【おすすめ書籍】LBP牛越がおすすめする一冊 ~努力論~ | ロングブラックパートナーズ株式会社
こんにちは。ロングブラックパートナーズ株式会社採用担当です。本日から9月になりましたが、まだまだ暑い日が続いていますね。体調管理等、お気を付けください。今回からは、新たな企画として、当社のメンバ...
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こんにちは。
ロングブラックパートナーズ株式会社採用担当です。
当社パートナーがリレー形式で進めている、「おすすめ書籍」シリーズも三回目となりました。
※参考までに
1回目
2回目
第三回目は、パートナー赤坂がおすすめする、
冨山 和彦 著
会社は頭から腐る あなたの会社のよりよい未来のために「再生の修羅場からの提言」
になります。
ぜひ、ご一読ください。
紹介するにあたって
この書籍から感じたこと
紹介したい箇所
この書籍に出会ったのが、私が前職(ソニー)で勤務していた2008年頃でした。当時、20代も終盤に差し掛かり、大組織でこのままサラリーマンとして働き続けるのも悪くない、でも若いうちに外の世界で力を試してみたい、とモヤモヤしていました。
そしてちょうどその頃、たまたま書店でこの書籍が目に入りました。執筆者の冨山和彦さんの迫力ある修羅のような顔写真がデカデカと印刷された帯がとてもインパクトがあったことを覚えています。ソニーの先輩のひとりが産業再生機構(冨山さんがCOOを勤めていた官民の再生ファンド。2003年設立、2007年解散)に転職されていたこともあり、その存在は知っていましたが、その産業再生機構が解散し、そこで働いていた方たちが独立されたり、また民間企業に転じられていた時期と自分のキャリアを考え直す時期が重なったタイミングでこの書籍に出会い、私にとって事業再生という仕事を本格的に認知するきっかけとなりました。
当時、大企業サラリーマンだった自分にとっては刺激的・挑戦的な言葉が並んでいました(「学歴エリート君」とか、「『出世競争』のストレスなどおママごとに等しい」、とか(笑))。
今回の書評執筆にあたって、冨山さんが本書を執筆された当時の年齢と、今の自分の年齢が偶然重なるタイミングで久しぶりに読み返してみました。今も共感できる部分もあれば、断定的かつパワーワードが多い言説が自分なりの職業観とは相容れない部分もありましたが、経営者として脂が乗りまくっていた当時の冨山さんの言説は素直に腹に落ちる部分も多く、事業再生を志す方には一度は読んでほしい、と改めて感じています。
そして、自分自身、LBPという会社を経営する一員としてLBP自体が本書にて紹介された再生企業と同じ轍を踏まぬよう(冨山さんは実際にCDIというコンサルティング会社にて再生局面を経験されています)、そして当然ながらLBPが支援する企業に対しても同様に、本書でのさまざまな提言を胸に留めながら日々の業務に向き合おうと改めて思えるきっかけになりました。
P6 危機の実体験から見えてきた経営のリアリズム
会社を構成するさまざまな人たちが、どんな思いで、どんな背景を背負って働いているのか(中略)表面的な組織制度や人事、報酬制度よりも、もっと底流の部分でそれを理解することが重要なのだ。
P77 日本企業の根本的な強さは現場にこそある
マネジメントは自分の意思と言葉を持っていなければいけない。自分の頭で考えて、自分の意思で勝ち抜こうという人間でなければ、本当に厳しい状況で正しい解を創出できないし、おそらくは厳しい施策となるその解を断行しようとしても、現場がついてこない。
P81 変革のカギは、よくも悪くも自社のDNAにある
企業体には、それまでの歴史の中で構成人の力で共有され、蓄積され、育まれてきた共通の価値観や組織のクセのようなものを持っている(中略)逆に根源的なDNAに反したことをやらないと再生できない状況であれば、それは再生させるに値せず、むしろ組織の寿命を意味する。
P112 腐りかける会社のタイプその2:地元名門企業型
経営において絶対につくってはいけないのが、聖域やタブーである。オーナー経営者が意図しなくても、まわりが勝手に忖度して、経営不在の空間は自己増殖的に広がっていく。
P119 再生は言い訳との戦い。そして、当たり前のことを当たり前にやること
注意しなければならないのが、「事業再生」「企業再生」という言葉の持つ派手なイメージである。そこには、何やら大変な秘策や劇的な成果をもたらすかのような勘違いが生まれがちだ。(中略)しかし、現実の事業再生、現実の経営改革は、そんなものではない。その九〇%が「当たり前のことを当たり前にやる」ことに尽きる。
この書籍が執筆された2007年当時は、全国の主要金融機関において不良債権処理が概ね一段落しつつあった頃でした。それから間もなくリーマンショック(2008年)、東日本大震災(2011年)、コロナ禍(2020年~23年)などの数々の社会的・経営的な試練がありました。その過程でLBPが経営改善を支援する全国の中堅中小企業の抱える窮境原因や課題も外部環境の変化により変遷していきましたが、時代を貫く普遍的・根本的な課題は本書で指摘の通り、やはり経営者の資質なのだと改めて実感しています。
ただ、LBPの主な支援先である地方中小企業では、本書に描かれたような「エリートサラリーマンが戦後高度経済成長の残滓の中でぬるま湯の競争で勝ち上がってきた」のではなく、「失われた30年と言われる長期にわたる低成長下、二代目、三代目の経営者が、経営者一族に生まれた宿命を当たり前として受け入れ、資金調達もままならない状況で、借入金に対する多額の連帯保証を背負いながら、経営手腕を品定めする従業員や金融機関からの冷徹な視線を背中に受けつつ、限られた経営資源をなんとかやりくりしながら淡々と日々の経営に向き合われている」というのが実像に近いと感じます。
日々向き合う支援先企業に対し、軽々に「経営者の資質云々~」を断定せず、それぞれの経営者が背負う責任と苦悩、思い、プライドを理解しつつ、そこで不足している経営資源を組織の力で補いながら、地方企業でこそより濃密な共同体(ゲマインシャフト)としての側面と、利害社会(ゲゼルシャフト)としての経済合理性の相克をクリアできる将来への処方箋を共に考え抜く――――LBPとしての社会的な使命をこれからも果たしていきたいと考えています。
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