【CTOインタビュー】一人ひとりの「Professional」に応える組織環境・文化づくりに奔走。対話重視のマネジメントで「人生を豊かにする」ソリューションの実現へ。
企業の健康経営支援を主軸とした多彩なITサービスを展開する株式会社リンケージ。来たる人生100年時代に伴走する「人生を救うためのソリューション」の実現と拡大に向け、2022年から参画した取締役CTO・曽根 壮大(そね たけとも ※社内での愛称”そーだい”) のインタビューをお届けします。
予防医療による豊かな人生、社会貢献を実現するためのプロダクトを世に放つだけでなく、2025年度は組織文化の醸成や評価制度の見直しといった重要な役割を担ってきた曽根に、仕事をやり切る上で大切にしている価値観や創意工夫、共に働く仲間へ寄せる想いを聞きました。
ーーリンケージに参画した背景と、現在の役割について教えてください
警察官からエンジニアにキャリアチェンジ後、個人での会社の立ち上げのほか、リンケージを含め3社でCTOを務めてきました。
リンケージを選んだ大きな理由としては、1つ目にこれまで技術者としてフォーカスしてきた「ソフトウェアや技術で世の中を良くしていく、楽しくしていく」ことが実現できそうだったこと、2つ目としては、身内を早くに亡くし、「世の中を楽しむためにはまず健康であること」の重要さを実感した経験から、リンケージの健康を支援するソリューションに共感したこと、そして最後に、ビジネスモデルがしっかりしていて将来性があり、自分が参画することでビジネスの前進に役立つイメージが持てたことです。
今の私の役割としてはCTOに加え、2025年度はCOOも兼任することとなり、「何でもやる係」として、事業責任者やプロジェクト管理といった現場の業務と並行し、組織開発にも携わっています。
ーー直近の仕事の中で、印象的だった取り組みはありますか?
2024年に行動指針や評価制度、カルチャーといった組織文化の見直しを行いました。
トップダウンで決定すれば楽かもしれませんが、私たちはそういう文化を作りたいわけではなかったので、経営陣が率先して日報や記事を書いたり、意思決定プロセスを公開したり、全社アンケートの実施とフィードバックをしたりといった「透明性」を重視しながら進めていきました。
その結果、当初はアンケートで「組織に不満を感じている」人の割合がかなり多かったのですが、今では「良い」状態が多数を占めるようになり、取り組みが実を結び始めたと実感しているところです。
中でも、行動指針となるValueの再定義は大きなインパクトがあったと感じています。元々定めていたCore Principal(「Professional」、「Enjoy the changes」、「Gift」)はそのままに、新たなValueとして「Extreme Ownership」「Proactivity」「Value Add」「Just do it,Don’t ask」「Design It」の5つを定めました。その結果、例えばメンバーの期待値調整や採用のシーンで、「この人にはこの仕事にExtreme Ownershipを持ってもらいたいからこの仕事を任せよう」など、得手不得手やグレードと相対的に見ることで、評価や判断がしやすくなりました。
Valueがあることで良い方向を見通せるようになり、メンバーが組織にフィットした方向性を示し合えているように思います。
なお、評価制度の見直しも前述の全社アンケートがきっかけでした。仕組みが不明確だとの忌憚のない意見が寄せられ、現状分析のために更にアンケートを取りながら進めていきました。その過程で事業部ごとの失敗事例なども浮き彫りとなり、ちゃんと知覚してやり直すという意思決定につながりました。
このような透明性向上への取り組みが組織改革に紐づいていると実感しています。
体制や風土を大きく変えることは、特に既存のメンバーにとって感情面でのコンフリクトがなかったわけではないですが、真摯に、誠実にやりたいことに向き合い、経営メンバーとして逃げない点は大事にしたところだと思っています。
ーー責任者として意思決定をしていく中で、大切にしていることはなんですか?
Valueの「Just do it,Don’t ask」の中でも「失敗が好き」と言っていますが、決断のコツは「失敗できるようにすること」だと考えています。
逆説的に言えば、変化に弱く失敗が難しい決断は丁寧にやる。根拠がない、失敗したら死んでしまうかもしれないというようなリスクのある意思決定は最小限にしてできるだけしないのが、私のスタンスです。
最近であれば、医療機関経営支援事業として、心臓専門画像診断クリニック「CVIC」におけるAIの活用範囲、AIにどれだけ賭けるかの意思決定において、私が大事にしてきたスタンスを体現できていたと思います。
価値創造、競争優位性分析に活用される「バリューチェーン」という概念があります。製造からユーザーに届くまでの間のどこでAIを活用するかという状況になったとき、多くは製造(企画や開発を含む)の部分で活用する話になります。
ですが、私たちはそこは当たり前の品質を保って取り組みながら、オペレーションや窓口の改善といったいわゆるDXにAIを活用する決断をしました。
前例が少ない、一見リスクが高そうな今回のケースでも、まずはひとつのクリニックをコンサルティングするという形であればリスクを減らせます。私たちの仮説がPoC(概念実証)としてマッチするかというところから、小さい失敗ができる形でチャレンジできたと思っています。
意思決定を的確に進めていけば、あとはメンバーに任せられます。仕事が前に進めば組織は成長し、売上も上がる。ここは経営の勘所の一つだと考えています。
ーー組織力強化のために実践していることはありますか?
