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中:組織と働き方について考える

CMOの片岡です。

前回に引き続き、組織と働き方について日々悶々と考えていることを、少し書き連ねてみたいと思います。随分時間が経ってしまったので、前回の内容はこちらご参照ください。


組織でモヤモヤする若手たち…

最近、大企業に勤める若手社員の方とお話すると、『今やっている仕事が、誰の何のためにやっている仕事かわからない』、『今の仕事をしていて将来大丈夫なんだろうか?』など、組織への不満や将来への不安に頭を悩ませる方が多い印象を受けます。

私自身も、前職で働いている中で、組織のルールや当たり前に『何か違う…』という違和感をどこかで感じながら、モヤモヤしていました。

何が気持ち悪いか、どこが悪いかをはっきり言語化できないんだけど、やっぱり何かおかしい。 

そんな想いを上司に訴えてみるけど、どうおかしいか、どこを変えたらよいかの明確なソリューションが思いつかず、「気持ちはわかったから、また考えよう」と大人な対応で諭される。

仮に問題の本質に切り込んで噛み付いたとしても、それが人事制度など強固な枠組みが出来上がっている不可侵な領域の話だったりすると、「それは将来偉くなって変えてくれ」とさらりとかわされる。そんな経験、みなさんも一度はあるのではないでしょうか(笑)

当時の先輩に飲みながら自身の違和感を訴えた際、選択肢は3つしかない、お前はどのスタンスで話しているんだ?と言われたのを今でも鮮明に覚えています。


①組織の論理を受け入れる

②組織の論理を変える

③組織を去る


組織の論理を変えようと、必死でいろいろともがく努力をするものの、組織の仕組みは想像以上に強固で、権限もスキルもない若手が挑むには高い壁です。

意欲ある若手も最初は組織の論理を変えようとトライを試みるものの、その壁の高さに圧倒され、次第に家族という守るべきものができ、社内での立場も自由に発言しにくいポジションになっていくことで、組織の論理をやむなく受け入れてざるを得なくなる人が徐々に増えていくのだと思います。


組織のWhyと個人のWhy

組織の達成したい目標を自分が所属する部署の目標に落とし込み、自らの役割に合わせてミッションを自分ゴト化させる。そうすることで、組織と自分とのよい関係が生まれていきます。

組織と個人の関係を考えるにあたって、サイモン・シネックのこの有名なTEDの動画をご存知でしょうか?

https://www.youtube.com/watch?v=qp0HIF3SfI4


詳細は是非動画を見ていただきたいのですが、飛び抜けたリーダーや組織を説明する中でゴールデンサークルというフレームが用いられています。



Why、How、Whatの3つの円があり、「人は『何を(What)』ではなく『なぜ(Why)』に動かされる」、「飛び抜けたリーダーや 飛び抜けた組織は、Why(なぜそうするか?) → How(どうやるか?) → What(何をするか?)中から外へと伝えていく」と説明しています。

ここでは組織のWhy、How、Whatが説明されていますが、大きな社会的な変化として「個人のWhy」の重要性が高まっているのではないかと感じています。今や大企業でもいつ会社がなくなるかわからない時代。自らのキャリアについて、これまで以上にWhyを意識する機会が増えてきています。

個人にとっての「なぜそうするのか?=Why」が意識されればされるほど、組織のゴールデンサークルとのギャップを感じやすくなっているという時代的な流れが影響しているのではないでしょうか。


大企業にWhyはあるのか?

前回のまとめでも社会、組織、個人のWhyの重なりを大きくすることが、理想の働き方だと書きました。ゴールデンサークルの理論を用いて、「人は『何を(What)』ではなく『なぜ(Why)』に動かされる」ということもわかりました。


Why does your organization exist? その組織の存在する理由は何か? 


ここでひとつ疑問が生じます。

大企業にWhyはあるのか?

そうなんです。個人のWhyと組織のWhyをすりあわせようと思っても、多くの大企業にはWhyがない。本当はあると思うのですが、大人数のWhyとすり合わせるために、抽象的でぼんやりしたWhyになってしまっている。

仮にあったとしても伝わっていないし、組織のWhyに心から共感していない。個人が自らのWhyを鮮明に意識するようになった今、組織が提示するWhyに共感できないことで、HowやWhatにますます疑念を抱く。

そして、若手がHowやWhatについてイノベーティブな提言をするも、組織もWhyがぼんやりしているから、HowやWhatを変える判断ができず、組織の存続だけが目的になってしまう(ように見える)。


この構造こそが、イノベーティブな若手社員が感じる「得も言われぬ違和感」の正体なのではないでしょうか。

組織の撤退障壁

最後に余談ですが、組織と個人のあり方についていろいろと思考を巡らせている私にとって、SMAP独立騒動は衝撃でした。芸能人と組織という関係性や、他の企業では役に立たない企業特殊的技能を学ばされる等ビジネスの世界と共通点があるなあと気づきの多い一件だったと感じています。

http://agora-web.jp/archives/1667132.html

ようやく前振りが書き終わったので(笑)、次回は本当に書きたかったiCAREのWhyと働き方についてご紹介したいと思います。

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