世の中に溢れる「糖質制限」や「根性論」に基づいたダイエット。その多くがエビデンスを欠き、リバウンドという業界の課題を生み出し続けています。そんなヘルスケア業界のギャップを、「論理」と「科学」でアップデートしようとしているのが、株式会社カリンです。
現在、カリンは代表のトレーナー歴10年という専門知識とSNSを駆使した戦略で、オンライン栄養コンサルティング事業とマシンピラティス事業を展開中。「食べて痩せる」という本質的なメソッドで着実な成長を遂げており、投資家・堀江貴文氏もそのビジネスモデルの強度を評価しています。
2026年、「3年で30億」という野心的な目標を掲げる同社。その急成長の裏側にある戦略や、代表・坂野氏がこれまで歩んできた軌跡、そして事業に込めた揺るぎない想いについて詳しくお話を伺いました。
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坂野晃太 / 代表取締役
19歳でトレーナーとしてのキャリアをスタート。24歳で独立し、自身のジムを開設。コロナ禍を機にオンラインダイエットサポートを開始し、現在は実店舗のピラティススタジオとオンラインの両輪で成果を上げる。26歳で法人化。科学的根拠に基づいた「糖質ONダイエット」や「マイナスを0に戻すピラティス」の考えを元に、ヘルスケアの常識を塗り替えるべく、今後もさらなる多角展開を予定。投資家・堀江貴文氏の出資を受け、現在は事業拡大を加速させている。著書:『“体脂肪”を狙って落とす! 3食糖質ONダイエット』(Gakken)
知識を追求し続けたトレーナーが経営者になるまで
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──坂野さんは19歳という若さでトレーナーの道を歩み始めていますが、当初から今のような経営者視点を持っていたのでしょうか?
19歳の時は、ただ「目の前のお客様をいかに変えるか」しか考えていない一青年でした。明確な転機が訪れたのは、21歳から独立してフリーランスとして活動していた時期です。
フリーランス当時、僕の売り上げは店舗1位のことが多く、周囲のスタッフとも仲が良い、それこそ現在カリンの副代表である加藤とも出会ってよく一緒にいるようになり、居心地は最高に良かったんです。
ただ、どこかで一生ここにいても「このフィットネスクラブの坂野」になってしまう不安、危機感はどこかで常にありました。
──売り上げ1位で「最高に居心地が良い」のに、なぜそんな危機感を?
パーソナルトレーナーという職業は、お客様が卒業するタイミングが重なれば、売り上げは一気に変動します。フィットネスクラブで活動する限り、あくまでも集客はクラブ側に依存し、更にまたクラブ内で声掛け営業を繰り返し続けるのは体力・気力的にもキツいと感じたのが本音です。
さらに、素晴らしい技術や知識を持つ先輩方が、個人としての影響力の範囲に留まっている現実を見て、もっと広い範囲で価値を届けられる「仕組み」を作らなきゃいけない、と確信したのがその時でした。
──そこからInstagramを開設し、3ヶ月でフォロワー1万人を達成するなど、個人の発信力を磨き出されたのですね。
そうですね。でも、発信を始める前から余ったお金は全て身体の勉強に費やしていて、そこで培った知識をお客様にわかりやすいように落とし込む作業は常にやっていたので、それをSNSに転換したところ、思ったよりもすぐに伸びました。今ほど文字入れ投稿をしている方も居ませんでしたし、時代の運も重なったと思います。
──発信を始める前の下積みが、今のカリンの強みになっているのでしょうか。
まさに。僕はまず「SNSを伸ばすことを目的にしたことは一度もない」です。フリーランスとしてパーソナルトレーナーをしていた約3年間、発信を始めたのは2年半経ってから。それまでは、余ったお金は全部身体の勉強に投資していました。
でも、その勉強は「SNSを伸ばすための知識」ではなく。動機はすごくシンプルで、目の前のお客さんの身体を良くしたかったからです。セッションで答えられなかった疑問が出たら、次のセッションまでには必ず答えられるようにしておきたい。そういうプロとしての責任感というか。でも一番の本音は、シンプルにお金をいただいているのに自分が思う100%のパフォーマンスが出せていないことが、悔しくて恥ずかしくて、ただただ学び続けていました。
最近SNSを伸ばしている方々と話す機会も増えたんですが、そこで感じるのは「SNSを伸ばすこと自体が目的になってしまっている人が多い」ということです。うっかりSNSが伸びた結果、「じゃあこれをどうマネタイズしよう?」と悩み始める。そんな話を聞くことも少なくありません。