先の話にもあった日報や評価制度もそうですが、エンジニア採用ではリファラルに力を入れることにより、入社したエンジニアが今度は自分自身の経験を持って各種カンファレンスや勉強会に参加して、またご縁がつながって……というように、採用のプールが広がっています。
こうした「物事がいい方向に向かう」きっかけには「仕組み」が起因していると考えています。仕組みがしっかりしていれば「行動が起こる」んです。
行動には失敗がつきものですが、失敗は分かれ道ではなく、失敗が蓄積した結果成功に至るので、まずは行動しないと物事が進みません。この行動を促せるのがいい設計や仕組みだと思っていて、そこは意識して作れていると思います。
マネジメントでは「ティーチング(教える)」と「コーチング(促す)」を使い分け、ティーチングからコーチングへ移行するタイミングで、メンバーの成長を実感することが多いです。渦中である本人はもがいたり迷ったりして苦しい、成長痛が発生しやすいときではありますが、それに向き合う姿を見ていると、この組織は強くなると感じます。
私は、ロジカルで再現性があり、たとえ失敗しても修正していけるコミュニケーションを信頼しています。そのため、必要に応じてフレームワークやコミュニケーションモデルを活用しながら、対話を進めることもあります。
リンケージCEOの生駒は、これを「組織に神経を通す」と表現します。また、任天堂の元代表取締役社長である岩田聡氏は著書の中で、「コミュニケーションのギャップを一人ひとりが埋めていくことで、最終的にチームはひとつになり、問題は解決に向かう」と述べています。
私も同様に、「対話」に強い価値を置いています。対話を通じて認識のズレを埋め、共通理解を積み重ねていくことこそが、組織を前進させる原動力になると考えています。
コミュニケーションのずれは期待値調整で解決するという考え方がありますが、どう調整するかといえば「明確にして」「伝える」ことなんです。これは個々の向き合いだけでなく、組織文化をマネージャーレイヤーなどにインストールする際にも言えることです。そこを突き詰めることが最終的にValueの1つである「Design It」にもつながるということを意識しています。
リンケージは会社の規模感として5、60人のチームでやっていこうと決めていますが、これも一人ひとりと密に対話できるボリュームを考えた結果です。逆に言えば、対話を大事にする前提で組織設計をしているということです。
ーーこれからリンケージで挑戦してみたいことはありますか?
私がリンケージに参画した理由でもあるのですが、「ソフトウェアを通じて人々の人生を豊かにしていきたい」という想いは変わりません。
医療の発展により救える命が増え、平均寿命も伸びました。しかし、介護や制限を受けず自立して健康に生活できる期間である「健康寿命」との平均寿命の差は、男性が約9年、女性が約12年ほどもあります。病気にならずに済むならその方がいいですし、年を重ねても元気に歩けるならその方がいいというのが私の考えです。
私たちが取り組む「予防医療」は、「命を救う」より上のレイヤーで「人生を救う」、「人生を豊かにする」ことであり、非常に大きな価値があると信じています。ならなくていい病気、取り返しのつかない後悔をなくすことが当たり前になるように、これからもサービスを提供していきます。
私が6歳のときに父は43歳という若さで他界しました。これまではがむしゃらに働くことを続けてきましたが、私も40代になり亡くなった父と近い年齢になってきたので、人生一区切りという気持ちで、最近は「持続性」についてよく考えています。例えば私が突然倒れても会社が維持できる、組織における私の考えや価値観が「そーだいイズム」としてメンテナンスされながら維持されていくというような、継続可能な状態をどうすれば維持できるのかについて思案中です。
現代ならではの社会課題に対して、リンケージの中に閉じず他社でも再現できる仕組みへと落とし込み、これまでの成功体験をコンサルティングという手法で広げていく。
そうした取り組みを通じて、より多くの企業や人が予防医療にフォーカスできる社会を実現したいと考えています。その結果として、世の中や医療業界全体がより良くなるという好循環を思い描いています。
ーーリンケージで共に働く仲間に期待することはありますか?
まず、エンジニアに限らず「Professional」であることは必須と考えています。スキルや技術を極める人(Expert)とは異なり、覚悟や責任の自認がある状態を私たちはそう定義しています。これはリンケージの「Core Principal」のひとつであり、大前提となる価値観です。
「Professional」の体現方法は人それぞれではありますが、第一に「Just do it」、つまり「行動すること」は求められます。リンケージはサービスの特性上、元医療專門職の方も多く、事業開発の経験はあってもIT業界は初めてだったり、異業種から転職してきたりする方も少なくありません。その状況下でも前のめりにアクションが取れる人は活躍しています。
また「透明性」と並ぶリンケージのカルチャーのひとつとして「抜擢人事と成果主義」を掲げています。
新卒でPdMを任せたり、20代で執行役員に任命したりなど、行動して自分の仕事をどんどん大きくしていける人は、年齢や経験に関わらず評価します。
落ちているボールを拾う、上司の仕事を奪っていく、誰もやらなかった仕事を自分がやる、やったことないけどやってみる……。やり方は違えど「Just do it,Don’t ask」ができる人には裁量を与えていきますし、Extreme Ownershipを持てる範囲が広くなればなるほどリンケージで活躍できる幅も広がっていきます。
予防医療の大切さは当事者にならないと実感しづらいものですが、こうした社会課題に興味・関心やパッションを持って取り組める若い世代の人にとっても、おもしろい経験ができる環境だと思っています。
仕事で何を成すかは大事ですが、私はそれ以上に「誰と成すか」を大切にしています。リンケージでは「誰と成すか」を重視した結果、社員同士の距離が近い、密にコミュニケーションのとれる体制が整っています。
フルリモートでも少なくとも半年に一度は全員で集まったり、経営陣とも気軽に1on1ができたりと、「誰と成すか」を重視する人には合う環境だと思います。我こそはという人はぜひお話ししましょう。