Smart相談室 | 法人向け対人支援プラットフォーム
「働く人の『モヤモヤ』を解消し、『個人の成長』と『組織の成長』を一致させる」をミッションに、法人向けオンライン対人支援プラットフォームを開発、運営しています。 主なサービスとして、社外相談窓口サービス「Smart相談室」とコーチングサービス「Smartマイコーチ」を提供しています。
https://smart-sou.co.jp/
大学受験に失敗したら、人生失敗だと思っていた学生時代
“ひとりで抱えてしまう”が命を削ると知った19歳
ひとの価値と可能性を心から信じる、コーチという仕事
コーチングを学ぶ意義に繋がった、Smart相談室との出会い
ジョインして半年の今感じる、Smart相談室の魅力
相談者さまへの想い
一番幸せなわたしを更新し続ける、わたしの今後について
松世 望(まつよ のぞみ)
国際コーチング連盟ACC、国家資格キャリアコンサルタント
はじめまして、Smart相談室カウンセラーの松世望です。Smart相談室では、30分1コマから気軽に話せる相談のほか、コーチングセッション、財務三表のティーチングも担当しています。
ご縁をいただいたこの機会に、わたしのこれまでの歩みやSmart相談室との出会い、そして今カウンセラーとしてどんな想いで向き合っているのかをお伝えできたらと思います。
自身の適応障害と兄の自死を経験したからこそ見えてきた、「生きること」の輪郭。浮かび上がってきたのは、コーチとして生きるという使命でした。わたしの歩みと想いを、まっすぐに綴っていきます。
富士山と海が重なって見える穏やかな港町に生まれました。豪華客船が停泊するとたくさんの外国人が家の前を通り、自然と海外に興味を持つようになりました。
小学6年生の頃に兄が東大に進学。並外れた努力に尊敬と憧れの気持ちを抱きながら、なんとなく彼と同じように、いい大学に行きたいと思っていました。
中学で生徒会長に立候補したら「女の子は副会長にしてほしい」と言われたり、進学面談で「理数科に女の子はほとんどいない」と反対されたのが悔しくて、とにかく負けたくないという意地と反抗心だけで突き進んだ時期もありました。
晴れて高校生になると、膨大な課題で2〜4時間ほどしか眠れず、慢性的な睡眠不足と受験のプレッシャーで偏頭痛が悪化。高校2年生の冬には、とうとう起き上がれなくなってしまいました。適応障害の診断を受け、寝返りも苦しいほどの頭痛で痛み止めと睡眠導入剤を飲む日々。
今思えばストレスから離れてゆっくり休むのが一番ですが、大学受験に失敗したら「人生ドロップアウト」だという危機感が勝り、うまく休み切ることができませんでした。
丸一年、自分を責め続けました。クラスメイトは受験勉強を頑張っているのに、わたしはこんなにも無駄な時間を過ごしている。
人生が決まる大学受験に失敗して、誰からも見放され、孤独で死ぬんだと本気で思うほどでした。
そんな中、一人の先輩が大学のパンフレットを手に訪ねてきてくれました。センター試験の直前。浪人か、受験か、決断の時期でした。
「のんちゃん海外留学行きたいって言ってたでしょ。うちの大学ね、全額給付の奨学金が出るんだよ!よかったら見てみて。」
手渡されたパンフレットは見知らぬ大学。パラパラとめくっていくうちに、海外に行きたいというキラキラした気持ちを思い出しました。
「わたし、ここに行く」
オープンキャンパスにも行かず、4年間の居場所を決めました。
2017年、名古屋外国語大学に入学。環境が変わってすっかり元気になった6月末、兄の訃報を受け取りました。東京の小さなワンルームで、独り静かに亡くなっていたそうです。
年度末と新年度で残業が続き、プライベートでも悲しい出来事があったのは知っていたけれど、まさかこの世を去ってしまうなんて。
頻繁にLINEもしていたし、たまに電話もしていたのに、何も力になれなかった。まだ26歳の彼が、この世界に希望をひとつも持てなくなってしまったことを、悔しくやるせなく思いました。
働く人のつらさは、仕事の忙しさや職場の人間関係だけではない。家族との関係、恋愛、友人へのモヤモヤ、漠然とした将来への不安、それらが大きな渦となって襲ってくるから怖いのだと知りました。
兄という最も近い存在が自ら命を断ったことで、わたしの人生は変わりました。わたしは、なんとしても生きていかなくてはならないと思ったからです。
つらいときは、自分を守るためになんとかしなくてはいけない。必要な支援は、早めに自分から取りに行かなくてはいけない。
幸せになりたいという気持ちを絶対に諦めず、自分のことを一生かけて幸せにし続ける。それが兄に見せられる一番の救いだと思うようになりました。
兄が亡くなった一年後、全額給付奨学金でイギリスとアメリカへ1年半の留学を果たし、10か国を巡りました。「自分が生きたいように生きる」を体現する、最初の一歩だったと思います。
名古屋外国語大学で日本語学・日本語教育学修士号を取得してから、地域の日本語教室やオンライン日本語スクールに関わるうち、コーチングに出会いました。
クライアントに起こる言語以前の感覚を掴み、ダンスをするようにセッションをしていくコーチングに夢中になり、実践を積み重ねて国際コーチング連盟認定ACCを取得。