そんな方達を全く否定するつもりもないですし、それはそれでとってもすごいことだと思います。でも僕らは、その順番が逆なんです。最初から“やりたいこと”がありました。
たとえば、糖質を取らないで痩せることが常識みたいになっている世の中への違和感。糖質をちゃんと取ったほうが、もっと楽に、しかももっと綺麗な身体を作れるのに、なぜこんなにも知られていないんだろう。そんな引っかかりがずっとありました。
ボディメイクに関しても同じです。骨格や姿勢を整えれば、体脂肪がある程度あっても十分に綺麗なラインは作れる。ピラティスなどで身体の土台を整えることの価値を、もっと正しく理解してもらえればいいのに――。
当時は世の中を良くしたいとか、崇高な思想はなかったですが、そういう違和感を常に感じており、正しい、みんながもっと楽になれる情報を知って欲しいという思いは常にありました。
だから、発信を始めたのは「理論が自分の中でガッチリ固まった後」でした。勉強して、試して、現場で確かめて、ようやく言語化できる状態になってからSNSを始めた。結果としてそれがたまたま伸びている、という感覚なんです。
下積みが強みになったか?と聞かれたら、答えは間違いなくYESです。ただ、それは「SNSのための下積み」ではなく、「お客さんのために下地を固め続けた時間」でした。表面的なテクニックじゃなくて、本当にお客様の役に立つ知識と経験を積み上げていく。その思想と動き方そのものが、今の会社の大きな土台になっていると思っています。
「食べて痩せる」健康的に体づくりをするための伴走
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──坂野さんが提唱する「糖質ONダイエット」や「マイナスをゼロに戻すピラティス」は、世の中の流行とは異なるアプローチのようにも見えます。なぜこの道を選んだのですか?
それは、僕自身が過去に間違ったダイエットを経験し、心的にも体的にも負荷がかかった経験があるからなんです。
19歳の時、トレーナーとしてデビューした時、体脂肪が高めだったこともあり、悔しくて脂質も糖質もすべてカットする生活をしていました。卵の黄身すらくり抜いて、白身だけを食べるような極端な生活。一ヶ月で体は劇的に変わりましたけど、その後の継続の仕方にかなり苦労しました。
一時的に痩せることはできたけど、一生脂質と糖質をとらないわけにも行かないし...。かなりダイエット迷子になっていたと思います(笑)。
──相当ご自身を追い詰めていたことが伝わります……。その経験が、今の「食べて痩せる」という信念に繋がっているのですね。
追い詰めていたというとストイックに聞こえますが、自分でやりたくてやっていたことなんですけどね(笑)。
ただ、その後正しい知識を学ぶことによって、確実にその時よりも「楽に」しかも「もっといい身体」を作ることができるようになりました。
ダイエットがうまくいったのもそうですが、確実に「脳の容量」が空いたことを実感しました。痩せるにしても太るにしても確固たるロジックがあるので、太ったとしてもそれを許容した上で食べているから「楽しかったな」と振り返れる、ダイエット中も思ったようにすぐ結果が出なくても「絶対体脂肪は落ちているから大丈夫」安心できる。これがめちゃくちゃ大きいなと思ったんです。
だって、ダイエットって本来人生を楽しむための「手段」じゃないですか。なのに、ほとんどの人が目的化してしまっている。そのせいでダイエットで頭がいっぱいいっぱい。
僕はとにかくそんな人を1人でも減らしたいです。
だって、知らないかつそれを実践したことがないだけでダイエットに振り回され続けている人がいるなんて勿体なすぎますよ!
ピラティスも同じです。
身体の形を変えるにはダイエットと並行して乱れた呼吸や姿勢を元に戻す=マイナスをゼロに戻すことをやるのが「最も最短で」ボディメイクが成功します。
それはつまり「最も早くダイエットをやめられる」ってことなんです。食事だけやり続けても身体の形は変わりません。でも、本人はそれに気づかないからもっと痩せなきゃ、でどんどんダイエットが頭を占める割合が増える。
「食べて痩せる」ことを知ってほしいのはもちろんですが、その先の「ダイエットした先の最高に楽しくて自由な人生」を皆んなに謳歌してほしい、というのが本音です。
──その信念を元に、カリンでは具体的にどのような食事指導を行っているのでしょうか?
