1
/
5

たたき上げとキャリア(2)

(1)からの続きです。

外資系のコンサルティングファームであるKPMGはモシモシの電話営業の会社とは全く異なる企業でした。当たり前ですね。イシューリストとかフィットギャップ分析とかSWOT分析とか聞いたこともない用語が飛び交う中、日々知識を貪りがむしゃらに働きました。

「脳から血が出るまで考えろ」という出口のない指令、「努力しますという言葉は考えてないものが使う言葉だ」という逃げ場のない文化。優秀な人に囲まれつつも、現場での経理やシステムでの実務経験を武器になんとかコンサルティング業界で生きていました。

今後の成長を考えたときに自分に足りないのは経営知識だと日々強く実感していましたので、コンサル業務の合間をぬって立教大学大学院に夜学で通いMBAを取得しました。

当然コンサルしながらMBA取得なんて普通は時間的に不可能なので、自分で時間を作ろうと考えて、自分でプロジェクトを提案することにしました。自分が元いた不動産会社が上場を目指していたため、中期経営計画や組織制度設計、営業体制強化などのプロジェクトを元の上司に提案しに行き、2年間で2億円ほどのプロジェクトを受注することができました。自分がプロマネになることでなんとかMBA取得の時間を確保することができました。

プロジェクトでの課題を経営学部の教授に相談しながら解決できたので、体力的にはタフでしたが充実していた日々でした。KPMGでは経営管理的なプロジェクトに関わることが多く、バランススコアカードやナレッジマネジメントなどのプロジェクトに参画したこともきっかけに、MBA取得後は、組織管理に強いデロイトトーマツに転職しました。

KPMGとデロイトトーマツでいろいろな業界を見れば見るほど、不動産業界は遅れているなぁと感じる点を多く見つけることができました。いつかは実業の世界に戻ろうと考えていたため、だったら不動産業界で起業しようと思い、元の会社のメンバーを誘い、2005年12月に不動産ベンチャー企業の立ち上げました。これからはリノベーションの時代がくると考えて事業の柱をリノベーションに定めました。

私は組織管理、経営管理を生業としていましたので、CFOとして参画し、戦略から制度設計から経営管理、資金繰りというを担当しました。コンサル業界を経験し、起業してもなんとかなるという漠然とした自信(今からしたら過信)みたいなものがありました。

ところが頭で考えるのと実際に事業をするのでは全く違って、全然物件が売れません。2006年頃はリノベーションなんて誰も知らない時代だったのでちょっと早すぎました。

そこできたのがサブプライム問題とリーマンショックです。物件が全く売れない。このままでは倒産してしまうという状況に陥りました。CFOとか言っている場合ではありません。私も電話営業をして物件を売りなんとか窮地をしのぐということが何度かありました。

このままじゃジリ貧だと考えて、僕はCFOではなく営業をみようと決心し、営業部隊を率いてセミナーや広告などを行うようになりました。書籍を書いてセミナー開いて、なんとか物件が売れるようになりリノベーションも評価されるようになっていきました。

営業しながら今後の事業戦略を考えるために、アメリカのマーケットの情報収集をし始めたのが2009年頃です。当時アメリカでちょうど不動産テックが始まりつつあるタイミングで、ZillowやRedfineやAirbnbがで始めた頃でした。

この流れは日本にくるんじゃないかと考えて、不動産は何よりも情報が重要だと考えるようになりました。そこでクローラーを構築し、不動産の情報をウェブから収集することを開始しました。

情報があっても解析できないと話にならないので、解析手法や金融工学を学ぶべく2010年に早稲田の大学院に進学し川口先生のゼミで金融工学で修士を取りました。そこでニューラルネットワークやサポートベクターマシンなどの知識を得ました。(続く)

たたき上げとキャリア(3)

https://www.wantedly.com/companies/leeways/post_articles/119553

LEEWAYS株式会社では一緒に働く仲間を募集しています
3 いいね!
3 いいね!
同じタグの記事
今週のランキング