AI開発と聞くと、どこか遠い世界の話に感じていないでしょうか。確かに、いきなり扱えるようなものかといえば答えはNOですが、逆に開発業務の延長線上にあるものと定義することはできるんです。
エンジニアリング経験があるそこのお方!あなたは、ご自身が持っているアドバンテージに気づけていますか?
AI開発の多くは「ソフトウェア開発」である
イメージによる誤認
AIという言葉が先行し、高度なアルゴリズムをゼロから設計するものという印象を持たれがちです。確かにそうした領域も存在しますが、実務の多くはそこではありません。
NucoのようなSIerの開発現場で行なわれているAI活用の多くは、主に既存のモデルやAPIをベースにAIをプロジェクトの1部に組み込むことを基本としています。
つまり、要件定義から始まって何らかのAIを含むプログラムとして完成させるという流れを見れば、従来のソフトウェア開発と本質的には変わりありません。違いがあるとすれば、AIというコンポーネントが増えたということのみです。
拡張端子としてのAI
「いや、結局増えてるじゃないか」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、もう少しお付き合いください!
AIは、従来のシステムに接続できる拡張端子と言い換えることができます。例えばデータの分類や要約、問い合わせ対応など、これまで人間が行っていた作業をAIが担うことで、まったく新しいユーザー体験が生まれるというように、AIは人間が生み出せるものの限界を拡張してくれる存在なんです。
より良いパフォーマンスのために使っていたパーツを新しくすると考えてみてください。AIによって、単純な作業に回さざるを得なかったリソースの必要分が減り、自分でコントロールできるリソースが増えたと考えることができるのではないでしょうか。
そして、そんな今だからこそエンジニアとしてAIと付き合っていく上で重要なことは、AIを作ることからどう活用するかへと変化しています。
AI時代に価値が出るのは「問題を見つけられる人」
急速にコモディティ化しているAIですが、誰でも使える時代になったからこそ差がつくポイントは「どんなものに」「どんなAIを」「どう使うか」の3つです。
AIをプロダクトに落とし込める人が強い
多様なAIが登場し日々更新され続けている現在においては、単なる技術検証で終わらずにAIの活用場所を見出し、サービスを提供できる人がその真価を発揮します。
例えば、課題を発見し、それに基づいた設計を行い、最適なパーツを選択、それらを統合してUXとして成立させる能力は、Nucoのような開発現場では当たり前のように求められる力ですが、はたして、開発経験のない人にどれだけのことができるでしょうか。
つまりはエンジニアリング経験そのものが強みになるということ。AI時代において、エンジニアとしての豊富な経験はむしろ有利に働く要素の1つです。
身につけたエンジニアリング力が活きる
開発とは、一発で正解が出るほど単純なものではありませんよね。プロンプトの工夫やモデルの選定、各種調整など、数えきれない程の試行錯誤が前提になります。
ここで差となって浮き出てくるのがエンジニアの継続力と判断力です。
AI開発では試行回数がそのまま成果につながるため、試行を通して改善点を洗い出す分析力と見つけた問題の解決に粘り強くコミットできるデバッグ力を用いて、限られた時間の中でどれだけの成果をもたらせるかが重要になります。
AI技術におけるPDCAサイクル
試作と改善を繰り返す開発現場のフローは、AIを起用する際にも当てはまります。
仮説を立て(Plan)、実際に試行し(Do)結果を確認(Check)、改善する(Action)
というこのサイクルを高速で回せる人ほど、より良いアウトプットに、より早くたどり着くことができます。重要なのは、最初から完璧な設計を目指すことではなく、何度も試して都度改善すること。まさに、これまでの開発経験と一致すると言えるでしょう。
ここまでお読みいただいたことで、AI技術に対する漠然とした恐怖心を払拭できていれば幸いです。次はAI活用が盛んな現場環境について、Nucoを例に見ていきたいと思います。
小さなアイデアを共有する文化
Slackの情報共有チャンネルを活用
AIに限らず、新しい分野への挑戦やその活用を進める際は、個人よりもチームで取り組んだ方が大きな成果につながりやすいことは言うまでもないかもしれません。
Nucoのワークスペースには雑談や情報共有のチャンネルが設けられており、社員間で「そういえばこれこんな情報が出てました」など投稿が日常的になされています。ログが残るので、会話に参加した人はもちろん、知らなかった人にも等しく情報共有がなされ、調べるきっかけになるんですね。
日常の小さな発見や外部からの情報を共有すると、個人を内包する組織自体のレベルが底上げされます。「このプロンプトで精度が上がった」「このAPIの使い方が便利だった」など、ちょっとした情報を気軽に共有できる場が意外と重要なんです。
技術がコミュニケーションを作る
電子の世界が仕事場である以上、現地に赴く職業よりも社員間の直接的なコミュニケーションや会話は少なくなりがちです。
そんな中でもAIという新しいテーマは、自然と会話を生みます。「ちょっと試してみた」という一歩が、やがてチームの知見になることもあるでしょう。漠然とした把握のまま、とりあえず受け流すような空気をなくすには、まず誰かが動くことが必要です。
一人の小さな実験が、チーム全体の取り組みに広がることは珍しくありません。最も重要となるのは、完成度ではなく最初の一歩です。
先手をとる鍵はあなたの手の中に
AI時代では、漫然と待っている人より動いた人が主導権を握ります。
まずは小さく試して、結果を共有、そこからさらに周囲を巻き込むという行動を起こせる人が、自然とイニシアチブをとるようになるでしょう。特別な肩書きや権限は必要ありません。必要なのは実際にやってみた、という行動だけです。
今最初の一歩を踏み出すか否か、その決定権は他でもないあなたが持っているということを忘れないでください。
社会の変動があなたを待ってくれないように、あなたも周りを待つ必要はありません。
AIは、決してもはや未来的なものではなく、これまでの開発経験を活かしてあなたが今、ステップアップするための新しい道具です。もし少しでも興味があるなら、まずは小さく試してみてください。
あなたのその一歩が、チームやプロダクトを前に進める起点になるでしょう。