日々目にする言葉となった「AI」という技術。当社でも人類の歴史上革新的な変化をもたらした火や電気などのように、この技術が新たな歴史をつくる一つとなると考えております。
当社ミッション「メタクリエイター(クリエイターのためのクリエイター)」においても、きっとAI技術は人間の創造性に大きな変化をもたらすはず。その未来予想とともに、当社でもAIに関連する技術の研究開発を行なっております。
今回はその1つの成果ともいえるSONICWIREへのAIチャットボットによるテクニカルサポート機能の開発を担い、現在も研究開発に勤しむAIエンジニアにインタビューをしてみました!
DTMユーザー向けダウンロードストア「SONICWIRE」、独自開発AIによる24時間体制のテクニカルサポートを提供開始! | 事業を知る
今回ご紹介する花房さんは北海道大学大学院で自然言語処理を専攻し、対話型AIによるメンタルケアについて研究していました。2025年4月の新卒入社後、1年も経たずして研究開発から実サービスへのAI実装という快挙を成し遂げてくれました。
ーまずは、自己紹介をお願いいたします!
花房:クリプトン・フューチャー・メディア株式会社 SONICWIRE・音楽事業チームの技術研究開発ユニットでAI研究/開発を担当しています。2025年入社の新卒なので入社2年目です。趣味はアコギの弾き語りで、歌うことが日々の息抜きです。学生時代にはバンドでボーカルをしていました。
-花房さんは本当にいつもド文系の私にも優しいですね…当社のエンジニアはみんなそうではありますが…。
花房:元々の専攻が悩み相談AIの研究だったので、人とのコミュニケーションや対話の仕方を研究対象としていたからかもしれません。あとは、私は高専卒業後に大学院に進学しているのですが、高専時代の編入試験で一度、自分の成績を過信して失敗したという背景があり、そこから謙虚に自省を繰り返すことを学びました。
-失敗を若い時からしっかりと糧にしているのがさすがです。エンジニアになるきっかけを教えてください。
花房:一番初めのきっかけとしては自分でゲームを作りたくて、というところがありました。プログラミングは1つの手段なので、プログラミングを学ぶことを継続するモチベーションとしては目的があってのこととなると考えています。これまでJava、C、C++、Pythonなどに触れてきましたが、それぞれその時にやりたいことを考えて、それを実現するのに必要な言語として独学も含めて取り組んできました。
高専時代に対話型ロボットに質問をしてみたらガッツリ無視をされまして、真逆の方向性で人間みたいに話ができることを想像して、福祉など今後の世界に寄与・応用できるのではと思ってAIに関心が寄っていきました。
-元々バンド活動をやっていて、音楽への興味関心も強かったので当社に志望いただいたと面接でお伺いしたことを覚えています。実際入社してみて当社の環境はどうですか?
花房:バンドだったのでPCで音楽を創るDTMについては詳しかったわけではないのですが、音楽や音楽クリエイターの支援に繋がる事業を展開しているところにはもちろん魅力を感じていました。それこそSONICWIREのテクニカルサポートに使用されるDTM専門用語については知らない言葉もありましたので、自分の知識として吸収して成長ができました。音楽に関われるというのももちろんですが、研究開発の他のメンバーや他チームのメンバーがそれぞれ得意分野・強みを持っていて、周囲を尊敬できる環境です。それぞれが自分なりのこだわりや「こうしたい」という考えを持っている一方で、それを一方的に押し通すのではなく、お互いの意見を聞きながら協調していけるところも面白いですね。自由な発想から生まれたアイディアを、実現可能な技術と照らし合わせながら、メンバー同士で意見を出し合って一つの形にしていきます。出社時には定例会議などの議論の時間を多めにとり、活発な意見も交わされます。他のメンバーと話しているうちに具体的になったり、最初に考えていたものとはまったく別のアイディアに発展したりすることもあります
自分の専門分野だけで完結するのではなく、異なる知識や視点を持つ人と話すことで、アイディアが広がっていく。その過程を楽しみながら、新しい技術やサービスにつなげていけることが、クリプトンで研究開発に携わる面白さの一つだと思います。
-SONICWIREのAIチャットボットは、どのような機能なのでしょうか?
花房:SONICWIREでは、DTMソフトや音源など音楽制作に関する様々な製品を取り扱っています。そのため、お客様からは「この製品をどうやって使えばいい?」「ソフトウェアがうまく動かない」といったテクニカルサポートへのお問い合わせがあります。今回開発したAIチャットボットは、これまで蓄積してきたサポート事例などをもとに、AIがお客様からの質問に回答する機能です。これによって、時間を問わずテクニカルサポートを利用できる環境を目指しました。ただAIに回答させればよい、というものではありませんので、SONICWIREで実際にどのような問い合わせが発生しているのか、どのような情報をAIに参照させれば適切な回答につながるのかなど、サービスに合わせた仕組みを考える必要がありました。
-開発では具体的にどのようなことをしたのでしょうか?
花房:まずは、既存のサポート事例やFAQなど、AIに参照させる情報を整理するところから始めました。AIは与えられた情報をもとに回答するため、どんな情報を、どのような形で参照させるかが重要になります。実際に質問を投げて検証・回答精度を確認しながら、参照する情報や仕組みを何度も調整していきました。学生の頃とは違い、AIモデルを動かして終わり、ではなく実際にユーザーが利用するサービスとして成立させる必要があるので、研究とはまた違った難しさがありました。
-長い間研究に取り組んできた花房さんにとっては、難しいところもあったと思います。具体的に研究開発と実サービスへの実装では、どんな違いを感じましたか?
花房:研究の場合は「この技術がどこまでできるのか」を突き詰めていくことができますが、サービスに実装する場合は、それだけでは足りません。実際に使うユーザーがいるので様々なケースを考える必要があります。技術的に面白いものを作るだけではなく、「サービスとしてユーザーに届けられる形にする」という視点が必要だと感じました。
-入社1年目で実際のサービスにAIを導入するところまで担当したわけですね。
花房:そうですね。ただ、もちろん自分一人ですべてを進めたわけではありません。研究開発のメンバーや、SONICWIREの担当者など様々な方と相談しながら進めました。特に、AIについて詳しくないメンバーにも「なぜこの方法を使うのか」「どういうことができるのか」を説明しながら進める必要がありました。技術そのものを理解するだけではなく、それを他の人に伝えて、一緒にサービスへ落とし込んでいく力も重要だと感じています。
-AIという技術に対してのご自身の興味や考えなど、お聞かせいただけますか?
花房:AIは正しい回答を完全に出すものではないですが、AIでできることはどんどん多くなっています。その中で人間だからこそできること、例えば仕事であれば細かい配慮などの想い・真心、コミュニケーションといったことは人間にできることとして分離されるのではないでしょうか。AIを単なる情報を吐き出し続ける機械ではなく、相談相手として上手く利活用し、それに負けないところを見つけることが今後のAI社会において大事になるのではと考えています。自分のもともとの研究において自由対話に足りないのは、AIからの人間・人間の心の理解だと考えていました。なかなか難しいテーマではありますが、それをクリプトンだからできることと掛け算しながら突き詰めていきます!
-花房さんのミライに期待しています!!
これからのミライに人類の新しいペンとなるAIについて、当社事業と掛け合わせて何かをやってみたい方はぜひお気軽に面談しましょう!
/assets/images/1600244/original/6739eb03-a070-4f16-b11b-b4c0a621aece.jpeg?1497421190)