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日本ケロッグのPR事例から考える、教科書通りの正攻法よりも「信念」を貫くべき理由。

こんにちは。今回も「ケロッグ 毎日朝ごはんプロジェクト」をテーマに、日本ケロッグの山路真由さんとプラップジャパンの小林拓さんとの対話をお届けします。
子どもの朝食を取り巻く課題に対して、地域連携で解決を目指すプロジェクト。
前編では、子ども食堂や小学校を巻き込む過程を中心にお話いただきました。

後編ではプロジェクトを前に進めるヒントや、多様なステークホルダーと良好な関係を構築するポイントをお聞きします。

<対談メンバー紹介>

■山路 真由さん
日本ケロッグ合同会社(マーケティング部 PRマネージャー)
大学卒業後、広告代理店での営業を経て、2013年に日本ケロッグ合同会社に入社。マーケティン部で、オールブランやグラノラ、キッズなど様々なシリアルのブランドを担当し、新商品のローンチやブランド戦略の立案から各種プロモーション施策の実施を経験したのち、2020年に出産のため育児休暇を取得。2021年の復帰後、広報担当として、ブランドPRおよびコーポレートPR、社内外のコミュニケーションなどを幅広く担当。

■小林 拓さん
株式会社プラップジャパン(コミュニケーションサービス統括本部 第2部)
大学時代に広報、PRをゼミで専攻していたこともあり、2018年プラップジャパン新卒入社。食品、飲料、化粧品、地方自治体、デベロッパー、ITなどtoB・toC問わず幅広く経験。PRイベントをはじめ、コーポレート、マーケティングPRの両方において、露出分析から戦略立案、企画実施まで経験し、幅広いPRに従事。2019年より日本ケロッグのPR業務を担当し、「ケロッグ 毎日朝ごはんプロジェクト」では、企画段階から実行までメインで担当。好きなケロッグのシリアルはコーンフロスティとオールブラン。

――今回のプロジェクトに参画している20か所以上の子ども食堂との折衝を山路さんがお一人で対応していたと聞き、とても驚きました。

山路:私自身、社内で担当が1人ということもあり、複数の関係者とやりとりするので、外部に一式の対応をお任せするという選択肢ももちろんありました。ただ、このようなプロジェクトを立ち上げるからには、私自身が現場をちゃんと知りたいし、現場の方がどんなことを考えているのかをしっかり理解したいと思い、まずは私のほうで窓口をする形をとりました。ゼロからのスタートなので、いきなり多くの方たちと連携するよりも、お互いを知り合える範囲の数の子ども食堂と一緒に活動を始めるほうがよいとも考えていたんです。
実際、子ども食堂の皆さんと電話でお話していると、率直に思いをぶつけてくださいます。直接対峙するからこそ、熱量というかパッションが伝わる部分もありますし、「最近どうですか?」なんて会話から気づきや発見が生まれることもあります。

――事務的な部分以外でもコミュニケーションをとっているんですね。

山路:食堂を訪れる子どもたちが描いた絵や手紙を皆さんこまめに送ってくださるんです。それを社員にシェアすることで社員のモチベーションになっているのも強く感じています。直接のやり取りで関係性が築けているので、やはり立ち上げの段階ではこの座組を選んでよかったと思っています。

小林:おひとりで広報を担当される中、各所と丁寧に対応される山路さんの姿勢には学ばせていただくことばかりです。素敵な出会いもたくさんありましたよね。

山路:八王子にある「子ども食堂 カフェ北野」さんとの出会いはとても大きかったです。運営事務局の奥野玉紀さんという方と懇意にさせていただいて、おんぶにだっこのようにお世話になっています。
奥野さんの会話で特に印象的だったのが、子どもにとって朝ごはんの重要性は、大人が考えている以上に大きいという話です。単純にお腹がすいているから、とりあえず朝ごはんを食べる、というわけではなくて、朝食でエネルギーチャージをするからこそ、学校生活も勉強にも集中できるし、いっぱい運動して友達とも笑顔で遊べる。そうして子どもが笑顔で1日過ごせることは保護者や周囲の方々の願いでもあると。
日々子どもたちと向き合う奥野さんならではの実感が伴った言葉で、とても印象に残っています。

小林:当時はちょうど「ケロッグ 毎日朝ごはんプロジェクト」をどう情報発信していくか模索していたんですよね。いち企業が行うプロジェクトとなると、ともすれば宣伝として見られてしまうこともあるなかで、社会全体の課題に対して活動をしている事実をなんとか世間の人に知ってほしいと考えていました。
ケロッグ単独でメッセージを発信するのではなく、奥野さんの口から実体験とともにお話いただくことで、説得力は大きく変わります。その意味でも、奥野さんとの出会いはとても貴重でしたし、お話をした日をきっかけに純粋に奥野さんの想いをもっとメディアに取り上げてもらいたいと感じたことを覚えています。

山路:そうでしたね。実は当社の社員とも良い関係を築かせていただいています。カフェ北野さんは、夏休みになると朝食に加えて昼食も提供してさらに忙しくなるので、その期間中、当社の社員がボランティアでお手伝いをさせていただきました。
どのメンバーも楽しみながら、モチベーション高く取り組むことができましたし、奥野さんも当社メンバーのことを好意的に受け止めてくださって、お互いの関係性を深められる機会になったと感じています。プロジェクトに携わっている私やプラップさんだけではなく、ケロッグで働くメンバーの顔が見えることで「こういう人間がシリアルを製造したり、販売しているのか」と知っていただく一助になりました。

小林:信頼関係は急に築き上げられるものではなく、何気ない会話や日々のコミュニケーションの積み重ねだと改めて気づかされます。

共創型のPRが求められるこれからの社会に大切な視点とは?
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