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フローレンス広報の役割って?”社会を変える”コミュニケーションで目指す「新しいあたりまえ」

フローレンスでは、5月12日に『フローレンスの”社会を変える”コミュニケーション』をテーマにオンライントークセッションを開催しました。平日の夜というお忙しい時間にも関わらず、70名を超える方々にお申し込みをいただき、本当にありがとうございました。

意外と!? 社内でもその全貌を知られていない謎の部門、広報。
業務内容や活動にかける思いなどについて、代表の駒崎(以下コマさん)と広報部門マネージャーの岡水(以下えみりー)・サブマネージャーの小柳(以下わかちゃん)が語り合いました。

「フローレンスの広報ってどんなことをしているの?」「民間企業の広報とどんな点が違うの?」

など、ざっくばらんに語り合ったイベントの一部をレポートします!(フルバージョンはぜひ動画をご覧ください)


余談ですが、コマさんは社内のスタッフとオンラインでトークイベントをするのは初めてということで、オフィスでの雰囲気に近いコマさんや、フローレンスの社風を感じていただけるイベントになるとよいなと企画しました。

すると、当日コマさんはたまたま病み上がりで、期待以上に「素のコマさん」が冒頭から登場。数日病欠していたコマさんとメンバーは事前打ち合わせもほとんどできませんでしたが、普段どおり息の合ったチームワークでイベントは無事に進行しました。

どんな雰囲気だったの?!と気になる方は、ぜひ動画をチェックしてくださいね。

【当日のアーカイブ映像はこちら】

広報部門はフローレンスのアクションを最大化するブースター


えみりー:フローレンスの広報チームは、社内外のあらゆるステークホルダーの皆さんと信頼関係を築き、社会を変えるアクションのスピードとインパクトを最大化する、ブースターのような役割を担っています。

広報部門では主に「団体広報・事業広報」、「社内広報」、「ソーシャルアクション」の3つの軸で業務を行っています。


「団体広報・事業広報」はメディア取材の誘致・調整やオウンドメディアでの発信などを行い、広くフローレンスのビジョンや活動について知っていただく機会を創出します。

支援やサービスを必要としている方に情報を届けることはもちろんですが、活動に参画してくれる方や連携先を増やす広報活動です。


なぜこの制度や事業モデルが必要なのか、何が変わったらどんな人が笑顔になるのか?
まだ光のあたっていない社会問題や関心のあるテーマに出会った時、多くの皆さんが様々なアクションをして下さいます。SNSでシェアしたり、寄付したり、署名したり、協働に手を挙げたり。


社会変革に必要となる人材や資金、応援を集めることに繋がる、フローレンス広報の中で最もベースになる業務です。

次の「社内広報」は、近年「インナーブランディング」や「インナーコミュニケーション」と呼ばれ、企業の皆さんも最も力を入れている領域ですよね。


コマさん:フローレンスには今や700人を超える社員がいるので、お互いに意識してコミュニケーションをたくさんしていきたいなと思っています。僕自身も週報を書いたり動画週報を上げたりしていますが、全社員に見てもらってコメントを返すなど、社内のみんなに言葉が直に届くように試行錯誤しています。


社内ラジオ(音声/動画社内報)を通じた駒崎さんのメッセージ発信の様子

えみりー:全員が同じ情報を共有し、いつでもアクセスできるような情報のオープン化を進めることと、社内広報チームでは社員一人ひとりにスポットライトを当てるような企画を心がけています。現在、フローレンスには事業だけでも12以上あるので、部門を超えてコミュニケーションとリスペクトが生まれる場づくりをしていきたいです。

わかちゃん:フローレンスは、保育や福祉事業の運営現場が各地にあり、働き方や環境もスタッフによって様々なので、紙やポスターや音声、動画、イベント…といろんなツールを使っているのも特徴ですね。


えみりー:そして最後にご紹介するのが「ソーシャルアクション」
少し馴染みのない言葉かもしれませんが、ソーシャルムーブメントや社会運動を想像してもらえるとわかりやすいかもしれません。


わかちゃん:アウトドア製品で知られるPatagoniaは、昨年の衆議院議員総選挙に合わせ、投票への参加を呼びかける「地球のために投票しよう」というムーブメントを起こしましたよね。

コマさん:フローレンスでもいろんなソーシャルアクションをおこなっています。
例えば以前は、「バスではベビーカーを畳むべき」と言われていて、双子や三つ子をベビーカーに乗せたままバスを利用することはできませんでした。実際は、重いベビーカーを手に持ったまま双子を抱っこすることは困難です。

そういった多胎児育児の大変さを全国の多胎児育児中のお母さんからアンケートで集め、記者会見を行い、都知事に陳情したこともありました。それによって、今ではベビーカーを畳まずにバスに乗れるようになり、一気に世の中の流れが変わっていったと感じています。

参考:https://florence.or.jp/news/2021/11/post49018/


えみりー:最近は企業さんや他団体と協力して実施することも多く、いろんな方々とアクションを起こすことで、フローレンス一団体ではできない社会の変化が生まれていくのかなと思います。

「新しいあたりまえ」が生まれる最前線に立ちあえる



わかちゃん:日常的な業務としては、マスメディアの取材誘致や調整などメディアリレーションを行っています。昨年は報道番組などメディア掲載780件、プレスリリースも32本出していました。自社で運営しているコーポレートサイトやSNSを活用したオウンドメディア運用も行い、YouTubeなどを活用した発信にも取り組んでいます。

こういった業務を10人程のチームメンバーで、兼務しながら毎日やっているんです。

えみりー:なかなかすごいですよね(笑)

わかちゃん:ところで、私もえみりーさんも一般企業から転職してフローレンスに入社しましたが、転職して感じたことや驚いたことはありますか?


