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キャリアコンサルタントから“最も魅力あるHRカンパニー”と憧れられる存在へ

Professional Studio/Interactive dialogue:007 Manager 蛯原 脩太


Professional Studioには人材業界で豊富なキャリアを有するエキスパートが続々と集ってきています。8回目となる“Interactive dialogue”に登場する蛯原さんは、まさにキャリアコンサルタントのプロフェッショナル。経験者ならではの問題意識を強く持ち、日々業務に邁進しています。

そんな蛯原さんにこれまでの経歴、転職エージェントが抱える課題、今後どのような世界をつくっていきたいかなどざっくばらんに語っていただきました。人材業界で迷いを抱きつつ前向きにがんばっている方に、読んでいただきたいインタビューです。

人生の大きな転機に携わる職業

ー蛯原さんは人材業界で14年という、社内で最も長いキャリアを積まれているマネジャーです。ファーストキャリアとしてこの業界を選んだ理由をお聞きしたいのですが…

就職活動をするにあたって、人生における重要な選択の局面に携わる仕事に就きたいという軸を持っていました。たとえば進学とか就職、結婚、家の購入といった分野ですね。

その中から業種を絞り込んだ上で会社説明会に足を運び、最も波長があったのが人材業界。考えてみれば、仕事は収入に紐づきます。日々の生活、そして人生のベースとなるものです。


ー人材業界といってもさまざまな業態・会社がありますが、蛯原さんが選んだのは?

ヒューマンリソシアという上場企業でした。同社は教育事業と人材事業を並行して展開しており、人を育てて就業支援をするというスキームに価値を感じたのが選択理由です。入社後は製造業向け人材派遣の営業に従事。やりがいを持って仕事に取り組んでいたのですが、2年目にリーマンショックと派遣法改正の影響を受けてしまいます。会社の業績が落ち込むにつれて社内の雰囲気も微妙なものになっていきました。

マーケットがシュリンクするなか私自身もモチベーションキープが難しくなり、かつて上司だった人に誘ってもらったことをきっかけにグローバル人材の採用支援ベンチャーに転職。事業立ち上げや横浜支店立ち上げなど幅広い経験も積みました。


ー景気が悪いとはいえ、着実にキャリアアップが図られていたんですね

ただ、2社目は経営方針や価値観がどうしてもフィットしなくて、2年半ほどで転職活動をはじめることになります。実はその時、人材業界から身を引こうと考えていたんです。

人材紹介の営業にとって企業への提供価値は文字通り「人の紹介」です。ところが有形の商材やサービスと違って人である以上、感情もあるし意思もあります。その時の候補者の都合や事情で対峙しているクライアントに安定した価値を届けられないケースも少なくないんです。その事実に営業として納得感が持てなくて。

ー本気でこの仕事に向き合う人なら一度はぶつかる壁ですね。そこからどのようにリカバリーしたんですか?

とにかく転職活動が上手くいかなかったんです。半年で決める予定だったのが9ヶ月経っても決まらない。最後の3ヶ月は東京で仕事探しの日々でした。100社ほどエントリーして書類面接通過が20社。そのうち内定がもらえたのはたったの1社です。しかもその1社も志望度が高くなかったので、申し訳ないと思いつつ辞退しました。

なぜこんなに転職が成功しないのか。主にIT営業と人事職を志望していたんですが、ここまで内定が出ないということは人材業界以外からは求められていないのではないかと思うようになりました。神様から他の業界に行くなと言われているような気すらして…。


ー決してそんなことはないと思うのですが…だいぶ追い詰められてたんですね

あらためて振り返った時に、もともと正社員の採用支援に携わりたかったのに製造業派遣と技術派遣しか手掛けてこなかったと気づきました。そこで正社員の紹介業でなおかつグローバル展開をしていたJACリクルートメントに応募。無事内定をいただきました。

JACでは入社4ヶ月目から新規事業部門に配属。海外事業関連ポジションだけを支援する部門で人材紹介自体はできたのですが、新規企業に対して海外事業関連ポジションを獲得する部署ということもあり実態は開拓活動が中心でした。しかししばらくすると事業撤退。通常部門に戻ってからは転職支援実務そのものに携わる比率も増え、そこからは数字もついてきました。

マネジャーとして20名弱の組織を牽引した後、エグゼクティブ部門でメガベンチャーや上場企業向け経営幹部領域の採用支援を経験。8年ほど在籍したことになります。

オーダーメイドのキャリアデザイン

ーProfessional Studioとの出会いは何がきっかけだったのでしょうか

長らく人材紹介事業に取り組む中で、構造的な課題を感じるようになりました。エージェントとしてはどうしてもお金をいただく企業側に軸足を置いてしまいがち。会社からの評価にも直結しているだけに「いかに自身の担当求人で決定していくか」を追求するようになります。

つまり候補者に対して、候補者が本質的に求めている価値を提供しづらいわけです。さらに担当案件によって成績や業績が左右され、自身の年収やポジションに直結するの事もあり、ベテランになればなるほど成績が上げやすい担当を手放さなくなる。

