【想いをつなぐ。|第5回】全社の熱狂をデザインする。—ブランディングを担うクリエイティブチーム・岩井が語る、お店とバックオフィスをつなぎ続けるnobitelのつくり方
「年に1回、全国の店舗が集まって、“その年いちばんの挑戦”を讃え合う日があるんです」
——社内最大の祭典「D1ワールドグランプリ」(以下「D1」)。全国の社員が集まり、成果や挑戦を競い合います。
「D1って、最後は順位がつくじゃないですか。だから当日いちばん多いのは、“悔しさを抱える人”なんです。それなら、ここまで勝ち上がってきたみんなを称える空気を作りたかったんです」
そう話すのは、ブランディングを担うマーケティング事業部・クリエイティブチームの岩井。
普段は新店販促や店舗ツール、採用など、現場のすぐそばで「伝えるもの」をつくるクリエイティブチームが、D1では全社の熱狂をデザイン。タイムテーブルから会場の空気づくりまで、演出会社を介さずに全体の“グランドデザイン”を握ります。
なぜ、クリエイティブチームがここまで事業のど真ん中を任されるのか。その背景には、挑戦する人を信じ、まず任せてみるnobitelの文化がありました。
プロフィール/キャリアステップ
- 2010年 新卒入社(当時社名:株式会社FUBIC)※新卒第1期生
- 2010年〜 スポーツメディア運営/Dr.stretch立ち上げ期の販促物制作
- 2015年頃 奄美大島リゾートホテル「THE SCENE」立ち上げに参画
- 2018年頃〜 マーケティング事業部 クリエイティブ部門 マネージャー
- 現在 D1ワールドグランプリ総合演出・プロデュース/マーケティング施策の制作
ただの1ファンから、すべてが始まった
実は、最初はただのファンだったんです。学生の頃、テニス観戦が大好きで、「テニス365」というサイトをずっと見ていました。ある日、サイトの下のほうに採用情報があるのを見つけて、「ここで働いてみたいな」と思って応募したのが始まりです。
当時はスポーツメディアが事業の中心。私はデザイン系の学校で紙や広告のデザインを学んでいて、Webの経験はほとんどありませんでした。それでも「面接まで行けば、なんとかなるかな」という勢いでした(笑)。急いでWebっぽい作品もつくって、ポートフォリオに入れました。
でも、面接で見てもらえたのは作品だけではなく、「どう考えているのか」をちゃんと聞いてくれて、そして受け止めてくれたんです。その面接が決め手になって、「この会社で働きたい」という気持ちが固まりました。
「答えは、自分で掴む」環境
入社して一番驚いたのは、「教えてもらう」のを待つ文化じゃなかったこと。「先輩から盗め」「まずは自分で考えてみな」そんな空気が、ごく自然にありました。
新卒の頃は、スケジュールが1〜2週間空いてしまうだけで、本気で焦っていました。誰かが仕事を持ってきてくれるわけじゃないので、自分から探しに行くしかありません。「どうしたら仕事を任せてもらえるだろう」と考えながら、とにかく動いていました。
その延長で、「プロ選手と仕事がしたい」と思って、休日に大会へ行って、弊社が運営するブースを飛び入りで手伝って、記録写真を撮っていたんです(笑)。もちろん最初は誰に頼まれたわけでもありません。でも、その姿を見てくれている上司がいて、気づけば公式カメラマンとして任せてもらえるようになりました。
自分から動けば、ちゃんと見てくれる人がいる。「まずやってみよう」という姿勢を、この会社はちゃんと評価してくれるんだと、そのとき実感しました。
「やれない」を越えた日
クリエイティブの仕事を続ける中で、いまでも忘れられない出来事があります。
紙のデザインを中心にやっていた頃、突然「映像と音楽も作って」と言われたことがありました。そのときは、「これは自分には無理だ」と思い込んでしまって、調べることすらしていなかったんです。
納期が近づいて、どうしようもなくなって上司に相談。すると、その場でパソコンを開いて、ものの数分で形にしてしまったんです。その瞬間、「あれ、意外とできるものなんだ」と思いました。
できない理由は、スキルじゃなくて、自分で勝手に限界を決めていただけだったんですよね。それ以来、自分の中では「やればできるっしょ」が合言葉になりました。
まずはやってみる。うまくいかなかったら、そのとき考えればいい。そうやって打席に立つ回数を増やしていくうちに、少しずつできることも増えていきました。
視野を広げた、新規事業の立ち上げ
入社5年目のとき、奄美大島のリゾートホテル立ち上げプロジェクトに参加する機会をいただきました。