改めて、今のわたしが「なぜコーチングをやるのか」を言葉にするとしたら、ひとの価値と可能性を心から信じたいからだと思います。
自分が適応障害になったこと、いわゆる高学歴を目指していた当時から見れば大学受験に「失敗」したことを、黒歴史だと思っていた時期もありました。
けれど、今思い返すとあれは、わたしがもっと生きたいように生きるための大切なターニングポイントだったとも思うのです。
「わたし、このままじゃ嫌だ!誰かの評価じゃなくて、わたしが信じた道がいい」と全身が叫んでいたのだと考えたら、やっぱり人間の生きる力ってすごい。
誰もが、自分なりの幸せを目指して生きています。わたしはコーチとしてその旅路をともにし、クライアントの内側から輝くような瞬間を目撃することがやりがいです。
Smart相談室と出会ったのは、実はコーチングを学び始める前の2023年3月。コーチになったらどんな仕事があるんだろう?とWantedlyを見ていたら、「プロコーチ有資格者」と書かれたバナーが目に留まりました。
企業が行うメンタルヘルス対策の多くは不調者への対応、不調者のスクリーニングです。しかしながらそれでは遅いのではと考えております。
大切なのは調子が悪くなる前に気軽に相談ができ、いつもの調子を整えること。この考えを軸に捉え、啓蒙しながら、新しい日本の職場環境とメンタルヘルス市場を創造していきます。
この文章を見たとき、兄を思い出して涙が出ました。もし兄が働いていた頃にSmart相談室があったら、と想像せずにはいられなかったのです。
この考えを広めるために、Smart相談室で働きたい。そのためにコーチングの資格を取る。わたしはこの企業にお役立ちするためにコーチングに出会ったのだとすら思いました。
2024年8月14日、プロコーチ資格を取得して、事務局のまゆこさんとの面談に臨みました。お盆で兄も帰ってきているのだろうなと、心強く思ったのを覚えています。一つひとつ大切に、しっくりくる言葉を探しながら話すわたしを、まゆこさんは真剣に見つめて聴いてくださっていました。
心身ともにすこやかに、楽しく働き続けられる人を増やしたい。これはあの面談の日から変わらず、Smart相談室とわたしの重なる想いです。
Smart相談室にジョインしてから、気づけば半年以上経ちました。わたしは平日の午後、お仕事の合間を縫っていらっしゃる方のセッションを担当しています。
30分1コマという気軽さ、単発でも継続してもOKな柔軟さから、相談者さまにとってより心地よい選択をしていただけている実感があります。
また、わたしたちカウンセラーにとっても働きやすい環境が整っています。毎月スキルアップ研修が開催されていたり、1対1で相談ができるスーパービジョンが無料で利用できたりと、サポートが豊富です。
特にスーパービジョンは、「今回の対応でよかったのだろうか」と不安に思ったタイミングや、いただいたフィードバックについて話し合いたいときに活用することで、理論を血肉にしていくことができます。
セッションの質を向上させ、相談者さまへの支援をよりよいものにしていくために、環境の改善に全力で取り組んでくださっていることに感謝の気持ちでいっぱいです。
わたしは、生きることに絶望して死を選んでしまう方がゼロになってほしいと願っています。
自死というと最後の選択ですが、その前にあるプロセスはどうでしょうか。本当はごはんをゆっくり食べたいのに、仕事をしながら食べている。あの忘れられない一言に、ずっとモヤモヤしている。なんとか日々を過ごしているけど、このままでいいんだろうか。小さな違和感はそこら中にあります。
その全てをすぐに取り除くことは難しいかもしれませんが、話すことで軽くなる気持ちは確かにあります。
息苦しくていっぱいいっぱいのとき、話すことで自分が何を感じているのか見えてくる。心地よい一歩が踏み出せたり、手放すべきものがわかったりする。
もっと頑張りたいと意気込む日も、もう頑張りたくないと涙が出る日も、どんな日も話しに来れるのがSmart相談室です。
小さな「相談」が挟まることで、日常がほんの少し変わって見えるように。わたしはこれからも、ここで素直な声をお迎えしていきます。
昨年で、兄が亡くなった歳を追い越しました。ずっと兄の背中を見てきたわたしにとって、ここからが人生の本番のようにも感じています。
対人支援者として成長するために、国家資格キャリアコンサルタント、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種Ⅲ種を受験し、4月に合格。
現在も、自他への思いやりの循環を作るコンパッションのプログラムを提供したり、一年かけてゲシュタルト療法の講座を受講したりと、学びを深め、支援の幅を広げています。
コーチとしては、500時間の実績が必要となる国際コーチング連盟認定PCCを年内に受験すべく、目の前のクライアントと真摯に向き合う日々です。
27歳となる今年、わたしは結婚もしたいし子育ても経験してみたい、そして心地よく働き続けることも諦めたくないと思っています。
わたし自身が自分の心の声を聴き、人生を誠実に生きようとする道のりで、ご縁の繋がった方とともに「今が一番幸せ」を更新し続けたいと思っています。
いつでも、Smart相談室に来てください!
(この記事はNOTEから転記しています)