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【川路猛社長インタビュー】インヴァストは4つの領域で多面的に事業展開できる体制に成長

インヴァスト株式会社の川路猛代表取締役社長に話を伺いました。

海外事業子会社がグローバル展開を見据え発表した新ブランドや今後の飛躍に向けて整いつつあるインヴァストグループの強み、それに最近印象に残ったプライベートの体験についても語っています。

豪子会社が法人事業の新ブランド「26 Degrees」を発表、グローバル展開へ布石

-インヴァストグループの海外事業を展開している子会社のIFS(Invast Financial Services Pty Ltd.)が「26 Degrees」という新ブランドを発表し、8月18日には「26 Degrees Global Markets Pty Ltd.」に社名変更しました。

2023年6月に新しいブランドとして「26 Degrees」を、8月18日付でIFSから「26 Degrees Global Markets Pty Ltd.」への社名変更をいたしました。

連結子会社の商号変更に関するお知らせ | プレスリリース
※本記事は2023年8月16日にインヴァスト株式会社が発表したプレスリリースのご紹介です。内容につきましてはインヴァスト株式会社のWebサイトをご覧ください。当社の連結子会社であるInvast ...
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これまで、インヴァストグループの海外事業は「Invast Global」のブランドで展開していましたが、法人向けのホールセールビジネスと個人向けのリテールビジネスの両方を含むブランドでした。今回の「26 Degrees」は、法人向けホールセールビジネスのブランドとして発表しました。

「26 Degrees」は、中央部を南緯26度線が走っていたり平均気温が26度であったりと、オーストラリアを象徴する数字を由来にしています。オーストラリアからグローバルにビジネスを展開していくため、彼らのビジネスデザインに基づいた事業展開を図っていく、という想いから金融機関らしくないブランドになっています。

「26 Degrees」へのブランド変更は、インヴァストグループ全体にとっても好影響を与えると考えています。彼らは日本国内でも法人向けのB2Bビジネスを展開していく予定ですが、一方で国内ではインヴァスト証券が個人向けサービスを提供していますよね。

ですから、日本でB2Bビジネスを展開していく上では、個人向けとして定着しているインヴァスト以外のブランドが望ましかったのです。インヴァストグループとしては法人向けビジネスを「26 Degrees」のブランドで、そして個人向けビジネスを「インヴァスト」として整理した形と言えます。

26 Degrees Global Markets Pty Ltd.に社名変更したIFSは設立当初、グローバルリテールの事業展開を目的としていましたが、成長の原動力は法人向けのホールセールビジネスにありました。今までリテールも継続して行っていましたが、法人向けの流動性供給ビジネスの方が成長性が高いのです。

ですから、バーゼルIIIなどグローバル銀行に対する規制の波の中で、成長できる市場でシェアを拡大するためホールセールに特化し「26 Degrees」のブランドでやっていこう、社名も変更しようということになりました。


海外金融事業の拡大が成長戦略、国内では新会社アルカドが本格始動へ

-2023年3月期の所感をお願いできますか。

2023年3月期の決算で今までと大きく違うのが、海外事業が売上の約半分を占めるほどウェイトを高めた点です。オーストラリアに子会社を設立するまではゼロだった事業ですから、当社の売上のうち、約半分を占めるまでに育ったのはひとつの節目という意味でとても感慨深いですね。

海外金融事業の地理的拡大と業務範囲の拡張が当社グループの成長戦略ですから、ゼロからスタートした新規事業がインヴァスト証券と同レベルまで育ったのが、2023年3月期決算のひとつのポイントでした。

国内ではマイメイトやインヴァスト証券のマイページを全面リニューアルし、利便性の向上に努めたのが特徴です。

-2023年4月から始まった今期についてもお話しください。

日本国内では安定的に成長していく戦略を基本としながら、2022年12月に設立した株式会社アルカドで新規事業を展開していく予定です。7月20日に発表した通り株式会社アルカドには1億2,000万円の増資も行っています。

