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【社内テキスト公開】ストレスは「耐えるもの」ではなく「消化」する

少し前に弊社のストレスに対する考え方を言語化したので、公開しようと思います。
社内公開した内容ほぼそのままです。

ディレクターという仕事は、誰かと誰かの間に入って仕事を推し進めることが価値なので、エンジニアやデザイナーとは種類の違うストレスが掛かります。
そのため、ストレスを自分でコントロールすることがパフォーマンスを落とさないためには非常に大事、というのが弊社の考え方です。

記事中にある脳関連の話は、こちらの書籍を実践してみて効果を感じたことから記載しています。
とてもおすすめの書籍です。

なお、医師や専門家ではないので、あくまで「ストレスにこうやって向き合おう、こうやって考えよう」という内容です。

この記事を通じて株式会社ニューを知ってもらえるとうれしいです。

ニューのストレスに対する考え方

重要なのは、ストレスに対する柔軟性を持つことです。"ストレス耐性"という言葉は抽象的で、ストレスを感じないことが良いことのように聞こえてしまいます。しかし、ストレスは誰でも感じるものであり、多くの場合、成長の機会にもなります。

個人が受けるストレスは、その人の価値観に基づくものであり、そのストレスを認めることは、その人の価値観を認めることに繋がり、多様性を尊重することにつながります。

ですから、私たちは、ストレスに対する柔軟性を持ち、ストレスを感じたときに適切に対処することが重要だと考えています。これは、私たちの人間性の一部であり、当たり前のこととして受け入れられるべきです。

ストレスとスキル成長の関係

ストレスとスキルの成長は、適切なバランスが取れている場合には互いに促進的な関係を持つことがあります。適度なストレスは、「良いストレス」または「ユーストレス」とも呼ばれ、私たちが挑戦し、自己を向上させるための動機付けの一部を形成します。

1 ユーストレスとスキル成長

ユーストレスは、目標に向かって前進するために適度な緊張感を引き起こします。このタイプのストレスは、新しいスキルを習得するときや、困難な問題を解決するときに特に有用です。ユーストレスは、通常、挑戦的な状況や新しい経験と関連しており、これにより脳が新しいスキルを学ぶための状態になります。

2 ストレスと学習

ストレスは学習と記憶に影響を及ぼすことが研究によって示されています。ストレス反応は、主にヒト体内のコルチゾールというホルモンの増加によって引き起こされます。適度なコルチゾールの増加は、学習と記憶のプロセスを強化します。しかし、過度なストレス(ディストレスとも呼ばれる)は、コルチゾールレベルが高くなりすぎ、逆に学習能力と記憶力を損なう可能性があります。

3 ストレスと自己効力感

自己効力感は、自分自身が特定のタスクを達成できると信じる能力です。適度なストレスは、これを強化し、新しいスキルの習得を促す可能性があります。新しい問題や課題に対処することで自信がつき、自己効力感が高まり、スキル成長につながります。


以上の点から、ストレスはスキル成長に影響を与える重要な要素であると言えますが、その影響はストレスの度合いや個々の対応能力によるため、個々に適したストレス管理の方法を見つけることが重要です。過度なストレスは、逆にパフォーマンスを低下させ、健康に悪影響を及ぼす可能性があるためです。

ストレスの柔軟性とは

ストレスレジリエンスとも言います。

ストレスレジリエンスとは、ストレスに対する柔軟な対応力を指します。ストレスレジリエンスが高い人は、ストレスがかかったときにも落ち着いて冷静に対処することができ、ストレスを乗り越えることができます。

ストレスレジリエンスを高めるためには、ストレスに対する正しい知識やストレスマネジメントのスキルを身につけることが重要です。また、ストレスレジリエンスを高めるためには、ストレスがかかったときに自分自身をリラックスさせる方法を見つけることが重要です。

ストレスレジリエンスを高める方法の一つには、運動があります。運動は、ストレスを軽減するのに役立ちます。また、ストレスを感じたときには、深呼吸や瞑想などのリラックス方法を試してみることも有効です。

