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前回ご紹介したフランス出張に続き、体験記のvol.2をお届けします!
入社して日も浅い新人が、初出張、それも海外!
いったいどんな気づきや体験をしたのか?
ぜひ、記事をご覧ください。
「はじめての出張がフランスって、本当に現実?」
そう思ったのが、旅の始まりだった。
入社して1ヶ月。
まだ社内の名前と顔を覚えるだけで精一杯の毎日の中、
突然訪れた “フランス出張” というチャンス。
Telling Cafe & Gallery の海外展開とマーケットリサーチ
そんな大きなテーマを前にして、「私で大丈夫かな……?」という不安は正直ありました。
でもその一方で、
“一度きりのこの機会を逃したくない” という気持ちが、
静かに高ぶっているのを感じました。
パリ──文化は“説明”ではなく“空気”で伝わるという衝撃
訪れたのは、OGATA Paris。
入口から地下へ降りる階段に一歩踏み出した瞬間、
“空気が変わる”体験をしました。
音が静まり、
照明が落ち、
余白が増え、
五感が自然と研ぎ澄まされていく。
これこそが 日本の美意識を“空間で翻訳する”という行為だと気づきました。
日本の美を、
言語化ではなく“体験”として届ける。
その空間の中で、ふと「フランスの人たちが“日本”をどう受け取っているのか」
という視点を自然と持つようになりました。
MORI YOSHIDA──“姿勢”が文化をつくるという事実
扉を開けた瞬間、
甘い香りではなく、張りつめた静けさ がふわっと届きました。
その日は祝日で、アトリエではケーキの製造は行われていませんでした。
それでも、空間全体に広がる“仕事のリズム”は、なぜかはっきりと感じられました。
磨き上げられたステンレスの台、
整然と並ぶ道具、
無駄のない導線。
そこには、普段どれだけ緻密な仕事が行われているかを物語る“気配”がありました。
あの静けさそのものが、森さんの仕事観を映す鏡のようでした。
そんなアトリエで、森良志さんが語った一言。
「フランス菓子は、フランス人のために作る。」
私は最初、
“日本人として日本的な要素を足すものなのでは?”
と考えていました。
でも森さんの考えはまったく違いました。
相手の文化を深く理解し、敬意を払い、
その上で“自分の軸”を貫く。
その姿勢があるからこそ、
森さんの菓子はフランス文化の中にしっかり根づき、
同時に繊細な日本の美意識が自然と息づいているのだと気づきました。
製造の様子を見ていなくても、
むしろ“静けさの中”にある本質のほうが鮮明に伝わってきた気がします。
この気づきは、
“海外展開とは何か?”
という問いに対する、大きなヒントになりました。
南仏 Theoule-sur-Mer──文化は暮らしの延長にある
パリを離れ、南仏へ向かった数日間。
その中でも、Theoule-sur-Mer で迎えた朝は、
この旅でいちばん心が静かになった時間でした。
海辺に着いた頃には、すでに朝日が昇りはじめていて、
波の音だけが響く中、光がゆっくり海の表面を照らしていました。
水平線の上ににじむように広がるその光は、
海をキラキラと目覚めさせていくようでした。
ただその景色を見ているだけなのに、
胸の奥にあったざわつきが、ひとつずつほどけていくように感じました。
そのとき初めて、私は気づきました。
文化は“誰かがつくった作品”だけで生まれるのではなく、
自然のリズム、人の暮らし、積み重なる時間……
そうした小さな営みが静かに重なって形づくられていくのだと。
Theoule-sur-Mer の朝日は、
その事実を“言葉”ではなく、“感覚”で教えてくれたように思います。
そして、その気づきはアルルでさらに深まりました。
古い教会や静かな陶芸店を歩いたとき、
祈りや技術が特別なものではなく、
“日常そのもの”として息づいていることに触れたからです。
ろうそくの光が揺れる教会の空気、
土の温度を残したまま棚に並ぶ器。
どれも観光のためではなく、
その町で暮らす人たちの営みの延長として続いていました。
Theoule-sur-Mer の自然と、アルルの暮らし。
その両方に触れたことで、
「文化は飾るものではなく、日々の生活の中で静かに育つもの」
という気づきが、自分の中で確かな形になりました。
商談での言葉─「日本は本物がある場所でいい」
旅の途中で、静かに心に刺さった言葉があります。
「日本は“本物”がある場所でいい。
海外拠点は、日本を知る入口でいい。」
海外に日本をそのままコピーする必要はない。
むしろ、日本の本質に出会うための“入り口”であるべき。
この考えは、Telling Cafe & Gallery の未来にも直結するものだと思いました。
だからこそ、届けるべきは
● 作り手の哲学
● 美しい生活文化
● 受け継がれてきた物語
といった「深い部分」。
その国の人の感性と対話しながら、“文化の橋”をつくること
それこそが、私たちの仕事だと確信しました。
EQ(感情知能)という、まだ自分が十分に持てていない力
今回の出張で、正直に言うと
何度も自分の未熟さと向き合うことになりました。
● 判断が曖昧で、人を迷わせてしまった瞬間
● アシスタントとして準備不足だった場面
● 自分の感情をうまく言語化できず、悔しさが残った日
「自分はまだまだだな……」
そんな気持ちになった時間もたくさんあった。
でもその一方で、私はこの出張で初めて、
“EQこそが、未来の自分を支える力になる”
という確かな実感を持ちました。
IQやスキルだけでは動かせないものがある。
相手の立場、感情、価値観を理解する力。
目の前の人が何を大切にしていて、何を不安に思っているのか。
それを感じ取り、安心をつくり、信頼を積み重ねていく力。
文化を扱う仕事において、
そして“物語”を届ける仕事において、
EQは必須の基礎体力だ
ということを痛いほど学んだ出張でした。
でも、くじける理由にはなりませんでした。
むしろその瞬間に、私は“もっと成長したい”という強い気持ちが生まれました。
それでも挑戦したい。
文化を未来につなぐ“橋をかける人”になりたい。
今回のフランス出張を通して、
私の中でずっと揺れていた
「日本文化を世界に届けたい」という想いが、
初めて“確かな形”になったと感じました。
生産者や職人さんの背景にある物語を、もっと丁寧に届けたい。
Telling Cafe & Gallery を、
世界中の人が“本物の日本”に触れられる入り口に育てたい。
そしていつか、海外展開の現場で、
日本の本質を尊重しながら伝えられる人材になりたい。
それが、今の私が抱いている“本気の想い”です。
最後に─。
この機会そのものをつくり出してくださったCEOのおかげで、
私は初めて“現場で学ぶ”という本当の意味を知りました。
若手にも挑戦の場を開いてくれるFreewillのカルチャーがあったからこそ、
私はEQの大切さや「文化を世界へ届けたい」という使命感を
深く実感することができました。
そして、この経験を通して私がさらに強く感じたことがあります。
─Freewillは、“挑戦したい”という気持ちを本気で育ててくれる場所だということ。
「文化や物語に関わる仕事がしたい」
そう感じたことがある人にこそ、
Freewillという環境を知ってほしいと思います。
Telling、Tells Market、サスPay、Spin。
どれも単なるサービスではなく、
生産者の物語や技術、地域の文化を未来へつなぐための仕組みです。
Freewillには、挑戦しようとする“意志”に本気で向き合い、
それを育ててくれる文化があります。
文化を守り、つなぎ、世界と未来に届ける仕事がしたい。
そう思うなら、
Freewillはきっと、その一歩を後押ししてくれる場所です。