FPTジャパンホールディングス株式会社 採用サイト
FPTジャパンホールディングス株式会社の採用情報です。
https://recruit.fpt-software.jp/en/
「ソフトウェアがクルマの価値を定義する」。この大きな変革期において、車載ソフトウェアエンジニアは、複雑化する技術とどう向き合い、自らの専門性をどう高めていくべきか。その答えは、業界の進化を最前線で体感してきた技術者の歩みの中にあります。
今回お話を伺った榊原さんは、約25年にわたり車載ソフトウェア開発の道を歩み続けてきたエキスパートです。日本のAUTOSAR黎明期から量産開発に携わり、現在はFPTジャパンで日越混成チームを率いる彼のキャリアには、巨大な標準規格の本質を捉え、グローバルな舞台で価値を創出し続けるためのヒントが詰まっていました。
AUTOSAR黎明期との邂逅。手探りの量産開発が、技術者としての核を築いた
これまでのご経歴と、AUTOSARに関わるようになったきっかけを教えてください。
AUTOSARに関連したプロジェクトで、特に印象に残っているものと、そこから得た学びは何ですか?
なぜFPTか。日越混成チームで生み出す、次世代の価値
豊富なご経験を経て、FPT JapanおよびFPT Automotiveを選ばれた理由は何ですか?
現在取り組んでいるプロジェクトの課題と、それを乗り越える工夫について教えてください。
その多国籍チームならではの強みはありますか?
現在の開発プロセスはどのように進めていますか?
SDV時代を見据えて。Adaptive Platformがもたらす変化と未来のスキル
今後の展望として、Adaptive Platformに注目されているそうですね。これは開発スタイルにどのような変化をもたらしますか?
ClassicとAdaptiveが共存する車両設計の難しさはどこにありますか?
そうしたSDV時代に、エンジニアにはどのようなスキルが求められますか?
最後に、車載ソフトウェア分野でキャリアをスタートさせたい若手エンジニアにメッセージをお願いします。
<FPTジャパンに興味がある方へ>
私は約25年間、一貫して車載ソフトウェア開発に携わってきました。キャリアの前半はティア1サプライヤで、主にボディ系ECUの量産開発を担当し、OEMと直接やり取りしながら要件定義から評価まで、一通りの工程を経験しました。
AUTOSARとの本格的な出会いは、規格が日本に本格的に入ってきた2010年前後です。当時担当していたボディ系統合ECUの量産プロジェクトで、欧州発の最新アーキテクチャであるAUTOSARを採用することが決まりました。しかし、当時は国内に実績がほとんどなく、情報もツールも不十分でした。まさに手探りの状態で、BSWやRTEの仕様を自分たちで読み解きながら、基盤ソフトウェアを一から作り上げるような挑戦でした。この経験が、私の技術者としての大きな転機となり、その後のキャリアの礎を築いてくれました。
やはり、初めてAUTOSARを全面採用したあの量産プロジェクトです。規格自体がまだ成熟しておらず、RTEがどのようにコードを生成するのか、BSWの複雑なレイヤー構造をどう理解すればいいのか、試行錯誤の連続でした。外部ベンダーに頼れる部分は少なく、チームで各モジュールの仕様書を一つひとつ読み解き、制約や拡張性を自分たちで整理しながら設計を進めるしかありませんでした。
この経験から得た最大の学びは、規格を教科書通りに適用するだけでは、量産という現実の壁は越えられないということです。規格の真価は、そのアーキテクチャを深く理解した上で、現実の制約に合わせて合理的な取捨選択を行う「適応力」にあるのだと痛感しました。この学びは、今も私の仕事の根幹を成す考え方です。
最大の理由は、勤勉で誠実なベトナム人エンジニアが多数在籍し、ベトナム本社の圧倒的な技術者層という豊富なリソースに直接アクセスできる環境に未来性を感じたからです。車載ソフトウェアの需要が爆発的に高まる中、国内だけで開発力を確保するのは困難になっています。FPTは、この課題を解決するだけでなく、単なるオフショアという関係性を超えて、日越のエンジニアが一体となって学び、成長し続けられる「エコシステム」を築いています。ここに強く惹かれました。