えみりー:「新しいあたりまえ」が生まれる最前線に関われることでしょうか。皆さん一人ひとりの声やアクションが具体的に制度や潮目を変えていくのを見ると、自分たち自身でより良い社会を作っていけるんだ、と人と未来を信じられる。

現場のプロも制度づくりのプロも企業もたくさんの人の声もあるから、きっとできると希望を感じます。あとは「こんな社会になったらいいよね」という話をしても誰も笑わないし、さらにどうやったらできるだろうという話に進展するのがフローレンスに入社してうれしかった点です。わかちゃんは?

わかちゃん:私はとにかく取材依頼が多いことに驚きました。それだけでなく、取り上げてくださるメディアの記者さんも非常に熱量を持ってくださっていて、それだけ社会に必要な取り組みに関わっているんだなと感じました。


昨年、フローレンスで長年にわたり政策提言活動に力を入れていた「医療的ケア児支援法」が成立し、私は国会議事堂でまさにその成立の瞬間に立ち会えました

私が広報として関わったのはほんの僅かではありましたが、これまで共に頑張ってくださった方々のことや、日々障害児保育の現場で保育に取り組んでいるスタッフの皆さんのことを思って胸が熱くなりました。


法律の成立後、各地に支援センターができるなど少しずつ社会が変わってきていて、その波に少しでも関われたことはとても嬉しいなと思っています。こういう経験は民間企業の広報ではなかなかできないかもしれません。

えみりー:この流れで駒さんにも聞いてみたいですね!どんな時にやりがいを感じますか?

コマさん:パブリックイメージでは、根っからの起業家で強い人と見られることが多いですが、実際は社会課題を解決する事業モデルを開発し、現場を運営しながら制度も意識も変えていくって、しんどいこともたくさんあってですね。心折れることもしばしばある。社内の皆さんはよくご存知の通り、時々すごい凹んでることもあります。

だけど、一人だと多分諦めてしまうような場面でも、みんながいるから続けてこられた。「早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け」という諺のとおりですよね。みんなに、感謝しています。

えみりー:めっちゃいい話するじゃないですか…!一団体でもできない、一人でもできない、仲間がいるから社会が変わっていくんですね。

新しい文化をつくるソーシャルアクションをさらに仕掛けたい


わかちゃん:ここで、イベント参加者の方からいくつか質問をいただいていたので、ピックアップしてお答えしたいと思います。「民間の広報との違いや特徴について教えてください」。

えみりー:サービスやプロダクトの購入を目的とする一般的な広報やPRでは、ターゲットを明確にしてプランを立てることが基本ですが、フローレンスの広報がもっとも特徴的なのは、社会がアップデートされることが最終目標である点。社内外のできるだけ多くの方々と一緒に未来を目指すところだと思います。

知って関わってくれる人が多ければ多いほどアクションが広がり、社会が変わるインパクトもスピードも増していきます。


コマさん:NPOの業界でよくいわれる「イシューレイジング」、つまり「課題がここにあるとみんなに知ってもらうこと」ですね。課題を広報していくことがNPOにとって大事なことです。

わかちゃん:関連して、「NPOの広報ならではの注力ポイントや気をつけている点」についてもご質問頂いています。

えみりー:フローレンスは、活動領域を広げ、年々複雑でより深刻な社会問題に関わることも増えました。不特定多数の方が情報に触れることを前提に、分かりやすい発信を心がける一方で、「分けてしまうこと」のリスクを常に考えます。

レッテルを貼って決めつける「ラベリング」や、差別や偏見を生む「スティグマ」の問題を引き起こすリスクもあって、この言葉で誰がどんな気持ちになるだろう?とチームで話し合うことも多くあります。わかった気にならない、という前提を忘れないようにしています。

センシティブな問題を不特定多数の人に発信することに対しては特に想像力を働かせながら、でもやりすぎると主訴が伝わらないぼんやりした発信になりかねないので、そこはチーム内で発信のトーンを調整したり、コマさん個人の発信と住み分けをしたりしています。


コマさん:我々は文化を変えるために、時には世の中に「刺さる」メッセージも発信していく必要があります。団体・僕自身の発信のバランスを見て、作戦会議をしながらやっています。

わかちゃん:転職して間もない頃は、代表とスタッフがぶつかり稽古のように、がっつり意見交換するのは新鮮だなあと思いました。

えみりー:最後に、これからどんなことにチャレンジしていきたいのかコマさんに聞いてみたいです!

コマさん:僕には「児童虐待」や「子どもの貧困」などを死語にしたいという夢があります。
そのためには、人の心や価値観、文化を変えるというソーシャルアクションをもっとやっていきたいと思っています。
いくつも法律を変えてきましたが、結局のところ人の価値観を変えなければ真の変化をもたらすことはできないと気づいたんです。


フローレンスは創業20周年を目前にし、これから第二創業期ともいうべきエキサイティングな時期に差し掛かっていくので、広報チームをさらに増強していきたい。

新しい文化を作るソーシャルアクションを仕掛けるのは広報チームの役割ですから。ぜひ、たくさんの新しい仲間に入っていただいて、世の中をアップデートしていきたいですね。(イベント抜粋:完)

求む!社会に変化を生むコミュニケーションの担い手


広報チームは、フローレンスの最前線で各ステークホルダーと信頼関係を築き、社会変革を加速させ、そのインパクトを最大化させる役割を担っています。
それだけでなく、スタッフ同士のコミュニケーションが生まれる場づくりにも注力し、事業の推進力を高める役割も果たしています。

そんなフローレンスの広報チームにジョインし、社会をアップデートするアクションを共に仕掛けてくれる仲間を大募集しています! ご応募お待ちしております。

【広報チームの採用情報はこちら】

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