「マーケ畑から解約率0%のCS部長へ」カスタマーサクセスの常識を打ち破る「スパルタCS」で成果を出すopenpage・山本貴季の挑戦
「お客様のために厳しく向き合う。それが本当のカスタマーサクセスだと思うんです」
カスタマーサクセス業界に革命を起こす「スパルタCS」を実践し、解約率0%という驚異的な成果を叩き出している男がいる。株式会社openpageでカスタマーサクセス部長を務める山本貴季さんだ。マーケティング出身の彼が、なぜ未経験からカスタマーサクセスで圧倒的な結果を残せるのか。その秘密は、業界の常識を覆す「お客様以上に厳しく向き合う」姿勢にあった。
プロフィール
山本貴季(やまもと よしき)
株式会社openpage カスタマーサクセス部長・人事(HRBP)
武南高校卒業後、大学でマーケティングを専攻。アライドアーキテクツにてインサイドセールス・マーケティング部門を経験後、フリーランスとして独立。2022年よりopenpageにフリーランスとして参画し、2024年に正社員として入社。現在はカスタマーサクセス部長として組織の成長を牽引している。
業界震撼!解約率0%の「スパルタCS」
――本日はありがとうございます。まず、解約率0%という驚異的な数字を伺いましたが、これは本当なのでしょうか?
「(笑)はい、本当です。本番契約後に解約は1件も発生していません。我々も最初は信じられませんでした」
山本さんが叩き出している数字は確かに驚異的だ。オンボーディング完了率は95%超、半年後の成果創出はほぼ100%、そして解約率は0件。この数字の背景には、従来のカスタマーサクセスの常識を覆す「スパルタCS」という独自手法がある。
「多くのカスタマーサクセス担当者は『お客様のために』と寄り添いすぎて、逆に提案を控えたり依頼が甘くなってしまう。でも私たちは違います。お客様以上に厳しく向き合い、成果に向けて一緒に走り抜く。それが『スパルタCS』なんです」
強豪校サッカーで培ったタフさがキャリアの原点
――その秘訣をお聞きする前に、まず山本さんご自身のバックグラウンドから教えてください。
「私のキャリアは、実は高校時代のサッカーから始まっているんです。上昇志向が強く、全国大会を目指したいという想いから、家から近い県立高校ではなく、あえて強豪校の武南高校に進学しました」
同期にはJリーガーになった選手もいるような環境で、3年間もまれてタフさを身につけることができた。「家から近い学校に行くより、出会いの方が大きいと考えていたんです」。高い水準の中でプレーすることで、成長を実感できた。この時の「高い水準で挑戦する」という姿勢が、後のキャリア選択にも大きく影響している。
アライドアーキテクツで基礎を築いた新卒時代
――その後、新卒でアライドアーキテクツに入社されたということですが、どのような経験をされましたか?
「はい。アライドアーキテクツでは、インサイドセールスの立ち上げチームに参加しました。毎日100件のコール、年間1万件は電話をひたすらかけていました。上司からは『簡潔に話せ』など、口酸っぱくビジネスの基礎を指導されました」
――年間1万件の電話とは、相当ハードな環境だったんですね。
「そうですね。同僚の丸山さん、滝沢さんと一緒に頑張った日々は今でも印象に残っています」
この時の仲間との絆は深く、後に丸山さん、滝沢さんの両名は山本さんのリファラルでopenpageに入社することになる。
大学でマーケティングを専攻していたこともあり、その後マーケティング部の新設メンバーとして参画。0からの組織立ち上げに主力メンバーとして入り、BtoBマーケティングの現場業務を一通り経験できた。「日々、目標のCVRやコンバージョンに対しての問題・課題をロジカルシンキングで解決していく。部長との毎週の1on1も、今の仕事に活きています」
――順調なキャリアを歩まれていたようですが、なぜ独立してフリーランスになられたのですか?
「将来起業したいという想いがあり、『このままでいいのか』というタイミングが来たんです。自分で挑戦したいと思い、独立してフリーランスの道に進みました」
運命のopenpage出会いとフリーランス時代
――そこでopenpageとの出会いがあったということですね。どのような経緯だったのでしょうか?
「仕事を探すためにフリーランスや副業のサイトに3〜4個ほど登録したところ、1週間でopenpage代表の藤島さんからはじめての連絡があり、『来週から来れるか』とその場でオファーをいただきました。独立して1社目の仕事がopenpageだったんです」
最初はマーケティングの立ち上げと仕組み作りを担当。イベントやセミナーの運営がBtoBマーケティングの主流だったので、そこを企画推進した。クライアントワークを経験し、SNS広告運用もやって、スキルの幅はどんどん広がった。彼女とYouTubeチャンネルも始めた。「SNS業界出身者として、自分自身でもSNS運営をしたかったんです」。フリーランスとして2年間、充実した日々を過ごしていた。
カスタマーサクセス未経験からの挑戦
人生を変えた2024年の決断
――そして2024年に正社員として入社されることになったんですね。大きな転機だったと思いますが、どのような経緯でしたか?