現在は、デジタルキーを中心とした通信系ECUの開発プロジェクトで、国籍も多様な国際チームを率いています。やはり最大の課題は、言語や文化、技術理解度の差から生じるミスコミュニケーションです。これに対しては、専門用語をかみ砕いて説明したり、概念図やシーケンス図で視覚化したりと、「相手が理解できるまで、何度でも丁寧に伝える」という姿勢を徹底しています。
異文化環境は単なる制約ではなく、むしろ技術開発の推進力になっていると実感しています。国籍が異なると、物事の捉え方や仕事の進め方が多様になり、単一文化では気づきにくい視点が議論の中に自然と生まれます。特に車載開発のように正解が一つではない領域では、この多様な視点が技術的な選択肢を広げ、結果としてより合理的で競争力のある設計につながる場面が多くあります。
開発対象がマイコン制御やセンサといった物理層と密接に結びついているため、要求仕様通りに動作しないことが安全性に直結します。そのため、上位仕様から検証工程までを段階的かつトレーサブルに進められるV字モデルが依然として最適だと考えています。一方で、CI/CDに関しては、静的解析などPC上で完結する領域では積極的に活用していますが、ハードウェア依存のテストでは導入が難しい面もあります。今後、仮想ECUやデジタルツインが普及すれば、CI/CDの活用範囲はさらに拡大すると期待しています。
はい。Adaptive Platformは、従来のClassic Platformで採用されてきたRTOSやタスクスケジューリングを前提としたリアルタイム制御ベースのアーキテクチャから、POSIX準拠OS上で動作するサービス指向型のソフトウェアアーキテクチャへと大きく移行します。C++中心の開発スタイルに変わり、メモリ管理や例外処理など、よりソフトウェア工学的な設計思想が求められます。また、OTAアップデートを前提とするため、継続的なアップデートを前提としたアジャイル型の開発プロセスへの移行が必然となります。ECUが単なる固定機能のデバイスから、アップデートされ続けるソフトウェアサービス基盤へと性質を変えていくのです。
最も難しいのは、「どの機能をどちらのプラットフォームに割り当てるか」という機能境界設計です。また、SoC上でハイパーバイザーを利用して両プラットフォームを混載する場合、ASILレベルの安全性保証、通信遅延、スケジューリング干渉など、新しい品質課題が生じます。これらは従来のECU開発では経験が少ない領域であり、設計指針や検証手法のノウハウがまだ成熟していないことが大きな技術的チャレンジとなっています。
従来の組込み知識に加え、Linux/QNXなどPOSIXベースOSの理解、そしてクラウド連携を支えるネットワークプロトコル(TLS、MQTT、gRPC、SOME/IPなど)の知識が不可欠になります。さらに、C++14/17以降のモダン言語機能、Gitやコンテナ技術、CI/CDといったDevOpsの知識も求められます。技術変化が非常に速いため、学習を続ける姿勢と、新しい技術を楽しむ柔軟さが、これからのエンジニアの価値を大きく左右すると感じています。
これからこの世界を目指す皆さんに最も伝えたいのは、「基盤となるマイコン知識を確実に身につけてほしい」ということです。どんなにソフトウェアが抽象化されても、その根底にはハードウェアの制御があります。CPUの動作やメモリ構造といった基礎知識があれば、単なる作業者ではなく、「理解して設計できるエンジニア」へと飛躍的に成長できます。ハードとソフトの両面を理解する視点こそが、未来で活躍するための最短ルートです。
今回は、車載ソフトウェアのエキスパートであるS.Tさんのお話を通じて、FPTオートモーティブにおける開発の現場や、技術と向き合うエンジニアの姿勢についてご紹介しました。
榊原さんが語った、グローバルチームならではの課題やチャレンジ、AUTOSARのような先端技術への深い知見、そしてSDV時代に向けたAI活用などの取り組みに興味を持っていただけた方は、ぜひご応募もご検討ください。FPTジャパンでは、車系組み込みエンジニアおよびAUTOSARエンジニアを募集中です。私たちと一緒に、次世代の自動車開発とイノベーションをリードしていきましょう。
まずはぜひカジュアル面談へお越しください!
FPTジャパンは、ベトナムに本社を置くグローバルITサービス企業でございます。世界30か国以上で事業を展開し、2024年には10億ドルのITサービス収益のうち5億ドルを日本市場が占めています。
ご興味のある方は、ぜひ下記よりご応募ください。お待ちしております!