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認定NPO法人カタリバ様向けにプロボノワークショップを実施しました!


『この10年で2.7倍、約4,000人』

これは、全国で増加し続ける「日本語の学習支援が必要な外国ルーツの高校生」の数です。

学習面やコミュニティ内で孤立しがちな彼らを支援しているのが、認定NPO法人カタリバの一事業『外国ルーツの高校生支援プロジェクト』。今回、本プロジェクトのスタッフと生徒さんたちを対象に、アセスメントツール「Insights(R)Discovery」を使用した4時間のワークショップを実施しました。

企画段階では、カタリバで外国ルーツの高校生を支援しているスタッフの方々に、外国ルーツの子どもたちが直面している現状を伺いました。

・身近で就労している大人は自分の家族と学校の先生くらいしかいないため、情報量が少なく、「社会に出て生き生きと働く」ということのリアルなイメージを持つことが難しい

・バイト先や学校などの普段の生活の中で、周囲に「できないの?」「知らないの?」という言葉をかけられることも多く、自分に自信を持つことが難しい

などの課題を知ることが出来ました。


有償でも無償でも変わらないスタッフの念(おも)い

社会課題を起因としたプログラムを運営するとき、毎回感じることがあります。それはこうした「スルーしてしまえる情報」をいかに「自分ごと」として捉えることが出来るかがとても重要だということ。

今回も、運営チームと課題を共有し、「近い将来、彼らが自らリーダーシップを発揮して生きていくために自分たちには何が出来るか」について話し合いました。

「明るい未来の自分像を描けるようになってほしい」「居心地の良い場にするために、言語対応のハードルをどう低くするか」などの意見交換の末、まずはスタッフの方々も交えて自己理解と他己理解を深めること、コミュニケーション能力について考えを深めてもらうことを本ワークショップのテーマにすることが決まりました。

「なぜ、その研修を提供するのか。どうしたら目の前の一参加者に最大限の価値を提供できるのか」それは有償でも無償でも変わらないスタッフの念(おも)いです。


(写真:「外国ルーツの高校生支援の場。HPより転載(*こちらはコロナ前に撮影された写真となります)

いつもの環境から離れたことの意味

当日は、あらかじめ受けたオンラインサーベイの個人分析結果をひとりひとりに手渡すのですが、まず自己を振り返る内省のワークがあります。また、カードを使って「私には、あなたの強みはこう見えます」と自分の印象をほかの人に贈り合うセッションも。

「ほかの人からはこんな風に見えていたんだ!」「自分でも意外なポイントが私の強みだと言われて驚いた」など、自分に対する新しい発見や気づきもあります。参加してくれたスタッフのお一人からは、「結果を周りと話しながら理解するだけで、こんなに腹落ち感が違うんだなと思いました」との感想も頂きました。

ワークショップの最後には、他のスタッフの方からも「いつもは先生と生徒という立場だけれど、そこから離れた非日常の場でこうしてフラットに同じワークに参加できて意義があった。楽しかった!」との感想も出ていました。

楽しいから積極的に参加できるというのが体験型プログラムのメリットのひとつ。最初こそ緊張の面持ちだった生徒たちも、終わるころには皆の前で運営スタッフに一日のお礼を伝えてくれたり仕事観や人生観について質問に来てくれたり、前向きなエネルギーで溢れた空間となりました。

(写真:当日のワークショップの様子。運営スタッフBarbaraは部屋全体に目を配り、英語と日本語を駆使してサポートに入ります)

帰り道は生徒たちの話が止まらなかった

後日、スタッフの方からも嬉しい感想が届きました。

「帰り道では生徒たちがものすごい勢いで話をしていて(笑)本当にたくさんのことを得る機会になったのだなと感じています。」

「生徒たちが、少し時間があいた後日でも、普段以上に自分を肯定したりもっと向き合いたいという発言をしていたのが印象的で、将来にかけて自分と向き合っていくモチベーションの種を頂いたのだと思います。」

生徒たちからの感想も届き、前向きな言葉にスタッフ一同嬉しくなりました。

「もっと⾃分を信じたい(I want to believe in myself) ⾃分に誇りを持って(be proud of myself)、周りにも伝えていきたいと思った」(フィリピンルーツの生徒)

「インパクトジャパンのスタッフの⽅々が、分からないときにサポートして下さりありがたかった。初対⾯だったが、会ったことがあるかのように親しみやすかった。」(インドルーツの生徒)

「学校や、⽇常⽣活でも、けっこう1⼈でリフレクションをしている⽅だが、ワークショップでは、⼈の⽬があり、グループで実施したことによる発⾒があっ た。例えば、(ワークの中で)⾃分について⾃分で理解していたことと違ったが、 ⾔われると納得したことなどがあり、客観的に⾃分の盲点などが学べた。」(フィリピンルーツの生徒)

「こんなに丁寧に企画されたワークショップ⾃体、参加したことがなく、新鮮な経験だった。 これからも、⾃分のためになる経験にはどんどん参加していきたいと思った。」(フィリピンルーツの生徒)

頑張れ、外国ルーツの高校生

「これからの長い人生の中で、大変なこともあると思う。でもそんな時は今日のテキストを見て、自分の強みを思い出してください。」と最後に伝えたファシリテーターのWoodyの言葉はそのまま、その場にいた運営チーム、そしてその場にいなかった社員全員の願いでした。

認定NPO法人カタリバ様とも、これからも長いお付き合いが出来ることを社員一同願っています。


(プログラム終了後、配布されたカラーブロックを皆で放っての記念撮影!)

【編集追記】後日、カタリバの外国ルーツ担当の方より「プログラムに参加させていただいた生徒が先日、特待生の試験に合格しました!大切な試験の前に振り返り&強みを自覚できる機会があって本当によかったと思っております。」との嬉しいご報告を頂きました。早速社内で共有しました。

■カタリバ様の「外国ルーツの高校生支援プロジェクト」について

現在の日本では、日本語指導が必要な高校生の数は年々増加しているにもかかわらず、義務教育課程の小中学生に比べて支援が行き届きにくいという課題が存在します。このプロジェクトでは、そんな高校生が自らの国籍や生い立ちを強みとして認識し、彼らと関わる人々とともに「違い」から学び合う教育プログラムや支援を行っています。

(カタリバ様HP:https://www.katariba.or.jp/activity/project/multicultural/

■Insights(R) Discoveryについて

ユングのタイプ論をベースに、人間の認知傾向を4つのカラーエナジーとして分かりやすく表しているツール。これをベースとして、自己と他者の思考や行動特性とその違いを理解し、今後のコミュニケーションに活かすために用いられるツール。組織開発を目的とした研修やチーム内の能力向上研修などで利用されることが多く、多言語対応が可能。

【ツール詳細】https://www.impactinternational.com/japan/solution-support-tools/insightsr-discovery

■リーダーシップ・エコシステム®について

私たちは、2020年からクライアント先への企業研修提供が、未来の若者のリーダーシップ開発へ自動的に還流される取り組み『リーダーシップ・エコシステム』を始動しています。今回のようなプロボノ研修を定期的に実施し、日本の未来を創っていく若者の育成を支援していきたいと思っています。

詳細はこちら:会社HP

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