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【Forbes受賞】医療が抱える課題をテクノロジーで解決する/“救急”から”医療”全域のインフラ化に挑む「ファストドクター」代表インタビュー

こんにちは。ファストドクター採用広報担当の大塚です。

2022年11月25日に発売したForbes Japan「日本の起業家ランキング2023」でファストドクターの代表である菊池と水野が1位に選出されました!

この6年間、すべてのファストドクターチームが一丸となって大雪や台風の日も、医療提供を止めることなく目の前の患者さんと向き合い、安心を届けてきたことに対するご評価と感じています。改めて関係者の皆さま、ありがとうございました。

今回は、Forbes JAPANでの1位受賞をきっかけに、創業から6年を迎えたファストドクターの「現在地とこれから」について、代表の菊池と水野にインタビューを行いました。

あわせて、会社やメンバーのことをより深く知っていただくためにミートアップもスタートしていきます。

ぜひ最後までご覧ください。

「生活者の不安と、医療者の負担をなくす。」ファストドクターのミッションと現在地について

ーーまずはファストドクターの事業について、簡単に事業説明をお願いします。

菊池CEO(以下、菊池)>

「ファストドクター」は、国内最大級の救急医療プラットフォームです。全国22都道府県、およそ7,000万人の生活者の皆さんがご利用いただけるサービスになりました。夜間や休日に病気をすると、かかりつけ医の先生による対応が難しい場合は、近隣の救急病院に相談をするか本当に辛い場合は救急車を利用するしか受診手段がありません。しかし、それが本当に適切な受診行動かは判断ができませんし、いずれの場合も患者さんにとっては大きな負担となるものです。ファストドクターに相談をいただくと、症状の緊急性と通院困難性から、以下のいずれかの中で患者さんにとって最も適切な受診行動を案内します。

①医療相談で様子をみる

②近隣の医療機関を受診する

③119番を利用する

④ファストドクターのオンライン診療や往診を利用する

患者さんが適切な受診行動を選択できるようにすることにより、患者さんの不安をなくし、医療者の負担をなくすことに貢献したいと思っています。

ファストドクターは「生活者の不安と医療者の負担をなくす」ことをミッションに掲げ、2016年に医師2名でスタートしました。2022年12月上旬現在は医師2,000名、看護師360名の規模となり、多くの医療従事者に参画いただけるプラットフォームに成長しました。

水野CEO(以下、水野)>

今までは「時間外救急」という枠組みのなかで事業を展開してきましたが、コロナ禍を経て初診からのオンライン診療の恒久化を追い風に、事業の幅を広げて「急性期」から「慢性期」への展開も少しずつ検討している段階です。というのも、我々の2030年へ向けてのビジョンとして「1億人のかかりつけ機能を担う」を設定する上で、地域包括的に事業を推進していく必要があったからです。

それはつまり、救急医療の領域を超えて「救急」インフラから『医療』インフラにアップデートをして、より大きなチャレンジをしていくということです。

厚生労働省が医療計画を作成するにあたって、核となる要素がいくつかあり、それが「5疾病6事業および在宅医療」という項目になるのですが、この要点全てに我々のソリューションを組み込んでいくことを目標としています。

ーー事業をスケールさせて、医療全体のカバーを行っていくということですね。何か具体的に紹介できる事例はありますか?

菊池>

実は、公共インフラとの連携はすでに始まっています。2022年9月から北海道旭川市で救急隊との連携を開始しました。新型コロナ感染者が救急車を呼んだ際、緊急性が低いと救急隊が判断した場合はファストドクターと連携し、その場で医師によるオンライン診療が受けられるシステムになっています。救急隊員は医学的な診断が行えません。そのため緊急性に関わらず、患者さんに呼ばれてしまうと病院へ搬送を終えるまでは現場を離れることができません。コロナ禍では病院の受入体制が緊縮化したため、搬送調整には救急隊の多大な労力を要していました。そこにファストドクターのオンライン診療を組み込むことによって、患者さんの安心安全を担保しながら、不必要な救急搬送を減らしていくことができるようになりました。こうした事例は平時の医療にも活用できる部分が大きく、令和5年度に向けて複数の自治体での導入に向けた検討がスタートしています。

水野>

5疾病の部分でお話しすると、精神疾患を抱えている患者さん向けに、KDDIのヘルスケアアプリ「auウェルネス」と連携し、「ファストドクターメンタルヘルス」の運用を開始しました。これは医師とテレビ電話で「こころの不調」に関する相談や診察を行うことができる体制を構築することで、こころの不調に関する相談窓口の充実と、精神症状の急性増悪や急性発症等の救急受診窓口の充実を目指し、適切に地域の医療機関につなぐことを目的としています。今後はこういった取り組みのように、企業間連携でお互いの持ち味を活かしながら、新たな価値創造をし続けていくことも重要ですね。

日本の生産年齢人口減少×医師の人員不足で効率化が求められる医療業界。国の課題でもある医療DXを最先端でリードしていく

ーーなるほどですね。では、事業を拡大させていく上で最も意識しているところはどんな部分ですか?