「そうですね。2年間フリーランスとして関わった後、2023年の展示会の夜に今後の会社のビジョンを語っていただき、『マーケティングをやりつつ、人事とカスタマーサクセスをやってくれないか』と正社員のお誘いをいただきました」
実は山本さんもマーケターとしてのキャリアについて悩んでいたタイミングだった。より上流の経験が必要で、事業会社に戻って働く必要があると感じていた。マーケだけで生きていきたいわけでもなく、ビジネス側の幅を広げたいという想いもあった。
「将来の起業に向けて他職種の経験を積みたかったので、人事やカスタマーサクセスにチャレンジできる環境のオファーは魅力的でした。翌日にはすぐ回答できました」
――随分と迅速な決断でしたね。何が決め手となったのでしょうか?
「ボス(代表取締役)の藤島さん、取締役の田中さん――僕が師匠だと思っている人なんですが――この2人にスキルだけではなく人間性も評価いただいた点です。私自身も2人を尊敬していたので、『この人たちと働くことで成長できる』とこれまで業務委託として働かせていただく上で感じていたので決心しました」
実際に入ってみてもちろんギャップはなく、2人と仕事をして大きく成長を実感している。視野も広がったし、職種の違いによるマーケとは異なる考え方、人を動かす力など、これまでにない学びがあった。
業界の常識を覆す「スパルタCS」の誕生
――マーケティングからカスタマーサクセスへの転身に、不安はありませんでしたか?
「実は不安はありませんでした。なぜなら、マーケティングにおいてもロジカルに課題を特定し、解決策とスケジュールを整理するのはやっていたからです。同じようにお客様の支援も考えればいいと思いました」
とはいえ、しっかり勉強はした。ボスである藤島さんが出版した「実践カスタマーサクセス」という本や、「カスタマーサクセスTV」という日本初のカスタマーサクセスに特化したYouTubeチャンネルで学習。さらに、ボスが自らopenpageを活用した半年間の細かいカスタマーサクセス用ドキュメントを社内用に整備してくれていた。
「それらを読んで学習してアウトプットしました。スムーズに吸収できましたね」
――実際に業務を始められてからは、どのようにスキルを身につけていかれたのですか?
「案件ごとにフィードバックをもらいました。初期は同席してもらって、『カスタマーサクセスはこうやってやるんだ』という背中を間近で見ることができました。そこも教科書になりましたね」
ボスと師匠の田中さんからは重要なアドバイスをもらった。「openpageをこう使えというだけでは響かない。なぜやるのか、どんな課題に向き合うのかの認識を合わせないとスムーズに移行できない」
――最初から順調にいったわけではなかったんですね。
「そうなんです。最初はなかなかできていなくて、使い方を伝えるだけでした。導入している企業様だからやるものだと、『なぜやるか?』は顧客ももうわかっているものだと思って端折って軽視していたんです。今はopenpageで目線合わせを必ずやるようにしています」
従来のカスタマーサクセスの限界と「スパルタCS」の核心
――そうした経験を経て、現在の解約率0%という驚異的な成果に繋がったわけですね。この数字の秘訣について詳しく教えてください。
「私たちは『スパルタCS(カスタマーサクセス)』と呼んでいます。これは『ハイタッチ×顧客を動かし切る思考』なんです」
山本さんによると、多くのカスタマーサクセス担当者は「お客様のために」と寄り添いすぎて、逆に提案を控えたり依頼が甘くなってしまうという。お客様が「忙しい」と言うと受け身になることが失敗パターンだと語る。
「じゃあいつなら忙しくないのか、この程度なら出来るんじゃないのか、こうしていきましょうと臆さずに言うべき。それで目標達成や課題解決に繋がるならスパルタで取り組むんです」
――具体的にはどのような場面で「スパルタ」な対応をされるのでしょうか?