以上のように、ストレスレジリエンスは、ストレスに対する柔軟な対応力を指します。ストレスレジリエンスを高めるためには、ストレスに対する正しい知識やストレスマネジメントのスキルを身につけることが重要です。また、運動やリラックス方法を取り入れることで、ストレスレジリエンスを高めることができます。

ストレスレジリエンス

ストレスは誰もが感じることを前提に、対応するためのスキルを各自が獲得することを目指します。

  • 気分の下降をできるだけ早くとめること
  • 一度落ちた状態からできるだけ素早く正常な気持ちに戻ること

必要なスキル

ロジカルシンキング

物事を論理的に考えることで、悩みや不安の根源を知ることができます。
人間は不透明さ自体にストレスを感じますので、自分がなんとかできる部分なのかそうでないのか、周りのメンバーの役割の線引がどうなっているのか、などを理解した上で論理を組み立てることができると、状態の下降を止められると考えています。

メタ認知

まずは誰かに壁打ちする習慣をつけましょう。
その中で、可能な限り言語化してください。 言語化することで、自分の状態が自分で把握できるようになります。

問題解決スキル

問題の構造を正確に把握し、どこにリソースを使えばよいか理解すればあとは行動あるのみ。

必要な習慣

睡眠

十分な睡眠が何より大事!ストレスが高い多くの場合は寝不足です。

睡眠時間を削って働く時代は終わりました。いかに短時間で成果をだすかがこれからの働き方です。そのために、心身がリフレッシュな状態を保つことは最重要です。

ただし注意なのは、必要な睡眠時間は人によって異なります。 スキルアップのためには時間を出来るだけ業務に当てる必要もあります。質を上げるために量をこなす必要があります。 そのため、各自が自分の睡眠時間を見極めることは重要です。

運動

運動はストレスレベルを下げ、ストレスに対するレジリエンスを向上させ、全体的な心身の健康を向上させます。個々のフィットネスレベルと目標に合った適切な運動形態を選び、定期的に行うことが重要です。

1 エンドルフィンの放出

運動は、脳内で「フィール・グッド」ホルモンとも呼ばれるエンドルフィンを放出することを促進します。エンドルフィンは自然な鎮痛剤として働き、気分を高揚させ、ストレスを緩和します。

2 ストレスホルモンの調節

運動は、ストレス反応を引き起こすホルモン、特にコルチゾールとアドレナリンのレベルを調節するのに役立ちます。これにより、ストレス反応が適切に制御され、過剰なストレスからくるネガティブな影響が緩和されます。

3 睡眠の改善

運動は睡眠の質と量を改善します。良質な睡眠は、ストレスを管理し、日々のストレスに対抗するエネルギーを回復するのに重要です。

4 自己効力感の向上

運動は自己効力感を高めます。達成感を得たり、体力やスキルが向上すると、自身の能力に対する信頼が高まり、ストレスと向き合う能力も強化されます。

5 マインドフルネスとの関連

運動中は、呼吸や体の動きに集中することで、マインドフルネスの状態になることがあります。これは現在の瞬間に注意を向け、ストレスからの一時的な解放を提供します。

おすすめの運動

これらの運動は、個々のライフスタイルや好みにより、それぞれ異なる形で取り入れることが可能です。継続することで最大の効果が得られるため、自分が楽しむことができ、ライフスタイルに合う運動を選ぶことをお勧めします。

