最近、noteを読んでDMをくださる方や「一度話を聞かせてください」と会いに来てくださる方が増えました。本当にありがたいです。
ただ正直なところ、時々残念な気持ちになることもあるのです。
みなさん、優秀なキャリアを歩んでいる方々なのですよね。この人が本気でなにかにコミットしたら、絶対にうまくいくだろうな、と思う人ばかりです。
でも、人並み以上に稼げている今の状態で、なんとなく満足してしまっている。リスクを恐れて大きなチャレンジをしない。
はっきり言ってもったいなさすぎます。
最初は覚悟が足りない人が多いせいではないかと思っていました。しかし、何人もの人とお会いするうちに、単純に情報を持っていないだけではないか?ということに気が付きました。
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■賢い人ほど、打席に立たない
僕の周りにいるすごい人たち(いわゆる世の中から成功していると言われている人たち)を近くで見ていると、勝っている人の共通点はひとつです。
打席に立った回数が多くて、そのぶん失敗の数も多い。
一方で、優秀な人ほど打席に立ちません。理由ははっきりしています。
時間をかけて筋のいい打ち手を選び、失敗の確率を下げた打ち手を創っていく。
(もっというと、社内稟議が通しやすい打ち手を展開する)
ビジネスパーソンとして「正しい」スキルを身に付けてきたからです。大企業では大いに評価されるでしょう。だから、賢さや優秀さの代償として、動けなくなっているんです。
ここでまず断っておきたいことは、僕は自分のスキルや能力が高いから経営がうまくいくなんて、1ミリも思っていないということです。僕より優秀な人は山ほどいます。それを前提として戦っています。
あの人たちが自分と同じことをやったら負けちゃうかもな、でも彼らがチャレンジしないおかげで助かるな、と感じることも正直多々あります。
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■ 環境の正体は「人」であり「情報」
僕の新卒一社目は、資生堂というど真ん中の大企業でした。入社時は「絶対に事業家になる」と本気で思っていました。
資生堂時代 最終出社後、当時の汐留本社前で
仮に10年勤めても、今の解像度で事業のことを語れるようには絶対になっていません。大企業は組織がきちんとしていて、担当範囲が明確に決まっており、事業の全体像は見えません。これももちろん「環境要因」の一つです。でも、本当に違うのは人から得られる情報です。
経営者同士が顔を合わせると
「あいつが始めた事業はこんな理由でうまくいっているらしいよ」
「あの業界で、実はこんな事業が伸びているらしいよ」
という会話が頻繁に交わされます。
経営者同士がシェアする一次情報が事業のヒントに
これは起業家輩出企業と言われるリクルートにいた時にも、あまり耳にすることはなかったです。大企業にいる限り、「大企業社員としての会話」にどうしてもなってしまいます。
いかに勉強熱心で、土日もスキルを磨き、ビジネス系のSNSコンテンツを摂取してわかった気になっていても、事業に対するリアリティがなく、動けなくなってしまうのです。
「分かる」と「できる」は、まったく別物なんです。
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■ 会社員時代のExcel特訓は無駄でしかなかった
お恥ずかしながら、僕は資生堂からリクルートに転職するとき、めちゃビビっていました。
ハードワークな人が多い、とにかく優秀な人が多いと聞いていたので、「PCスキルが高くないとついていけない」と思い込んでいました。転職の合間の1ヶ月で、なけなしのお金をExcel教室に突っ込み、Excelのスキル磨きに必死になっていました。
10年後の今、マジで、無駄だったなと思います。
仕事の本質はそんなところではないし、いまやAIに一言で終わる作業です。
Claudeが全部やってくれる、いい時代です
身につけるべきはスキルや知識ではなく、自分で決めて、失敗して、次の意思決定の精度を上げていく経験です。
起業でも、雇われ社長でも、事業責任者でもいい。
「自分で意思決定して、責任を取る」ことを続けて、責任範囲を広げること以外に、この時代に本質的な成長のレバーはもうないと言っても過言ではないでしょう。
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■「リスク」という言葉の本当の意味
「リスクがあるので」という言葉を、誰もが気軽に使いすぎています。
リスクとリターンがセットなのは資本主義では当たり前です。
時間を使う以上、実りがあったのかという話になります。それは正しい。でもリスクという言葉を、足を止める言い訳として使っていませんか?
