食事を通して人々に生きる喜びを届けるべく、高齢者福祉施設や医療機関向けに食事サービスを提供する、株式会社ナリコマホールディングス(以下、ナリコマ)。大阪府大阪市に本社を構え、関西を中心に成長を続けています。2025年春からは東京拠点にも力を入れ、全国にサービスを拡大しています。
今回は、そんなナリコマの採用課メンバー4名の対談をお届け。人材紹介会社に頼らない「自社完結型採用」の実現に向けて、各チームがどのような取り組みを強化しているのか、今後どんな未来を描いているのかを語ってもらいました。
なお記事の執筆には、株式会社ストーリーテラーズさんにご協力いただきました。
参加者紹介
菅さん(中途採用チーム・2024年3月入社) 中途採用の企画・運営を担当。1社目は携帯電話の企業で新規開拓営業、2社目はマーケティング営業、3社目は翻訳営業、4社目の人材紹介会社では両面営業とスカウト配信を経験。リファラルでナリコマを知り入社。
片倉さん(採用マーケティング・2024年4月入社) 採用マーケティングを1人で担当。営業職、広報PR職、スポーツチームでのマーケティング職を経て、ナリコマに入社。当該ポジションを1人で立ち上げ、候補者との接点作りを多角的に展開。
庄司さん(新卒採用チーム・2024年5月入社) 新卒採用の企画・運営を担当。1社目は専門学校の入試事務局で広報、2社目はホテルチェーンを展開する会社で採用業務を経験。
横山さん(パート採用チーム・2025年4月入社) パート採用の企画・運用管理を担当。1社目は金融系企業のバックオフィス、2社目以降は人材系企業で紹介の両面営業やRPO業務を経験。ナリコマでは、事業会社の人事担当として自社の採用を行うという未経験の領域に挑戦。
採用課の各チームの役割![]()
ーーまずは皆さんのチームの役割について教えてください。
横山さん: パートチームでは、ホールディングス・フード・エンタープライズのグループ全3社のパート採用について、採用企画への取り組みや日々の応募者対応などを中心に業務を行っています。
菅さん: 中途チームもパートチームと同じく、グループ全社分の中途採用を担当しています。応募の受付から内定出しまで、労務課に役割をパスする直前までが中途チームの担当範囲です。チームには、運用メインの担当者も、私のような企画の担当者もいます。
片倉さん: 採用マーケティングは現在立ち上げ段階で、僕一人で担当しています。具体的には、採用SNSの立ち上げ、社員インタビューなどのコンテンツ制作、ショート動画の企画などを行っています。また、スポーツ協賛やウェブ広告なども行っており、候補者との接点作りを様々な角度で行っています。
庄司さん: 新卒チームでは、ナリコマエンタープライズ社の新卒採用を担当しています。営業職と栄養士職の採用活動を全国で行っており、各エリアの営業採用担当と連携しながら、採用成功に向けて動いています。
ここ1年ほど、特に力を入れているのが「若年層へのアプローチ」です。大学の授業の中で当社のお食事の商品「クックチル」を使っていただき、栄養士育成の協力をしています。また、若年層にナリコマという会社を認知してもらい、就職先としてナリコマを選んでいただけるよう、広報活動を行っています。
--皆さんは各チームで異なる業務を担当していますが、普段はどのような連携があるのでしょうか。
横山さん: 連携のハブになっているのは片倉さんだと思います。新卒採用や中途採用に関する対外的な広報活動について、立ち上げの中心を担ってくださっています。
パートチームで言うと、中途チームとは雇用形態が違うだけで、対外的なアピールの仕方や求人票の見せ方といった点で親和性が高いので、定期的に情報交換したり、お互いのミーティングに参加して勉強したりしています。
自社採用力の強化へ。「攻め」の採用スタイル![]()
ーーナリコマでは現在、人材紹介会社に頼らない「自社完結型」の採用をめざしています。具体的にどのような取り組みを進めているのでしょうか。
菅さん: 中途採用では、スカウトを積極的に活用するようになってきています。私は前職でスカウトメール配信を数年担当していたので、その経験を活かしてスカウトの社内への浸透に取り組んでいます。
当社で積極的にスカウト活動を始めてから1年弱経ちますが、最初はこちらから各部署に「スカウト採用してみませんか」と声をかけていたのが、最近では「スカウト採用したい」と相談されるケースも多くなってきました。スカウトが社内に浸透しつつあると感じますね。
