事業家を目指す新卒学生を対象に、少人数セミナーが開催されました。
本レポートでは、新卒からラクスル株式会社でキャリアを重ね、現在は事業責任者を務める木下 治紀氏が登壇し、事業統括するまでの具体的なキャリアパスや、若手から裁量権を持って成長するために必要なマインドセットについて解説します。
なぜラクスルは若くしてCxOレベルの事業家人材を輩出できるのか。事業家としてのキャリア形成の具体的なイメージと、成長の核心を掴むための情報を提供します。
登壇者プロフィール
ラクスル株式会社執行役員
Marketing & Business Supply統括部 統括部長
木下 治紀
Kinoshita Haruki
東京工業大学大学院電子物理工学卒業。2016年ラクスル株式会社に入社。強大かつ複雑なリアル産業を舞台に、テクノロジーで産業の在り方自体をアップデートする挑戦にBET。印刷事業での事業開発を担当後、ダンボールワン株式会社(2023年8月、ラクスル株式会社に吸収合併)へ出向し取締役COOとしてPMIに成功。現在はラクスル株式会社にて執行役員として屋台骨事業を統括。
新卒から執行役員へ。事業家への挑戦とキャリアの軌跡
── 木下さんのキャリアについて教えてください。
2016年に新卒で入社し、今年で10年目になります。入社当時は「経営幹部を作っていく」というコンセプトで新卒採用が行われており、私もその目的で採用されたため、様々なことに挑戦させてもらいました。
キャリアのスタートは、経営人材になるため「様々なファンクションを経験する」という方針から、まずはお客様の声を聞くためカスタマーサポート(オペレーション)から始まりました。その後、EC事業の商品開発を本格的に担当する事業開発に移り、入社4年目頃にはダイレクトマーケティング事業部の事業責任者になりました。
入社6年目には、M&Aでグループジョインしたダンボールワン株式会社の経営に取締役COOとして参画しました。この時は、30億円だった会社を100億円に成長させるという挑戦を経験しました。現在はラクスル本体に戻り、執行役員として屋台骨事業を統括しています。
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ラクスルが事業家を生み出す理由
── ラクスルはどのようなサービスを展開している会社ですか?
「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンを掲げ、BtoB領域を中心に多様なサービスを展開しています。ベンチマークとしているのは、Amazonや楽天といったプラットフォーム企業です。彼らがBtoC領域で成長を遂げてきたように、私達はBtoB領域でお客様の経営課題をワンストップで解決できる「BtoBプラットフォーム」となることを目指しています。
※2025年3月時点のサービス図
── これまでどんな事業を展開してきたのでしょうか?
これまでデジタル化が進んでいない伝統的な業界にインターネットを持ち込み、産業構造の変革に取り組んできました。祖業である印刷・集客支援のプラットフォーム「ラクスル」をはじめ、マーケティングのプラットフォーム「ノバセル」、物流のプラットフォーム「ハコベル」、ITデバイスとSaaS統合管理サービスの「ジョーシス」など内製での事業立ち上げと連続的なM&Aによって、事業と顧客の領域を拡張させながら、独自の強みを有するポートフォリオカンパニーへと成長しています。
私たちが挑戦する舞台は、市場規模が巨大でありながら、長年の構造的な非効率性を抱える産業です。この産業をテクノロジーの力でアップデートする挑戦は、社会に大きなインパクトを与え、結果として会社の成長と社員の成長機会を最大化しています。
── 事業家を輩出しているのにはどんな背景があるのでしょう?
事業ポートフォリオを広げるためM&Aも積極的に行っており、年に数社をグループに迎え入れています。現在、グループ全体では30以上の事業が存在し、それぞれの事業に事業責任者や経営者がいます。
これにより、グループ内で事業責任者のポストや、M&A先企業の経営層といった「打席」が圧倒的に多く存在しているのが当社の最大の特徴です。この多角的な事業展開こそが、若手社員にも早期に、事業のトップとして経営を担う機会を豊富に提供する環境を生み出しています。
事業家というキャリアを掴むには?
── ラクスルの「事業家(BizDev)」とはどのような役割を担うのでしょうか?
事業家とは、特定の職能(ファンクション)のスペシャリストではなく、事業全体や会社そのものに責任を持つ「ジェネラリスト」です。その役割は、事業を「創る」・「伸ばす」・「磨く」の全てに及びます。
共通しているミッションは、「非連続な事業価値」を創ること、つまり会社の時価総額を上げていけるような価値のある事業にしていくことに一元的に責任を持つことです。そのためには「何でもやります」という強い当事者意識と全責任を負う覚悟が不可欠です。
事業家としての価値は、自分が生み出す事業価値に等しく、評価は「結果」のみです。
ここでいう結果とは、「事業を作った」「事業を伸ばした」「事業を磨いた」という具体的な事業インパクトになります。
懸命に努力し、緻密な資料作成や長時間労働を行ったとしても、それが最終的な事業価値の向上に直結していなければ、事業家としての真の成果とは認められない。この厳しさが、プロフェッショナルとしての成長を促します。事業のP/L(損益計算書)全体に対するオーナーシップを持ち、その成功と失敗の全てを自分ごととして背負う存在、それがラクスルにおける事業家です。
── 具体的にどのような仕事をするのですか?
