みなさん、こんにちは。
自分が作ったものを、目上の人にはじめて見せる日のことを覚えているでしょうか。送信してから返事が来るまでの数分間、あの落ち着かない時間です。何が返ってくるかで、その会社での自分の立ち位置が少し決まる気がする、、、そんな感覚は、たぶん誰にでもあると思います。
8月の終わり、リデルの案件チャンネルに、その返事にあたるやりとりが一往復ありました。入って間もないメンバーが打ち合わせの内容をまとめた資料に、先輩が返信をしています。
■ 「GOOD」のあとに、まだ続きがあった
最初の一言は、こうでした。
こちら作業ありがとう!!
内容は基本的に良かったのでGOODです!
ここで終わっても、フィードバックとしては成立します。確認して、問題がなくて、次へ進む。たいていの場合はそれで十分です。
ただ、この返信には続きがありました。
どうしたらもっと先方がわかりやすくなるかな?って観点で、私の方でもブラッシュアップしてみた!
合格を出したうえで、自分でも一本作ってみた、と言っています。ダメだったから直したのではありません。良かったと伝えたあとに、もう一段の見え方を並べて置いた。この順番が、けっこう大事なところだと思っています。
■ <私がやったこと>と、見出しが立っていた
続く部分には、<私がやったこと>という見出しが立っていました。
打ち合わせの文字起こしと、後輩がまとめた資料。その二点を生成AI(リデルで日常的に使っているAIアシスタントです)に渡して、こう頼んだと書かれています。
クライアントが現状と課題を理解しやすいように整理してまとめてほしい
そして返ってきたものを自分の目で確認し、シンプルに調整した。最後に、直したドキュメントのリンクが貼られていました。
完成品だけでなく、そこに至る手順がまるごと開かれていました。何を材料にして、AIに何と頼んで、どこを人の手で削ったのか。ここまで書いてあれば、次に同じ作業が来たとき、後輩は一人で同じ道を通れます。
うまい人の完成品を見せられても、真似はできません。真似できるのは、手順のほうです。
■ 直す理由は、いつも相手の側にあった
もうひとつ目を引いたのは、直す理由の置き方でした。
「もっとこうすべき」ではなく、「どうしたらもっと先方がわかりやすくなるかな?」。主語が、書き手ではなくクライアントになっています。
締めの一文も同じでした。
結局何をいちばん優先する?がわかりやすいようにまとめてます〜〜!
資料の出来を採点しているのではなく、読む人が何を持ち帰れるかを見ています。この向きが揃っていると、指摘は否定になりません。二人が同じほうを向いて、同じ資料を眺めている形になるからです。
返信に押されていたスタンプは、ありがとうございます、でした。
■ 教えるコストは、先に払っておく
正直なところ、これは手間のかかるやり方です。
自分でブラッシュアップ版を作る時間がかかる。手順を言葉にして書き出す時間もかかる。「ここを直して」と一行返すほうが、その日は確実に早く終わります。
それでも先に払っておくと、次から効いてきます。手順が渡っていれば、二回目は自分でできる。三回目には、その人が別の誰かへ同じものを渡せる。一往復の返信が、チームの中で増えていく形です。
入って間もない時期に怖いのは、何が足りなかったのか分からないまま突き返されることだと思います。逆に、良かったところと、もう一段上げるならここ、が同じ返信の中に並んでいれば、次に手を動かす場所がはっきりします。速く育つ職場かどうかは、制度の名前より、こういう一往復の形に出ます。
リデルでは、定型の作業をどんどんAIへ寄せています。ただ、AIに渡す前の「何を材料にして、何を頼むか」を決めるところは、まだ人の仕事です。そしてそこは、マニュアルを配るより先輩の実演のほうが、はるかに早く伝わります。
「個人の影響力を、人々の未来のために。」私たちのミッションは人起点です。その人起点は、社外に向けるときだけ立ち上がるものではないと思っています。後輩の資料に返信を書く十数分にも、同じものが出ます。
■ こんな人と働きたい
・OKを出したうえで、もう一段いい形を自分でも作ってみられる人
・自分のやり方を、手順まで開いて人に渡せる人
・直す理由を、自分の好みではなく相手のわかりやすさに置ける人
作ったものをはじめに見せる相手が、どんな返し方をする人なのか。入る前には、なかなか分からないところだと思います。
もし気になったら、そこから聞いてみてください。まずはカジュアルに、「話を聞きに行きたい」からどうぞ。