- 飲食という仕事。Vol.1 -
「飲食店で働いていました!」
この言葉を聞いて、皆さんはどんな仕事を思い浮かべますか。
「アルバイトでも経験できる仕事」・「資格がなくても始められる仕事」
そんなイメージを持つ方も多いかもしれません。
確かに、飲食業界は多くの人が挑戦できる業界です。
だからこそ、「誰でも始められる仕事」という印象を持たれることも少なくありません。
でも、現場で働く仲間と接する中で、私が何度も感じてきたことがあります。
「始めやすい仕事」と、「誰にでもできる仕事」は、決して同じではない。
ホールスタッフのお仕事とは?
料理やドリンクを運び、お客様をご案内することが仕事だと思われがちです。
もちろん、それも大切な仕事です。
でも実際は、お客様の表情や会話から「今日はお仕事関係の席かな」「お誕生日かな?」と空気を感じ取りながら、店内全体に目を配っています。
スタッフ同士の動き、キッチンの状況、料理やドリンクの提供、お電話への対応、次の予約……。
お客様からは見えないところで、たくさんの情報が同時に動いています。
その場で起こるさまざまな出来事に優先順位をつけ、瞬時に判断する力も求められます。
だからこそ、ホールの仕事は「料理を運ぶこと」だけではなく、お客様にとって心地よい時間をつくるために、お店全体を見渡しながら行動する仕事なのです。
キッチンのお仕事は??
料理をつくり提供することがゴールではありません。
限られた時間の中で、どの順番で調理を進めるのか。
食材を無駄なく使うための発注や仕込み、原価の管理、衛生管理、そしてアレルギーへの対応。
一皿の料理の裏側には、お客様の安心・安全、そしてお店の経営を支えるための多くの知識と判断があります。
そして、この仕事に欠かせないのがチームワークです。
どれだけ経験を積んだ人でも、一人でお店をつくることはできません。
ホールとキッチン。
社員とアルバイト。
互いに声を掛け合い、支え合い、「今、自分にできることは何か」を考えながら動く。
そんな一人ひとりの行動が、お客様にとって心地よい時間につながっていきます。
最近はAIの進化によって、さまざまな仕事が変わり始めています。
効率化できることは、これからもっと増えていくでしょう。
でも、お客様の表情を見て気持ちをくみ取ること。
仲間の様子に気づき、自然と手を差し伸べること。
そして、人と人が力を合わせて、一つのお店をつくり上げること。
そんな人だからこそ生み出せる価値は、簡単にAIへ置き換えられるものではないと、私は思っています。
飲食は、誰でも始められる仕事かもしれません。
でも、人を想い、仲間を想い、学び続ける人だからこそ、その面白さや奥深さを実感できる仕事です。
だから私は、この仕事には、これからの時代だからこそ必要とされる価値があると信じています。
次回は、この仕事を支えるもう一つの大切な要素、「チームワーク」について、実際のエピソードを交えながらお話ししたいと思います。