横山さん:実際、僕もスカウトメールをきっかけに入社しました。見事に釣られました(笑)。
片倉さん:僕もスカウトメールがきっかけでナリコマに入社しています。
菅さん:スカウトの成功例ですね(笑)。応募者を集める方法は色々ありますが、人材紹介というのは人材エージェントから応募者を紹介してもらうという、いわば「待ち」の姿勢の採用活動です。
一方で、スカウトはデータベースを用いて「ぜひ当社に応募しませんか?」とこちらから能動的に働きかけていく、「攻め」のスタイルの採用活動です。これからは、こうした攻めのスタイルの採用に力を入れていきたいと思っています。
庄司さん: 新卒チームで言うと、新卒ナビサイトに頼り切らない採用をめざしています。具体的には、片倉さんと協力しながら新卒人材向けのSNS発信を強化したり、SNS上に広告を出したりしています。
また、大学や専門学校と関係性を築き、直接新卒人材を獲得しに行く、学校から当社にご紹介いただけるようにするなど、自社採用力を上げるための取り組みを行っています。
特に新卒チームでは、「大学や専門学校を訪問して、母集団形成を行う」という手法を強化しています。実は栄養士さんは転職したい時、母校の大学や専門学校に相談するケースが多いんです。そこで、私たちは新卒採用のチームではありますが、「当社は中途採用も行っているので、卒業生の栄養士さんが転職したい時、ぜひ当社をご紹介いただきたいです」というアピールもしています。
新卒採用が一番様々な手法を試しやすいと思うので、新卒採用からまず試してみて、当社に合う新たな採用手法を見つけられるよう挑戦している段階ですね。
横山さん: パートチームでは、自社ホームページへの流入数を増やすために新しい媒体のトライアルを行ったり、採用ホームページの機能拡充を行ったりしています。
具体的には、GPSを活用し、自分の現在地に近い場所の求人が地図上で表示されて、選択して応募できるような仕組みを作っています。また、採用課内で作ったインフォグラフィックス動画を入れ込んで、当社の魅力を視覚的に理解していただけるようなコンテンツも作っています。
データ分析を活かしたアプローチ![]()
ーー皆さんは今まで全く異なる業界での勤務経験があり、それぞれの経験を活かして新しい取り組みを進めています。特に横山さんの「データ分析」を活用したアプローチは、採用課に新しい風を吹き込んでいるそうですね。
片倉さん: そう感じますね。横山さんの強みは、「しっかり数値化できること」だと思います。
たとえば単に「スピード感を持ってパート採用を進めたい」と言っても、それだけでは具体的に求められている早さがわからないですよね。その点、横山さんは「他社ならこのくらいのスピードで採用しているのを、当社ではこれくらい時間がかかっています。だから、スピード感を意識して採用活動するのが大事なんです」と、実際のデータに基づいてロジカルに説明してくれるんです。
横山さんは、採用課に「徹底して数値化する」という新しい文化を持ち込んでくれたと思います。その視点は今の私たちに欠かせないものなので、本当にありがたいです。
横山さん: 2社目の上司が、定量的な観点で物事を考えることに非常に長けている方だったんです。その時に得た考え方や、RPO業務ではクライアント視点で改善策を検討することが求められていたので、その経験が活きていると思います。
仕事する上で、数値的な部分で示して周りにご理解いただくことは、ナリコマに入社してからも大事にしています。ナリコマはどちらかというと、定性的な経験則やこれまでうまくいった方法を踏襲することが多い印象があります。これは諸先輩方が積み上げてこられたものなので、引き続き大切にしたいと思っています。
その一方で、その方法にさらに自信を持ってもらうために、定量的なデータを参考材料として示して「やっぱりこの方法で合っていましたね」という伝え方をしたり、「ここは少し変えた方が効果が出るかもしれませんね」と伝えています。そうしてよりよい方法を探している最中ですね。
新卒採用の大改革![]()
ーー新卒チームについて、庄司さんが入社してから、採用の手法や取り組みが大きく変わったそうですね。
庄司さん: 私の入社当時は、新卒採用はあまり攻めていなくて。「来た応募者から選ぶ」という姿勢でした。今の時代に合っていない採用スタイルだと感じたので、「自分たちから出会いに行く、採りに行く」という攻めの姿勢に変えていきました。
