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「恋の始まりは相手を知ることから」ブランドと恋に落ちさせる”ブランドストーリー”の導き方とは | FICC デジタルマーケティング講座レポート


こんにちは、FICCプロデューサーの加田木です。

先日、弊社でほぼ初めての試みとして、外部の方を対象にした「デジタルマーケティング」に関する講座を実施いたしました。

初回のテーマは「ブランドストーリー」で、ブランドのことをターゲットに好きになってもらうために、ブランドとターゲットを繋ぐストーリーをどのように導き出すのか。導き出したブランドストーリーをどのようにターゲットへと伝えていくのかを実際の事例を交えてレクチャーし、最後にはワークショップを行いました。

なお、本講座はFICCで独自に作成したデジタルマーケティングにおける全25種類の教育プログラムの一部を使用しており、実際にFICCメンバーも同じように学んでいる内容です。

講師紹介:森啓子(取締役/シニアプロデューサー)
米国の大学・大学院卒業後、米国デザイン・広告会社で勤務。帰国後、2005年にFICC入社。グローバルブランドのマーケティング戦略、プロモーション施策、ブランディング施策のメインプロデューサーを多数担当。
【過去実績】・資生堂ジャパン:ELIXIR / AQUA LABEL / ANESSA・ユニリーバ・ジャパン:Lipton・ペルノ・リカール・ジャパン:Café de Paris・理化学研究所:脳科学研究センター

ブランドストーリーとはそもそも何か

ブランドストーリーとは、

・ブランドから一方通行で伝えることではなく、ターゲットとの共通項目を通じて対話すること
・ブランドとターゲットを繋ぎ、ターゲットにブランドと長く付き合いたいと思わせるためのマッチメーカーのこと

です。
上記のようにブランドとターゲットの間を繋ぐ役割を担っており、実際の案件ではブランドストーリーをもとにして、様々な施策やコミュニケーション内容を考えていきます。

”お見合い”にたとえると、どういうことかが見えてくる

ブランドストーリーの説明をする際に、FICCのトレーニングでは”お見合い”に例えています。

マッチメーカーであるブランドストーリーはパートナーを求める男女の間を繋ぐ役割を担っています。また、ただ繋ぐだけではなく、両方の共通項目を見つけて、対話をさせ、最終的には長く付き合いたいと思う人同士を繋ぎ合わせなければなりません。

そのためには、まずマッチメーカーがお互いのことをよく知らなければ、2人の間を繋ぐことはできません。どういう人が好きか?どういう食べ物が好きか?何を求めているのか?大切にしていることは何か?信念や価値観は?などなど…。

そのようにお互いのことを十分に理解した上で、それぞれが「伝えたいこと」と「求めていること」で共通している部分を見つけ出して、両方が長く付き合いたいと思えるように、2人ともが納得したうえで付き合えるように、それぞれの気持ちを分かりやすいように翻訳して伝えるのがマッチメーカーの役割です。

ちょっとお節介かもしれませんが、2人が幸せになれるように出会いを演出し結びつけることがブランドストーリーに求められる役割です。

ターゲットのインサイトを徹底的に深掘りする

では、どのようにお互いのことを知っていくのでしょうか。FICCでは徹底的にリサーチをします。ブランドとターゲットの双方を十分に理解できるまでリサーチを重ねて、インサイトの深掘りしていきます。

方法としては、ソーシャルメディアで人々が発信している情報を収集し、集めた情報を分析していく「ソーシャルリスニング」という手法を活用しています。

この時に重要なのは、事前に仮説を立て、リサーチをしながら仮説を常にアップデートしていくことです。そうすることで、最短距離でターゲットのインサイトへとたどり着くことができるようになります。

そして最終的なターゲット像をより明確にしていくために、一人称視点でターゲットの心理を描き出した ”I am statement” を作成します。これは分析から得られたターゲットのインサイトや、リサーチの過程で見つかったユーザーの特徴をもとにして作ることができます。

上記のようにターゲットの特徴を明確にしていくことで、ターゲットが望んでいることや大事にしている信念や価値観といったことが見えてくるようになってきます。

リサーチについてより詳しく知りたい方は弊社ブログのこちらの記事が役に立つかもしれません。

ソーシャルリスニングを活用したマーケティングに役立つ分析方法:
https://www.ficc.jp/blog/analysis-method-using-social-listening/
コミュニケーション設計に役立つインサイトリサーチの3ステップ:
https://www.ficc.jp/blog/insight-research-for-communication-design/

実際にどうやって事例に落とし込んでいくのか

上記の内容を、実際に弊社で担当した事例を交えながら、どのようにブランドとターゲットをマッチングさせたのか。導き出したブランドストーリーをもとにして、どのように具体的な施策まで落とし込んでいったのかといったことを、普段使用しているフレームワークと合わせて紹介いたしました。

※実際の事例は、イベントにご参加いただいた方のみの公開とさせていただきます。ご了承ください。

ワークショップで渡された1枚のシート

その後、学んだことを実践するためにご参加いただいた方とFICCメンバーが一緒に、自身の好きなブランドや商品を題材に、「ビジネス課題」や「機会」「ターゲット」「競合」を考え、最終的にはそのブランドの競合優位性からブランドストーリーを導き出すというワークショップを実施しました。

僕も一緒に課題にチャレンジしてみたのですが、思った以上に難しく…これからも引き続き精進していかなければならないと思いました…!

普段は事前のリサーチやクライアントブリーフなどから得た情報をもとに考えますが、今回は仮説をもとにして考えました。
そのため、当たり前のようにやっていた、事前リサーチなどの必要性を実感するとともに、目の前の情報に縛られずに視野を広げて様々な可能性を検討する重要性にも改めて考えさせられる、いい機会となりました。

満足の声をたくさんいただきました

ワークショップに参加した方からは「ビジネス課題の設定」の重要性を学んだという声を多くいただきました。

ブランドが抱える課題次第で、活用できる機会やアプローチするべきターゲット、さらには競合として捉えるべきブランドやカテゴリーまでもが変わってきてしまうということを感じていただくことができたのではないかと思います。

また、合わせてFICCがターゲットの理解と同じぐらい大切にしているクライアントの理解という点からも新しい学びを得られたと、嬉しい反応をいただくことができました。

FICCでは常に”価値創造”ということを追求していますが、そのために「ターゲットが求めていること」と同じように「クライアントが困っていること」を深掘りしていきます。

ブリーフでも「なにをやりたいか」や「どういったことを訴求したいか」で終わらずに、「なぜそれをやりたいのか?」と深掘りしてヒアリングすることで、ブランドが抱えている課題だけでなく、担当者自身が抱えている課題も見えてきます。そうすることで、クライアントのパートナーとして同じ目線で課題に対して取り組むことができます。

そういったFICCが普段から大事にしている考え方や姿勢も学ぶことができたとの言葉をいただくことができ、僕自身は普段当たり前になってしまっていることの重要性について改めて気付くことができました。

今後もどんどん展開していきます

FICCでは新しいトレーニングプログラムを日々生み出し続けており、常に変化をしているデジタルの分野において、新しい価値を創造するためのよりよい方法を追求し続けています。

今回はブランドストーリーをテーマにした講座でしたが、今後もデジタルマーケティング業界全体の活性化を図っていくために、FICCオリジナルの教育プログラムを基にしたデジタルマーケティング講座を実施していきたいと思います。

今後のイベント情報は、FICC Facebookページにてお知らせしておりますので、ご興味のある方はぜひ ”いいね” をしてみてください!

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