子会社設立に関するお知らせ | プレスリリース
※本記事は2022年12月16日にインヴァスト株式会社が発表したプレスリリースのご紹介です。当社は、2022年12月16日開催の取締役会において、新たに子会社を設立することを決議いたしましたので...
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子会社の増資(特定子会社化)に関するお知らせ | プレスリリース
当社は、本日開催の取締役会において、当社の連結子会社である株式会社アルカドへの増資を行うことを決議いたしました。これにより、同社の資本金額は、当社の資本金額の100分の10以上に相当し、当社の特...
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既に事業計画も出来上がっており、新たに教育アプリケーションやプラットフォーム事業を本格的にスタートさせていく予定です。海外事業は、26 Degrees Global Markets Pty Ltd.による成長の持続に期待しています。

-インヴァストでは2017年から2025年までの9年間を3年ずつ「Stage1~3」と定めた経営戦略を策定しており、2023年からの収穫期間にあたるStage3では国内金融事業における取引システム全面刷新や、リスク管理強化が挙げられています。

取引システムの全面刷新は既にかなりのコストを投資しており、順調に開発が進んでいます。1年以内に新しく刷新された取引システムが稼働し、インヴァスト証券の資産運用サービスであるトライオートで、約定するための処理能力が劇的に向上する予定です。

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リスク管理の強化に関しては、金融環境が大きく変わりつつある現状を背景にしています。アメリカから始まった金利の上昇圧力によって、日本もゼロ金利政策の変更か議論されています。

ゼロ金利政策の修正はほぼ確実だと思っていますが、そうなった場合に発生するであろう変化と、生じうる様々なリスクを特定して準備するための施策です。株式市場や債券市場の大暴落があった場合に起こりうる事象にも対応できるよう、体制を整えています。

これまでの金融緩和で流れ込んでいた資金が逆流するリスクも無いとは言えませんので、環境変化を見据えたリスク管理の強化と社内体制の整備、を大きな狙いとしています。


インヴァストは「国内」「海外」「新規事業」「M&A」4つの領域で多面的に事業展開できる体制に

-経営戦略が「Stage3」に入った今年度ですが、現在の感触はいかがでしょう。

インヴァストグループでは「2025年までに全世界で1,000万人の利用者を持つ金融ソリューションを生み出す」というビジョンを掲げています。振り返ると、今までのStage1とStage2を通じてようやく1,000万人を目指せる体制が整ったな、と感じています。

もともとインヴァストには国内のFX事業しかなかったため、当時はビジネス領域がひとつしかありませんでした。しかし、今では国内事業をインヴァスト証券の伊藤誠規代表取締役社長が、海外事業を26 Degrees Global Markets Pty Ltd.のギャビン・ホワイトCEOが、そして新規事業をアルカドの鶴見豪代表取締役社長がそれぞれ推進しています。

さらにM&Aの案件を私や川上真人専務取締役、大村祐一郎常務取締役が担当しており、ビジネス領域が計4つに増えているんです。経営戦略に定めたビジョンは国内のFXビジネスだけでは不可能な数字を目指そう、という高い目標でしたが、インヴァストの持株会社化によってビジネス自体が広がっている形ですよね。

様々な金融業規制から解放され、新規事業開発に取り組めるようになったのも、そのうちのひとつです。新たに設立した株式会社アルカドの事業はFXではカバーできない顧客層を狙っていますから、ビジョンの達成に向けた貢献を期待しています。

海外では「26 Degrees」の新ブランド立ち上げを含め事業が順調に発展していますし、国内ではインヴァスト証券が安定的な利益成長に寄与しています。国内・海外・新規事業とそれぞれの領域で順調に拡大しているため、M&Aの案件も増えるなど、事業の成長が加速しつつあります。

企業を買収してビジョンを達成しても意味はありませんが、そういった形も選択肢として持てる会社になってきており、Stage2までの6年間によって、Stage3で大きな成果を狙える体制になってきた、と言えます。だからこそ、Stage3でビジョンの達成をしっかりやっていきたいな、と考えています。

-インヴァストグループの将来像について、どのようにイメージされていますか?