私たちは、人間が健康に、綺麗に体型を作る上で必要な要素を「まず埋める」ことから考えます。炭水化物、タンパク質、適度な脂質。これらをまずしっかり食べて、栄養を満たしてから次のステップを考えませんか、というアプローチです。
だから、指導現場では「減らしてください」よりも「まずは食べてください」と言うことの方が多いんですよ。
──ダイエットで「食べてください」と言われることがあるんですね!
そうなんです。3食しっかり炭水化物を食べて、主菜も副菜も揃える。そうやって必要な要素が埋まってくると、不思議とケーキや間食への欲求が自然に減ってくるんです。
土台ができて初めて、「もっと早く痩せたいなら、ここを少し調整しましょうか」と相談していく。これが僕たちの考える、本質的な身体づくりです。
信頼を担保する仕組みと、カリンの独自性
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──坂野さんのメソッドとビジネスモデルは、投資家・堀江貴文氏にも高く評価されています。出資が決まった理由を教えていただけますか?
堀江さんにカリンのビジネスについてお話した時には、「出資するよ!」と仰っていただいて、明確な理由は聞けてないのでまた聞いておきます(笑)。
ただ、おそらく、このビジネスが持つ市場性や、カリンが単なる店舗ビジネスではなく、デジタルを活用して高付加価値なサービスを提供している点、かつ「再現性の高い仕組み」として完結している点を評価いただいたんだと思います。
──「再現性の高い仕組み」について、もう少し具体的に教えていただけますか?
はい。カリンには累計3,000名以上の卒業生データがあります。どんなライフスタイルの方に対しても、最適なフィードバックができるよう、緻密な対応ナレッジを蓄積してきました。
また、糖尿病専門医の先生に顧問に入っていただき、医学的なエビデンスを担保しています。実はその先生、専門外の誤った情報に対して非常に厳しい視点を持つ方で、僕も最初は緊張していたんですよね(笑)。
でも、実際に面談したら「正直話だけ聞いた時は断る気満々でしたが、SNSを見て驚きました。ここまで論理的に構築されているケースは初めてです」と仰っていただけて。この言葉をいただいた瞬間、僕の中で自社のメソッドへの確信が、ようやく確固たるものに変わりました。
──専門医のお墨付きは心強いですね。その「メソッドへの確信」がある中で、実際に現場でお客様と向き合う「人」の面についても伺いたいです。まず、坂野さんはどんなカルチャーを大切にされていますか?
「しょうもないことはしない」ですかね!
ビジネスをやる上で、関わってくれているメンバーがいる以上利益を出していくことは大切です。というか利益ありきです。でも、本質的に人の為にならないことはやりたくないです。社会に対してなんのインパクトも与えない、誰も得しない、自分たちだけ得することをやり続けるのは感覚的に「穴を掘って埋める」を繰り返す感覚に近いです。
綺麗事を言いたいわけではなくて、めちゃくちゃ人生の時間を無駄にしている感じがして、嫌です。
それに、何だかんだ人に喜ばれることをやっていると長期的にビジネスも楽になっていくので、合理的な判断なんですよね。
僕らが発信している内容も、今ゼロイチで始めるとしてSNSコンサルの方に相談したらエッジが効いてなさすぎて即却下されると思います。でも、そんな地味だけど本質的な情報を発信し続けることで、何だかんだ6年ずっと集客に困ったことはないですし、トレーナーの採用に関しては100%SNS経由です。
そんな発信に共感してくれた、個性豊かだけど、本質的には人の為になることをしたい、というマインドが根底にあるメンバーが集まっています。
実際、お客様と接するトレーナーに関して言うと、資格や経歴はほぼ見ないです。採用した結果として有資格者は沢山いますが。資格や経歴は持っているだけだと、特にお客様の役に立たないので。見るのはコミュニケーション能力や人のモチベを上げたり明るくさせられる人間性だけを見ています。
──目の前の相手との向き合い方を一番大事にされているのですね。
そうなんです。ダイエットに迷っているお客様は、すでに膨大な情報の中で不安を感じています。そこに、指導者としての押し付けはいらないと思っています。だから、僕たちは生徒さんに対して決して怒りません。トレーナーは伴走する「黒子」であるべきなんです。
3ヶ月のコンサル期間中であっても、大切な食事会やイベントがある時は「そこも楽しんだ上で、リカバリーする方法を一緒に考えましょう」と伝えます。どうすれば人生を楽しみながら目標に近づけるか、その選択肢を一緒に探すのが僕らの役割なので!
