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事業を通じて叶えたい、新しい教育のあり方。そして、10代の学びと悩みに向き合うプレマシードのこれから。『代表インタビュー / 岩田彰人』

代表取締役

岩田彰人(いわたあきひと)

  • 東京都中野区出身
  • 趣味:トレーニング、ゴルフ、スノーボード、料理/ウェイクボードもそろそろ復活
  • 座右の銘:めいっぱい遊んで、めいっぱい仕事する

「学ぶことで自由と個性を獲得し、多様性のある社会をつくる」をミッションに掲げ、『Go通信制高校』などの教育メディアを運営しているプレマシード。なぜ通信制高校にフォーカスし、どのような想いで事業を展開しているのか、代表・岩田彰人のインタビューをお届けします!

子どもたちが笑顔なら、それは必要なモノ

ー まず、岩田さんのこれまでの経歴を教えてください。

小学生の頃から塾に通い、勉強漬けの毎日を送っていました。でも、勉強に対して本気で努力することはできず、中学受験では志望校にすべて不合格。滑り止めの中高一貫校に入学後、それまでの反動もあってテニスに打ち込みました。大学に進学してからは当時流行っていたスノーボードにハマり、プロを目指していましたが、怪我もあり大学卒業後は就職。社会人生活は楽しかったものの仕事にはそこまで打ち込まず給与のほとんどをウェイクボードに使っていました。

ただ、30歳が迫ってくるとやはり将来について考えるようになりました。「このままで良いのか」と自問し、27歳の時に転職します。転職先は大手WEB専業代理店で、当時広まり始めていたWEB広告(リスティング広告、バナー広告、アフィリエイト広告など)の営業職に就きました。業界も営業も未経験だったのでスタートは契約社員から。契約数と売上目標を達成しないと正社員になれない契約で、環境としてはシビアでした。

— 転職していきなりシビアな環境に身を置くとすぐに辞めたくなりそうですが、そうは思いませんでしたか?

転職して受け持った業界の一つが教育業界で、通信制高校のプロモーションや生徒集客に携わるようになったんです。通信制高校のプロモーションと聞くとニッチな仕事に感じるかもしれませんが、小泉政権時に教育特区ができて株式会社が通信制高校を運営できるようになり、学校法人ではない大手通信会社の子会社や出版社、その他異業種が参入していました。しかも、WEB広告自体も黎明期。急激に伸びている業界を新しい広告形態で支える仕事にいつしか夢中になり、仕事を面白いと思うようになっていましたね。

— 教育業界に関わることで仕事の面白さに気付いたんですね。起業したのはいつ頃ですか?

当時は通信制高校の比較サイトがなく、「あれば便利だよね」という発想から比較サイトの立ち上げに参画しました。これがきっかけとなり、32歳でプレマシードを創業します。当初は比較サイト運営とWEB広告の代理事業を手掛けていて、通信制高校に営業をかけるために多くの学校を回っていました。

私と同世代、つまり通信制高校に通う生徒の親世代にとって、通信制高校は「全日制高校からドロップアウトしたやんちゃな生徒」が行く高校でした。勉強に付いていけなかったり、問題を起こして退学処分になった生徒の転校先だったんです。

それが次第に、「不登校になった生徒たちの受け皿」になっていきました。通信制高校は学校によって週0日~週5日まで登校日数を選ぶことができ、中学や高校で不登校になった生徒がもう一度学校に通い始める上で段階的に慣れていける環境だからです。通信制高校に在籍する生徒の割合も、不登校経験者が年々増えていき、逆にドロップアウトしたやんちゃな生徒の割合は減っていきました。

ー もう一度登校できるようになる以外に、通信制高校に通うメリットはありますか?

やはり高卒資格が取れることです。義務教育は中学で終わりますが、将来のことを考えるならやはり高校は卒業していた方が良い。いつの日か「大学や専門学校に行きたい」、「特定の資格を取りたい」と思っても、高卒でなければ進学できず、資格の受験要件を満たせないかもしれないからです。不登校経験者にとって、将来を見据えて不登校の改善に取り組み、高卒資格も取っておくには通信制高校が一つの選択肢になり、世の中の雰囲気としても不登校を悪いことと見なさない傾向が出てきました。

そんな時、訪問した通信制高校でふと「笑顔の生徒が多いな」と感じたんです 。どの通信制高校にも友達と楽しそうに過ごす生徒たちがいる。柔軟な教育システムや手厚いサポート体制、先生との距離感の近さなど通信制高校には良いところがたくさんありますが、どのような要因にせよ「子どもたちが笑顔だということは、通信制高校は子どもたちにとって良い場所なんだ」と実感しました。

通信制高校のリアルな情報を発信して、学びの選択肢を増やす

— 約20年にわたり通信制高校に携わってきたと思いますが、生徒の学びに関して大きく変わった出来事などはありましたか?

