地方移住の相談は、今どれくらい増えているのか
カジュアル面談で「地方に住むのって、実際どうですか」と聞かれることが増えました。
移住を決めたわけじゃない。でも、考え始めている。
そういう温度感の人と話す機会が、こうしてストーリー記事を出していくことで少しずつ多くなった気がします。
ふと、気になって数字を調べてみました。
過去最多の7万3千件
東京にある移住相談の窓口、ふるさと回帰支援センターが今年2月に発表した数字では、2025年の移住相談件数は73,003件。
前の年の61,720件から、18%以上増えて過去最多になっています。
地方に移りたい、少なくとも話を聞いてみたいという人は、確実に増えている。
ただ、希望地のランキングを見ると、少し現実が見えてきます。
1位は群馬
2位は栃木
3位は長野
どこも首都圏から行き来しやすい場所です。
移住したい、でも都会との距離は保っておきたい。
そういう気持ちが、この順位に表れているんだと思います。
残念ながら我ら秋田は、このランキングの上位には入っていません。
東京から見れば遠いし、冬は雪も多い。
移住先として「なんとなく」選ばれる場所ではない、というのが実情です。
カジュアル面談でも、冬の雪のこと、車がないと暮らせないこと、買い物のことは必ず話題になります。
実際にストーリー記事のview数にもわかりやすく出てます。
こちらも隠さずに話すので、そこで考え直す人もいる。
それはそれで、お互いにとって良かったとは思っています。
選ばれにくい場所に、来る人
それでも、秋田に来る人はいます。
共通しているのは、場所より先に「やりたいこと」があることだと感じています。
伊勢社長も、一度は地元を出ています。
高校から秋田市に出て、そのまま就職もした。
でも、地元に帰ってきた。理由を聞いたら、こう返ってきました。
「秋田市に行ってもつまんないなって思って。地元は好きだったから」
この感覚、たぶん移住を考えている人にも近いものがあると思います。
便利さや条件だけで比べたら、都会のほうがいいに決まっている。
それでも、つまらないと感じる場所に居続けるより、面白いと思える場所に行きたい。
私自身も、もともとは会社の外にいた人間です。
今も北海道に住みながら、秋田のこの会社に関わっています。
だから、住む場所と働く場所の関係は、思っているより柔らかくていいと感じています。いきなり全部を移さなくても、まず関わってみる。
その中で、この土地が合うかどうかを確かめていく人がいてもいい。
相談が増えても、決める人は多くない
相談の件数が増えたからといって、実際に移住する人が同じだけ増えているわけではありません。
仕事がない。住む場所が決まらない。家族の同意が取れない。
相談から実際の移住までには、いくつもの壁があります。
レンチナスも、その壁を全部取り払えているわけではありません。
住まい探しは町や地域の人に頼る部分が大きいし、冬の暮らしは来てみないと分からない。こちらが用意できることには、まだ限りがあります。
ただ、仕事の中身だけは、はっきり言えます。
椎茸の現場があって、廃菌床を使った新しい事業があって、それを一緒に作る人を探している。
場所より先に「やりたいこと」を探している人には、話せることがたくさんあります。
相談件数が増えているのは、たぶん都会での暮らし方に迷っている人が増えているということでもある。
その迷いの途中で、ここを一つの選択肢として思い出してもらえたら嬉しいです。