例えば起業する場合のリスクを例に話しましょう。
■①「失敗したら大きな借金を背負う」とは限らない
起業での最大の恐怖はこれだと思います。
日本の制度では、大きな借金を抱えて失敗しても、破産手続きを経て裁判所の免責が認められれば、その債務は消滅します。もちろん、しばらくの間、信用情報に影響が残ります。
ただ、法改正によって、自己破産をした人でも取締役になれる。もう一度、会社をつくれるんです。
日本政策金融公庫には、廃業歴のある経営者向けの「再挑戦支援資金」という融資制度まで用意されています。
(出典:日本政策金融公庫「再挑戦支援資金」)
(制度の話であって、関係者への責任は別の重さで残ります。当然、そこだけは軽く見るべきではないので誤認なきように読んでくださいね)
■②「融資=借金」は間違った捉え方
金融機関から借りる。これを、みんな借金だと思っていますが、融資は時間を買う(借りる)行為です。
今の制度は、中小企業に対してかなり手厚いです。
2022年12月に経済産業省が金融庁・財務省と組んで「経営者保証改革プログラム」を策定し、2024年3月からは保証料率の上乗せによって経営者保証を外せる信用保証制度も始まりました。
(出典:中小企業庁「経営者保証」、中小企業庁2024年3月15日発表)
経営者保証がつかない融資は、実際に多くのケースでありえます。真面目にやっていたのに、1つの失敗で即破産して家族が路頭に迷うなんてことは、皆さんが想像している以上に起きないでしょう。
■③ 転職市場でも、あなたは死にません
一度起業して、うまくいかなかったとします。「そういう人材がほしい」という会社は確実にあります。前のキャリアもあるなら、転職で困ることも(真面目に真摯にやっていたら)あまり起きないでしょう。
で、リスクって何でしたっけ。
成功している経営者がみなさんと違うのは、能力のみの差だけではありません。やってみて、知っている、それだけです。
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■「0→1やりました」は、大抵の場合0→1ではないという悲劇
もう1つあるあるなのが、大企業にいる人のメタ認知のズレです。
僕も大企業→メガベンチャーにいて、勘違いをしていました。そんな自分への戒めでもあります。
「新規事業の担当として、3年で10億つくりました」
こういう人の中では、自分は0→1をやったという認知になっています。だから独立しても同じことができるはずだ、と。
しかし経営で本当にしんどいのはリソースの調達と管理です。
どこに、いくらのお金を、どのタイミングで入れて、人を増やし、プロダクトを作り、次に繋ぐか。これを胃が痛くなりながら回した経験があるか。
大手には新規事業の制度があって、言ってしまえば蛇口をひねればお金が出てきます。会社のバックボーンや信用力、採用力、バックオフィスが整っていて、強力な武器がすでに揃っています。
大きな会社で成果を出した人は、言葉を選ばずに言うと、与えられることが当たり前の感覚になっている人が多く見受けられます。
ゼロから事業を作るときは真逆です。
自分が巻き込む側なんだから、関わる人に何を返せるか、その人をどう良くできるか。これがないと、誰もついてきませんしチームを作れません。ただし、これは本人が悪いという話ではありません。
大企業の環境にいたら、その認知をすることは難しいですし、僕も当時は同じような感覚でした。だからこそ、優秀な人には異なる環境に飛び込む勇気を持ってほしいなと思います。
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■玉がないんじゃない。玉がある場所に立っていないだけです
一方で、挑戦しようと思っても、以前ほどスタートアップや起業に夢を感じられなくなった、というのが時代の風潮ではないでしょうか。インターネットの黎明期のメルカリやZOZO、タイミー、このようなホームラン狙いの起業家の数は減ったように感じるし、難しいと言われるのもわかります。
でも他の領域に目を向けてみてください。
ファッションブランドSNIDELなどを束ねるマッシュホールディングスの年商は1,363億円。2022年にベインキャピタルへ株式売却したニュースは、当時バルクオムの取締役だった僕に衝撃を与えてくれました。
ファッションだけでこんなにもブランドを抱えています
僕たちV inc.がポートフォリオを組むのは、こういう事業を見て、まだまだ大きなチャンスがあると考えているからです。(違う理由もあるのですがそれはまた追って)
0→1を泥臭くやり続ける、でもその中で培った仲間やパートナー企業との信頼関係はグループとして積み上がる。
100発100中で事業を成功させることは当然難しいかも知れませんが、この積み重ねが100億円、1000億円規模になりうると考えています。
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最後に。
この年になって思うのは、どうせ時間をかけるなら、ワクワクする時間が1秒でも多い方がいい。そのために、誰とやるかを一番大事にしたい。
人間は弱い生き物です。僕も弱い。
だから、刺激し合えて引き上げ合える環境に身をおいた方が頑張れます。そこで小さな成功体験が積み上がると、次のビジョンが見えるようになります。
仲間全員がそうなっていったら、めちゃくちゃおもしろいと本気で思っています。今の場所でモヤモヤしている人には、ぜひ飛び込んできてほしい。
2〜3年後、あなたには今想像している以上の景色が見えているはずです。
今日の記事が、少しでも皆さんのヒントになると嬉しいです。本日も最後までお読みいただきありがとうございました✌️
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この記事は、V inc.のnoteから転載しています。
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