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コーヒーをオフィスに届けたいわけと、資金調達実施の背景。

こんにちは、株式会社WORC代表の川野優馬です。

この度オフィスにコーヒーを運ぶサービスWORCを本格始動するにあたり、ANRIさんに投資家として参画してもらいました。その背景と思いを綴ってみたいと思います。

コーヒーでスケールさせるということ。

僕は5年半、LIGHT UP COFFEEというコーヒーショップを経営してきました。

たくさんの人に美味しいコーヒーを届けたくて、そのためにはスケールする仕組みと、開いた経営が必要でした。

最初コーヒーに目覚めたのは大学2年の時。カフェバイトをはじめて、ラテアートにハマり、練習のしすぎで日本大会で優勝してしまい、語学留学で行ったロンドンの Workshop Coffee という店でフルーティなコーヒーに衝撃を受けたのがきっかけです。

帰国後日本の新しいコーヒーショップでシングルオリジンコーヒーの美味しさに魅了され、こんなコーヒー作ってみたいとの好奇心で銀行に行って借金をして焙煎機を買い、そのままWebショップを立ち上げました。本場の味を確かめに北欧をまわり、もっといろんな人に広めたいとの思いで店舗を吉祥寺に大学3年の時にオープンしました。

おかげさまでたくさんの方に来ていただき、WEBショップで豆を買ってくれる方も増え、店舗も吉祥寺から始まり、下北沢、京都にもオープンしました。

▲吉祥寺のLIGHT UP COFFEEはひたすら平和な公園の向かいにオープン。


コーヒー屋のビジネスモデルはシンプル。

コーヒー豆を買って、売る。

僕たちは焙煎からやっていたので、

1000円で生豆1kgを仕入れ、
1. toB: 焙煎して飲食店に卸す(4000円)
2. toC: 小売で店舗/EC で小分け販売する(8000円)
3. toC: 豆1kgで60杯分のドリンクにして売る(30000円)

をバランスよくやっている感じです。

美味しいコーヒーを作るためには、この焙煎・抽出の部分が確実に必要なんですが、多く売っていくにはそれぞれ壁があります。

1の豆の卸では、ロースター同士のパイの奪い合いになってしまうこと、2のtoCのコーヒー豆販売は、そもそもコーヒー器具を持っていたり家でコーヒーを淹れる文化がある人への狭いアプローチになってしまうこと、3のドリンク販売は店舗のキャパと立地にある程度依存してしまうこと、が課題です。

もちろん、それぞれを打破するために、これからもLIGHT UP COFFEEで美味しいコーヒーを作りながら、様々な発信と工夫を続けていきますが、これだけだと、スケールする(=急速に市場にインパクトを与える)ビジネスにはなるのが難しい業界です。

そもそもコーヒーでスケールする必要なんて感じない人も多いと思います。でも僕は美味しいコーヒーをみんなに届けて、飲む人も作る生産者までも幸せにしたいと思っています。

コーヒー農園はその仕事の難しさと収入の問題からどんどんなくなっているので、もっともっと多くのコーヒーを適切な価格で買いたいし、美味しく作る方法をすべての農家さんと共有したい。毎日飲むコーヒーが美味しいだけでもっと楽しくなる余地もまだまだたくさんある。

どうやって伝えていくのがいいか、どんなモデルにすれば多くの飲み手、作り手を豊かにできるのか、というのは僕にとっては大事なことでした。

だからこそ、新しいコーヒー消費のモデルを見つけて、今回は人生初めて、投資家を株主として招き入れるエクイティファイナンスを実行したんです。


▲美しきベトナムのコーヒー農園。


いいものを伝えるには、いいものと向き合うパートと、いいものをいいものと言わずに工夫して伝えるパートと2つの役割が必要だと僕は思っています。

前者が欠けるといいものではなくなってしまう。でも前者がいいものをいいものとして伝えると、届く範囲が狭くなってしまう。

これまでLIGHT UP COFFEEで美味しさと向き合い、1杯1杯丁寧に伝えてきたからこその苦労、モヤモヤ、抑圧されたエネルギーの突破口が、オフィスに届けるコーヒーの仕組みでした。