たとえば私が入社した2年前は、エリア採用担当がおらず、大阪本社で一括して全国の採用活動を行い、成功させないといけないという体制でした。そのため、各エリアの情報が入手しづらかったんです。今はエリア採用担当が配置されて、各エリアの情報が入ってくるようになりました。
また、今まで以上に応募者一人ひとりに寄り添い、時間をかけてコミュニケーションが取れるようになりました。応募者にとっても、安心して当社をご選択いただけるようになったと感じています。
また入社当時は、栄養士の採用で何よりも重要である、学校とのパイプが全く作れていない状況でした。そのパイプ作りもここ1年で強化することができ、学校からの認知度も高まってきています。さらに若年層向けに授業ができるようになったり、「大学の教科書にナリコマについて掲載したい」というご相談をいただいたりと、嬉しいお話をいただくようになりました。
このように新卒チームではこの2年間、常に新しい挑戦をし続けてきましたね。
ナリコマの採用ならではの難しさ![]()
ーー専門職の採用、予測困難な採用計画など、ナリコマならではの採用の難しさがあると聞きました。詳しいお話を聞かせてください。
庄司さん: 最近の学生さんは就職活動の際、給与や福利厚生などの条件面だけでなく「入社後、周りのメンバーが自分をどう受け入れてくれるか」という点をとても重視されています。
その点、当社は人を大切にする風土が根付いている会社なので、ぜひアピールしていきたいですね。また、「ナリコマに入社したらこんな風に活躍できます」「仕事もプライベートもこんな風に両立できますよ」という点もしっかり訴求していきたいと思っています。
また、栄養士は一般的に、厨房の現場からキャリアをスタートさせることが多い仕事です。そしてライフイベントなどをきっかけに、「厨房でずっと働き続けるのは難しいかもしれない」と次のキャリアを考え始める方も多い。ただ、栄養士の仕事は「活躍できる場が限られている」という実態があります。
だからこそ私たちは「栄養士の資格を活かして、アドバイザー(既存顧客営業)へキャリアアップできる」「社内公募制度で採用や人材育成の面から会社をサポートする」など、「新しい道で活躍できますよ」ということを、もっと打ち出していきたいと思っています。
ただ、そのメッセージはまだ学生さんに十分に刺さっていない。どう伝えればいいのか、そこから中途採用にどうつなげていくのかは、今まさに課題ですね。でも、これがうまく軌道に乗れば、当社の新卒採用はきっと良くなっていくと思います。
横山さん:パート採用については、ライフスタイルやご家庭の事情に合わせて働かれる方が多いため、働き方が変わるタイミングでご退職されるケースもあります。そうした背景から、採用活動を継続的に行う必要があるのが、パート採用の特徴だと考えています。
そんな背景があるだけでなく、売り手市場が続く今、各企業が様々な取り組みをされている状況で、「どうすれば求職者の方に当社の情報をお届けできるか」「当社の魅力が伝わる内容となっているか」を日々考えるのは、大変に感じる時もあります 。
菅さん:中途採用について、当社では「この部署で年間〇人採用する」という年間の採用数は固定ではなく、事業の成長スピードや現場のニーズに合わせ、柔軟に採用枠を設定しています。その積み重ねで、去年度は年間220人ほど採用し、今年度はおそらく300人前後の採用人数になりそうです。
このように当社の中途採用は予定が見えないので、「去年のこの時期はこれくらいの人数採用していたから、今年も似たニーズがあるかもしれない」「そろそろ募集の波が来るかもしれない」などと予期して動いています。そして、ニーズに合わせて採用媒体や手法を提案し、理解を得て、募集を行うというPDCAを常に回し続けています。
また、時代に合わせて、母集団形成、選考フロー、入社時の手配の方法を見直し、時間を短縮化することで、もっと違う取り組みに時間を使えるよう試行錯誤を重ねています。
理想の未来へ向けて、認知度の向上が課題![]()
ーー今後、採用課としてめざす理想の姿はどのようなものでしょうか。
横山さん: 本部長の北窓がよく話しているのは、「オウンドメディアだけで採用を充足できる世界を作っていきたい」ということです。これは理想形だと思います。僕たちは今、その理想に向けて何をすればいいのか、試行錯誤しているところです。