菊池>

私たちは、テクノロジーで最適化されたファストドクターの医療体制を既存の医療インフラの一部に組み込んでいくことにより、日本の医療の効率性を上げる一翼を担いたいと考えています。2040年へ向けて社会保障費はますます増加をしていきます。一方で、生産年齢人口は減少していき、限られた医療資源を有効活用するためには、効率的な医療提供を目指していく必要があります。

医療政策の3つの目標として、「質、アクセス、費用」があげられ、3つを同時に満たすことはできない(トリレンマ)と言われます。互いにトレードオフの関係にある3つの要素の中でどうバランスをとるのかが舵取りに求められます。ここで「質、アクセス」を担保しながら「費用」を抑えるためには「効率性を高める」ことが重要と考えます。それには「一件一件の診療効率を上げる」というミクロ的な視点と「医療体制の効率性を上げる」というマクロ的な視点が求められます。

水野>

僕らが日本においてやりたいことはテクノロジーの力で医療の課題を解決すること。現状の医療課題のほとんどが誰かのマンパワーに頼らざるを得ない状況なんですね。

その反面で、今回のコロナ禍で浮き彫りになったのが医療リソース不足です。例えば、発熱外来に対応し切れるリソースがない。病棟でECMO(人工肺)を必要とする患者がいたとして、機械はあってもマンパワーがない。今後、これ以上医療従事者の数を増やすことは社会保障費増大の問題からも難しいので、生産性を上げるしかないんです。そして、その生産性を上げるためには、テクノロジーを使っていくしかない。だからファストドクターは、国の課題にもなっている医療DXを最先端でリードしていく会社になっていきたいと考えています。

「国民全体」「国民全ての病気に対して」ダイレクトに貢献できるテクノロジー人材の採用が急務

ーー医療現場の生産性の向上が大きな課題であるのですね。その課題と向き合っていく上で、どんなポジションや”人”にジョインしていただきたいですか?

菊池>

データ活用をサービス開発に活かしていくケイパビリティが求められます。

私たちの今後の重点施策の一つがヘルスケアデータの活用です。私たちはデータから新たな医療サービスの価値を見出したいと考えています。

医療業界はこれまで「エビデンス・ベースド・メディスン」の考え方が主体でした。これは何かというと、「この薬を飲むと血圧が10下がります」といった科学的エビデンスに基づいた医療を患者さんに推奨することを言います。この手法の利点は、科学的に根拠のある医療を患者さんが選択できることですが、一方で、それが本当に患者さんの望む医療であるとは限らないということです。例えばあなたが末期がんの患者だったとして、抗がん剤による治療を勧められたときに、「積極的な治療は行わず自宅で最期を迎える」という決断をしたとします。これは「バリュー・ベースド・メディスン」に基づいた意思決定でしょう。

これからは、「バリュー・ベースド・メディスン」という、患者さんにとって最も価値のある医療行為かどうかを問う機運が高まってくると思っています。患者さん本位の医療サービスを目指していくにあたって、どのようなアウトカムを目指し、どのようなデータセットを構築すべきなのか?といった上流からの逆算思考ができるような方に是非来ていただきたいと思います。


水野>

テクノロジーの活用において、まだまだやれてないことが多数あります。例えば、救急往診を例に挙げると、医師は1人の患者さんを診察するのに35分〜40分かかっています。しかし、本人確認や、事前の問診、決済のフォローなど、直接診療に関わらない部分をITのチカラでサポートする余地はまだまだあると感じています。診察時間が短縮されることで、より多くの患者さんの診察に行ける。加えて、患者さんの診療をよりスムーズな体験にすることができる。そういった社会的にインパクトのある部分へダイレクトに貢献してくれるようなエンジニアやDX推進人材、PdM(プロダクトマネージャー)の強化が一番の課題だと思っています。