そうした思いがあるからこそ、科学的エビデンスと誠実な共感を高いレベルで両立させることが、カリンというブランドの信頼を支えています。
未完成の組織を、一緒に創る「パートナー」へ
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──坂野さんは「3年で30億」という目標を掲げています。その先にはどのような社会を見据えているのでしょうか。
ヘルスケア業界の常識をアップデートしたいです。
ヘルスケア分野って、エンタメやITに比べると地味な印象があるかもしれませんが、実はめちゃくちゃ面白いんです。そして、人間のフィジカルな関わりがしばらくは必要になるであろう、ビジネス的にもアツい分野であるとも思っています。
身体づくりはどれだけAI化が進んでも「絶対」に切り離せない領域。そんなに大切な分野なのに、あまりにも情報格差がありすぎる。情報強者と呼ばれるような経営者や、やり手のビジネスマンさえも未だにエビデンスの少ない健康療法に熱心だったりすることはザラです。
それに、身体づくりはエンタメです。身体の仕組みって本当に面白くて、知れば知るほどロジックがあって、でもなかなか顧客の行動変容は促せなくて一筋縄ではいかない。本当に終わりがないです。
そして、顧客のダイレクトな反応が得られますし、身体づくりは人生に直結しているので、数えきれないほどの人生のターニングポイントに携わり、手助けすることが出来ます。
こんなにやりがいがあって面白い分野はないです。
もちろん人が健康になってほしいとは思いますが、ヘルスケア業界の常識をアップデートしてネガティブな意味での「ダイエット」「ボディメイク」なんてみんなが忘れている世の中を作りたいです。
──その拡大フェーズにおいて、今まさに必要としているのが「ボードメンバー」ですね。このフェーズのカリンならではの面白さはいかがでしょうか?
現在は少数精鋭の組織だからこそ、これから参画する方はマーケティングでも財務でも、「事業の根幹となる仕組み自体を構築する」というダイレクトな手触り感を味わえるはずです。
そして、僕のスタイルは、基本「プロを信頼して任せる」なので、それぞれの裁量も大きいと思ってもらって大丈夫です。
信頼して任せる理由は、僕の主観を入れすぎるよりも、その道のプロが責任を持って判断する方が意思決定のスピードは最大化され、最高の結果が出ると考えているからです。
余談ですが、昨年オープンしたスタジオの設計でも、専門家の判断を信じて即断即決しました。設計士さんからは早すぎて驚かれましたけど(笑)。
──それはかなり早そうです(笑)。自身の専門性を武器に、事業を動かしたい人には最高の環境ですね。
そう思います。今カリンは、堀江さんをはじめとする強力な支援者の存在に加え、3,000名以上の実績から得られた膨大なデータも蓄積されていて、盤石な土台がすでに揃っています。あとは、この恵まれた環境を最大限に活かして、僕と一緒に事業をグロースさせる「当事者」がほしいです。単なるフォロワーではなく、自分自身で意思決定のレバーを握るパートナーですね。
「未完成の組織を自分の手で完成させたい」という意欲を持つ方に、ぜひカリンの第二創業期を共に創るパートナーになってほしい。
──最後に、入社を検討している方へ、メッセージをお願いします!
身体を扱うこの領域の面白さは、デジタル化が進むほどに『人間同士のコミュニケーション』の価値が高まっていくことにあると考えています。結局のところ人は、誰かと一緒だから頑張れたり、誰かが見ているからこそもう一歩踏み込めたりするものです。そうした人間特有の心の動きに寄り添い、背中を押し続ける。これはAIやデジタルには決して代替できない、すごくやりがいのある分野です。
身体が変わることは、人生が変わるきっかけになります。僕自身、それを体感しました。本気で変化を望むお客様が、僕たちの伴走で「これなら続けられる」と喜んでくださる。その瞬間が、何より嬉しいですね。
カリンは今、大きな飛躍を遂げるためのスタートラインに立っています。僕の隣で、対等な視座を持って議論し、ヘルスケアの未来を共に描いていきましょう。あなたの専門性を、この市場ではどのように活かせそうか、フラットに話し合えるのを楽しみにしています!
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