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プログラミング言語の歴史 <Ada編>

ご存知のことかと思いますが、世の中には様々なプログラミング言語が存在します。そして、それぞれのプログラミング言語には、誕生の経緯や発展の過程など、歴史があります。

プログラミングの歴史には、IT業界やシステム開発がどのように進化していきたのか、更には、これからの技術トレンドや流行り、廃りを推測するヒントがたくさん詰まっています。

そこで今回は、業務でもプライベートでも触ったことのあるエンジニアは、非常に少数派だとは思いますが、プログラミング言語の歴史に燦然と輝く『Ada』についてご紹介いたします。

Adaの概要

まずは、プログラミング言語Adaについて簡単にご説明いたします。

Adaは“エダ”ではなく、“エイダ”と呼びます。この名前は、ラブレース伯爵夫人オーガスタ・エイダ・キング(通称、エイダ・ラブレス)という19世紀のイギリス貴族から取られています。

この女性は、世界で初めてプログラミング可能な計算機を設計したことから「コンピューターの父」と言われるチャールズ・バベッジと親交があり、オリジナルのプログラムを書簡に書き残したため、「世界初のプログラマー」と言われることあります。

ちなみに、アメリカにはエイダ・ラブレス賞というものがあり、この賞の受賞者にはコンピューターの不具合のことを「バグ」と呼ぶきかっけを作ったグレース・ホッパー氏やYahoo!の元CEOであるキャロル・アン・バーツ氏など、層々たる顔ぶれが並んでいます。

さて、話をプログラミング言語Adaに戻しましょう。

詳しくは後述しますが、Adaは開発経緯からみても、相当に特殊なプログラミング言語であり、日本では特定のシステム(より厳密に言えば、ある種の組み込み系システム)以外では、まず使われることのないレアなプログラミング言語です。

特定のシステムとは、ずばり“兵器”です。世界最強と言われ、日本でも導入するかどうか話題となった、アメリカ製戦闘機F-22“ラプター”や三菱重工業が製造し海上自衛隊に装備されている97式魚雷はAdaでプログラミングされていることが明らかになっています。

こうした事情もあってか、日本においては教育機関でもAdaの教育・利用はあまり見られません。業務ではもちろん、プライベートでも触ったことのあるエンジニアは少数派となっています。

Adaの誕生

1970年代にアメリカ国防総省が主に組み込み系システムに使える、信頼性と保守性に優れたプログラミング言語を求めて、国際入札を行ったところからAdaの歴史は始まります。この国際入札では最終的に4つの案が提示され、最も優れていると考えられたフランスチームの案(当時はGREENと呼ばれていた)がAdaとして整備されていくことになります。

なお、アメリカ国防層省が入札を行うにあたって各チームに与えられた要件の中には、「開発効率よりも可読性を重視すること」や「プリプロセッサを使わないこと(※)」といったものがあり、いかに保守性を重視していたのかがうかがい知ることができます。

※プリプロセッサとは、ソースコードに書かれた処理を行う前に、データの入力や整形などの前処理する仕組みのこと。つまり、プリプロセッサがあると、ソースコードには表現されきれていない処理がシステム的に走ってしまう、ということになります。このプリプロセッサが、バグの元になることもあります。

また、大規模なシステム開発に耐えられるように、という観点から、言語仕様としてマルチパラダイムな汎用言語(この時点で、手続き型以外にも関数型に対応)を目指しており、例外処理や並行プログラミングなど、当時としては相当に先進的なものとなっていました。そのため、言語仕様をまとめるのに難航し、5段階ものドラフトが作られたそうです。気になる続きは👇👇👇

プログラミング言語の歴史 <Ada編>
ご存知のことかと思いますが、世の中には様々なプログラミング言語が存在します。そして、それぞれのプログラミング言語には、誕生の経緯や発展の過程など、歴史があります。 プログラミングの歴史には、IT業界やシステム開発がどのように進化していきたのか、更には、これからの技術トレンドや流行り、廃りを推測するヒントがたくさん詰まっています。 ...
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