「仕事をしながら、どうやってそんなに旅行に行っているの?」
そんな疑問に答えるべく、今回は85歳のおばあちゃんと一緒に東北の夏祭りを巡った、リアルな生活を振り返ります。秋田竿灯まつり、青森ねぶた祭、盛岡さんさ踊り。日本を代表する夏祭りを、始業前と仕事終わりの時間を駆使して巡りました。
…と聞くと、かなり無茶な旅に聞こえるかもしれません(笑)実際、かなりハードでした。それでも、この旅には私にとって特別な理由がありました。
ノマドワークを始めたら、家族を呼び出して、一緒にまだ経験したことのない旅をしたい、と思っていたんです。特に、以前から「みなみちゃんが行くところに、私も行きたいわ」と言ってくれていた85歳のおばあちゃん。「せっかく会いに来てくれるなら、まだ見たことのない景色を一緒に見たいな」とそんなことを考えていました。
そんな中、たまたま仕事で青森にある津軽藩ねぷた会館やワ・ラッセを訪れる機会がありました。そこで、東北のお祭りに行ったことか聞くと、なんとこれまで一度も行ったことがないとのこと。
それなら、行くしかないでしょ!と、まさか仕事の出張でたまたま訪れた取材が、そのまま旅のきっかけになるとは思ってもいませんでしたが、こうして、急遽おばあちゃんと母と私、3人の東北夏祭り旅が始まりました。
学生時代、実は東北の祭りを巡っていた
実は私、大学生の頃にも東北のお祭りを巡ったことがあります。訪れたのは、青森ねぶた祭、五所川原立佞武多、秋田竿灯まつり、盛岡さんさ踊り、山形花笠まつり、仙台七夕まつりの6つのお祭りでした。
大学生だった当時は、お金はないけれど時間はあったので、できるだけ交通費を抑えるためにバスや鈍行列車を使って移動していました。そして、ホテルに泊まるお金はもちろんないので、夜はカラオケボックスへ行き、とにかく良い場所から祭りを見るために、朝から場所取りをする暮らしを1週間ぐらいしました。今考えるとよくやっていたなと思います。まさに大学生だからできた旅でした。
そして、青森では実際に跳人(青森ねぶた祭などの祭りで、大きな山車のまわりを「ラッセラー」と掛け声を上げながら飛び跳ねて踊る踊り手 のこと)として、ねぶた祭に参加しました。見るだけではなく、自分自身が祭りの中に入る。あのときに感じた街の熱気や、周りの人たちの生き生きとした表情は、今でも強く記憶に残っています。
約8年ぶりに訪れた津軽藩ねぷた会館とワ・ラッセで、昔の記憶がよみがえった
それから約8年。仕事の取材で、青森を訪れ、ねぶた・ねぷた祭りについて再度学ぶ機会がありました。館内に展示されているねぶたを見ていると、大学生の頃に東北のお祭りを巡ったときの記憶が、どんどんよみがえってきました。「そうそう、あのときもこんな感じだったな」と、懐かしい気持ちになりました。
そして、館内の人から跳人の説明があった際に、大学生の頃に自分も参加していたその当時の動画をインフルエンサーの方たちに実際に見てもらいながら、祭りの話をするとすごく興味を持ってくれました。自分が昔、実際に祭りの中に入って体験したことが、今度は仕事で祭りの魅力を伝えるときのストーリーになっているのが、なんだか不思議で、嬉しくもありました。
単に資料を見たり、説明を聞いたりするだけではなく、自分自身の体験と重ねながら祭りのことを話せたことで、今回の取材は私にとっても特別なものになりました。
「ねぶた」と「ねぷた」と「立佞武多」は何が違う?