結果、若手の成長機会が失われていきます。もちろん経営目線で見れば最適化が図られているんですが…。


ーProfessional Studioの市川さんに出会ったタイミングはその頃だったんですね

ぼんやりと転職を考えていたとき、同業界の先輩から紹介していただきました。市川さんのお話にはもう全面的に共感しかなくて。エージェント都合のキャリアコンサルティングが行われている問題はもちろん、日本のGDPの問題までマクロな視点で捉えていて、聞いているそばから腹落ちしたのを覚えています。

そんな経緯でProfessional Studioの2番目の正社員としてリスタートを切ったのですが、はじめはなかなか上手くいきません。それまでの動き方は基本的に企業や求人にコミットして、そこを起点に人を集める。つまりポジションを埋めに行くやり方でした。

ところがProfessional Studioでは候補者のキャリアを一緒に整理してから、そこにフィットする求人を紹介するというスタイル。ゴールは同じなのですが使う筋肉がまるで違うんです。

ー候補者起点のエージェント、なかなか汎用化が難しそうですが

いくつかの勝ちパターンはあると思いますが、あまり固定化しないですね。100人いたら100通りの考え方があって、置かれている立場、状況がある。そこに本人の意思、給与などの条件、将来のビジョンなどさまざまな係数が掛け合わさって最終的な着地が決まる。オーダーメイドですから簡単にはいきません。

立ち上がりは相当苦労しました。正直まだちょっとわかっていないところがあるかもしれません。ただなんとなく感覚が掴めたのは1年経った頃。いまちょうど1年半で、まさにこれから第2フェーズに入るといったところでしょうか。


ー入社当初の蛯原さんご自身の課題はどんなところにありましたか?

ひとつはスタートアップそのものを理解すること。もうひとつはIT業界の転職支援に関する理解が難しかったですね。

スタートアップと大手企業、本質的な違いはどこにあるのか。たとえば新規事業ひとつとっても大手とスタートアップでは進め方もリソースも違います。知名度も人も資金もある状態での立ち上げと、そうじゃない状態ではどう違うか。言葉にするのは簡単だけど、それによって働き方だけでなく生き方やマインドまでどう違ってくるか本質でつかめないと、スタートアップにチャレンジするご支援なんてできません。

もうひとつのIT業界への理解ですが、それまで主に担当していた製造業はビジネスモデルがシンプルで分かりやすいが、、IT領域やスタートアップではいろんなマネタイズの方法があります。そこへの理解や解釈も足りていませんでした。

人材業界経験者がいちばん働きたくなる会社

ー蛯原さんが今後チャレンジしていきたいことはなんでしょうか?

キャリアコンサルティングという仕事の価値を上げて、なりたい職業ランキングの上位に入るようにしたいんです。そのためには売上ベースでのご支援ではなくて、本当に候補者のことを考えたキャリアデザインからはじめる。そういう仕事が評価され、業界のスタンダードになれば、きっと憧れの職業になると思うんです。

もうひとつはProfessional Studioを次のフェーズに進めるための組織づくりです。

これまで以上にコミュニケーションの質と量を上げて、価値観のすり合わせをさらに発展させる。それぞれの強みを持ったベテランが揃っているので、しっかりと人が育っていく環境をつくりたいですね。


ー心理的安全性の担保なども重要ですよね

言いたいことが言いあえる組織ってとても健全ですよね。そのためには仕組みづくりも必要ですが、メンバー一人ひとりとの関係を密にすることが何より大事ではないかと考えています。まずは自分なりにいろんなアプローチを試していくつもりです。

ー二番目社員からするとメンバーの増加は環境の変化を意味するんですね。これからも採用には力を入れていくと思いますが、どんな人を求めていますか?

率直にいって“いいヤツ”ですね。そして問題意識を持っている人。自分のキャリアについてでもいいし、世の中全体に関することでもいい。Professional Studioは問題を解きにいくのがモチベーションという人にとって最適な場所だと思うんです。


ーとはいえ最初から問題意識の塊、という方はそんなにはいないかもしれません

これだという問題意識を現時点で持っていなくても「自分のやっていることが世の中とどう繋がっているのかを想像、意識しながら働ける」と言い換えられるでしょう。つまり目の前の仕事を作業としてこなすだけの人にはあわないと断言できますね。


ー人材業界経験者で問題意識を持っている人には最適かもしれませんね

この道を選ぶ人ってみんな、誰かの役に立ちたいという思いを持って業界に入ってくるんですよね。でもそういう人がお金のためにとか、評価のためにとか、どんどん力点が変わっていってしまう。会社からの評価や給与が従業員に大きく影響を及ぼすのでやむを得ないのかもしれません。

だからこそ私たちはそれを変えたいと本気で思っています。

さきほどキャリアコンサルタントを憧れの職業にしたいと言いましたが、実はもうひとつ目標があるんです。それはProfessional Studioをキャリアコンサルタントにとっていちばん働きたいと思える会社にすること。

きっとその日が来ると信じて、一歩いっぽ、着実に実績を重ねていきます。


ー本日はありがとうございました!


■PROFILE

蛯原 脩太/Manager

大学卒業後、製造業向けの人材派遣会社、外国人特化の採用支援企業を経て、2013年よりJACリクルートメントにて製造業向けの経営幹部層をメインとした採用支援に従事し、20名弱のマネジメントを経験し、全社表彰などを複数獲得。2022年1月より弊社へ参画。


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