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代表インタビューvol.3!「世の中に必要ならば、難しいことでもひっくり返す」反骨精神が生んだアイデンティティとは

パンフォーユー代表取締役 矢野健太

新卒で電通入社。交通・屋外媒体のメディアバイイングと企画立案を担当。その後、教育系ベンチャー、地域系NPOを経験。2017年1月にパンフォーユー設立。平成元年浅草生まれ群馬育ち。京都大学経済学部卒業。好きなパンはバゲット。


株式会社パンフォーユー代表取締役を務め、さまざまなメディアでも取り上げられている矢野健太。最近では、ピッチイベントに登壇する機会も増えています。京都大学を卒業し、電通の媒体担当として活躍していた彼が、なぜ「変革が難しい」と言われるパンの世界に足を踏み入れたのでしょうか。創業時の経緯やアップデートされた事業展開について、話を聞きました。


——メディアなどで“電通出身”というキャリアを取り上げられることが多い矢野さんですが、当時はどのようなことをされていたのでしょうか?

矢野:東京本社で採用された後、希望した名古屋支社で媒体担当をしていました。なぜ東京でも大阪でもなく名古屋かというと、名古屋は電通の中では小規模のため、テレビ、新聞、雑誌など、幅広い媒体を担当することができそうだったから。最短距離で成長するためには、そういった環境に身を置くことが必要だと思ったのです。


——そこからなぜ起業するに至ったのでしょうか?

矢野:僕は生まれは東京、育ちは群馬、大学は京都、最初の仕事は名古屋なのですが、都市部と地方、両方で生活したことにより、魅力的な仕事は都市部に集中しがちであることを痛感しました。働く大人の背中を見て、子どもたちが「こうやって働きたい」と思える環境がなければ、その地域格差や機会格差を埋めることはできない。そのために、自ら起業したのです。その想いは、パンフォーユーのミッションである「新しいパン経済圏を作り、地域経済に貢献する」に込められています。

——なるほど。ではなぜパンを商材に選んだのでしょうか?

矢野:純粋にパンに関する事業なら飽きずに続けられると思ったのと、誰も着手していないビジネス=チャンスだと思ったからです。

——「誰も着手していない=難しいこと」にあえて挑戦したんですね。

矢野:僕は学生の頃からひと一倍反骨精神が強いというか、無理だと言われるとやる気が出るタイプ。今でこそ「いいサービスだね」と言っていただけるようになりましたが、当初は投資家も「儲からないのでは」「パン屋さんは困っていない」「近くのパン屋さんで買えるパンを、なぜ高いお金と送料をかけて買うのか」など散々な反応でした。しかし世の中に必要ならば、難しいことでもひっくり返す。そうやって社会課題を解決することが、会社のテーマかつ僕のアイデンティティになっています。


——矢野さんには勝ち筋が見えていたのでしょうか?

矢野:はい。『パンスク』ローンチ前に行ったオーダーメイドパン事業のクラウドファンディングも成功しましたし、僕自身がパン屋さんをめぐる楽しさや、パンを食べ比べるおもしろさを理解していたので、これは必ず需要があると思いました。

——著書である『失敗の9割が新しい経済圏をつくる』(かんき出版)の中ではこれまでの紆余曲折が描かれていましたが、それも想定内ということでしょうか?

矢野:実は……創業からこれまで、オーダーメードパン事業はうまく行きませんでしたが、その後立ち上げてきた現在の事業は、創業前に作成していた事業計画書通りなんです。事業内容も売上規模も。

——感染症による行動制限や飲食店の営業時間短縮など、想像だにしていなかったことが多々起きたにも関わらず、ですか?

矢野:はい。すべて想定通りです。


——事業が順調に成長した理由は何だと思われますか?

矢野:オーダーメイドではなく、オフィス向け(パンフォーユーオフィスのこと)に舵を切ったことにより、一人でも多くの人に冷凍パンに触れてもらい、「冷凍パンはおいしい」というイメージを実績とともに積み上げられたからだと思います。それと並行してパン屋さんめぐりを趣味にする人が現れ始め、「パン屋さんがつくるパンはおいしい」「パン屋さんめぐりは楽しい」と思う人が増えたことで、消費者全体のパンに対するリテラシーが上がったことも追い風になりました。


——これまでの急成長を経て、現在はどのようなフェーズだと考えていますか?

矢野:「こういうニーズがあるのでは」という読みが合っていた確信が持てたので、それをどう伸ばそうかと。これまでは消費者のニーズを探るためにさまざまなことに挑戦してきましたが、社内、パン屋さん、第三者の視点で「パンフォーユーの価値はこれである」というものがようやく見えてきました。その価値をさらに磨くのが、これからのフェーズです。多くのメディア露出に助けられていたところが少なからずありましたが、今こそ実力を試せるときと考え、この2年ほどは既存事業をさらに強くすることを目標に掲げています。一方で次の事業展開のための準備もし始めたといったところでしょうか。


——次の事業展開とはどのようなものなのですか?

矢野:これまではパン屋さんの店頭外の売上をいかに安定的につくるかを考えてきましたが、今後は店頭の運営・経営の課題を解決できないかと考えています。日々のオペレーションの負担が減ることで、パンの製造、企画、研究にリソースを割いてもらい、さらに手取りが増える仕組みです。海外でも同様のソリューションを提供できないか、現地視察などを開始しています。


——足場を固めることと新しい可能性への挑戦を、同時進行しているのですね。

矢野:創業当初に思っていた以上に事業のポテンシャルが高いと感じているので、いい意味で先が読めないというか。逆に2年後、3年後が簡単に読めるような世界をつくってはいけないと思っています。人は慣れると保守的になって成長スピードが落ちてしまいますが、ゆっくりやっていられるほどパンニーズやマーケットポテンシャルは小さくない。そのためには既存のメンバー、既存のステークホルダー、既存の体力だけでは足りないので、さまざまな方に来ていただけると。ただ、かつて投資家から言われたように、僕たちがやろうとしていることは簡単なビジネスではないので、そこを覚悟したうえで来ていただきたいです。


———これからの成長を見据えたとき、組織としての課題はありますか?

矢野:「自分のキャリアパスより地域や食に貢献したい」と考えるメンバーが多いので会社の雰囲気はとても良いのですが、ともするとスピード感が落ちがち。僕たちがもっとお客様を増やせていたら閉店することのなかったパン屋さんがいることを考えると、そうそうのんびりしていられません。僕は社員だけでなく、提携している全国500店舗のパン屋さんの生活も背負っていると考えているので、メンバーにもその意識を持ってもらいたいですね。自分のため、会社のため、パン屋さんのためと三段階あるとしたら、パン屋さんのためを考えて「飛び級して出世したい」と考える人が現れてもおもしろいと思います。


———これから組織はどのように変わっていくのでしょうか?

矢野:既存事業によって地域に貢献できていることは間違いないので、今度はさらにその先、地域経済をアップデートすることがテーマ。そのためにはまず僕たちの成長が必要不可欠です。プロダクトやサービスを突き抜けると、情緒的な需要やマーケットが生まれると考えているので、そういった視点を持った人とともに、既存および新規事業をより盤石なものにしていけたらと思っています。僕のような反骨精神を持っている人は、ぜひ挑戦しに来てください。


ありがとうございました。日頃なかなか聞くことのできない、社長の事業や組織に対する考えを知る事ができました。パンフォーユーの事業理念に共感しビジネスをリードしていきたい方、チャレンジしてみたい方、ご応募お待ちしています!

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