これまで学校や生徒たちの変遷を見てきましたが、特に大きな出来事だったのがコロナ禍です。登校できなくなったことでオンライン学習の仕組みが急速に整備され、その結果、生徒は学校に通わなくても勉強できることに気付いてしまいました。

先ほども話したように、これまで通信制高校の生徒は全日制高校で不登校になり転入してくる生徒がほとんどでした。それが、自分らしい学び方や生き方を求め、中学卒業後にストレートで通信制高校に進学する生徒が増えているんです。全日制高校は毎年数万人単位で生徒が減っていて現在は約290万人です。ところが、通信制高校はコロナ禍をきっかけに、わずか数年で8万人の生徒が増加して26.5万人になりました。これは12人に1人が通信制高校の生徒だということです。コロナ禍を経て、10代の学び方はとても大きく変わりました。

— 不登校の受け皿になった通信制高校に、いまや不登校や特性にかかわらず誰もが通う学校になったんですね。

そうです。でも、生徒が増えてもいまだに変わらないものがあります。それが、通信制高校に対するネガティブなイメージや偏見です。例えば、深刻な不登校ではなくても集団生活が苦手だったり、苦手ゆえにクラスメイトと上手くコミュニケーションが取れない生徒は少なくありません。また、叶えたい夢があってもいまの日本の教育環境では自由度が低く叶えにくい夢もあるでしょう。本来、そのような10代の若者には全日制高校より通信制高校の方が向いているはずです。でも、ネガティブなイメージがあるゆえに通信制高校を選べない若者がいるんです。

— 通信制高校の情報が広まっていないゆえに通信制高校を避けてしまうんですね。

こうしたイメージのギャップを埋めるため、通信制高校の生徒や教員、専門家と協力し、通信制高校のリアルな情報を発信しようと2021年8月に『Go通信制高校』をリブランディングしました。単なる比較サイトとは異なり、それぞれの学校の理念や特徴を伝え、不登校などの具体的な悩みや通信制高校に関する疑問に対して専門家が解決策の提示まで行い、10代の学びと悩みに向き合うサイトにしています。

また、リブランディングを機に会社としても教育事業に特化させました。10代の学びや悩みが多様化する中で課題も増加しています。教育メディアの運営を中心に10代の学び、悩み、やりたいことなどに関する課題解決に取り組むことは社会的意義が高いだけではなく、ニーズがあるからこそビジネス的にも大きな可能性があると感じています。

— 10代の学びや悩みに向き合うということは、通信制高校に通っている生徒とも協力しているんですか?

通信制高校の在校生や卒業生とも対話し、通信制高校への入学前後で自分がどのように変わったのか体験談を聞いてコンテンツにしています。中学や高校で不登校になった場合、本人にとってはネガティブな経験だったかもしれません。しかし、これまで対話した中にも通信制高校に入学したことで「学校に行かなければならない」というプレッシャーから解放されて通学できるようになり、将来の夢を見つけた生徒がいました。その生徒は、いま夢を叶えるために専門学校に通っています。

通信制高校に入ってやりたいことを見つけた生徒はたくさんいますし、ネガティブな経験がポジティブなものに変わった経験は10代にとってすごくプラスになるでしょう。こうしたエピソードを広めて通信制高校に対する偏見を減らしたいと思っています。今後はこのようなテキストの記事だけではなく、Youtubeでの動画配信、TikTokやインスタでのショート動画、X(旧Twitter)での情報発信などを活用して世の中へPRしたいと考えています。

— 教育事業に特化したことで会社のビジョンなども変わりましたか?

社会課題を解決することが私たちのビジネスの源泉であるため、ビジョン、ミッション、バリューについて再定義しました。

●Vision:プレマシードの目指す世の中

若者の未来を照らし、笑顔あふれる世の中にする

●Mission:プレマシードが果たす役割・使命

学ぶことで自由と個性を獲得し、多様性のある社会をつくる

●Value:プレマシードが提供する価値

個性と特性を活かし、自主性をもって行動する

このVMVのもとマーケティングの専門家というポジションから業界に貢献したいと考えており、今後は不登校や10代の悩みややりたいことに関するメディアをはじめとした事業を展開していく予定です。

当事者意識とスピード感をもって働いてほしい

— 今後どのような組織をつくっていきたいですか?

プレマシードは10代の学び、悩み、やりたいことをテーマに扱い、課題を抱える人と課題を解決できる人を結びつけています。教育事業を直接手掛けているわけではありませんが、生徒や教員など教育現場の当事者と一緒に課題を解決していく。自分たちだけで完結せず、いろいろな人を巻き込みながら社会課題の解決を目指す組織と企業文化をつくっていきたいです。

そのためにも、教育事業や多様化する学びに興味のある方、10代が抱える悩みや課題の解決に貢献したい方に新メンバーとして加わってほしいと思っています。

— 最後に、プレマシードが求める人物像を教えてください。

クライアントである通信制高校の先生たちと話して「最近はこんなことに悩んでいる学生が多い」と聞けばすぐに解決策となるコンテンツをつくるなど、10代のためになることを迅速にカタチにできます。当事者意識と課題意識を持ち、主体的に行動できる方なら大歓迎です。

私たちは通信制高校のリアルを届け、一人でも多くの子どもが自分に合った学びを選択できる世の中にしていきたいと思っています。社会を変えるにはスピードが必要なので、スピード感をもって仕事に取り組み、子どもたちの可能性を広げていきましょう。

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