そして、今回改めて祭りについて話を聞いてみて、初めて知ったこともたくさんありました。例えば、青森ねぶた祭、弘前ねぷたまつり、五所川原立佞武多。同じ「ねぶた・ねぷた」の文化でも、地域によって形や大きさが違います。
その背景には、それぞれの地域で育まれてきた歴史や文化だけでなく、ねぶたが実際に街を運行するための道路や電線など、街の構造も関係していると聞きました。
実際、五所川原では、かつて20~30m級まで巨大化したねぷたが、街に電線が張り巡らされるようになったことで高さを制限され、次第に小型化していったそうです。そして現在の立佞武多は、運行ルート上の電灯線や電話線を整理することで、かつての巨大なねぷたを復活させています。(ご興味ある方はぜひこちらをご覧ください)
「祭りは昔から続いている伝統だから、その形も昔から変わらない」そんなふうに思っていた私にとって、街の変化が祭りの形にも影響してきたという話は、かなり新鮮でした。学生時代は「大きい!すごい!楽しい!」という感覚だけで見ていた祭りでしたが、仕事を通して改めて話を聞いてみると、その裏側にある歴史や文化だけでなく、祭りと街が一緒につくられてきたことまで見えてきました。
さて、重要な「リモートワークと旅の両立」をどうするか。
今回、1週間も東北を巡りながら、どうやって普段通り仕事をしていたのか。実は、出発する前の段階で、できるだけ仕事を前倒ししておくことを意識していました。
というのも、今回の旅の時期は、ちょうど新しいプロジェクトがいくつか走り始めるタイミングで、さまざまな国のPR会社とのオリエンテーションや打ち合わせなどが多い時期でした。そのため、旅に出る前の週から、ミーティングで使用する資料をできるだけ準備していました。「この日にこの資料を使う」「このミーティングではここまで確認する」といったことをあらかじめ整理して、旅先でも迷わず対応できる状態をつくっておく。これが、今回の旅と仕事を両立するうえでの最初のポイントでした。
私が担当しているメディアチームの仕事を簡単に説明すると、メディアやインフルエンサー、PR会社、OTAなどとのタイアップを企画し、実際に情報発信が掲載・投稿されるまでの一連の進行を担当する仕事です。例えば、「この場所を、どの市場に、どのように発信するのが効果的か?」を考えるところから始まり、どんなメディアが合うのか、どんなインフルエンサーと相性がいいのかをリサーチ。そのうえで企画内容を相談し、条件や金額を交渉して、契約を進めます。その後も、実際に制作してもらった記事やSNS投稿などのアウトプットを確認し、必要に応じて翻訳や修正を行い、クライアントの確認を経て、最終的な掲載・投稿まで社内のその他多くのチームと連携しながら、進めていきます。
だからこそ、私が普段から大切にしているのが、「今、どの案件がどこまで進んでいるのか」「次に何をしなければいけないのか」を見える化しておくこと。今回の旅でも、出発前にそれぞれの案件の進捗や今後のタスクを自分の中で整理しておきました。「今日は何をしないといけないんだっけ?」と旅先で考える時間をできるだけつくらず、決まったタスクを淡々と進められる状態にしておくのです。
また、記事やSNSなどのアウトプットが上がってきた際の校正・確認作業も、旅の期間中に集中して取り組めるよう、あらかじめできるだけスケジュールを把握していました。こうした仕事は、もちろん集中力は必要ですが、相手とリアルタイムでやり取りをしなくても、ある程度まとまった時間があれば、自分で区切りをつけながら進めることができます。
一方で、値段交渉や契約など、相手とのやり取りが必要な仕事もあります。そういったものについては、できるだけ旅に出る前に進めておく。旅をしながら仕事をするためには、旅先で頑張ること以上に、旅に出る前に、仕事そのものを「旅仕様」にしておくことが大切なんだと思います。
実は、普段から「仕事と出張」をセットで考えている
普段から、取材への同行などで出張する機会も多く、忙しい時期には1カ月に3泊程度の出張が2回あることも過去に経験しています。そのため、日頃から意識しているのが、「出張中でも通常業務を止めない」ためのタスク管理です。
もちろん、すべてを自分ひとりで完結できるわけではありません。自分だけでは対応できないことや、どうしてもその場での対応が必要な仕事もあります。そういった場合は、「これは止めてはいけない」という仕事を事前に整理して、必要に応じて周りのメンバーにお願いすることも大切にしています。
