デジタルグリッドは、AIを搭載したIoTデバイス（デジタルグリッドコントローラ）を通じて発電事業者とユーザ間をつなぐP2P電力取引を実現するプラットフォームを運営します。コンソシアム型のブロックチェーン上に記録し、セキュリティ性に優れた透明性の高い取引を実現します。電力の供給を自動化し、近年普及の進む再生可能エネルギーの流通を促進することで、安定で持続可能な分散型のエネルギー社会を実現します。今年10月にサービスを開始する予定です。

　従来の電力業界には、

・電力の需要・供給のバランスを保ち安定的な電力供給をするための管理を24時間365日行わなければならず、各事業者の大きな負担となっている

・再エネ社会への流れが加速する中で、自社の電力をクリーンなエネルギーで賄ったことを証明するための環境価値（グリーン電力証書、Jクレジット等）の流通が不十分である

という課題がありました。

　デジタルグリッドでは、この課題に対して

・AIを搭載したデジタルグリッドコントローラが電力需要量・発電量を予測し、自動で電力売買の入札を入れられるプラットフォームをつくることで需給管理を自動化する

・ブロックチェーンを用いて電気がどこからやってくるのか特定することで再エネ電気を特定して消費できるようにするとともに、その証明書をこれまでより簡単に自動で発行する

というアプローチで解決することを試みています。

　デジタルグリッドプラットフォームは、ハードウェアを用いて私設市場で電力取引を行う世界で初めての取組です。AIによる各需要拠点の1年分の需要予測結果を踏まえ、発電事業者と小売電気事業者が取引する長期相対市場と、長期予測とのズレを小売電気事業者間で調整する短期調整市場で電力を取引します。

　火力発電のような安定電源のほか、デジタルグリッド技術の強みである識別機能を活かし、太陽光発電やバイオマス発電などの再生可能エネルギーも想定しています。

　将来的には、送電網を小さな単位に区切り、自立可能で再エネを導入しやすいマイクログリッドの群で安定的に電力を供給する新しい電力システムをつくることを目指しています。