「美味しいですね」と言ってもらえることはただただ嬉しい。
でも、正直なところそれだけでは少し心もとなかった。
感覚的な評価は、感覚でしか返せない。「ありがとうございます」で終わってしまうもの。
だから私たちは、外部の専門機関に椎茸を持ち込んで、客観的なデータを取ることにしました。
「おいしい」を、数字で語れるようにしたかったんです。
「旨味」は、計れる。
そもそも「旨味」って、何なんでしょう。
甘い・辛い・酸っぱいは感覚でわかる気がするけど、旨味だけはなんとなく曖昧な気がしませんか。
実は旨味は、グルタミン酸やイノシン酸などのアミノ酸・核酸成分が生み出す、れっきとした味覚の一つです。昆布や鰹節のだしに含まれるあの成分ですね。
椎茸にも、グアニル酸という旨味成分が豊富に含まれています。
そしてこの旨味は、専門の味覚センサーを使えば数値として計測できます。
人間の舌の感覚に近い形で、味の強さをデータ化できる技術が今はあるんです。
他産地と並べたとき、うちの椎茸はどこにいたか。
依頼したのは、食品の味分析を専門とする機関。
うちの椎茸と、全国各地の複数の産地の椎茸を同じ条件で測定してもらったのですが
結果を見たとき、少し驚きました。
旨味と味の濃さを軸にした分析で、うちの椎茸は比較した産地の中でも誰も位置しないゾーン且つ上位の位置にありました。
「味がしっかりしている」という評価は、感覚ではなくデータとして出てきたんです。
さらに面白かったのが、保存方法による変化。
収穫直後と、冷凍して一定期間保管した後のものを比べると、冷凍保存後の方が旨味がさらに高くなるという結果が出ました。
収穫したてが一番いい、とは限らない。
これは私たちにとっても、改めて確認できた事実でした。
香りも、変わっていた。
同じ調査で、においの分析もしてもらいました。
冷凍保存することで、有機酸系・アルデヒド系・エステル系の香り成分が増加していることが確認されました。
専門的な言い方をするとこうなるんですが、要するに「椎茸らしいいい香りが強まる」ということです。
実は、帝国ホテルのバイヤーさんやシェフが「これは別物だ」と言ってくださったとき、私たちにはその言葉の裏づけになるデータがすでにありました。
さすが一流ホテルの皆様だなとも思いましたね。
「おいしい」を言語化する、ということ。
このデータを取ったことで、私たちが変わったことがあります。
「美味しいですよ」ではなく、「旨味成分が他産地比較で上位に位置することが確認されています」と言えるようになった。感覚の話を、根拠のある話にできるようになった。
「人と違う方法を取り入れるからこそ生まれるものがある。それが農業の未来をポジティブに変えていくと、私たちは信じています。」
データを取ること、価値を言語化すること、それを伝えること。
椎茸農家がやることじゃない、と思う人もいるかもしれません。
でも私たちは、それが必要だと思ってやっています。
今までと同じやり方じゃ未来なんて変わりませんから。
「美味しい」の理由を知っている農家と、知らない農家では、たぶん伝えられることの幅が違います。
ぜひレンチナスの椎茸の価値を一緒に言語化して届けてくれる方をお待ちしております。
まずはざっくばらんにお話してみませんか?