら、モビリティの未来をゼロベースで再定義しようとする攻めの姿勢がある。潤沢なリソースがあるからこそ、その分配ひとつで事業に与えるインパクトの桁が変わります。ベンチャーで培った機動力と経営目線の管理会計を掛け合わせて、グローバル規模のサービス成長に直接貢献できる。そのダイナミズムこそが、入社を決めた一番の理由です。
――実際に入社してみて、「ここは他とは違う」と感じた場面はありましたか?
実は、私も入社してまだ5カ月なんです(笑)。だからこそ、外から来た人間の目線でリアルに感じていることがあります。
入社して一番驚いたのは、全員が自律したプロフェッショナルとして当たり前のように自走していることです。指示を待つ人がほとんどいない。各自がこれまでのキャリアで培った専門性を武器に、「事業のために何が必要か」を自分で考え、即座に動いている。
大きな資本力がありながら、ベンチャーのような機動力と個の力が高い次元で融合している。この「自立した個の集合体」という雰囲気を肌で感じた時、ここは面白い挑戦ができる場所だと確信しました。また、管理会計という立場から時に現場へ厳しい数字を突きつけなければならない場面があっても、こちらの意図を汲み取り対等なパートナーとして向き合ってくれる。「心理的安全性」と「高いプロ意識」が共存しているこの環境が、今もKINTOテクノロジーズの最大の魅力だと感じています。
「経営の羅針盤」と「組織のハブ」。企画管理グループが担う2つの役割
――企画管理グループは、KINTOテクノロジーズの中でどのような役割を担っている組織だと捉えていますか?
一言で言えば、「経営の羅針盤」と「組織のハブ」の両面を持つ組織です。現場の熱量や課題を数字という共通言語に変えて経営に届け、逆に経営の意図を納得感のある形で現場に伝える。単に数字を集計するだけでなく、経営と現場が同じ景色を見て最速で動ける環境をつくること。それがこのグループの本質的な役割だと考えています。
将来的には、単なる予算管理の枠を超えて「数字を誰よりも早く、深く読み解くことで、組織に勇気ある決断を促す存在」でありたい。事業のブレーキではなく、最も信頼されるアクセルの踏みどころを教えるパートナー。それが私たちの目指す姿です。
「物差し」を定義する、葛藤と手触りのある仕事
――現在、企画管理グループで取り組んでいる主な業務を教えてください。
今は主に、予算統制の仕組みづくりに集中しています。組織規模が一段と大きくなる中で、これまでのやり方では立ち行かなくなってきました。開発や事業のスピードを落とさずに、透明性が高く誰もが納得できる投資判断の基準とフローへアップデートする。この「土台の再構築」こそが、次のステージで攻めの投資を続けるための絶対条件だと思っています。
――進める中で、特に難しさを感じる場面はどんなところですか?
一番の壁は、「各責任者が事業やプロダクトの本当の効果測定を行える状態を、いかにつくるか」という点ですね。どの施策がどれだけの成果を生んでいるかを正しく切り分けて評価することは、想像以上に難易度が高い。単にルールを押し付けるのではなく、現場の責任者が納得感を持って自走できる「物差し」をどう定義するか。正直、一筋縄ではいかない葛藤の毎日です。
そのためにまず大切にしているのは、「この人は自分たちの味方だ」という信頼を勝ち取ることです。私自身、入社して5カ月間、まずは役割の枠に縛られず、現場が困っていることに対して泥臭くサポートすることから始めました。「外間に相談すれば、事業を前に進める手助けをしてくれる」。そう思ってもらえて初めて、本質的な議論ができる土俵に立てると考えています。
全員が「同じ地図」を持って高い山に挑む。管理会計・予算管理の本当の面白さ
――IPO経験も踏まえて、管理会計・予算管理の仕事の「本当の面白さ」はどこにあると感じていますか?
全員が同じ地図を持ち、共通認識を持って高い山に挑める状態をつくること、に尽きます。不透明なビジネスの現場で、「今どこに立っていて、どのルートで頂上を目指すのか」を数字で可視化し、一枚の地図として描き出す。チーム全員がその地図を共有し、「この道で合っている」と確信を持って一歩を踏み出せた時、この仕事の醍醐味を最も強く感じます。
――「事業を前に進めている」と実感する瞬間は?
立てた予算の達成や、KPIの成長をデータで確信できた瞬間ですね。自分たちの予測と現場の努力が噛み合い、「事業が正しく成長した証」を数字で目の当たりにしたとき、この仕事の最大の手応えを感じます。予算はただの数字ではなく、会社としての約束であり、目指すべき頂上です。その頂上に全員で立てた瞬間の感覚は、何物にも代えられません。
「守りを固めるのは、より速く遠くへ攻めるため」。企画管理グループのこれから
――最後に、今後の目標と、この記事を読んでいる方へのメッセージをお願いします。
企画管理グループは今まさに、組織の土台を再構築し、攻めの管理体制へアップデートするフェーズにあります。私が浸透させていきたいのは、「守りを固めるのは、より速く遠くへ攻めるためである」という考え方です。強固なガバナンスがあるからこそ、迷いなくアクセルを踏める。この一見相反する要素を高い次元で両立させることが、今のチームのテーマです。
私たちが求めているのは、単に数字を処理する人ではありません。「数字の正しさ」に引きこもるのではなく、現場に飛び込んで一緒に事業を作りたいというマインドを持ったプロフェッショナルです。数字を武器に不透明な未来を描き、KINTOテクノロジーズの次のステージを一緒に創っていきたい。少しでも興味を持っていただけたなら、ぜひ一緒に挑戦しませんか。