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二年後の民法(債権法)改正に向けて――セミナーを受講した個人的感想まとめ

グラフ管理部法務担当の田中です。

昨年5月、約100年ぶりの大きな改正内容を含んだ、民法(債権法部分)改正法が成立しました。実際に施行されるまでの猶予期間はまだまだあるとはいえ、当社でも今後を見据えて対応すべき内容を前もって明確化していく必要があると考えています。

そこで先日、法律事務所が主催する民法改正に関するセミナーに出席しました。

今回のレポートでは、民法改正の理論的側面でなく、当社の事業との関係で重要な部分3つに焦点を絞って書いていきたいと思います。

1 消滅時効の変更点

債権の消滅時効において、大きく目を引いたのは下記の二点。

① 債権の権利行使に関する客観的起算点に加えて、債権者による主観的起算点が導入されたこと
② 時効期間が統一されたこと

日常の債権管理がきちんとできていなければ継続的な投資活動を行うことができず、事業展開に大きな支障をきたすことにもなりかねないため、当社でも慎重に債権管理を行っています。幸いにして、現在のところ、債権管理で大きなトラブルに巻き込まれていません。

通常の事業活動において、債権の時効完成が経営の意思決定自体に大きなインパクトを与えることはないと考えています。しかしながら、今後もし回収を断念せざるを得ない債権が発生しても、会計基準に沿った正確な会計帳簿作成という観点から、会計上は一定期間で回収せざるを得ない債権と認識しなければなりません。そのため、改正後の時効完成の期間を把握しておくことは重要と考えています。


2 定型約款の要件が明確に

今回の民法改正で、「約款」という概念が民法の条文上新しく明記され、相手方の個別合意なく約款を変更する際の要件も明確化されました。

当社でも自社プロダクト開発を今後の事業運営の課題として位置付けていることもあり、自社プロダクトをライセンス販売する際の定型約款をどのように規定すべきか、また変更の可能性をどの程度織り込んで規定すべきか、今後慎重な検討を要することがわかりました。

3 瑕疵担保責任の再構成

IT業界全般においては、一般的な商品販売取引と異なり、取引されるサービス内容を視認できないため、瑕疵担保責任について、契約書に慎重に規定されていることがほとんどです。

今回の改正では、「瑕疵」という言葉が条文からなくなり、「引き渡された目的物が・・・契約の内容に適合しないものであるとき」、売主は担保責任を負うと規定されました。

契約書の文言を変更するだけでなく、何が「契約の内容に適合しないものである」かは契約内容に応じて変わるため、当社が関与する各契約において何が「契約の内容に適合しないものである」かを精査していく必要性を認識しました。

新たな法制度、法改正等に適切に対応しながら事業運営していくためには、管理部が日頃から積極的に法務分野の情報収集に努め、必要に応じて弁護士等の専門家を活用しながら、その対応策を検討・企画立案・実行していく必要があります。

新聞・書籍・雑誌のチェック、各種関係機関WEBサイトのチェックなどとともに、各種セミナーに参加することも、法務分野において必要な情報収集のチャネルと考えています。

今後も、当社管理部では、必要に応じて各種セミナーに参加することで、当社の今後の事業運営のために、積極的な法務分野の情報収集を行っていくつもりです。


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