前回のストーリー記事に続き、今回は私が燈へ入社するまでの経緯や、今後の展望についてお話しします。
入社まで:私のエンジニアとしての原点
幼い頃から家でノートパソコンを触る機会があり、家族の日記をホームページで書くということをしていました。昔からゲームが好きで、パソコンでゲームを作るためのゲーム(RPGツクール2000)に熱中し、その後、プログラミングを独学してゲームを作り部活の友達に遊んでもらうことをよくやっていました。
プログラミングと数学が好きで、東京大学に入学した後は計数工学科に進学しました。学部生の頃には物理現象に対する数値計算の研究、修士課程ではグラフ上の機械学習の最適化の研究をしていました。
大学時代にはサークルには全く所属しておらず、Web系のインターンシップをしてクラウド知識の習得、データ分析系のインターンシップでアルゴリズムの実装、オンラインゲームのバックエンド開発をするなど、学生ながら様々なジャンルでの開発経験を積みました。
修士課程卒業後、新卒でエムスリーのAI・機械学習チームのエンジニアとして所属し、医療ドメインにおける論文の検索エンジン・レコメンドエンジンの開発をしておりました。エムスリーでは本番データを管理するためのデータ基盤、検索基盤、データ分析など技術面を学ぶとともに、データを使ってどのように利益に繋げるかというビジネス視点も学びました。
その後、2022年10月より燈にジョインしました。
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世界一のエンジニア組織を日本から | 燈株式会社
入社の理由:「今この場所が最大の好機」
学生時代からスタートアップの現場で技術を吸収する中で、最前線に立つ経営者やエンジニアの姿に強く惹かれていました。いつか大きな裁量を持ってチャレンジしたいと考えていた矢先、2022年に燈と出会いました。オフィスは小規模ながら、メンバー全員が世界一を目指す姿勢には凄みがあり、行動規範「燈道」が定まる以前から、圧倒的なカルチャーの強さを感じました。この技術とカルチャーで産業課題に挑む姿に、「大企業でじっくり経験を積んでからベンチャーへ」という当初のキャリアプランは吹き飛びました。
「今この瞬間・この場所が最大の好機だ」という確信に従い、迷いなく燈への参画を決意しました。
燈でやってきた事:業界特化のアルゴリズムを社会実装

燈に入社してからまず初めに取り組んだことは、燈に蓄積しているAIモジュールをソフトウェアとしてサービス化していくことでした。燈で扱うアルゴリズムには、画像処理・点群処理・図面処理など様々なモーダルがあります。それをソフトウェアにしてユーザーに届けるために、UIのライブラリの選定やクラウドのアーキテクチャの選定を行いました。さらに実データに対する画像モデルの学習の実装、GPUクラスターの構築によるMLOpsなど、開発領域も幅広くなっていきました。
飯田グループホールディングス様と土地仕入れに関するサービス、大東建託様と工事検査写真の自動分類サービス、大和ハウス様と戸建住宅プランの検索サービス「AIプランコンシェルジュ」など、AI・アルゴリズムを搭載したソフトウェア開発をこれまで手掛けてきました。
これらは単にAI技術があるだけでは実現できません。 建設・不動産業界特有の複雑な商流や、現場の「暗黙知」、そして3Dデータや図面といった特殊な非構造化データを深く理解する「業界特化のドメイン知識」と、それを数理モデルに落とし込む「アカデミア級のアルゴリズム実装力」。この2つが高次元で噛み合っている燈だからこそ、業界の本質的な課題を技術で解決できます。
どのサービス開発においても、「言われた通りのモノを作る」のではなく、ユーザーとの対話を重ねて「本当に必要な価値」を共に創り上げるスタイルを貫いてきました。 開発したプロダクトが今も現場の最前線で長く活用され、喜びの声をいただくたびに、産業の課題解決に貢献できているという確かな手応えを感じています。
今やっていること:技術戦略とエンジニア組織づくり
現在燈では、これまでのソフトウェア・アルゴリズムの領域を超え、ロボットなどのハードウェアを含めた「Embodied AI」の領域に深く踏み込んでいます。 日本の建設業・製造業が持つ「匠の技」や「暗黙知」をAIに学習させ、現実空間で物理的に作業を行えるロボットの頭脳を作っています。これを実現するために、エンジニア組織の拡大と技術蓄積の計画をマネジメントしています。 特に、足元の売上を作る確実な価値提供と、未来の競争力を創るための技術投資。この「現在」と「未来」に対するエンジニアのリソース配分を、経営的な視点で最適化することに注力しています。
そして何より、この高いハードルを共に越え、事業と技術の両輪を加速させてくれる仲間の「採用」に、今もっとも注力しています。
今の志と今後の目標:ソフトウェアの枠を超え、物理世界(フィジカル)へ

先日、燈は三菱電機様から50億円の資金調達を実施し、企業評価額は1000億円を超えました。
しかし私は、この出来事で何かを成し遂げたとは全く思っていません。これはあくまで、社会からの期待値に過ぎないからです。その期待を確かな技術で「社会実装」へと変換し、日本、そして世界の産業を改革し、世界を代表する企業となる。それが、私たちに託された使命だと考えています。
三菱電機様が持つ圧倒的な現場データ・ハードウェア資産と、燈のAI実装力を掛け合わせることで、私たちはデジタルとフィジカルを融合させた「次世代産業OS」の構築を目指します。 それは、これまでの「ソフトウェアの中で完結するAI」から、直接的に「物理世界を変革するAI」への進化です。 これまでのスタートアップの枠を超え、日本の基幹産業を背負って立つ。その重圧を楽しみ、技術で期待を「現実」に変えていく覚悟こそが、今の私を突き動かす最大の原動力です。