心から、みんなに、美味しいコーヒーを届けたい。



オフィスにコーヒーを届けるサービス WORC

WORCは、WORK x Coffee からつけた名前。

オフィスにできたてのコーヒーをポットで毎日お届けするサービスです。

美味しいコーヒーがあるからこそ毎日が楽しくなるワクワク働ける会社にいるのが楽しくなるいいプロダクトがつくれる、のだと僕は思っています。

このサービスの着想には3つのきっかけがありました。

1. リクルート時代の100円コーヒー

LIGHT UP COFFEEを運営しながら新卒で入社したリクルート。コーヒー好きでわがままを極める僕は会社で飲めるコーヒーに満足しておらず、毎日昼に給湯室に1時間こもり10Lのコーヒーをつくって、各フロアに借りたテーブルにポットと貯金箱を置き、slackにつくったコーヒーチャンネルで通知して1杯100円で販売していました。これが毎日秒速で売れ、美味しいコーヒーがあればみんな喜んで飲むんだ、という実感がありました。サウスタワーという東京駅のでっかいビルだったので、外に買いに行くにも地下のセブンイレブン往復するだけで10分かかるという理由も大きいです。

2. 働いている人はカフェに来れない

コーヒーを飲む人は誰か。一般的なイメージではCMを見ても、働く人がコーヒーを飲みます。メルボルンに僕の好きなコーヒースタンドでPatriciaという店があるのですが、そこは朝の7時のオープンから働く人で賑わい、出勤前に友達とコーヒーを楽しむ人や、近くのオフィスからコーヒー休憩に来て2杯目を持って戻る人や、ランチ前後のコーヒーなど、16時の閉店までずっと回り続けて毎日1000杯のコーヒーを売り続ける猛烈な店なんですが、日本ではそもそも働く人がコーヒー屋さんまでコーヒーを買いに行く余裕がなかなかないのが現状です。だったらもう、オフィスの中までこっちから届けてしまおう、という発想です。

3. 働く場所はもっと楽しくなるべき

東京にいると毎朝の満員電車内に漂うネガティブなオーラに圧倒されます。1週間のうち、働く平日の5日と、休日の2日で、感情もモチベーションも大きく違うことが多いように感じます。そもそも働くって、自分の「好き」や「情熱」や、そこから来る「強み」を価値に変えること。耐えるものではないし、楽しいはずのものなんです。そんな、「働く」と「生きる」を分けずに、毎日が楽しく感じる世界にしたいと思っています。その一番の入り口が、毎朝飲むコーヒーが美味しいこと。会話が生まれたり、リラックスしたり、テンション上がったり、自然と視界が明るくなる。

LIGHT UP COFFEEのライトアップは美味しいコーヒーで日常が「明るくなる」という意味から名付け、オフィスコーヒーのWORC(ワーク)は、コーヒーで毎日が「ワクワクする」ともかかっています。コーヒーが美味しいという、些細だけど大きなエネルギーで、楽しく働ける日本にしたいと思っています。


資金調達にあたって

今回はANRIさんに入ってもらいました。TwitterでDMしたら即日会うことになり、超華やかで美味しすぎるエチオピアのコーヒーをドリップして、ボトルに詰めてプレゼンに行きました。

穏やかさと情熱、両方を兼ね備えたような方で、コーヒーにも僕の話にも強く共感してくれました。

そこから爆速で投資委員会のプレゼンの機会をセッティングしてくれて、翌日には合格のメッセージと評価額と契約書が送られてくるという、独立系VCの鑑のような動きをする、スゴい投資家さんでした


僕はずっと一人で経営してきたからこそ、もっと外に向かって、開いた経営をしたいと悩んできました。お金のこと、マネジメントのこと、戦略のこと、僕は一人で抱え込んでしまうタイプで、実行するのも苦手です。もっと外界と繋がって開いていく経営が必要でした。

LIGHT UP COFFEEではもちろんこれからも美味しいコーヒーを追求し続け、いろんな工夫をしながらその魅力を伝え続けていくのですが、新しく始動したWORCでは、ANRIさんのような経験豊富な方の応援も迎え入れて一緒になって事業を推進していこうと思います。

コーヒーという、趣味でもあり、嗜好品でもあり、同時に日常消費でもある業界だからこそ、新しい風を吹かすには大きな打破が必要。

日本中のオフィスに美味しいコーヒーを届けまくって、コーヒー文化の新しい突破口を開きます。

オフィスで気軽に美味しいコーヒーを飲みたい方は、WORCへ。

1杯ずつバリスタが淹れる美味しいコーヒー体験をしたい方は、LIGHT UP COFFEEへ。

これからも、たくさんの人に、僕たちは美味しいコーヒーを届けつづけます!

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