事業家が担う仕事は、まさに戦略の策定から実行まで一気通貫しています。具体的には、市場の非効率を特定し、それを解決する新規事業の構想・立ち上げや、M&A後のPMI(経営統合)推進、大規模なマーケティング投資戦略の立案・実行、営業組織の構築など多岐にわたります。
しかし、最も重要な仕事は、事業を次のフェーズへと確実に進めるための「仕組み」と「人」を作ることです。
これは、単にタスクを振るというマネジメントではありません。事業のオーナーシップを誰よりも強く持ち、事業戦略の実現に必要なリソースとケイパビリティ(組織能力)をゼロから設計し、構築していく役割です。具体的には、
- 仕組みの構築: 事業モデルの再現性を高めるためのサプライチェーンの最適化、オペレーションの標準化、KPI設計とデータ分析基盤の構築など、「誰がやっても成果が出せる」状態にするためのインフラを創ります。
- 人のアサインと牽引:事業目標を達成するために必要なスキルを持つエンジニア、デザイナー、マーケター、営業、人事といった多様なファンクションのスペシャリストたちを特定し、巻き込みます。そして、彼らが共通の目標に向かって最大限の力を発揮できるチームを組織し、牽引していくリーダーシップを発揮します。
事業家は、自ら手を動かすプレイヤーであると同時に、多様な才能を結集させ、彼らが最大限の力を発揮できる「場」を作り出す、事業成長の「司令塔」としての役割を担うのです。
事業責任者のポスト多数。機会の打席を踏む「成長スパイラル」
── ラクスルでは、若手社員がどれほどの裁量を持って業務に取り組めるのでしょうか?
ラクスルでは、私だけに限らず、新卒で入社した社員が非常に早い段階から事業を牽引する重要なポジションに就くケースが数多く見られます。実際、新卒数年目で事業責任者やM&A後のPMIを担うポジションに就いている事例が複数存在します。
これは、会社の急成長に合わせて次々と新しい事業やプロジェクトが生まれており、そこで若手にも大きな裁量権と責任が任されるからです。年功序列ではなく、個々の能力と意欲を正当に評価する文化が根付いているため、経験年数に関わらず誰もが挑戦できるチャンスがあります。
当社の大きな特徴は、会社の成長が個人のキャリアアップと密接に連動している点にあります。事業の拡大に伴って、若手社員は自身の役割を自然と広げていきます。会社全体がダイナミックに変化しているからこそ、一人ひとりが自律的にキャリアを築き、大きな裁量権を持って活躍できる環境があります。
成長するための環境とマインドセット
── 事業家として成長するために、どのような環境やマインドセットが重要でしょうか?
成長を加速させ、事業家としての能力を身につけるためには、大きく分けて2つの重要なドライバーが必要だと考えています。
1つ目は、「機会が得られる環境」を選ぶことです。個人の成長は、挑戦できる機会の数と深さに比例して加速するものです。ラクスルのように、新規事業の立ち上げ、M&A後の経営統合(PMI)、既存事業の急成長など、ダイナミックな課題が山積みの環境では、「やるべきこと」が尽きることがありません。こうした環境に飛び込み、自ら機会を見つけ、手を挙げて掴み取ることが、自らのスキルと経験を飛躍的に高める第一歩となります。
2つ目は、その環境で成果を出すための「心構え(スタンス)」です。最も大切なのは、自分のキャリアや成長ばかり考える人は結局成長しないという事実です。まずは会社やチームが掲げる目標に徹底的にコミットする姿勢が不可欠です。目の前の事業価値をどうすれば最大化できるかという純粋な事業成功への視点で考え抜き、行動し続けることが重要です。
事業を「自分ごと化」し、全責任を背負うほどの当事者意識を持つことが、事業家としての土台を築きます。この徹底したコミットメントが周囲からの信頼を生み、結果として、より重要で難易度の高い仕事が自分に回ってくる「成長サイクル」につながるのです。
また、成長とは、挑戦の試行回数を増やし、成功確率を高めていくプロセスです。失敗を恐れるのではなく、そこから徹底的に反省し、次に活かすための仮説検証力が求められます。
── 就職活動で悩んでいる学生へのアドバイスは?
就職活動で悩む皆さんには、2つのことをお勧めします。
まず、自分の中にある「仮説」を検証することです。漠然とした理想ではなく、「自分は成長スピードが速い環境で、裁量権を持って働きたい。そのためには、若手にも大きな権限が与えられる風土を持った会社が良いのではないか」といった具体的な仮説を立ててみてください。そして、その仮説が正しいかどうかを、面接やカジュアル面談で社員に直接質問をぶつけ、徹底的に確認していくのです。
次に重要なのは、「人に頼ること」です。入社したばかりの頃は、できないことがあって当然です。完璧を目指すのではなく、まずは「成果を出す」ことに集中し、そのためには先輩や上司に積極的に頼ることが大切です。自分で調べた上で「ここまで考えましたが、この部分が分かりません」と具体的に質問する姿勢が重要です。分からないことを素直に頼れる能力は、企業に入ってからも成果を出す上で非常に大切なスキルとなります。
決して楽ではない挑戦。だからこそ得られる「圧倒的な成長」
──最後に学生へメッセージをお願いします。
私たちが求めているのは、誰よりも当事者意識を持って事業を「自分ごと化」できる人です。
「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンを共に実現するためには、「価値」に向き合い「コト」を為した轍が「キャリア」となる、この成長サイクルを自ら回せる人材が必要です。
その道のりは決して楽ではありませんが、ラクスルには若手でも事業や会社の成長を牽引する重要な役割を担える、豊富な機会が用意されています。大きな達成感と圧倒的な成長を、ラクスルで掴んでみませんか?
私たちは、挑戦し、共に「仕組み」を変えてくれる仲間を求めています。
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