ウォーキング

  • どこでもでき、特別な設備が必要ない
  • 心臓にやさしい、ストレス軽減、時間と場所に縛られない

ヨガ

  • リラクゼーションと筋力トレーニングを組み合わせた運動
  • ストレス軽減、肩こりや腰痛の改善、深呼吸によるリラクゼーション

HIIT

  • 短い時間で高強度のエクササイズを行う
  • 時間効率が良く、健康上の利益を得るのに一般的な運動よりも少ない時間が必要

マインドフルネスを伴った運動

  • 呼吸や体の動きに意識を向ける運動
  • ストレス管理能力の向上、運動中だけでなく日常生活全般でのリラクゼーション

ストレスを感じたときのおすすめ対応

再評価

「再評価」は、私たちが物事をどう考えるか、どう感じるかを変えるための方法です。つまり、何かを別の視点から見ることで、私たちがそれについて感じる感情を変えることができます。このテクニックは、私たちが困難な状況に直面したときにストレスを軽減するのに役立つことがあります。

たとえば、あなたが大事なプレゼンテーションの準備をしていて、非常に緊張しているとします。「私は緊張しすぎて失敗するだろう」と思うかもしれません。これはストレスを増幅させ、パフォーマンスを低下させる可能性があります。

そこで再評価のテクニックを使うと、「私は緊張している。でもそれは、これが私にとって重要だからだ。私は準備をしてきたし、緊張は自分が一生懸命やりたいと思っているからだ」と考えることができます。このように考えることで、緊張はある程度正常化され、ストレスは減少し、自信と集中力が増します。

このように、再評価は私たちの思考と感情を変え、それによって私たちが経験するストレスを軽減するための強力なツールとなります。

言語化

言語化、つまり自分の感情や思考を言葉にすることは、ストレス解消に役立つと広く認識されています。これは「影響的ラベリング」という心理学のテクニックに関連しており、人々が自分の感情を特定し、それを言葉で表現することで、その感情を管理する能力を高めるとされています。

この背後には、脳のさまざまな部分が関与しています。例えば、自分の感情を言葉で表現すると、前頭前皮質という脳の部分が活性化します。この部分は、思考、意志決定、そして感情を抑制するのに役立ちます。一方、感情の表現が増えると、扁桃体という脳の部分の活動が減少します。この部分は、感情、特に恐怖やストレスの感じ方に深く関与しています。

したがって、自分の感情を言語化すると、扁桃体の活動を抑制し、ストレス反応を抑えることができます。また、自分の感情を認識し理解することで、より良い対処法を見つけ出すための自己認識が高まります。

心理療法、特に認知行動療法や対人関係療法では、クライアントが自分の感情や思考を言語化することを促すことがよくあります。これによりクライアントは自分の感情を理解し、それに対処する方法を見つけるのに役立つとされています。

しかし、感情を言葉で表現するのは難しい場合もあります。そのような場合、絵を描いたり音楽を作ったりするなど、別の形式で感情を表現することも有効です。また、瞑想やマインドフルネスの練習も、感情に対する洞察力を深めるのに役立つとされています。

透明化

もし業務で不安を感じたなら、可能な限りタスクを細分化してリスト化してください。

プライベートであれば、誰かに壁打ちしたり言語化することで、感じていることを可視化してください。

不透明な状況や物事が不安を引き起こす理由は、人間の脳が未知のものや予測できない状況に対して自然に不安や恐怖を感じるように設計されているからです。これは生物学的な生存メカニズムの一部で、我々の先祖が未知の状況や脅威に対して迅速に反応する能力が生存につながっていたからです。

これは「ネガティブバイアス」とも関連しています。これは人間がネガティブな情報(危険や脅威)に対してポジティブな情報よりも強く反応する傾向を指します。つまり、不透明な状況や物事が存在すると、脳はその状況が潜在的な危険を含んでいる可能性があると判断し、それに対する警戒心や不安を高めます。

この現象はまた、我々がコントロールできない状況に対して不安を感じる傾向があることとも関連しています。不透明な状況や物事は、結果が予測できず、我々のコントロール外にあるため、不安を引き起こす可能性が高くなります。

しかし、このような自然な反応にもかかわらず、我々はさまざまな戦略を通じて不安を管理し、それを克服することが可能です。それにはマインドフルネスの練習、認知行動療法の技術(たとえば、「再評価」や「ラベリング」など)、リラクゼーションテクニックなどが含まれます。

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