「お客様が『忙しい』『うちには合わない』と言って、新しいことを始めることを先延ばしする場面ですね。そういう時は、お客様であってもピシッと言います。期日を切って約束していただき、真剣に向き合ってもらう。プロの目線で成果追求するんです」
――実際の進め方についても教えてください。
「オンボーディング期間中は、2週間以内に必ず次のアクションを決めます。具体的なToDoについて合意を取り、お客様が動くまで諦めない。場合によっては毎週ミーティングを設定することもあります」
山本さん自身も最初は失敗があったという。「自分もお客様がそう言うならと提案を控えてしまい、利用が進まない期間が続いた失敗はありました。でもそれでは本当の成果は出せないんです」
「トレーニングと同じで、限界ギリギリまでキツくないと成果は出ない。優しさだけでは本当の成功は手に入らない。だから時には厳しく、でも必ず成果に導く。それが僕たちの信念です」
この「スパルタCS」のアプローチが、openpageの驚異的な継続率を支えているのだ。
「眼前可視化」で共通認識を作る独自手法
――山本さんが実践されている「眼前可視化」という手法についても教えてください。
「ミーティングで議論した内容、ヒアリング内容を、目の前で文字でopenpage上に議事録を書いて言語化するんです。言語化して共通認識をつくり、その場で合意を取ります」
これをやる理由について山本さんは続ける。「違う解釈で話を進めて時間をロスしたり、アウトプットを間違えないようにするためです。お客様と一緒に画面を見ながら『今こういう話をしましたよね』『この理解で合っていますか』と確認していく。これによって顧客も納得感を持って進められるんです」
「営業支援ツールなのでopenpageのカスタマーサクセスをやっていれば営業力もつきますし、だいぶ知識がつきます。キャリアを広げたい人にはおすすめの環境だと思います」
現場での課題と解決への取り組み
――現在担当されている業務の詳細についても聞かせてください。
「業務内容は、新規契約した企業様への1ヶ月での早期立ち上げサポート(オンボーディング)です。加えて半年以内での課題解決、成果創出するために顧客とマイルストーン(中間目標)を設計してミーティングを推進しています」
お客様は超大手の上場企業から、急成長中のベンチャー企業、地方の中小企業まで幅広い。代表取締役の方、営業部長様、営業チームの皆様など、様々な立場の方と接する機会がある。
――「スパルタCS」を実践する中で、特に困難だった場面はありますか?
「そうですね。openpageは商談で『議事録』を取ってもらう習慣づくりこそが成果創出で重要なのですが、顧客は営業活動で議事録を書く文化がない場合が多いんです。未経験のことを推進することになるので、日頃ツールに触り慣れていない人に『なぜやるのか?』をお伝えするようにしました」
特に大変なのは、ミーティングの参加人数が7〜8名と多い時だ。各メンバーの理解度もわかりにくいし、話も抽象的になりがち。直近では、メンバーの理解状況に合わせた会議体の設計に取り組んでいる。
部長職への昇進と今後のビジョン
――現在はカスタマーサクセス部長としてご活躍されていますが、この役職についてはどのように感じていますか?
「今カスタマーサクセスを一番よくやっています。会社にとって必要で重要なポジションにアサインしてもらえる嬉しさがありますね。カスタマーサクセスという役割は、自分は人と会話するのが好きで得意なので、天職だと思っています」
マーケでは社内コミュニケーションが中心でしたが、180度時間の使い方が変わった。でも楽しさと学びがある環境だという。
「カスタマーサクセスは部長職ですが、これは奢らず役割分担と捉えています。足りないものはありますが、責任感を持って、より社長や取締役に甘えず自分で決断を下すようになりました」
意思決定をするために考え、情報収集をするようになり、より経営の売上に貢献することを大事に思っている。
――今後のキャリアビジョンについても聞かせてください。
「今後はカスタマーサクセスを経験しつつ、事業に対してのインパクトをもっと出したいと考えています。カスタマーサクセス部として業績貢献する体制の強化が当面の目標ですね」
そこから先は、事業づくりのスタンスで転職しているので、会社として大きくなる上で、その時々で必要となる取り組みで「まず、よしき頼む!」と言われる、0→1を担える人材になりたい。内容は問わず、ファーストペンギン(先駆者)に取り組める人になりたい。
「マーケ、カスタマーサクセスをやってきましたが、これからは人事の採用、コーポレートも、会社づくり組織づくりも含めて、C級幹部の目線で必要な人材になりたいと思っています」
家族のような組織文化
――「スパルタCS」という厳しいアプローチを取られる一方で、社内の雰囲気はどのような感じなのでしょうか?