インヴァストの各子会社には、明確な競合企業がありますよね。インヴァスト証券ならFXを取り扱っている各社だったり、26 Degrees Global Markets Pty Ltd.にも同業他社があります。

新会社のアルカドはメディアプラットフォームとしての性格を持っており、ここにも既に大企業が存在しています。でも、インヴァストグループという意味でいうと、あまり「これ」という競合企業は思い浮かびません。

そのような中で、インヴァストグループの将来像を考える上で参考にしているのは、時代とともに変化してきた企業です。100年、200年続いているような企業は、時代の変化とともに業態や業容を変えながら成長を続けていますよね。

同じ和菓子を作り続けているという会社もありますが、多くの企業はとても柔軟に会社の姿を変えてきました。私の知人の会社は戦国武将の部下だったという先祖が繊維事業から鉄やセメント、さらに建設や小売と事業を拡大させています。

常に新規事業開発を続けているんです。トヨタもそうですよね。豊田自動織機から新規事業である自動車開発に乗り出して成功した企業です。

その意味で、インヴァストにとって先例とすべきなのは時代とともにその形を変えていった企業なのかな、と考えています。

将来の経営層を目指す若手人材にインヴァストグループの成長を支えてほしい

-最近、プライベートで印象に残る出来事はありましたか。

7月にイギリスのリバプールまで、ロイヤルリバプールゴルフクラブで開催された全英オープンを見に行って帰ってきたばかりなんです。同行した先輩のおかげで、選手が着替えたり準備したりする選手村のような限定エリアや、ロイヤルリバプールゴルフクラブのクラブハウスにまで入れてもらえました。

特にクラブハウスは古き良き英国の伝統と気品のようなものを感じる一方、クラブハウス内にあるパブでビールを片手に、老若男女が一緒になって世界最高峰のゴルファーがしのぎを削る姿に一喜一憂していました。全英オープンが開催されるほどのゴルフクラブのメンバーなのですから、みなさん地元の名士や超富裕層なのでしょうが、とにかく気さくに、ゴルフそのものを楽しんでいたのが印象的です。

また選手村では世界的に著名な、ゴルフの世界ではスーパースターと言われるプロゴルファーを何人も目の前で見ることができました。イギリス人の誇りであるロリー・マキロイや、前回大会の勝者、キャメロン・スミス、勿論、マスターズ優勝者である日本の誇り、松山英樹選手などを身近で見れたことは、ゴルフが趣味の人間としては、感動しましたね。

せっかくなので、近くのコースも回りましたが、そこも19世紀にライダーズカップを2回開催したことがある由緒あるゴルフ場でした。でもイギリスのゴルフ場はフェアウェイとブッシュしかない感じで、ブッシュに入ってしまうともうわからない(笑)。

おそらく10個はボールを無くしたと思います。バンカーもテレビで見るような洞穴のようなバンカーで、人がひとり入れるくらいの深さで壁みたいなんです。日本とは全然違いますね。


-インヴァスト株式会社では、今後どのような人材を期待されますか。

インヴァスト株式会社としては、これまで行ってきた新規事業開発が株式会社アルカドによって切り離された形です。

もちろん、Stage3でビジョンを達成するためには、インヴァストグループ全体として新規事業開発の重要性が高まります。新規事業開発をさらに加速させるためには新会社を経営できる人材が必要ですし、コーポレートスタッフとなる経営管理人材も求められますよね。

そのため、インヴァスト株式会社では若い人材を採用して子会社の本部機能の一部を体験しながら学んでいただき、新会社が一定の規模になれば本格的にそちらに参画していく、という機能を持とうと考えています。将来の経営層を目指したいという若手人材、新卒や第二新卒でもいいですよね。

優秀でやる気のある方を若干名採用して、実際に事業会社で経験し力を発揮していただける環境を作りたいな、と思っています。求める人材像に経験は問いませんが、聡明で意欲があり、誠実な人格の方であれば歓迎です。

子会社が発展していくに伴って必要となる幹部を育てていくというイメージですから、新卒や第二新卒など若い方を含め、ぜひ応募していただきたいですね。

(聞き手:垣本陸)


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