その理想を叶えるためには、ナリコマという企業の対外的な認知度向上が重要だと思っています。手前味噌ですが、新卒・中途・パートともに条件面や働き方などについて、同業他社さんと比べても総合的に負けていないと自負しています。だからこそ、あとは「知ってもらう」。その点が課題ですね。
また、庄司さんの話にもありましたが、現場に近い立場のエリア採用担当と連携を強化して、より現場の意見を取り入れた採用活動を形作っていきたいです。
庄司さん: 私の前職はホテルチェーンで、ある程度認知度のある中で採用活動をしていました。資格も不要な職種だったので、興味を持ってくださった方が自然と集まってくる環境だったんです。
それと比べると横山さんのおっしゃる通り、当社は業界としての認知度がまだ低く、BtoBのサービスでもあり、まずは知ってもらうところから始めないといけない。「ここまで前職と環境が違うんだな」と、最初は採用のハードルを強く感じました。
でも私も北窓が描くように、自社での採用力が上がり、自然と当社に人が集まる状態を新卒採用でもつくりたい。「栄養士で就職するならナリコマだよね」と学生さんたちから思っていただけるように、学校とのパイプづくりや認知度向上にもっと力を入れていきたいです。
菅さん:現在、私はスカウトを通じて当社を知ってもらい、応募へとつなげています。
同時に、自社HPだけで採用が充足するという理想の未来に向けた採用活動を行っています。当社の勤務条件や働く環境、一緒に働くメンバーなどをもっと知ってもらえれば、「ナリコマって良さそうな会社だな」と思ってもらえる要素はたくさんあると思っているんです。そこで片倉さんを中心に、採用ブログやSNSを通じて情報発信をしています。
将来的にはスカウトというフックがなくとも、当社に自然と応募が集まるようにしたいですね。
片倉さん:私も「自社完結型採用」の実現が最大のミッションだと捉えています。
そのためにまず着手したいのが、「採用戦略の基盤となる採用サイトの強化」です。求職者の方が欲しい情報にすぐたどり着けるよう構成をわかりやすくし、かつ、当社の魅力を伝える情報量を圧倒的に増やしていきたいと考えています。
そして、サイトという受け皿を整えた上で、次に重要になるのが「いかにそこへ人を集めるか」です。 SNSでの発信強化はもちろん、検索で見つけてもらうためのSEO対策、社員からのリファラル採用の強化、そして攻めのスカウト促進。
これらを並行して動かすことで、人材紹介やナビサイトに頼らなくても自社のアクションだけで採用が完結する強い流れを作っていきたいですね。
能動的に挑戦できる方、求む!![]()
ーー最後に、今後採用課の仲間になっていただきたい方の人物像を教えてください。
菅さん: 能動的な方がいいですね。指示待ちの姿勢ではなく、自分から「こんな発信がしたい」「新しいメンバーとして、皆と一緒にこういうことをしたい」など、一緒に能動的な考えをお持ちの方にジョインしていただきたいです。
横山さん: 今の採用課は「色々トライして変革していこう」というフェーズなので、既存のやり方に固執せず、「どんどんやってみよう」というマインドを持っている方がいいですね。そのマインドでこれまで仕事をされてきた方が入ってくだされば、私たちにとっても大きな刺激になるので嬉しいです。
そして、「できるか・できないか」というのではなく、「やるか・やらないか」に重きを置ける方がいいなと思います。できる・できないはあくまで結果。トライした結果、うまくいかないことも当然あります。
当社はもし取り組みが失敗に終わったとしても、それを糧に「次はどうすればよいのかを考えていこう!」という環境なので、失敗を恐れず「まずはやってみる」と一歩を踏み出してもらいたいです。
庄司さん: 新卒チームに関しては、厨房の現場で働く方の意見を大切にしたいと思っているので、新しいことを取り入れながらも、現場の目線や現場との対話を大切にしてくれる方が来てくださると嬉しいです。
片倉さん: 横山さんもおっしゃっていましたが、当社の採用課は変革期です。変化を楽しめる方、ご自身で変化を起こせる方と一緒に働きたいですね。
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[執筆・校正・取材]株式会社ストーリーテラーズ
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