菊池>

「生活者の不安と医療者の負担をなくす」ミッションに向けては、日本だけではなく、世界にも目を向けていかなくてはなりません。見渡すと、まだまだ解決しなくてはいけない課題は山積しています。日本の平均寿命は男性が81歳、女性が87歳ですが、アフリカ共和国は未だ53歳です。「病院から2時間以内に居住する人を8割以上にする」ことが国際基準として掲げられていますが、サハラ砂漠以南の国々では2割しかこの基準を満たせていない現実があります。母体死亡率や小児死亡率は、途上国と先進国で10倍以上の乖離があります。先進国に暮らす私たちは、そうした国々に対してどういったソリューションを提供することができるかをしっかりと考えていく必要があると考えます。中長期的に国境を超えた価値提供も一緒に目指していきましょう。

一緒に長く夢を見られる人×リアルな課題を乗り越えている人にぜひお越しいただきたい

ーー採用を進める上で、お二人が採用候補者を見ているポイントってあると思うのですが、どんなスキルや人物像、マインドを持ってる方にジョインしていただきたいと考えていますか?

菊池>

“一緒に夢を見られる人”ですね。自身がどうして多くの困難を乗り越えてこられたのか?を振り返ってみると、『夢を見続けることができたから』だと思います。原始的ですが、スタートアップに従事する上で非常に大切な要素だと思っています。

また、皆さんは何らかの形でスペシャリティをお持ちかと思います。これからファストドクターが目指していく壮大な夢に向かっては、多様なスペシャリティが必要です。『自分はこういう夢を一緒に見続けられる、一緒に夢を叶え続けられる』という情熱を持ってる人。『自分はこのスペシャリティを持ってる、だからファストドクターでチャレンジできる』、そういった思いのある人は、ぜひ応募していただきたいと思ってます。

水野>

僕はスキル面で言うと、"圧倒的な具体性のある人"を重要視しています。大企業ではレイヤーが上がれば上がるほど直面する課題が抽象的になり、課題を整理したり構造化したりすることがバリューになりやすくなってしまいます。その点スタートアップは事業、そして顧客に向き合うことが全てで、整備されていないことがほとんどです。そのため、具体的なリアルな課題をちゃんと乗り越えていっている人を、スキルの観点として求めています。

もう一つ、人物面で菊池の話した”夢を見る”をもう少し掘り下げてお伝えすると、普通のスタートアップって、3年や5年かかるであろうIPO(株式上場)まで一緒にやれたらいいよね、みたいなスタンスの会社も多いと思うんです。でも、僕らはもうちょっと長いスパンで10年、さらには20年とか、この会社やこの社会課題で一緒にやれる。と思っている人の方が、実感として合うなと思っていて。僕ら自身6年間で多くの苦楽を共にして、過去を振り返ってみると、全く想定していなかったスピード感で物事が進んでいる感覚がある。5年10年というスパンでやってると、そういう経験が必ずできると思っています。

同じ夢を見れる目標社員数1000人に向けてまだ100人。創業コアメンバーとして力を貸してください!

ーー最後にファストドクターをどんな組織にしていきたいと考えているのか教えてください!

菊池>

『一緒に夢を見続ける』ために、”カルチャーボード”を導入し運用を始めています。これはカルチャーの浸透度を可視化し、浸透度を向上していくための施策です。全社が一丸となっていることがメンバーの生産性が向上することにつながると思いますし、生産性の向上によって、顧客、患者さんのエクスペリエンスを向上することにも繋がると思います。皆んなで同じ夢を見るために必要な雰囲気を醸成したいと思ってます。

水野>

正社員数が100人と言っても、本当に『最初の1割』っていうようなメンバーで、特にテック関連の部署に関しては創業から6年経っていてもまだ10人にも満たないので、創業メンバーとして参画していただける余地があります。今回のForbes受賞というニュースをきっかけに、ファストドクターへ興味を持ってくれた人もいるかもしれませんが、まだまだ僕らとしては身に不相応な賞をいただいたなと思っています。

でもその一方で、名だたる審査員の方々が『ポテンシャルがある』と評価してくださっているのも事実で、僕らの今持ってる”ポテンシャル”と、”発揮できている実力”、そして不足部分を補完することができる、あるいは事業を加速させる勢いのある方々というのが、今まさにこれから参画してくれるメンバーたちだと思います。ぜひ一緒にジョインして、僕らの夢の実現に力を貸してくれたらと思っています。

菊池>

この記事をここまで読んでくれた方は、ファストドクターがとても面白い事業であることを理解いただけたと思います。一緒に夢を追い続けられる方、ぜひ、ご応募をお待ちしております!

※両代表による初のミートアップ概要は以下のURLよりご確認ください。

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