そして、こうした働き方を支えてくれているのが、IGLOOOのカルチャーでもあります。社内では、誰かが出張や同行で不在になる場合も、あらかじめスケジュールを共有しています。「この期間はこの人がいないから、ここはフォローしよう」と、お互いに把握できる環境があるからこそ、安心して現地での仕事に集中できます。
特に仕事においての取材や同行のときは、「せっかく現地に行っているのだから、その場でしかできないことを大切にしてほしい」という考えがあり、現場での動きを優先させてもらえるのもありがたいところです。代表からも、現地での対応が続いたときには「現地での対応、おつかれさまです」と声をかけてもらうことがあり、そうした一言に支えてもらっていると感じます。
普段からこうしたことを整理しているので、今回も「東北に行くから特別な働き方をする」というより、いつものタスク管理を少し強めにしたという感覚に近かったです。もちろん、すべてを自分のコントロール下に置けるわけではありません。急な問い合わせやトラブルなど、突発的な対応が必要になることもありますし、新しい提案や依頼が入れば、その場で対応しなければならないこともあります。
だからこそ、私が大切にしているのは、「全部を完璧に予定通りにする」ことではありません。予定通りに進められる仕事は、できるだけ前倒ししておく。そうしておけば、旅先で予想外のことが起きても、ある程度は余裕を持って対応できます。これが、私なりの「仕事をしながら旅をする」ための準備でした。
実際にやってみて分かった。この旅程はおすすめしません!(笑)
ここまで、私なりの「仕事をしながら旅をする」ためのMy仕事術を紹介してきましたが 正直に言うと、この旅程はおすすめしません(笑)始業前に移動して、日中は仕事。仕事が終わったらまた移動して、お祭りを見る。そして翌朝はまた早起き。これを続けると、普通にかなり疲れます。
ただ、それでも、「やってよかった」と思える旅でした。
夕方に外へ出ると、街の中から太鼓の音が聞こえてくる。その瞬間、「ああ、今、本当にお祭りの街にいるんだな」と感じました。出社していたら、仕事が終われば家に帰る時間。でも、この期間中だけは、仕事が終わった先に祭りがありました。
日中はパソコンに向かって仕事をしていたのに、数時間後には浴衣や祭りの雰囲気に包まれた街を歩いている。その切り替えが、なんとも不思議で、楽しかったです。
リモートワークで得られる週末の充実感を爆上げできる
今回の旅を通して改めて感じたのは、仕事とプライベートの境界をなくすというより、どちらも大切にするために、どう仕事を設計するかが大切なんだということでした。
オフィスにいれば、隣の人に「今これやっています」「ちょっとここ手伝ってください」と気軽に声をかけられます。でも、リモートワークでは、お互いに今何をしているのかが見えにくい。だからこそ、私たちの会社では、スケジュールやタスクの進捗をできるだけ共有して、「誰が・何を・いつまでにやるのか」をチームみんなが把握できる状態にしておくことを大切にしています。
もちろん、今回のように仕事をしながら旅をするためには、自分自身でスケジュールを管理することも必要です。でも、それだけではありません。困ったときには周りに頼ることができること、そして自分がいない間もチームで仕事を進められること。こうした環境があるからこそ、私は安心してリモートワークと旅を両立できたのだと思います。
みなさんは、仕事をするうえで大切にしていることはありますか?
「こんな働き方をしてみたい」「私もこの働き方に共感する」と思ってくださった方がいたら、ぜひ一緒にお話しできたら嬉しいです。仕事も、旅も、どちらも諦めたくない。そんな働き方に少しでも興味がある方と、一緒に働けたら嬉しいなと思っています。
今回は、リモートワークだからこそできた、私なりの「仕事をしながら旅をする」方法をご紹介しました。ちなみに、次回はまた大移動をする予定です。が、実はその旅では体調を崩して、かなりの「スロー旅」になりました(笑)そのときの様子も、ぜひお楽しみに。
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