「いいなと思うのは、しっかりと評価を言葉にすることです。特に役員陣からメンバーへの評価が日頃から会話されています」
先日も、お客様から「よしきさんが仲間のように欠かせないメンバーになっている」と言っていただけたことがあって。ボスにも田中さんにも褒めてもらって。それがすごく嬉しくて、思わずメンバーみんなに共有しちゃった。「こういう瞬間があるから頑張れるんです」
何でも言葉にするロジカルシンキングな文化がありつつも、固くならず「とりあえず行動してみる」というチャレンジングな考えもある。チームそれぞれが『思考力』と『アクション力』の両方を兼ね備えて動く。それがopenpageだ。
――チームメンバーとの関係性についても詳しく教えてください。
「本当に家族のような関係です。実際に実家に呼ぶ関係性で、実家の屋上でキャンプをしたこともあります(笑)。一緒に温泉もよく行きます。結婚式にも呼びましたし、ボスは母親にも会ってもらいました」
「私が幹事として合宿を企画することもあって、openpageのみんなは、仕事を離れても一緒にいたいと思える仲間たちなんです」
――お母様にもお会いされているというのは、本当に家族同然の関係ですね。
「はい。母親にはopenpageに就職するときに、どんな会社でどんな魅力があるのかをしっかり説明しました。母親も安心してくれて、今でも会社のことを気にかけてくれています」
各々が個性があり、こだわりが強い。食事がメインだが、好きなものを共有し、一緒に楽しめる文化があるという。山本さんが特に強調するのは、みんながプロダクトを心から愛していることだ。
「openpageは営業ツールだからこそ自分たちも使うんです。前職はマーケティングツールでしたが、営業していても自分は使っていませんでした。これは大きな違いですね」
働きやすさについて聞くと、経営メンバーを含め、困った時に相談がしやすい環境だという。「みんなから『今度こういうことやりたい』と、オンオフ関係なくプライベートのイベントも共有し合う。風通しがいいのがすごく好きです」
イベントは年に2回ほどメンバー合宿を実施し、バーベキューの社内イベントは隔月くらいで開催している。山本さんが印象的だと感じるのは、1on1をしなくても日頃から自然な会話ができていることだ。
「経営メンバーと日頃プライベートでも会話ができているのはすごいことだと思います。気軽に話しかけていい雰囲気で、話しかけないでって感じじゃ全然ないんです。仕事がクイックに相談できる、本当にまずくなる前に相談できるのは健全だと思います」
一緒に働く「バディ」を募集
――最後に、どのような方がopenpageで活躍できると思われますか?
「GIVEできる、人のために考えるのが好きな人は合うと思います。お客様の成功のために支援する、先回りしていろいろ考えられるかがポイントですね。あとは、いろんなサービスに触れて知る、好奇心が旺盛な人が合っていると思います」
――未経験の方でも挑戦できる環境なのでしょうか?
「もちろんです。私自身もマーケティングからの転身でしたし、会社としてもしっかりとしたサポート体制があります。大切なのは、お客様のために考え抜ける姿勢と、新しいことを学ぶ意欲だと思います」
山本さんによると、とはいえチームメンバーには指示待ちの人がいないという。みんながプロフェッショナルな意識を持ち、思考力があり、経験豊富なメンバーばかりで、互いに切磋琢磨で成長できる空気感があるのだそうだ。
「僕自身の感想を言えば、リファラルで『うち来ない?』って声をかけやすい会社だと思います。自分からも採用の声がけを働きかけて、大切にしていた前職の同期は2名とも入社しました」
特に、ツールの導入推進からもう一歩先の支援に向き合いたい人には最適な環境だと山本さんは自信を持って語る。カスタマーサクセスを次のステージに行ける会社だと確信している。
成長を求める仲間へのメッセージ
――この記事を読んでいる方へ、最後にメッセージをお願いします。
「openpageは本当に成長できる環境です。ただ『成長できるから入る』のではなく、『成長できる前提で、プロダクトも好きになれる』、そんな会社です」
山本さん自身、マーケティングからカスタマーサクセスへの転身は大きな挑戦だったが、失敗を恐れずに挑戦できる環境があったからこそ、今の成果があると振り返る。
「0→1の挑戦を恐れず、一緒に会社を大きくしていける仲間をお待ちしています」
山本さんは笑顔で語る。
「僕のことは、よしきって気軽に呼んでください!一緒に働きたいと思う人には絶対後悔させないです。本当に」
――興味を持たれた方は、どうすれば良いでしょうか?
「定期的にミートアップを実施しているので、ぜひ参加してください。実際にどんな人がいるか体感してもらいたいです。本格検討じゃなくても構いません。どんな人たちが働いているのか、雰囲気を感じに来てもらえれば嬉しいです」
山本さんも含め、メンバーは本当にプロダクトが大好きで、お客様の成功のために全力で取り組んでいるという。そんな仲間たちと一緒に働いてみたいと少しでも思った方は、気軽に話を聞きに行ってみてはいかがだろうか。
――山本さんのような成長ストーリーを描きたい方にとって、非常に参考になるお話でした。本日は貴重なお時間をありがとうございました。
「こちらこそ、ありがとうございました。皆さんとお会いできる日を楽しみにしています」