役員やマネージャー、建築部門のメンバーと一緒に現地へ行き、「名前はどうする」「ロゴはどうする」と、ゼロから話し合いを重ねました。オープン当日も、役職や担当業務は関係ありません。全員が制服を着て、接客も裏方も、その場で必要なことをみんなでやる。
そこで感じたのは、「役職」や「部署」ではなく、「みんなでいいものをつくろう」という一体感でした。それまではデザインという自分の仕事を中心に考えていましたが、この日を境に、「もっと会社全体に関わる仕事がしたい」と思うようになりました。
D1をつくる、という仕事
今、担当している仕事のひとつが、「D1ワールドグランプリ」の総合演出・プロデュースです。
タイムスケジュールやプログラムの構成、会場全体の空気づくりまで考えています。その中でも一番時間をかけているのが、優勝店舗の成果動画です。
会場で見ているトレーナーが、「すごいな」で終わるのではなく、「自分たちもこういう時期があったよな」と重ね合わせられるようにしたい。だから、成功だけではなく、その前にあった苦労や葛藤もできるだけ伝えるようにしています。
毎年同じ演出をするのではなく、最低でも一つ新しい演出にチャレンジをしようと決めています。2026年は、全国から勝ち上がってきた上位40店舗の店長全員にステージへ上がってもらい、紹介する時間をつくったんです。最後に順位がつくD1だからこそ、悔しい思いをする人のほうが圧倒的に多い。でも、ここまで勝ち上がってきたこと自体が、本当にすごいことなんです。
まずは、その努力をみんなで称えられる場にしたい。そんな思いで、一つひとつの演出を考えています。クリエイティブには、人の想いや熱量をもっと大きく伝えられる力があると思っています。
現場と本部がつながる仕組み
「なんで現場と本部の距離が近いんだろう」と考えると、偶然ではないと思っています。意図して仕組みにして、それをずっと続けてきたからなんですよね。その理由を挙げるなら、こんなところだと思います。
1. 「裏側のつながり」を言葉にして伝える
本部が一方的に伝えるのではなく、現場のマネージャーがスタッフに「なぜそうなっているのか」まで含めて話します。「さまざまな部署が関わってくれているから、店舗運営ができているんだよ」ということをメンバーへ伝えることで、自然と感謝が生まれていくんです。
2. 基礎研修で、部署を意図的に混ぜる
全従業員が定期的に参加する基礎研修では、部署も店舗もバラバラになるようにグループを組みます。そこでお互いの仕事を知ることで、「こんな人たちが支えてくれていたんだ」という発見が生まれます。
3. 研修を形だけで終わらせない
会長が最初に、「同じ話に聞こえるなら、それは自分が変わっていないということ」と話します。だから毎回、「今回は自分に何が足りないんだろう」と自然に考える時間になります。
4. 幹部も本気で動く姿を見せる
D1のようなイベントでも、外注任せにはしません。幹部やマネージャーも、インカムを付けて会場を走り回る。その姿を隠さないことも、大事だと思っています。
5. 誰も孤立しない関係がある
直属の上司だけではなく、別部署のマネージャーが自然に声をかける文化があります。困っている人がいたら、みんなで支える。そういう関係性が、自然にできている会社なんだと思います。
ビジョンを追い続けるトップの存在
私がずっと見てきた黒川会長は、本当にビジョンを追い続ける人です。
新しい事業にも次々と挑戦していて、中には当時は先進的すぎて一店舗だけで終わったものもありました。それでも、この16〜17年で「何も起きない年」は、一度もありませんでした。
いつも新しいことが始まっていて、「次は何をやるんだろう」とワクワクさせられる。その姿をずっと見てきたからこそ、「まずやってみよう」という空気が会社全体にあるんだと思います。
最後に:面白がる力
「面白そうだ」と思える人って、やっぱり強いんですよね。
「自分には無理」と決めつけるより、まず一歩踏み出してみる。その積み重ねが、自分の可能性を広げてくれるんだと思います。何か一つでも夢中になれるものがある人は、それだけでも十分な強みです。
その熱量を仕事にも向けられたら、きっと毎日がもっと面白くなる。私自身も、そうやっていろいろな仕事を任せてもらいながら、ここまでやってきました。
成長のために変化をし続ける会社ですし、大変なこともあります。でも、自分から手を挙げて動けば、その分だけチャンスを任せてもらえる。そういう環境を面白いと思える人と、一緒に働けたらうれしいですね。
NEXT
次回は、WECLE事業部 統括マネージャー・古田(入社21年目)のストーリーをお届けします。アルバイト入社から始まり、新規事業の立ち上げや撤退といった激動の変化を最前線で乗り越え、ブランドを牽引する立場へと歩んできた物語——。どうぞお楽しみに。